ザ・レポート(29)


今まで石川がかかわってきた全ての活動、つまり「ソロ」「パスカルズ」「ホルモン鉄道」等のライブ、CD、ビデオ、またテレビ、ラジオなどのマスメディア、演劇、書籍、ニヒル牛、コレクション、すごろく旅行、このホームページ、その他とにかく俺がかかわってきたありとあらゆる表現活動の感想、評論、思い出等を募集します。
 既に何かに発表したもの(ミニコミ、ミクシィ日記、ホームページ、掲示板等)の再録も自分で書いたものであれば0Kです。批判やお叱りももちろん構いません。他の人のプライバシーの侵害や、特殊なケースを除き、基本的に全て採用します。何についてのいつのもののコメントかをなるべく分かりやすくして、メールにて題名「レポート」でお願いします。おおよそ10行程度まで5ポイント、それ以上は10ポイントです。裏話等や本人のそれに対する意見や感想なども付けていくつもりなので、気軽に応募して下さいな〜っ。
 例えば俺本人も知らない「こんなとこに載っていた」情報及びその感想とか「すごろく旅行を実際やってみた思い出」など俺にインスパイアされたものでもOKですよ〜ん。

平成27年1月17日(土) 広島otis! ◆新春!祝・ホルモン鉄道『神戸〜広島間』開通記念ツアー第二弾◆

神戸のライブレポがすでにUPされてるけど、その場にいたあたしは、これは追いかけなきゃ後悔する、万難を排して駆けつけなきゃ!となんとか時間をひねり出して、土曜の昼、広島行きの新幹線に飛び乗った。

でも日曜は、朝からお義父さんの七回忌、絶対に土曜のうちに大阪に帰んなきゃいけない。

最終の新幹線は22時13分広島発のみずほ、それに間に合うためには初めていく広島のライブハウス「otis!」前のバス停から、21時43分の広島駅行最終バスでギリギリみたい。

なんとか、最後まで見れたら良いな…って願いつつ、開場を待つ。

会場の中は、外の寒さを忘れさせてくれるようなあったかさで、あたしの周りでも、みんなコートをまたたくまに脱ぎ捨ててた。

同じく前日から追いかけてきた、見覚えのある女の子(この日は着物でかわいかった)の近く、ほぼ最前列に陣取ってるとほんとうにこの日は満員御礼だったみたいで、開場十数分ですでに椅子から動けなくなるくらいの盛況だった。

今回のホルモン鉄道のツアーを企画した、対バンのTHE・BIGRAWという広島のバンドがたくさん集めてくれたのかな、ギターとドラムの人のご両親も来てたらしい(MCで言ってた。)

狭いステージに所狭しと楽器が並び、石川さんのあのパーカッションさえ目の前に、このスペースで最大7人も演奏できるの?と心配、そうそう、この日は神戸には来れなかった、THE・BIGRAWのもう一人のメンバーが来るらしいから、ホルモン+THE・BIGRAWで3+4ね。

そんな、舞台も客席もすし詰めの中、いよいよライブは開始。

神戸でベースを弾いてた人がアコギを持ち、居なかったメガネ君がベースに、前日は久々の結成だったらしくてちょいちょい手こずってた(それでも演奏はすごくよかった)けどこの日はさすがフルメンバー、神戸よりさらに完成度の高いステージを見せてくれた。

あたしが嬉しかったのは、元たま・ヤナちゃんのソロになって間もない頃に歌ってた『きみを気にしてる』って曲が歌われたこと!まさか石川さんのライブで聞けるなんて、たまファンには素敵なサプライズよね。

その後も、アドリブらしい今日は何日?何曜日?ってメンバーに尋ねていく曲があったり(全部ドラムの子になすりつけてた)おバカと格好良さがほどよく同居したいいバンドだった、また見たいな。

休憩をはさみ、石川さんと大谷氏が登場してライブ再開…と思ってたら、音響を担当するお店のマスターがトイレに行っちゃって演奏できない(笑)そこは石川さん御得意のアドリブで、マスタートイレネタで3曲もねばってた…流石。

ようやく発車したホルモン鉄道、広島の出だしは、いつもの『アタック・NO.1』のカラオケじゃなかった!最新アルバムじゃなくって、一枚前のアルバムのオープニング曲から、開口一番「う〇こ」で笑撃!続く『毛虫おじさん』、『包茎ジョナサン』でも反応が良く、広島の皆さんはホルモン鉄道が初めての人も多いみたいで、神戸以上にウケが良くってあたしも嬉しくなった。

前日に続いて、隠れる場所もろくにないのに、泣きながら舞台袖へハケる石川さん、もちろんその後駆けつけてくれたのは「Mr・BASEBALL」さん、あたしがツボったのは、しきりにいつもの赤い体操帽を指差して、「カープ!」といって地元のお客さんを味方につけようとしてたところ(笑)

このあとは、前の日と同じ流れなら『正調腹太鼓音頭』なんだけど、なんと対バンのTHE・BIGRAWのお兄さん方が、ゾロゾロパンイチで舞台へ(笑)!まさかの腹太鼓六人衆は勇壮だったなぁ、ちなみにこの日、外はとびきり寒かったんだけど、控室が無いからみんな外でパンイチになって、しかも「Mr・BASEBALL」がなかなか帰らなったせいで、余計に寒風吹きすさぶ中、野外露出を長いこと余儀なくされたんだって(笑)!日常クイズにも出されてたけど、近くの席の着物の彼女はこのとき、石川さんの脱いだ半パンを頭にかぶせられていて、「石川さん石川さん、これ昨日も穿いてましたよね?それ人にかぶせるってどうなんですか!?」って抗議してた(笑)

悪代官ではまたしてもいじられる着物のお嬢、卑猥な歌詞と「シンセサイザーが入るほど興奮している」、なんてアドリブで会場はまたも大受け、このあたりで時間は21時、ラストになればなるほど途中でお店を出るのは難しくなりそうだから、あたしはTHE・BIGRAWがセッションの準備をしてる隙に、出口の前へなんとか抜け出し、バスの時間ギリギリまで扉の前でライブを味わうことにした。

どこまで聞けるかなあ…ここからは圧巻のバンドホルモン、なんと、この日はサポートの紅一点・とっちゃんさんがTHE・BIGRAWをバックに一曲歌ってくれた!ギターはともかくベース、ドラムも入ったとっちゃんの歌が聞ける機会なんて、もうそうそう無いんじゃない?いいもの見れたわあ…その後の『オスペル』や『ハゲアタマ』、『エチケット番長』もいつものホルモンがとびきりのロックサウンドになってて、普段とは違う味わいに浸ってたら、手元の時計はもう21時半!!悔しい!もっと、もーーっと聞いてたかったのに!!!

後ろ髪引かれる思いで、会場を後にしようとしたとき、スタッフのお姉さんが「来てくれてありがとう!」ってギュってしてくれて泣きそうになる、この方は演奏中もバンドのメンバーに店の飾り付けが引っかからないように苦心されていた、優しいお姉さんだった。

夜の広島のバス停に一人たたずみ、最終のバスを待つ間も、ライブハウスからは二人の声が聞こえてきて、なんか幸せだった。『特殊な訓練のブルース』、『夜の牛たちのダンスを見たかい』…石川さんの叫びが、外にいるあたしの胸をギュッと締めつけてきた・・・(涙)最後の「みたか〜〜〜〜い」を聞