ザ・レポート(41)
今まで石川がかかわってきた全ての活動、つまり「ソロ」「パスカルズ」「ホルモン鉄道」等のライブ、CD、ビデオ、またテレビ、ラジオなどのマスメディア、演劇、書籍、ニヒル牛、コレクション、すごろく旅行、このホームページ、その他とにかく俺がかかわってきたありとあらゆる表現活動の感想、評論、思い出等を募集します。
既に何かに発表したもの(ミニコミ、ミクシィ日記、ホームページ、掲示板等)の再録も自分で書いたものであれば0Kです。批判やお叱りももちろん構いません。他の人のプライバシーの侵害や、特殊なケースを除き、基本的に全て採用します。何についてのいつのもののコメントかをなるべく分かりやすくして、メールにて題名「レポート」でお願いします。おおよそ10行程度まで5ポイント、それ以上は10ポイントです。裏話等や本人のそれに対する意見や感想なども付けていくつもりなので、気軽に応募して下さいな〜っ。
例えば俺本人も知らない「こんなとこに載っていた」情報及びその感想とか「すごろく旅行を実際やってみた思い出」など俺にインスパイアされたものでもOKですよ〜ん。
ニヒル牛石川あるの紹介日誌ディープ
今日は、石川あるさんが2010年の4月から2016年6月まで書いていたブログ「ニヒル牛石川あるの紹介日誌ディープ」のレポートを書きたいと思います。
ニヒル牛の作品の紹介などを書かれた「紹介日誌」は今も頻繁に更新されていて、私もいつも読ませて頂いていますが、こちらの「ディープ」の方は、その名の通りもっとディープな内容で、あるさんの日常の事などが書かれています。
これがまた、ものすごく面白くて、私は一番最初の記事から最後の記事まで、少しずつ全部読んでしまいました。
石川あるさんの事をまだよく知らない時、あるさんの文章をちょっとだけ読むと、割と乱暴な言葉を使っていたりするので、「あるさんは恐妻家みたいな感じの怖い女性なんだわ!」と思いました。
しかしそれは間違いでした。あるさんの事を知れば知る程、あるさんは乙女で、ロマンチストで、優しくて、涙もろくて、感激屋さんで、とても瑞々しい心の持ち主だという事がわかりました。
しかも文才豊かで笑いのセンスも抜群ときています。
そんな女性が書く日常のブログが面白くないはずがありません!
まず、あるさんは飾りが無くてとても素直です。
みたらし団子のタレのついたビニールを残しておいてペロペロ舐めたり、あんみつの黒蜜をちゅうちゅう吸うのが好きな事だって、包み隠さず面白おかしく語ってくれます。(2012年1月16日の記事)
映画「キック・アス」のヒットガールというキャラクターに感激して、ヒットガール人形をネットで買ったりします。
しかし届いてみると、そのお人形が着けているマスクが人形の顔に色うつりしている!交換してもらったのに、届いた人形がまた色うつりしている!!というエピソードも面白かったです。(2012年11月21日と、12月2日の記事)
あるさんは、素敵なふわふわと空を飛ぶ妖精のお人形だって買いました。
でも飛ばしてみると、結構な勢いで飛んでバッシャーーンと天井にぶつかって墜落してしまいます。(2014年7月21日の記事)
新しいガステーブルとガスホースを買って来て、付け替えようとした時、新しいホースはサイズが違うものだったせいで、ガスが使えなくなってお風呂にも入れず、楽しみにしていたホットケーキ屋さんへ行く予定もキャンセルせざるを得ない事態に。(2012年3月13日の記事)
このように様々な不運があるさんを襲いますが、あるさんは持ち前の明るさで全て笑い話に変え突き進んでいきます。
あるさんは、食いしん坊で、少しおっちょこちょいで、明るいだけではありません。
異国でスコールが降った時、「あ、うれしいな」と反射的に思うような、とても繊細で豊かな感性を持っているのです。
雨の降る異国の街を見るのがいつも好きだ。と言っておられるように、あるさんはいつも「景色」に心打たれています。(2012年6月4日の記事)
私はあるさんの、こういう乙女の感性がとても好きです。読んでる私も、あるさんと同じように、見ても無い景色を感じて感動してしまいます。
あるさんは、東日本大震災の原発事故について、大変心を痛めています。
2012年6月19日の「あさましい」という記事はとても心に残りました。
本屋さんで、完全に腰の曲がったお婆ちゃんが「震度7を生きる」という本と、放射能についての本を買い、擦り切れたがま口を布のカバンにしまう姿を見たあるさんは、その人への愛しさで胸が詰まりそうになってボロボロと涙を流します。
「・・まだ、戦う気なのか。
生きる気なのか。
なんて、あさましい。」
と。
「生きたい」も「死にたい」も、同じわがままだ。だから死にたい人も安心して、気の済むまで生きたらいいのにと思う。とあるさんは言います。
子供も老人もみんな、何もかも変わってしまった世界の中で、あさましくあがき続けるしかない。
と。
この「あさましい」という言葉の使い方が、凄いと思いました。
その「あさましさ」が、あるさんには、とても愛おしいのです。
あるさんは、本当に人間を愛しているのです。深い愛を持っているのです。
原発事故によって人生が変わってしまった人々のやり場のない悲しみや怒りや不安、戦いなどが、その感受性豊かなあるさんの心に、割れたガラスみたいにグサグサと突き刺さって来てしまうのだと思います。
あるさんの、人間への愛情は、遠くで見守っているお母さんの愛ような、全て包み込むような、懐の深い、強い、床暖房のような、そんな愛だなと思いました。
そんな愛情あふれる魅力的なあるさんですが、ブログに登場する周りの人々も魅力のある面白い人ばかりなのです。ニヒル牛のお客さんも、作家さん達も、家族も、見知らぬ人さえも。
やはりそれは、あるさんが人間の面白い所、魅力的な所を見付ける能力に長けているからなのでしょう。人間の描写がとても面白いです。
このレポートを書く為に、ざっと読み返していたら、2013年8月26日の記事には、なんとあの、ますちゃんさんも登場しているではありませんか!
面白くてセクシーでフランス在住「オシャレなフランスうんこ女子」のますちゃんさん!(王様の耳はロボの耳 話題286「ウンコ自慢。」参照)
ああっ!ますちゃんさんだ!と、嬉しく思いました。
あるさんは、旅も大好きで、旅行記もたくさん出てきます。
石川さんと2人で行く旅は、いつも事前に、行きたいマニアックな場所を調べてから、ものすごい苦労をしてでも、その目的地に辿り着きます。
韓国の金海という所にあるそうめんを食べに行く記事が好きです。(2012年5月19日の記事)
石川さんは地理おたくで、地理が頭の中に入っているそうで、ここを曲がったらあそこへ出る、などが大体解るそうですが、これは私の夫もそうです。迷っても、大体脱出できるのです。私は地図が読めないタイプで方向音痴なので、とても不思議で羨ましい能力です。
旅行記事には「妖艶ホリデー」の撮影秘話なども載ってるし、普段の石川さんの言動なども窺えて、とても楽しいです。
2011年3月7日の記事、石川さんが2月の丸々1カ月をチェンマイで過ごしてる間、あるさんはのんびりと自由な暮らしを満喫します。
1カ月振りに帰って来た石川さんを、あるさんはニコニコと温かく迎えようとします。しかし帰って来て早速手のかかる石川さんに、「だんなという生き物がどんなだったか、3分で思い出させてもらった」と言っています。
2012年7月9日の記事では、痛風になった石川さんに全く同情せず、無慈悲なあるさんの様子が記されています。でもこれは、妻という立場からすると「分かるー!」という感じでした。
他には、あるさんのお姉さんと、おかやん(母)さんと3人で信州旅行で草鍋を食べに行くお話が特に面白かったです。(2013年6月17日の記事)
結局お目当ての草鍋は、この時は時季外れだったようで食べられなかったので、あるさん達は、2014年に草鍋に再挑戦します。
しかし憧れの草鍋は、予想をはるかに上回る草の量で、3人は完敗します。(2014年4月15日と29日の記事)
私のお気に入りのエピソードは、2014年6月24日の記事です。
20年ほど昔、石川さんに連れて行ってもらった素敵なクラシック喫茶店でのお話です。
古いオルゴール式のロマンチックなメニューを渡してくれた、とても上品なお婆さま。しかしそのお婆さまは突然豹変して、店の外に飛び出し、店頭に落ちてたビニール袋みたいなのをガンガン蹴りながら「この腐れオ◯コ!!腐れオ◯コめ!!」と叫び始めた、というエピソードでした。
素敵なクラシック喫茶店のロマンチックな空間で起きた奇妙な出来事。あっけにとられる石川さん夫婦と乙女おじさんの様子がありありと目に浮かぶようで、とてもおかしかったです。
さてさて、そんな面白いエピソードが満載なあるさんのブログですが、どの記事が一番面白かったか?と問われたら、私は2015年2月16日の記事を選びます!
そのタイトルは「犬とカラスとエイリアンと」。
友達がチェンマイで犬に追われたという事で、あるさんは犬に追われない方法を語ってくれます。野良犬に出会ったら「無関心」を装うのが一番という事で、ほうほう、なるほど〜と読み進めます。
次にあるさんは、カラスとの戦い方も伝授してくれます。
カラスは犬とは逆で、ギラギラとした闘争心を見せ付ける事が大事なのだそうです。カラスが襲ってきたら、力いっぱい殴り返す覚悟を持ってなくてはいけないそうです。
あるさんは強いなぁ。
でもそんなあるさんも、ハエは何考えてんだか分かんなくて、怖いという事です。
犬、カラス、ハエと来て、次はなんと、対エイリアン戦についてまで教えて下さいます。
エイリアンには、息をとめるしか方法はないんだそうです。エイリアンを倒すのは無理なので、呼吸をとめて逃げ延びる事が唯一の方法なのだと。
そして最後に、対ゾンビ戦。
ゾンビには「私は洗剤をかけるのがいいと思う」との事。
いや〜〜、あるさん、面白いですね。なぜゾンビには洗剤がいいのでしょうか。
そんな感じで、うまくまとめられませんが、「ニヒル牛石川あるの紹介日誌ディープ」は、とても面白いブログです。あるさんは、本当に素敵な女性です。
男っぽいようで乙女チック、おおらかなようで繊細。そして振り幅が広い、とでもいうのでしょうか、受け入れる心が広い、器が大きい、そんなあるさんだと思います。
読む本、観る映画なども、少女漫画からグロテスクなものや渋い時代劇など、本当に色んなジャンルの物を楽しんでいらっしゃる。
あるさんは、とても幸せそうな女性なのです。日常がとても楽しそう。美味しい物を食べ、本や映画を楽しみ、雨や風、季節を感じてうっとりし、旅に出、ニヒル牛でたくさんの素敵な人と係わる。とても活き活きとした女性だと思いました。幸せで瑞々しい感性を持った女性。とても魅力的だと思うのです。
願わくは、また紹介日誌ディープを更新して頂きたいです。もっとあるさんの長文を読みたいです。
ニヒル牛マガジンは、今はほとんど更新されていないようですが、本当に面白いコンテンツがいっぱいですね。
「妖艶ホリデー」は言わずもがな、「大谷氏からのFAX」、「今週のリーベ」も面白いです。
あとは、大竹サラさんのブログや、エーツー2コさんの朦朧見聞録も好きです。
私は、女性の瑞々しい感性で書く、生命力に溢れる感じの、長文の日常ブログが大好きです。(マドレーヌ婦人)
(本人より)うちの妻、面白いでしょ?
お互い相手に求める最大のものが、容姿でも収入でもなく面白いことだからねー。
ちなみに紹介日誌ディープは休業状態だけど、毎年ニヒル牛でゴールデンウイークあたりに行われる「旅の本展」では、妻は毎回長文の旅行記を出してるよ。
いつも完売になっちゃうので、その時以外はまず買えないけど。
その時期なら通販もやってるので、地方の方もお見知り置きを。
かもめの本棚「石川浩司の缶コレランニング」 2017.11.30〜2017.12.23
さて今回はコラム第2回目とその後の今週の缶コレを4週分チェックしましょう!
えー早速ですが前回「石川さんも見つけた缶ドリンクに未知なる味覚を期待してる面もあるはず!」なんて書いてしまってたの、後悔しました(泣笑)。おいしさに関してはルートビアーが一等なので他のもので何が美味しかったか? はぶっちゃけ興味はないとのこと・・・ ファイブクエスチョンでこの手の質問やたらとしてしまった気がするなぁ・・・ 申し訳ありません(笑)。たしかに余程のシロモノでないとマズくって無理、というものには出くわしませんからね。でもまぁ私はその中でもこれまでになかった美味しさやこの組み合わせは新鮮! とかあ〜オーソドックスだけどめっちゃ好みの味! というものにたまに出くわすことがあるのでジュース飲みをやめられないのですが。
しっかしこのルートビアーも好き嫌いがめっちゃ分かれますね! 独特の湿布の匂いと薬っぽい味。でも私はちゃあんと美味しいと思うんですが・・・ 那覇空港のハンバーガー屋さんA&Wではもちろんおかわりしました。たま友のファンの九州組のおふたり(某Dさん & Jさん)もイケる口だったのですが、やはりたまファンは一般的な音楽ファンと感性が異なるようで(笑)私はより仲間意識を強めた記憶があります。
このルートビアーに似たような反応が返ってくるのがメッコール! 今はもはや自販機で姿を見ることはなくなりましたが、麦茶とコーラを混ぜたような独特の味わい。私の周りでは弟2人、友人K山、部活の後輩S地くん、そして私本人以外で好んで飲むものを知りません。ほぼ全員口を付けた瞬間に吐き出してしまうという恐ろしい飲料です。ちなみに私にはなにがまずいのかさっぱりわかりません(笑)。某団体の資金源らしいので、余程のことが無い限りもう買いませんが。
また私がマズくて最後まで飲めなかったものは某メーカーのほうじ茶ラテとペットボトル版のチェ〇オ「ブレインパワー」。後者はシトラスヨーグルトの後ろに栄養成分DHAに起因すると思われる魚臭さが紛れており、ブレインが爆裂しそうな感覚をおぼえたので途中でやめました。恐ろしい。
さて缶の分類の仕方に困っている石川さん、そんななか出くわすこれ、何じゃい??? と思わせるパッケージ。街角で遭遇するとドキドキしますね、えっこれ飲んで大丈夫!? って。私は前述のメッコールやラムタイガーのときにいささかニュアンスは違いますがそれを憶えました。バンブー・・・・・・ 一体どんな由来で?? ふつうにおいしそうで私飲んでみたいんですけど・・・ 脈絡がなさすぎて逆に爽快です。
チェリオ宮・・・ たしかに神社を思わせるようなデザインにも見えます。むしろ「チェリオ蔵」や「チェリオ本」も単体で入手したら宮以上にわけがわからなかったのでは(笑)? でもほんとに、ネットで情報を得られない時代からはじめたからこその楽しみですよね! 私がカーナヴィを購入しないのも敢えて情報を得ずに進むことのおもしろさ、というものを求めているからなのかもしれません。ね、不便の方が便利よりだいぶいい、って有名アーティストも仰ってましたからね(笑)!
さぁ「今週の缶コレ」、2017年を最後までぶっちぎってみましょう!
No.22〜26、ぐゎあ私ラムネ大好きなのにひとっつも飲んだことないわ! まぁまず味に大差は無いんですが(笑)基本的に「サイダー」と呼ばれるものと比べて炭酸が細かくて酸味と甘味のバランスが若干甘味寄りな気がします。あくまで個人的な感想です(笑)。ちなみにサントリーさんはラムネとサイダーは単なる容器の違いで中身に差はないって仰ってますけどね。しかしそもそも知らないメーカーだらけだなぁ・・・ サンガリアは地元ですが「ラムカン」は最近の商品っぽいですね、知らない。もひとつ前の世代の「サンガリアラムネ(←直球やんけ)」や「ラムネくん」は愛飲してましたね、後者は自販機で500ml入りで100円だったんだもん。金のないガキには嬉しかった。
No.27〜30、のど飴とペコちゃんは知らないなぁ! 飲んでみたかった! チェルシーとチョコボールドリンクは知ってたけど飲みたいと思えなかった(笑)。あっ、チョコボールドリンクのピーナッツ味の方は飲んだ! あんまりピーナッツ感なかったけど(笑)。このピーナッツ味は2013年に紙パック500mlでも販売されたようですね。
No.31、ルパンのカルピスソーダ! わ〜〜これは中身はともかく缶で持っていたい! ルパン世代には堪らないデザインですね!! えっとあの中身は嫌いなわけではないんです。毎日原液を炭酸水で割って飲んでます(笑)。
No.32、クレヨンしんちゃん!? 外国もの!!? 謎だ。あんな生尻出すようなアニメ、よその国で放送して大丈夫なのか。それはともかくどんな味だかまるで想像できねぇや。ふっつーのすっきりした果汁20%くらいのりんご味とかなのかな。
No.35、え? これぶどうの天然水なの?? ぜんぜん缶から味がイメージできないシリーズ(笑)。同時期にウルトラサイダーも出てましたよね。
No.36〜40は脱力のラインナップ。「〜しソーダ」シリーズは血液型別で味が違うんですね。AB型は「自由気ままソーダ」でバナナソーダだったんですって。珍しいなぁ! ゴマスリーナは美味しかったなぁ、サントリーって挑戦的な商品を大きくCM打って展開するんですがだいたい不発に終わることが多かったイメージがあります(笑)。サントリーさん、ちゃんと売れてたらごめんなさい(笑)。に、ニッポン茶・茶・茶・・・・・・ ペプシの自販機の前で何度腰から崩れ落ちそうになったか・・・ 記憶の開けなくてもいい引き出しが開きました(笑)。
今回も大満足の内容でした! 私のような中身マニアでも追憶できたり味を想像してわくわくしたり、なんと素敵な連載でしょうか(笑)!! 私のテンションおかしい当レポートはともかく、ぜひ皆様もこの連載、覗いてみてくださいね! つづくかも。(オポムチャン)
(寸評)メッコールは俺すら苦手だった。
ルートビア、ガラナ、ドクターペッパー、チェリーコーク、外国のSARSI、すべてこの系統なんだけどな。
もっともルートビアはタイでも昔より需要が減ってるらしく、昔は大きなペットボトルでも売っていたが今は缶だけ。
でもこの手が好きな人はマイノリティだけど一定数はいるんだよね。俺もそのひとり〜。
東京のまちめぐり 2018年4月7日(土)
私は土曜日には時間がフリーになるので、気が向いたら色んな所に行ってます。
この日は阿佐ヶ谷の「Next Sunday」というライブハウスでホルモン鉄道のライブがありました。またこの次の週には大久保の「ひかりのうま」というところで斉藤哲也さんのライブがあります。大久保に行くのも久しぶりだったので、下見がてらにちょっと足を伸ばしました。
東京都心もずいぶんアジア系の人が増えた気がします。ニュースにも疎いので、これが何を意味しているのかはよく分かりませんが・・・
また西荻窪と荻窪の間の線路沿いにいい喫茶店を見つけました。アジアの雑貨店が併設しているお店でジェラートが一押しです。料理も美味しくこれからも行ってみようかと思います。
この日はちょうど同じ阿佐ヶ谷で知久寿焼さんがイベントに参加されていました。なんとストリッパーと共演とのこと。久しぶりに阿佐ヶ谷のLoftに行って偶然お会いしましたが、ロフトはなんだか怪しいお店になってしまっていました。
阿佐ヶ谷のライブは「湿地帯の発表会 vol.8」と銘打たれたツーマンライブ。kon-tikiというバンドとの共演でした。メインマンがスライドギターを使われていた、特徴的なバンドでした。石川さんの「汽車には誰も乗っていない」をカバーされました。また後半はこのバンドに加わって石川さんもパーカッションを合わせたり。石川さんや大谷さんは「kon-tiki(コンティキ)」の「ティ」が上手く言えず苦渋する場面も(笑)ピザの「ピッツァ」もうまく言えないとか・・・
おなじみのホルモン鉄道のライブは、大谷氏の「叔母の財布」に合わせて、なんと石川さんがピアノを弾く場面が!!テキトーにやっているはずなのに、なんだかマッチングしてしまうのが不思議です。後半はバンドとのセッション。やはりスライドギターが音としては特徴的でした。なんだで迫力があり、とても楽しめたセッションでした。石川さんは大谷さんのお孫さんをしきりに話題のネタにされていました。(笑)
ライブが終わって外に出ると知久さんのイベントに行かれていたお客さんが来ていました。ライブをメインのイベントに設えてお出かけするのは楽しいです。これからもいいお店が見つかるといいな☆(Sankaku)
(本人より)ふらっと来てくれたのねー。
kon-tikiと一緒にやったバンド版ホルモン鉄道もまた別の味わいがあったでしょ。
今後も機会があったらいろんな人とコラボしてみたいな。ストリッパーとか・・・。
2018.5.4(金・祝) 滝本晃司 ゲスト・石川浩司 MANDA-LA2
もはや、毎年恒例になる匂いのする、プレミアムライブ。
Gさんと石川さんの独特の相性が心地いい。私にとってのアイドルの揃い踏みです!
滝本さんのソロで前半の始まり。ギターとピアノを交互に独特の歌世界を奏でた。個人的には最近ハマっている「お月さん」をやってほしかったが、あいにくこの日はウクレレを持ってこられなかった。でもピアノで同じくらい好きな「柿の木」をやってくれました。
4月の千葉県・千倉のイベントのエピソードを語られていましたが、滝本さんはコーヒーをたくさん淹れて指にマメができてしまわれたとか・・・
休憩をはさみ石川さんのソロの後、2人でのセッション。おなじみとなった「家族」や「さよならおひさま」、「さよなら〜」は石川さんはこの日のために、リコーダーを自宅の2階で練習されたそうです。奥様からは「小学生みたい」と言われたとか(笑)。
ちょっと挑戦されたのが「夏の前日」「むし」。メンバーが脱退されコーラスも変わって、さらに石川さんのパーカッションセットも変わり、演奏も変化されたのこと。また2人のダブルボーカルで「あつまれ」石川さんはピアノをフリー演奏されました。滝本さんも地味ながら、どん欲に変化を求められている気がします。
アンコールはもはや恒例のサービス曲「かなしいずぼん」「さよなら人類」そして「Girl」、ストレートに楽しめて気分も爽快でした。
今回、滝本さんのお手製のシリアルスティックが物販で販売されました。また、CD「しょぼたま」も若干仕様を変えて再発売。
複数の人数でやるライブはやっぱり盛り上がります。
憧れのミュージシャンといつも身近な兄貴。正直今年もやるのはどうかなと、少々疑っていたけれどとっても楽しめた一夜でした!この2人、本当にスペシャルな組み合わせです!!(Sankaku)
(本人より)パーカッションはGさんの知らないソロ曲をやる方が楽。その場の流れで叩けばいいから。
たま時代の曲はアレンジが結構カチッと決まっていて、尚且つパーカッションが当時たまで叩いていたものと現在のは違うのでなかなか大変。例えばスネアの代わりにタンバリンを叩いたりしてるがたまのアレンジでスネアとタンバリンを交互に叩くものなど咄嗟に工夫して何かに置き換えねばならないからね。
「さよならおひさま」も前日結構自宅でピーピー思い出しながら練習したね。
「かなしいずぼん」「さよなら人類」「Girl」などはすべて当日になって曲目を伝えられたので「かなしいずぼん」のセリフなども焦って考えたな。
でもこれ、年一回くらいなら今後もやりたいな。独特の緊張感が楽しかった。
三度目のニヒル牛
三度目のニヒル牛へ。
その日は大学から国会図書館、国会議事堂(衆議院見学)へと所要が続きました。おおっなんてことだ、国会図書館、国会議事堂とニヒル牛は同格になってしまったぞ!
荻窪駅から徒歩でニヒル牛へ。ニヒル牛へ行く場合、ほとんどの方は西荻窪から歩いて訪れると思いますが、実は荻窪駅から歩いてもそんなに時間は変わらないのです。メトロの乗り放題切符を使用した場合、荻窪から歩いて行った方が経済的です。JR都区内乗り放題切符では西荻窪まで含まれるもののメトロ乗り放題は荻窪駅までなんで。
駅からてけてけと「係争物件」と張り紙の貼ってある意味深なビルを横目で見ながら歩いていきます。
途中雨が降ってきました。またたたたたたたたたたたたああああああああああ雨だあ。どうしていつもニヒル牛へ行くと決まって雨が降ってくるのだ! 西荻窪の神様が結界を貼っているんじゃないか。三回行ったうち三回とも雨でっせ。俺何か悪いことしたかあ・・・苦笑
今回もRさんはおらず、残念。中には、若い女性の店員さんとそのお友達が。一応若いと言っておきますボソボソ。店中で品を見ていると入れ代わり立ち代わり人がってきます。みんな知り合いらしくなんか女子会の会場のよう。私が滞在したとき男子はひとりも見ませんでした。お店とかやはり活気がある方がいいですね。観光地もにぎわっている方が楽しいけど。
中では「旅の本」展をちょうど開催。文章をみんな横書きで書かれていますね。
石川さんコーナーを探しましたが、CDしかありません。んー石川さん作の小物は無いのかな。
次回こそ晴れますようにっ。(わいわい)
(本人より)地図で確認したけどお店はやっぱり荻窪だと西荻駅からの倍以上距離があるよ。西荻からだと男の普通の足で5分ジャストで着く。駅前から線路沿いに最初の信号のところだからね。
あと妻は基本的に水木が休みで金〜火の週五日は店番してるから水木に行くことが多いのかな?
俺の箱は気まぐれに作品置くこともあるけど数が少ないので数日で売れて無くなっちゃうことが多いんだよねー。
雨も特に多いわけではもちろん無い。
いろんなタイミングを合わせてまたチャレンジしてくんろー。
Webマガジン・かもめの本棚 連載 「石川浩司の缶コレランニング」 2017.10.26〜11.25
私はドリンクが大好きです。
街で自動販売機を見ればスススッと近寄り、異様なドリンクが販売されていないか確認し、味が想像できないもの、なければたぶんこんな感じで美味しいやつだ! というものをチャリコンチャリコンと小銭を投入し購入、にこにこその場で飲み干すのです。げふっ。あーおいしかった。青空を見上げて独り爽やかに微笑む炭酸飲料の空き容器を持った40のおっさんを、道往く人々が怪訝そうに一瞥したのち足早に去ってゆきます。ほんで大阪ではマナーの悪いやつが多いせいか自販機の近くに缶・ペット用ゴミ箱を置いてないところが増えましたねぇ。たぶん家庭用の別のゴミを捨ててくあほが居るんでしょう。
閑話休題、しかし私は中身に興味があるのであって、容器である缶・ビン・ペットボトルにはさしたる興味がありません。よって飲むものも紙パックであろうがチューブであろうがこだわりはなく、未知なる味覚を求め続けるいんりゃー/飲料er、とでも申しましょうか。またお酒もほぼ下戸なので、ほとんどジュースな味のあまぁいカクテル系のもの以外は食指が動かないのです。
しかしここまで石川さんと飲料に対するスタンスは違えど、見つけた缶ドリンクに未知なる味覚を期待している面は石川さんにもきっとあるはず。そんな勝手にとってもシンパシーを感じる石川さんの缶ドリンクコレクションの連載が始まると聞いて、私はワクワクしました。
しかし! 嫁はんぼうずが眠ってからが勝負の限られたパソコン閲覧可能時間、それは投稿時間と各種興味趣味の検索閲覧時間と手淫時間に割り振られ、一日おおむね22時〜翌2時の4時間。最近すっかり筆が遅くなっちゃって投稿文作成に2時間3時間かかっちゃうもんだから自然と各種興味趣味の検索閲覧時間は削られてしまうことが多いのです。手淫時間は削れないからね。日課やさかいね。やかましいわ。
つまり何が言いたいかというと、こんな面白そうなWeb連載見てたらあっという間に時間が過ぎてしまう。つまり投稿や手淫(もうええっちゅうねん)に支障がでてしまう。それを怖れた私は永らく興味津々ながら「缶コレランニング」には触れてこなかったのです。が、こんなに面白いのにまだレポートが出ていなかったので(見逃してたらごめんなさい)、折角のボーナス月だからレポートしてこましたろ、と思ったのです。前置き、どんだけ長いねん。
記念すべき第一回は収集のきっかけとなった「カケフオレンジドリンク」。私の子供の頃は(私的には)メジャーもメジャーだった品です。掛布選手がニコニコしながら『(掛布選手)彼女にフラれてさよ奈良県、デッドボールで大分県、ジョインジュースは和歌山県! “(爽やかな声の歌手)♪ジョイン、オレンジジューースっ! ※ニ長調・コード進行:Em A Dsus4 D”』なんてなCMに出ていらしたので、鮮明に記憶に残っています。小学校の運動会では三角のテトラパックで登場しましたね。100%果汁で濃くっておいしかった記憶があります。そちらはジョインのブランド名こそあれど掛布さんの絵は入ってませんでした(笑)。
そして中編の掟、これがストイックで素敵。中身が我が身となったもののみ我が子と見做し連れ帰る。かっこいいじゃありませんか。アレッ皆さん、わ、私と同じ気持ちですよね? 大丈夫ですよね?? ま、まあいいや、続けます。ほれほれこの缶の海をご覧なさい! 一見するだにどんな味なんだろう!? ってワクワクしてきますよね! マウンテンデュー・オーロラ、ウォークマン、ティラミス、目玉の親父やまるちゃんが書かれたものも・・・! ただまぁここにはおそらく載っていませんが、さすがに犬用ミルクやアスパラジュースなどの強敵は戦える自信がありません(笑)。それをも我が身に取り込んだ石川さんに感服&感動。
そしてココ大事、“出来るだけ自分の足で探す”。おせっかいな私はついつい珍しい缶飲料を見つけると石川さんに中身ごとあげたくなっちゃうのですが、TV等でこのことをおっしゃっているのを何度か見たので心を鬼にして飲み干し缶をポイします(笑)。
地方で見つけるヘンなメーカー(失礼)のドリンクはいまや貴重! 私の実家の近所にはタイガー、というメーカーの販売機がかつてあり、「長生き茶」「ラムタイガー」などの商品を扱っていましたが知らぬ間に姿を消し、永らくその自販機を見ていません。ネットを見る限りでは今も元気に営業なさっているようですが競争の激しい大阪、諸行が無常です。
石川さんの願望する空き缶博物館は私にとっても夢の施設。懐かしみたい、爆笑したい、呆れ返り虚無的な表情を浮かべたい。この連載が本になってどっかのお金持ちの変人の目に留まって、実現したらいいなぁ・・・(遠い目)。
さてここからは「今週の缶コレ」を次のコラムが始まるまでの4週分見ていきましょう!
No.1、掛布オレンジドリンク。実はCMは見たことあるけどこの缶で飲んだ記憶はおぼろげ(笑)。テトラパックのほうが印象深い。
No.2、No.4は甘ったるそう! でも飲んでみたい! No.6なんてスイカ果汁30%ですよ!? 超トキメキませんか!!? ・・・えっ? テンションおかしい? 大丈夫、私はいつだって変です。
No.7、アイスクリームソーダ! これめっちゃ好きでした! 甘ったるぅい後味がしばらく残るの。あんまりアイスクリーム感は感じなかった(笑)。
No.8の翼君の缶! こんな形の缶があったなんて! No.9、チェリオに訴えられてまえ(笑)! No.11、クイッククエンチ、これガムは大好きでしたがドリンクは飲んだことない! めっちゃ私好みの味っぽい!! うわこのコーナーテンション上がるわ〜〜。
サッカー編、No.14の炎のバルセロナだけ味が想像できなくってワクワク。これだけ炭酸飲料なのね。オロナミン系なのかな? No.16の怪しいメーカーのもいい味のデザインですね〜。たぶん山の中で自販機に出くわしても買わないけど(笑)。
No.17、い、IMO!!? YMOでなくて? 透明タイプがあるってことは混濁タイプも出たのか(笑)!? これは飲んでみたかった! No.18、ほんとに焼きりんご入ってたんですか?? 名ばかりじゃないのかな、ホントなら飲みたかった、食べたかったなぁ。焼いたらいい方に味変わりますよねりんごって。ハイ出ました今回の無理っす、No.20、ナタ・デ・ココinおしるこ!! アホか(笑)!!! 黙ってお茶造りに精出しとけ(笑)!!! 暴言失礼しました・・・でもこれみんなの本音でしょ(笑)? すいません。No.21は私も飲みましたね、飲むシュークリーム。去年(2017年)までJRの自販機に売ってた。皮が無いとただのミルクセーキになっちゃいますね、太りそうな味でした。おいしいけど(笑)。
これ以上いくと長くなり過ぎるので、こんな感じでコラムと缶コレを1セットにして、もう誰も2度と読まないでしょうが(笑)続きも感想を書いて行こうと思います! 気力が続けば(笑)。(オポムチャン)
(本人より)ちなみに空き缶は1000本近くセレクトしてこの「かもめの本棚」の出版社に送っており、毎日の缶はスタッフが適当に選んでツイッター等にあげる。なので俺はどれがその日アップされるか知らず、それを見てコメントを考え再度ツイッターにコメントありリツイートの形で載せてる。
それももう100本を軽く超えたんだなー。
順調にいけば12月頃に書籍になる予定。そしたら是非買っておくんなまし〜。
哀愁のホルモン鉄道/石川浩司&大谷氏
昨年、ライブ会場にて産地直送価格で購入したホルモン鉄道最新アルバムです。
ジャケットに描かれた銀河鉄道の絵はCDの盤面にも印刷されていますが、夜空がメタリックに輝いてとても綺麗です。
1.ほら貝
大谷氏と石川さんの力強い口上と、それに声を揃えて呼応する集団。一丁前なシュプレヒコールのような顔をしていますが、後ろではひたすらほら貝が吹き鳴らされており、一気に得体が知れなくなっています。
「キレイなだけで 中身無し」とか「立派なだけで 中身無し」といった言葉は他でもしばしば聞く言葉ですが、「大事なだけで 中身無し」ってえぇっ!?と意表を突かれている隙にさっさと次の曲に移ってしまいます。
2.VIPルームに閉じこめられた
サビで連呼されている「VIPルームに閉じこめられた」状況の不可解さに心惹かれる1曲。
他人から羨まれてチヤホヤされる立場を一度味わうとなかなか抜け出すことはできない、という深読みをすることもできるのですが、純然たるナンセンスソングとして聴く方が正解な気がします。
3.大晦日
大谷氏の朴訥とした歌い方と石川さんのチャカポコしたパーカッションに、年の瀬の富山の小さな町の風景を感じます。「また会いましょう」の言葉は、年1回集まる地元の店を出て別れた仲間の背中に心の中で呼びかけたのかな、と想像が膨らみます。
大谷氏は吉幾三さんに歌ってほしいと書いていらっしゃいますが、この曲は大谷氏の暖かい歌声だからこその、語りかけるような良さが出ていると思います。
4.マトリョーシカ
疾走感溢れるメロディーと「僕は僕 君は君」という歌詞にスカッとする快作。ホルモン鉄道や石川さんソロのライブバージョンも素敵ですが、音に厚みのある本アルバムのバンドバージョンもノリノリになれて大好きです。
「僕の行進エッサカサッサのホイサッサー」以降がいっそう爽快でお気に入りです。
5.猿すべりの丘
性的な暗喩も汲み取れる歌詞ですが、性的なだけではない。愛について真正面から歌うことはどうしてもできない大谷氏のはにかみ屋の横顔が投影された曲です。
ルンバ調のメロディーと柴草玲さんのコーラスが実にムーディーで、なんか午後3時の有線放送でかかってそう。
6.五十のマスカキ
低音を響かせてシリアスに弾き語る石川さん。
大谷氏のバックコーラス(?)がやけに真に迫ってるのが嫌。
7.オシャレな太陽
MVの印象も夏の日差しのように強烈なステキソング。
敢えてのテケテケなベンチャーズサウンドと「パッパヤ〜♪」と軽やかな女声コーラスを聴けば、キミも海岸線をドライブしたくなる。もしかしたら白いワンピースの可愛い女の子たちにも会えるかもしれない。
メッセージ性も脈絡も皆無な歌詞がまたいい。
8.おじいさん
調子はずれのラッパとやたら無邪気で楽しげな石川さんのボーカルが頭から離れない。けっこう不謹慎な歌詞だけに、思い出しちゃいけないタイミングで思い出してニヤニヤしてしまいそうで危険な楽曲です。
石川さんの作る曲はリズム感が楽しくて、さすが希代のパーカッショニストだと感じます。また、大谷氏が淡々と歌う「おじいさん おじいさん」が曲を引き締めています。
9.空の荷物
人生の晩秋における感慨を歌っていますが、過剰に感傷的にも説教臭くもならずに、「あらあら」程度で済ませるところが格好いいです。
どんな曲でも(『包茎ジョナサン』みたいなシモ曲でさえも)情景が目に浮かぶところが大谷氏のすごさだと思いますが、この曲は伴奏のアレンジが効いていて、長閑な秋の風景画のような一曲となっています。
10.メメントの森
この曲に解説をつけるのはどうにも野暮な気がします。
石川さんが『メメントの森』は突然歌が頭に降りてきたとおっしゃっていた記憶がありますが、確かにこれ以上足し引きできないくらい完成された曲だと思います。
この曲は全部が好きですが、特に「みんな死んじゃうからこの世は馬鹿馬鹿しいなあ」のところに「そうだね、本当にそうだね」と思います。
11.ラザニア
生きることを絶対的に肯定する曲です。サビのノイジーなギターが格好いいです。しかし正直に言うと、私はライブバージョンの方が好きです。それはなぜか。
「死んだ方がましだと思った」という叫びに対して、返す刀で「産まれて良かったね」と言い続けることは、容赦ないまでの優しさの表れです。その言葉が優等生的な女声コーラスで投げかけられることにしっくりこないのです。お前らに何がわかる、と反発したくなるのです。
12.玄関
ライブにおける曲終盤の演劇的なパフォーマンスが印象的な曲ですが、このCDでもその演出がうまく再現されています。終盤の「ずっと、ずっと……」の絶叫にぐっときます。
『夜の牛たちのダンスを見たかい』もそうなんですが、石川さんのラブソングは愛とか好きとか大事だとかの言葉を一切使わない点に詞作のうまさがあります。そして、『玄関』は『夜の―』よりもっと普遍的なかたちの愛が歌われています。
13.公園で
シュールな公園の注意書きが、美しいメロディーに乗せて素晴らしい歌声で朗々と歌い上げられます。そのアイロニカルな試みに思わずニヤリとしてしまいます。そんなに公園での過ごし方を制限ばかりするなら、「いっそ公園には入らないでください」くらい言ったらどうなんだ、と思った経験が私にもあります。
ボーナス・トラック
14.静かな親父
「だけどお尻にゃ 傷がある」の「だけど」の意味が全く分かりません。しかしこのアルバムの締めくくりにあるせいか、アカペラの輪唱による独特の間のせいか、何故か哀愁が漂います。
知命を超え、これほど無意味な歌を作ることはかえって難しいと思います。冗談抜きで、大谷氏のことを尊敬します。
(ANA)
(本人より)ホルモン鉄道にしては今回は俺がシリアスな曲が多かった為、大谷の楽曲は無意味性の面白さを追求した感じの曲がアルバムになったね。
ライブステージでは普段はふたりプラスとっちゃんのキーボード程度だが、アルバムでは大谷昵懇のメンバーによる富山バンドが録音に参加、サウンドも豊富になって同じ曲でも弾き語りとは違う面白さも出せたかなと思ってる。
ちなみに「大晦日」のまた会いましょうは、既にこの世にはいない人に向けても歌われている。
2018.4.15 知久寿焼×石川浩司×滝本晃司 弾き語りライブ
私にとっては初めてのリアルたま。
2年ほど前にネット上で「かなしいずぼん」に出会ってから衝撃を受け、底なし沼にはまっていくようにたまファンになっていた私。
そんな折、幸運ながら数分で売り切れたチケット争奪戦をくぐり抜けたので京都に降り立ちました。
前日は仕事がなかなか終わらず、睡眠時間1時間で関東の家を出発、京都まで車を走らせる事、約7時間。
道中は一寸先も見えなくなるような豪雨…しかし、それすらもライブの余興にピッタリでした。
会場に着くと、そこに聳え立つのは歴史を感じさせる紫明会館。
ちらほら集まっていたライブに来られた方々も、どこかたまが好きな事を納得してしまうような何かを感じました。
顔見知りの方々も多いようで「ひさしぶり〜!」というような声が飛び交っていて、まだたまファンビギナーの私は平静を装いオロオロしながら開場を待っていると…滝本さんのリハの音がかすかに漏れてきています。
極限まで耳をダンボにして聴いていました。
入場の際に配られるチラシが柳原さんのソロLiveだった事も何だか少し嬉しかったです。
この場にいられる事を幸運を噛み締めていると、まもなく滝本さんが入場されました。
しっとりと絵になる立ち振る舞いの滝本さんの曲は、まさにそのお人柄を映し出したようなメロディ。
生の滝本さんの音楽は憂いのある映画のワンシーンに引き込まれているようでした。
そんな滝本さん演奏が終わり余韻に浸っていると、間も無く石川さんが登場です。
初の生の石川さんだーー!久々にこんなに胸が高まりました。滝本さんとのギャップがまた『たま』を感じさせます。
石川さんの曲が始まるとその声、言葉、演奏、表情に心臓を抉られるようで鳥肌が立ちました。
CDやネットで聴きながら、いつかは生でお聴きする事を焦がれ想像していたもの、それを遥かに凌駕しました。ライブは違う…!
一つ一つの言葉や音をすごい大切にされている印象で、それが創り出す世界感は本当に腰を抜かしました(立ち見で立っていましたが…)。
1曲1曲のそれが一つ舞台を見たような満足感。
次は知久さんです。知久さんのライブは何度がお伺いした事があるのですが、やっぱり何度お聴きしても心に染み込みます。
ずいずいずっころばしを聴けたの事も、とても嬉しかったです。
そして三者三様の御三方のソロ演奏が終わり休憩に入ると、立ち見席だった私の足がまさに棒のように…
でも『たま』が登場し演奏を始めたらそんな棒の足はどかに吹き飛びました。
ソロでお聴きした御三方はまるでタイプが違うのにそれが組み合わさると、こんなとんでもない音楽になるのかー!!ほえー!
本当にライブは違うなと思いました。その音の重なり、連なりに、コンビネーション、空気感にゾクゾクしっぱなしでした。
その場にいられる事を本当に感謝しました。また会場のみなさんが笑顔に溢れていたのもとても印象的でした。
今まで行ったライブの中で、間違いなく私の人生に一番影響を与えたライブになりました。
本当なら1曲1曲気の利いたレポートをしたい所で、それも試みたのですが、私の語彙力、また音楽に対する無知な頭であの感動を言葉に変換する事が難しく…どうかお許し下さい。
この場をお借りして石川さん、知久さん、滝本さん、本当にありがとうございました。今もあの感動が心に残っています。
またライブを企画してくださったSOLE Cafeさんも本当にありがとうございました。
それにしても、こんなすごい『たま』というバンドはいったいどのように結成されてどのように解散していったのか、簡単に漫画でわかりやすく知りたいなぁ…
あっ!こんなところでマンガ化プロジェクトなんてものやってるじゃないか!!!
https://camp-fire.jp/projects/view/70922
今すぐパトロンにならなくては…(ぽぽぽぽ)
(本人より)既に「たま」という存在を知っているから「なるほどー」と思うだろうが、それを知らずにこの三人のソロを聴いたら、この人たちが一緒にバンドやるとは普通は思わないよねー。
でもコラボレーションというのは時々本人たちも想像してなかったミラクルが起きるのだ。
このメンバーに共通していたのは、もしかしたら音楽というより、見える風景が一緒だったのかもしれないね。
2018.4.15 知久寿焼×石川浩司×滝本晃司 弾き語りライブ at 京都・紫明会館 (セッション篇)
さて続きです。
3人の元たまの皆様のソロ弾き語りが終了、たっぷり長丁場のそれは贅沢な贅沢な時間でありました。
しかし! しかし!! しかし!!! ここから先にもっと贅沢な時間が待っていることがもう既に出演者の皆様から宣言されちゃってるんですよ!
「今日は3人集められちゃったんで、このあとなんかやることになりそうです。ね、『あいつらバカだから3人揃えたら勝手に「あっっ、集まっちゃったから・・・」とか言ってなにか段取りし始めるに違いない・・・』とね、まんまとこうなりました」
ってね、石川さんが・・・ あれ? これ知久さんのMCだったかな(笑)、ってかなにぶん幸せすぎて当日の記憶がほとんどぶっ飛んじゃってるんです(泣笑)、ごめんなさい。ともあれそうゆうことをソロ時に仰ってたのですよ、出演者の誰しもが(笑)。もうね、せっかく集まっちゃったからには、予定調和だろうが何だろうが期待にこたえなくっちゃね(笑)! ただ普通のイベンターの方ではこうはいかないことも事実でしょう、いつもお三方のライヴを企画されるSOLE CAFEさんとの信頼の賜物なんでしょうね。関西の我々にこういった超貴重な機会を与えてくださり、まこと有り難いことです。ただこのタイミングで7月の柳原さんのライヴ先行予約のチラシを客席に置くのはアレでしたが(苦笑)。ついうしろのファン友さんに「今日来いや、ねぇ」とつぶやいてしまいました(笑)。
そして、ついに! 知久さんのソロの後にそれほど間を空けず、ステージにお三方揃い踏みの姿が!!! 風船ピアニカ! マンドリン! パーカッションセット!!! ギャァァァァァァァァァァ!!!!! 爆裂する拍手喝采の、嵐!!
嗚呼・・・・・・ 去年の千倉以来の有り難い、いやもはや有り得ないといってもいい光景。私は、私はなんという果報者なのであろうか。一生叶うことがないと思われていた元たまのお三方の演奏を、この耳で、間近で生で聴くことができる機会、去年それが幸運にも叶ってしまったのですが、なんと2度目が訪れようとしているのです。ちょっと大丈夫か私。幸運を使い果たしていまここで演奏を聴く前ににわかに他界したりせぇへんやろか(笑)。
音合わせの最中に、なんとしょぼたまのインストゥルメンタル曲「ふくろうさん」が流れて来ました! たしか滝本さん作曲のかわいらしいワルツの曲。ここで石川さんが「♪寝てるときに勝手に録音された〜」みたいなエピソードを公表(笑)、レコーディング中に石川さん疲れて眠っちゃったのでこれ録っちゃえってなって(笑)、CDではそのイビキを曲のバックに使ってるんですね。未聴の方はぜひアルバム「しょぼたま」を地球レコードにておもとめください(笑)。この演出は即興? だとすれば凄いことですが、このお三方ならそれも十分に有り得ますね。
そのまましょぼたま編成でまずは1曲目、「あるぴの」!
CDとは異なりしょぼたま版ですから滝本さんはベースでなくピアニカ。それでも3人の演奏に、思わず口の端が上を向いちゃうんです・・・ 幸せだ。幸せを噛みしめ噛みしめ、石川さんの叩く正確な3拍子に合わせて怪しく揺れる、私。そこへさして石川さんの「あるぴのく〜〜ん!」の声、この溢れる多幸感は、もう。言葉になりません。
おはっ、2曲目で来ちゃいますか、 「ラッタッタ」! 私にとっては「コテハン人名事典」でも好きな曲に挙げているくらいの愛聴曲です。石川さんの踊るようなパーカッション捌きは本当に芸術品!! よくできたカラクリ人形のように(笑)的確に動き、叩くその様!! そのうえでヴォーカルも執っちゃうなんてもう超人です。さて去年の千倉では途中の「♪おぉ〜〜〜〜・・・」の部分のタイミングが合わず皆さんズッコケていらっしゃったのですが、今回は完璧!! コーラスもバッチリハマって最高やん!!? と思った矢先にピアニカのファの音がなぜかファの♯になってしまいネタみたいな和音に(笑)。
石川さん「えぇ〜〜〜!!?(会場爆笑)ニューアレンジだねっ!」
いやいや・・・これはホントにピアニカの方の性格なら咄嗟のニューアレンジもありえますよ(笑)! 私的にこれは確信犯だと思います(笑)。これ込みで最高でした!!! またその時の3人のニヤーーっとした表情もたまりませんね!!
知久さんがマンドリンを持ち滝本さんはピアノの替わりにギター、「レインコート」。これもいいなぁ・・・! 解散後の3人が揃って千倉で演奏した動画で初めて視たのがこの曲だったので、私にはこの特別3たまの代表曲のようなイメージがあります。またこの石川さんの表情!! 滝本さんの曲ではすごくシリアスなお顔で叩かれることが多いんです。前半はクールに、そして「わーわわわ」ではニッコニコでコーラス。曲想に応じてキャラクターを色とりどりに使い分ける名人芸、ここに極まれり!
たしかこのあたりだったか演奏する前だったか、知久さんから「滅多にないことなんで、今だけちょっと写真撮影もオッケーにしましょうかね」との有難いご提案!! みんなきゃあきゃあ言ってお三方の揃ったレアな姿を未来電話や本気撮影機に収めてゆきます。私は普段写真などはよう撮らないのですが、折角の記念なのでお言葉に甘えてぼろんちょの古代携帯でぱしゃりとやりました。汚い画質ですが、それでも一生自慢できます(笑)。へへへ、おっさんになってからでもファン再開してよかった。たま人気が凄かった時代には私は中学生で、ライヴなんかもってのほかでしたからね。嬉しい。楽しい。幸せ。
ここからついに! 滝本さんが久々のベースを肩に掛けて、「ほぼたま(?)」の「ロシヤのパン」です!! イントロから悲鳴に似た歓声が上がります。4人時代の曲ですからね・・・! もう私さっきから口角が上がりっぱなしでぜんぜん下りてこない(笑)。ああ・・・・・・ 変わらないなぁ。この音、声、中学1年のときにCDで聴いた、あのときのまんまだ・・・・・・。ひとつ楽器は足りないけれど、それを補って余りある3人の熱演。石川さん・滝本さんのコーラスも冴えます。パーカッションセットもたま仕様ではないのに、欲しいところに欲しい音を鳴らしてくださる石川さん。これはもう天性のチャカポコ師ですね(なんだそれ)!
そしてこれまたイントロで上がる大歓声!! 待望の「学校にまにあわない」です。みんなこれを聴きたかった!! 今回はタンバリンがプラスチックのおもちゃになってましたがそれもいい味を出していてよかった。「♪ユメウツツノサギョーゲーンバッ!!」のところは知久さんとユニゾン絶叫! あまりやりすぎると喉を壊してしまうという石川さんのサポートに入る知久さんのやさしさよ。みんなワクワクの語りでは・・・
「だって、しょうがないよ・・・(中略)、夢中で地面をほじくりかえしていると、地下から知久君やGさんが出てきて、こうして演奏してるんだけど、あれっ、まだ誰かもうひとり、ニヤケ顔で屁の〇〇そうな奴が居なかったっけ? (会場爆笑&歓声) たしかえーと・・・ ヤナギヤマ? ヤナギモト? なんかそういう名前のやつもいたはずなんだけど、そいつはもう自力で地下から這い出して、ひとりでどこかへ行ってしまったみたいだ。・・・でも僕たちは、“自分の楽しいことをやる”というのが暗黙のルールだったので、それぞれが楽しいことをやれるならそれでいい、と思いました。そして僕たち3人は地下に残りつづけて、30年経った今でもこうして一緒に遊んでいるのでした・・・ とさっ」
最高でした。ここでヤナギモトさん(笑)のお話が聴けるとは!!! 凄まじい盛り上がりです!! なんて素晴らしいストーリーの仕立てだろう・・・ こういうところに石川さんの抜群のセンスの良さをズビャズビャ感じます。もう有頂天。ここは天界か・・・?
ベース付きの3人の締めは滝本さんの「星を食べる」。なんなんですかもうファンの琴線をビンビンしごいてきますね(笑)!! タイムリーに私がカラオケ屋で3月に自己最高の94点を出した(←超どうでもいい)この曲、メロディからコーラスから伴奏から3人の個性が炸裂してて大好き。もう一度言いますが、たま時代のパーカッションセットじゃないのに、なんで、なんでこんなにあの頃のままの音楽が胸にあふれるの?? それはその瞬間その瞬間で本当にみんなが欲しい音を石川さんが瞬時に探り当てる力を持っているからに違いありません。またラララにおける石川さんのロウユニゾンが痺れます。このラララを永遠に聴き続けていたい・・・・・・星食い過ぎて“君”のおなかパンパンになるぞ(笑)。曲終後に思わず喝采と共に「フゥーーー!!!」と絶叫してしまいました。
礼をしてカミ手に捌けるお三方。しかしここはもちろん会場全体が大拍手でおねだり!! 優しいお三方、用意してくださったアンコールはそれぞれ3人1曲ずつ! っとそのまえに石川さん、「みんなもう暗くなったけど大丈夫? 京都の夜は出るからね・・・」と会場を笑わせます。さらに「そうそう、京都のお寺の人に聴いたんだけど、一番の魔除けはそこの物販のCDを買うことみたいだよっ!」と商売上手(笑)。
先発知久さんは「ぎが」。私はこの曲を生で聴くのははじめてです。予想外のイントロに心がドキッとしました。しずかで切ない、胸がきゅぅっとなる歌。シンバルをパシッと掴んで小気味のいいミュートを効かす石川さんが曲の雰囲気をより高めています。ちょっとした演奏上の齟齬で一度仕切り直しをしたのですが、気付いて仕切り直そうとする知久さんと気付いたもののそのまま立て直そうとする石川さんの思惑が舞台上で露見してウケる会場(笑)。なんとも愛おしい、三人三様の反応。
お次はピアノではなくギター滝本さん&マンドリン知久さんになって「ハダシの足音」。この曲も解散後のお三方での演奏では定番な感じですね。ワルツ続きの構成に3拍子が冴える石川さんのパーカッションのリズムが心地よい。私の個人的な感想ですが石川さんはリズムを3つに割る叩きがすごく精密で、聴いていてとても安心するのです。また矛盾するようですが昂揚もするのです。そして私は自然と己が頭部で不気味に三角形を描きながら前後左右に揺曳するのです。怖がられます。それは置いといてサビのハーモニーがとても素敵。“たまはコーラスグループ”と「王様の耳はロボの耳」のどこかの話題で石川さんが仰っていたのがよくわかります。
アンコールのラストは我らが石川さんの「デキソコナイの行進」。素敵な特別なセッションのおしまいを飾るのにふさわしい名曲! パーカッションを叩きながら優しい笑顔で歌う石川さん、実際のところ叩き語りなんて大変なのに、それなのにこの瞬間を楽しんでいらっしゃる様子がうかがえます。あぁ。やっぱり再結成がどうとかは今は抜きにして、この3人でやることが楽しくってバンドを続けてきたんだなぁ・・・ と、改めて感じたひとときでした。「バイバァーーーーーーィ!」お別れの時です。でも地球は丸いから、いつかまた逢えると信じましょう。今日この日に、ここに来れて良かった。ありがとうございました。万雷では済まない、億雷と呼べよう大拍手!!!
・・・・・・おや? どういうわけか拍手の嵐が止みません。いつまでもこの3人の姿を見ていたい全国から来た幸運な観客たち、せめてもう一度だけのわがままを・・・! とばかりに大喝采をやめません。出演者の皆さんにご負担を掛けてしまうのは本意ではありませんが、おそらくこんな機会はもうそうは訪れないでしょう、私も拍手の輪に加わります。
すると主催の方が控室へ! きっと「どうしましょう、アンコールの拍手、鳴りやみません・・・」とお三方へ告げに行ったのでしょう。長丁場でお疲れでいらっしゃいましょうに、菩薩のようなお三方は知久さんいわく天麩羅の揚がるような(笑)拍手の中みたび登場し、特別にアンコール2を用意してくださいました!
おそらく用意もなかったであろうから、そんな時便利なこの曲(笑)、「まちあわせ」。滝本さんもハモニカホルダーに装着したラッパと口琴で気合十分。高らかに紫明会館に響く、ハーモニー付『ハムカツのぉ〜〜〜〜〜〜!!!』このお三方の楽しそうな空気感、それが感じ取れてほんとうに幸せです。顔に出る石川さんと知久さん、クールな表情だけど頭の中では楽しんでいる、ほんときみなんかよりもずっと楽しんでいるであろう滝本さん。
さすがにこれで終わりだろう・・・ と思ってたらあまり聴きなれないイントロ。悲鳴のようなものが上がります。なんと演奏されたのは「夜のおんがく」!! これは解散後はじめて演奏されたそうです。CD収録のものは劇団とともに歌ったものでしたから、このお三方だけでの演奏は私は初めてです。突然の演奏に、さぐりさぐりハーモニーを探すコーラス隊。それが曲の最後には完璧になっていたのが凄い。
「♪さ〜よ〜ならぼくは、も〜〜ういないよ〜〜〜・・・・・・」
ええ、もういないのはわかっています。でもまたこうして、こっそり現れてくれた。ありがとう。ありがとう。ありがとう。しずかに終わった曲のおしまいに、私はこれ以上ない感謝の気持ちで満たされていたのでした。
これにて、本日の演奏はすべて終了! 石川さんが「もうないよ〜〜(笑)」と微笑みながら捌けていきます。
・・・・・・恍惚の時。なんだかもう脳味噌が幸せすぎて、顔のニヤケが止まりません。
今回のライヴ、皆さんは涙が止まらなかったとか、感動して震えたとかいろんな心情をTwitter等に上げていらっしゃいましたが、感受性の低い私、もうただただ本当に、幸せで幸せで、楽しくて楽しくて仕方がなかったのです。演奏中ほぼずっと、自然と笑顔になっていました。
去年の千倉でもう充分に満足したはずの私でしたが、なんというか、音の質感がまるで違いました。これが野外と屋内の差異なのでしょうか。拡がって行かず集約されて耳へ届けられる至福の音楽。そんな贅沢なものを与えて頂いた私のちんけな脳は、キャパオーヴァーを起こしてもう幸せ、楽しい、という感情だけに支配されてしまったのかもしれません。運試しでたまたま当たればいいかー、くらいの気持ちで挑んだチケット争奪戦、それを経た末、今日これほどまでの幸福感に包まれて、私はいったいどれほど果報者が過ぎるのでしょうか。
そして最後に、このライヴでファンの皆様がもっとも盛り上がった元社長(笑)のひとこと。
「・・・楽しいことは何度でもやればいいんだよ・・・」
これが、3人のこれからを示唆するであろう名台詞となったことは、会場のファン全員が認めるところでしょう。そして今日残念ながらここへ来られなかった方々も、地球は丸いからいつかまた、この3人と、逢えますように。
ステージの上の楽しそうなお三方の演奏、イジりあい(笑)が目の前で観られて、忘れられない一日となりました。
ファンでいて、よかったな。そう、生まれて、よかったな。
知久さん、滝本さん、そして石川さん、素晴らしい想い出を、ありがとうございました!!!(オポムチャン)
(本人より)いつもの千倉は無料ライブだから本当にその場で思い出して出来る曲を「失敗してもお遊びだから勘弁してけろ〜」の感じでやったが、今回はちゃんとお金を払って観に来てくださるお客さんだからきちんとリハーサルをしようとこのライブの前の週にGさんの家に三人集結した。
もっとも昔のアレンジを思い出すのは結構な作業なので今回は解散後初めて関西でのしょぼたまということで、曲目はいつも千倉でやっているものと同じ。
・・・と思ったが、千倉に来ているお客さんも多いだろうからと俺が一曲だけ今までやったことのない曲をサプライズでやってみない?と提案した。それが「夜のおんがく」。
もっともアンコールが無かったらやらなくていいよね、と気軽な感じだったが。
開放的な千倉もいいが、音質的には室内でSOLE cafeのマスターが自ら機材を運び音響もしてくれた今回が一番良かったかもね。
そしてとあるお客さんがPAをしているSOLE cafeのマスターが他のお客さんの誰より熱烈に拍手をしているのを見て「本当に好きでやってくれてるんだなあ」と実感したとのこと。
自分たちが企画してやることは今のところないかもしれないが、今回のように誰かがすべてお膳立てしてくれたらもしかしたらネクストがあるかも・・・?
短歌
「上げられることなくなった青便座 キミが逝ったよキミが逝ったよ」
これはある「詠み人知らず」の歌人が奈良時代に読んだある防人の歌なのですが、自分なりに少し読解してみたいと思います。
トイレが洋便器なのは間違いありません。なぜならば「上げられる」というのは、U字型の蓋と考えられるからです。
これは女の人が読んた歌で、かつて一緒に住んでいた二人であったが、なんらかの理由で男が出ていった。よって、U字蓋を上げてトイレを使用することが無くなった、という失恋の歌と解釈できます。
『古今和歌集』の第189898776段に入っていますのでみなさんもぜひ見つけてください。
なんちやって・・・。
NHK『NHK短歌』2009、11。p.73。(わいわい)
(本人より)「キミが逝ったよキミが逝ったよ」だからキミは亡くなっちゃったんだろうね。
まあこれは「NHK短歌」という番組に出てくれ、その為にひとつ歌を詠んでくれと言われて作った短歌。
もしかしたら人生で学校の授業等以外では俺はこの一句しか詠んでないかも。
素人なのに30分出ずっぱりで視聴者からの投稿作品に感想なんかもしちゃってどーもすんまへん(笑)。
細い石川さん
これも2009年の記事です。
石川さんのCDジャケットは「パルテノン銀座通り」が使われています。
ニヒル牛を作ったもののあまりにも人気が出すぎてしまい、4年待ちになったしまった。それならば、と今は亡きニヒル牛2を開店しました。
昔から人気あったんですねえ。
記事は「他に類を見ない独特の感性」と。
ギターケースに展示したり、地球儀を二つに割って物を置くというアイデア満載。
写真。石川さん若くて細い!!! 今から9年前なのに! この9年で何があったんだ!(笑)。
「なつかしのあの人気69バンドの今」『特撮新鮮組DX』2009、11、6発行、p.40。(わいわい)
(本人より)うーん、どういう雑誌だったか覚えてないなあ。
ニヒル牛関係も結構取材やテレビ撮影も多かったからね。
一番最近では俺は出てないけど今年「じゅん散歩」で高田純次さんがニヒル牛に来てくれたな。
1500食
これまで1500食はインスタントラーメンを食べたと豪語する石川さん。賞味期限が一年過ぎたものでも大丈夫だそうです。
一日一食はインスタント麺を食べることを自らに課している、とかなんとか(笑)。
地方のスーパーで珍しい袋めんを見つけマイナーなものを食べるのが好きという現在と変わらぬスタイル。
1986年くらいまではスクラップブックを作っていました。今回それをご披露。茶色いスクラップ上半分に袋を貼り、下にぴっしりデータとか感想を書かれています。
今回食べたのは石川さんのご指名で「マルちゃん正麺」。んんん、王道メジャーインスタントラーメンじゃないですか。
ドンブリには、たまご、ナルト、チャーシューが入っていて…ヤ・・・調理・・・演出ですな。普通は入ってないぞー(笑)。
今回は、空き缶コレクショには一言も触れられていませんでした。
『FLASH』2013、1、22発行。p.92。
(本人より)これも覚えてないなー。
ちなみに俺が麺を指名することはないので、これは編集部からのオファーだけど俺が指名したということにしたのでしょうな。
独身時代は毎日食べてたけど、さすがに最近は妻が料理を作ってくれるので毎日は食ってないね。
2018.4.15 知久寿焼 x 石川浩司 x 滝本晃司 弾き語りライブ
雨が上がりよく晴れた日曜の午後、私は精一杯おめかしして紫明会館へ出掛けまし
た。告知があった日からずっと楽しみにしていた、知久さん、石川さん、滝本さんの
ライブです。
開場時間の10分前に到着すると、会場前は既に黒山の人だかりでした。老若男女を問
わず、格好も様々ですが、全体的に大人しそうな人が多い感じです。私の身近には
「たま」が好きな人なんて一人もいないのに、ここにいる大勢の人たちはみんな「た
ま」のメンバーが好きで集まっているんだなぁと考えると、何だか不思議です。
紫明会館3階の会場は、大きな窓から自然光が柔らかく入ってくる素敵な講堂でし
た。ステージ横には、キャンベル缶に入った電球が置いてあります。
3時を回って程なく、滝本晃司さんのステージが始まりました。滝本さんのライブを
見るのは初めてだったのですが、しばらくの間はステージをまともに見ることができ
ませんでした。滝本さんの作る空気があまりに繊細過ぎて、視線でそれを壊してしま
いそうで怖かったのです。だいぶ乱暴な感想ですが、この人はこの感受性と美的感覚
とを内包してよく今日まで正気を保ってこられたなと思いました。
曲間のMCで「今日みんな大変だったでしょ?…予約とか」「(滝本家に3人集まっ
て今日のライブの練習をしたので)何か不思議な感じでした…あぁ、部屋に石川さん
がいるなぁ、って…」などとチャーミングな一面を垣間見られたこともあり、『とな
りの黒猫』の辺りから、どうにか落ち着いて滝本さんの音楽に心地良く浸れるように
なりました。水中から水面を見上げているようなゆらめきに、いつまでもずっと浸っ
ていたい。ぜひソロライブにも行きたいと思いました。
また、私の席は前から3列目でピアノの真正面だったので、ピアノで弾き語りする滝
本さんのステキな横顔も堪能することができました。
休憩を挟んで、次は石川さんのステージです。
1曲目の『マトリョーシカ』の最初のフレーズを聴いた瞬間、「今日の石川さんの
歌、すっごくいい!」と感じました。石川さんは元々、ライブの聴衆をグワッと引き
付ける特質的な声の持ち主ですが、この日の歌声はいつも以上の伸びやかさをもって
私たちに迫ってきた気がします。理由の一つにはやはり、音響の良さがあったのだと
思います。主催者であるsole cafeのご主人が、元たまメンバーをはじめとする
ミュージシャン達の信頼を勝ち得ている所以がよくわかりました。
「たま」時代の楽曲である『青い靴』『ガウディさん』『汽車には誰も乗っていな
い』は初めてライブで聴きました。特に『汽車には―』は、最近初めて『ねじ式』を
読んだという個人的な体験も相まって、念願の曲を理想の形で聴くことができて感無
量でした。
『玄関』『夜の牛たちのダンスを見たかい』『ラザニア』のラスト3曲に至っては、
私はもう泣かないようにするのに必死で、とても恐ろしい形相でステージを睨みつけ
ていたことと思います。石川さんがあまり客席を見ないタイプの方で良かった。
知久さんはステージが始まるなり、「石川さんうるさかったですね。」と言いまし
た。続けて、観客の笑い声に紛れるほど小さな声で「むかしからうるせぇんだ、あの
人」と嬉しそうに呟いたのを私は聞き逃しませんでした。
知久さんの歌を聴くたびに、天衣無縫とはこのことをいうのだと感じます。唯一無二
の歌声、朝の歯磨きより簡単そうにさらりと弾かれるギター。『セシウムと少女』な
ど、どうしてこれほどまでに平易な言葉を使って、あの私たちの気持ちを表せるのだ
ろうとただただポカンとステージを見上げてしまいます。
『きみしかいない』をウクレレで演奏したのは意外でしたが、良かったです。そし
て、私の大好きな『いちょうの樹の下で』を、窓の外のいちょうを眺めながら聴いた
のは嬉しい思い出になりました。
知久さんのステージの後半頃から、舞台袖で大きな風船を持った滝本さんが横切った
りするのが見えていました。休憩を挟み、会場の期待が高まる中、いよいよ3人がス
テージに上がり、『ふくろうくん(さん?)』続けて『あるぴの』の演奏が始まりま
した。今年の2月、知久さんのソロライブで『あるぴの』を聴いたときは、「いつか
ひとりで」の辺りで知久さんが泣き出しそうな顔(に見えた)をしていたので何とな
く気にかかっていたのですが、今回は3人でとても楽しそうに歌っていらっしゃった
ので良かったなと勝手に安心しました。
『ラッタッタ』は「しょぼたま」をこの目で見られるなら一番やってほしい曲だった
ので、知久さんのギターが鳴った瞬間、心の中で「ヤッター!」と叫びました。「お
しりまっぷたつ」からの石川さん知久さんの合唱後、滝本さんがまさかの大ハズシ
(笑)。きっと滝本さんは、石川さんと知久さんの歌声に懐かしく聴き入ってしまった
のだと思います。
『ロシヤのパン』からは滝本さんがベースに持ち替えて「キーボード抜きのたま」形
式での演奏です。『学校にまにあわない』をここで聴けるとは…!滝本さんのベース
が良く見える席だったので、「夢うつつの作業現場」以降のベースの運指がやたら忙
しい(しかし滝本さんは平然とこなしている)ということも新たな発見でした。
ところで先ほどから便宜上「しょぼたま」とか「キーボード抜きのたま」とか書いて
いますが、私があの日見た3人は果たして「たま」だったのでしょうか。それともあ
くまで「知久さんと石川さんと滝本さん」だったのでしょうか。
3人の奏でる音は確かにあの3人にしか出せない「たま」の音でした。しかし、ス
テージで楽しそうに演奏する3人の姿は、「あの伝説のバンド『たま』のメンバーが
ここに集まった…!」という感慨を抱くにはあまりに自然にそこにありました。
いつの間にかとっぷり日も暮れて、照明に照らされた3人の影がステージの白い壁に
長く伸びています。ダブルアンコールで『まちあわせ』が演奏されたのであぁもう本
当にこれで終わりかな、と寂しくなったところで、正真正銘最後の1曲『夜のおんが
く』。これは本当に予想外でした。ある意味寂しさを助長するような曲で、何という
か、確かにすごく寂しいけれど、どこか穏やかな気持ちになるような曲でした。ちょ
うど眠りにつく瞬間を認識できないように、うっとりした余韻に浸ったままライブは
終わりました。
私が「たま」を好きになって、元メンバーの皆さんのライブに行くようになってから
まだ1年も経っていません。その魅力に気付くのがあまりに遅すぎましたが、今日の
この素敵なライブに間に合って良かったと心から思います。全然似ていない、けれど
ひょんなところでシンクロする4人のライブをこれからも見に行きたいと思います。(ANA)
(本人より)実は『夜のおんがく』を最後にやらないか、と提案したのは俺。いい構成だったでしょ?
もう3人はなんちゅうか再結成とかそういうものじゃなくて、普段は別々の活動をしていても長年一緒にやってきたので演奏技術の衰えはともかく(笑)、ステージに一緒に上がるとやっぱり「あの頃」に一瞬にして戻れるんだよね。
だってお互い「あいつ、すげーな!」とリスペクトから友達になったからね。
学校でクラスが偶然同じだったとかそういうんじゃなくて、ちゃんと自分の目で見て、選んで友達になったからね。
形は微妙に変わってもおそらくそれはほとんど一生変わらないんだろうね。
2018.4.15 知久寿焼×石川浩司×滝本晃司 弾き語りライブ at 京都・紫明会館 (ソロ篇)
※当HP投稿者の皆様のみハンドルネームを記載させていただきました。またMC・曲順は曖昧な記憶から拾っておりますので実際のものとは異なる部分が多々あるかもしれませんが何卒ご容赦くださいませ。
その日は雨の予報だったのですが、雨男の滝本さんを晴れ男ふたりが挟んで無効化(?)、お昼からは澄み渡る青空が広がりました、春の京都。激しいチケットバトルの末運よく手に入れたこのチケット整理番号67番、私はとある事情で投稿仲間ら3人で息も絶え絶えに会場・紫明会館へ開場時間5分後に辿り着きました。ちょうど我々の番号が呼ばれるタイミングでした。よかったぁ! 私の列の前にはこれまた投稿仲間の0さんや美佳みかんさん、関西たま友の書家・NTさんもおいででした。
会場の紫明会館は登録有形文化財で、趣のある建物です。京都の大きな学校の敷地のそばにあることが関係しているのか、洗練された昔の学校のような感じがしました。あほみたいな表現で恐れ入ります。そんな建物内に雰囲気ピッタリのモダン・ガアルがおはしますのでビックリしてたら最近メディアや「ニヒル牛マガジン」でもご活躍中の淺井カヨさんでいらっしゃいました。同じく「ニヒル牛マガジン」執筆陣の切り絵作家・モチメさんもいらした様子。すごいなぁ。石川さん界隈の有名な皆様がこの京の地に集結している。私は単なる駄投稿者なのでご挨拶などするべくもありませんが。
3階まで上がって1ドリンクを受領、なんと前2列目の左端が空いているのでこれまた投稿仲間のマンドリニスト・でゅおめいぷるようこさんとすかさず駆けよればすぐそばにこれまたこれまた投稿仲間のnewguineaさん&さあやさんが! あたりを見回すと去年の千倉以来のHi-さん、最前列にて〜お〜さん、後方には熊猫ミキさん・・・ こんなに沢山の投稿者の皆様が集結するのを見たのは初めてかもしれません。もちろん投稿者の方以外のたま友の皆さんも。いつもの着物のSちゃん・・・ この日は着物じゃなかったな、九州たま会のマルチプレーヤー・NHくん、千倉や広島の「あいの劇場」でもお逢いしたSTさんにRKさん、と本当に全国津々浦々から老若男女大集合、という様相を呈していました。
さぁ15時を迎え、ついに開演です!! っとその前に、滝本さん&知久さんに関してはネットでいろいろ書かれることを好まれない、とのことなのでお2人に関する記述は最低限にとどめ、私は石川さんが活躍される場面を主にレポートしてゆきますね。各みなさんの演奏曲目はどなたかのTwitterやレポート等をご覧くださいませ(笑)。
おとぼけハンサムトークと美麗なピアノ&独得かつ絶妙なギター・歌で我々を唸らせてくださった先発・滝本さん(たま時代の曲は「むし」「サーカスの日」。「日曜日に雨」もやるつもりだったけど晴れたのでやめた、冒頭の「♪消えた〜・・・」だけ歌って大ウケ)の出番が終わり、いよいよ我らが石川さんのご登場です!! 休憩中のBGMに合わせてなにげにギターソロを披露していたのが、すごくカッコ良かった・・・!!
石川さん「みんな・・・ Gさんのハンサムな顔と声を堪能したかい? でもこの世界は“陰”と“陽”でできているから、綺麗なものの次は・・・」(会場大爆笑)
さすが石川さん、いきなりツカミはバッチリです(笑)!
石川さん「知らない人が見たら絶対さっきのGさんと僕と、同じバンドやってたなんて思いもしないでしょう(会場笑)。そのGさんが珍しく『石川さん、その曲いいね』と褒めてくれた曲をやります。だからね、この曲がイイ、と感じた人はGさんと同じ域に達しているということになるんでね」
もう初っ端から笑わせまくりの石川さんが奏でるのは勿論、「マトリョーシカ」! ここ最近のソロライヴの序盤を勢いづける快作です! 途中のアドリブでは「♪皆さんどうですか、紫明会館は〜」とご当地ネタを繰り出すのも忘れません。ただ私がネタの続きを忘れました(泣笑)。ほんとにこの日は、楽し過ぎて幸せすぎていつも以上に記憶があやふやなんです・・・ 初聴の2015年からいろいろ形を変え、今ではきっちりブラッシュアップされて定型が出来てきた感のあるこの曲ですが、いつ聴いてもアドリブは何が飛び出すがわからないのでわくわくします。あと今回のウゲーはあっさり風味でした(笑)。
石川さん「たまは2003年に解散してもう15年経ったけどその後も何度かこの3人でやってて、知久君なんて19の時からの遊び仲間でパスカルズでもまだ同じバンドのメンバーだから、ここまでずっと一緒ならもう僕と知久君は一緒のお墓に入るんだと思います(会場大爆笑)」
そんな若い頃から一緒に遊んできた仲間内のひとりがおととし仕事中の事故でなくなってしまって、その時に出来た曲、との紹介で「メメントの森」。いっとき輝く人生、その前と後はどうなっているの? だいじょうぶ、ちゃぁんとみんな楽しく集まってるんだよ、と安心させてくれる歌。そしてコッチの世界にいられる時間は有限だけど、だからこそたくさん笑おうよ、と微笑んでくれているような歌。死がテーマなのにどこまでも明るく優しい石川さんの笑顔、歌声。ああ。救われます。石川さんは救世観音菩薩さまなのか。
ここからはせっかくなのでたま時代の曲を、とまたも大歓声、しかし「ソロでやるとバンドでやった時の音にはかなわない曲があって、それで自分で作った曲だけどソロではなかなかできないものがあるんです。たとえば『カニバル』なんかもそうで、バンドだと知久君がサッと弾いてくれるけど自分で弾くと♪ヘ・ン・テ・コ・な・駅・に・降・り・る・夜、みたいにゆっくりになっちゃうんで・・・」と一音ずつ確かめながら「カニバル」のメロディを弾きつつ歌う石川さん、笑いも起こりましたがそれ以上に歓声も!
「でもそんななかで、なんとかソロでも無理矢理歌えるようにしたものを演ります」と、「青い靴」。メイジャーセヴンスコード中心の幻想的な曲展開。詩と詩のあいだに挟まれる石川さんの「ウウウウ〜〜〜ウウウウ〜〜〜〜」という裏声がとても綺麗。ラストの滝本さんのベースが炸裂する場面はないにせよ、これはこれで充分に完成形として成り立っています。
どこまでも静謐な夜の野原。呟くような「・・・もっと、遊ぼうよ・・・」の声。どこか石川さんの名曲「ネムイ」とも通底するような光景。そっと閉じた曲の世界、その刹那沸き立つような拍手の渦!!! こんな空気を作ることができるアーティストが、他に居るだろうか。
石川さん「この曲のタイトルはもともと歌詞の中にもある『犬の約束』だったんですけど、この曲が入ったアルバムのタイトルに悩んでたGさんに『あ、その名前アルバムタイトルにしようよ』って言われて、でもアルバムのタイトルの曲となるとそのアルバムの中心の曲みたいな位置づけになっちゃうので、Gさんが『かわりのタイトル考えてあげるよ、じゃ、「ガウディさん」で』って言われて、エッでも・・・アントニオ=ガウディとも何にも関係ないし・・・と思ったけどGさんは元々ヤンチャだったから逆らうと怖いので、ハイ、じゃっじゃぁそれでお願いします、みたいなことになりました(会場大爆笑)」というわけで(笑)、「ガウディさん」。
この曲もメイジャーセヴンスコードが多用され独特の空気をまとっています。しずかな中に不穏な景色。彼方へ持ち去られた約束。たくさんの犬に奪い尽くされた約束、激しくなるストロークと語り、でも生きてきた中で、約束って、ほんとに必要だったんだろうか、と思索、悟り、そして唐突にギターは止み「僕はもう、約束が無くっても、大丈夫です。」と結び、曲終。たまのアルバムの同曲の続編を聴かせてもらっているような、壮大な語りでした。
これまた独得の名付けが難しいようなコード進行で始まる「汽車には誰も乗っていない」。長調か短調かさえも不分明な和音、全編これで曲を作り上げてしまうなんて、なかなか出来ることではありません。舞台はまたしても夜、淡々と迫る真夜中の似顔絵描きの恐怖。それが何なのかは解りませんが確実に不吉ななにものかの訪れ。戦慄。夜空の星や月は綺麗? それとも、不気味・・・? 闇夜に煌々と照る月をふと気味悪く思う、という旨をTweetされていた石川さん、まさにこの歌詞にそれが表れていますね。混沌とした恐れに満ち満ちた、若き石川さんの心象風景。詩と曲の噛み合いが、石川さんの作品の中ではもっとも絶妙な1曲だと私は思います。素晴らしい。たま曲3連、喝采の嵐!!!
ここで石川さんから次の曲の注意点。
石川さん「次の曲を演るまえによい子の皆さんにお願いがあります。曲のラストで僕がちょっとした芝居のようなものをします。そこで僕が『ただいま、ただいま』と何度も繰り返しますが、決して返事をしないで下さいっ! いやこれ関東ならともかく、とくに関西が危ないんです(会場爆笑)、ホントはやって欲しいんでしょ〜、ってフリだと思われるので、いやガチで我慢してください。もし万が一返事をされても、僕は何もなかったことにして芝居を続けます(会場爆笑)」
最近の石川さんのライヴにおいでの方はもうおわかりですね、「玄関」。出だしのギターの静けさで一気に曲世界へ連れて行かれます。この石川さんのストロークはピアノ⇔フォルテのレンジが物凄い。あ、声もそうですよね。強弱の付け方が他の追随を許さないほどエスプレッシーヴォ。ただ単に歌手、という表現では言い表せない存在でいらっしゃることをこの曲ではあらためて感じます。さっきまで爆笑してた会場に、すすり泣きのような声まで聴こえてくるではありませんか・・・
続けてアドリブで不穏な和音を叩きつけるように弾き散らしてからの、「夜の牛たちのダンスを見たかい」。もう身体が自然に動く動く、口が自然に歌詞をなぞるなぞる、まるで私は夕方の老豚のダンスだ。会場のみんな、見たかい? 見なくていいです。ちゃんと石川さんを見てください。情景が好き、言葉の選びが好き、メロディが好き、シンプルなコード進行だけど好き。そんなシンプルな感想しか言えないんですが、もうほんとうにこの曲だけは理屈を超越して、歌詞の意味すらほとんどわからないんだけど、好き。この日も聴けて、幸せでした。
石川さんソロのラストはこれもここ最近のトリに欠かせない名曲、「ラザニア」! ほんのひとときの嬉しい瞬間のために、私達は生まれてきた。深い意味なんてない。それでいいんだ。ただ、その瞬間があったならば。どれほどここまでの道程に、自分の存在を否定されてきたとしても。またみずから、否定し続けてきたとしても。自分なんていなくなったほうがましだ、と常日頃から思い続けている私を、赦してくれるような、歌。マイクをはずして、地声で、そして満面の笑顔で、紫明会館じゅうに響き渡る声で『生まれて、よかったね!!!』と叫ぶ石川さん。世の中と折り合いを付けるのがあまり上手ではないたまファンのみんな(と私)の胸の奥に、その声はきっと残りつづけることでしょう。
大喝采のうちに石川さんのソロは終了! ソロプレイヤーとしての石川さんをご存知ない方々は度肝を抜かれたのではないでしょうか。笑える、ぞっとする、泣ける。ここまでワンステージで感情をあっちこっちに飛躍させてくださるソロのアーティストを私は他に知りません。もっと、もとたくさんの人達にこの心の世界大旅行を体験して欲しい。そう思いました。渾身の8曲、ありがとうございました!
短い休憩をはさんで安定の超絶ギター&30年変わらぬ不思議ヴォイスの知久さん(たま時代の曲は「電柱」「らんちう」「電車かもしれない」「ここはもののけ番外地」「学習」「きみしかいない」)。石川さんのヴォリュームのでかさに感心されていました(笑)。胸がせつなくなる歌たち、久々に堪能しました。
さぁ今回は3人が3人ともこのあとに起こることをすでに宣言済み! 知久さんのあとは〜・・・? もちろん期待通りの、例のヤツですね!
・・・ただちょっと長くなり過ぎましたので、レポートを一旦ソロ篇で区切らせていただきます(笑)。すいません。(オポムチャン)
(本人より)メジャーセヴンスコードが多いのはバレーコードが出来ないから。本来FでいきたいとこでもFmaj7なら押さえられるからね。「汽車〜」のコードも太い弦(4〜6弦)でEの形の押さえ方でフレット降りていくだけでなんとなく曲ができたから。本当は細い弦までストロークで弾くと不協和音も混ざるがそれも含めた音が自分にはしっくりくるから。
要するに不器用だからこその必然から生まれたものも多いんだよね。
多分最初からバレーコードが押さえられてたらそっちの方で聴き心地のいいメロディ作って、微妙なフレーズは生まれなかったかもしれない。
そういう風に自分の不器用さをポジティブに考えて今後も突き進んでいく所存っす!
だって、FもBも押さえられないんだもん。
こんなに不器用でも自称ミュージシャンはできるから、たいていの人はもっと何でもできるよ。安心して(笑)。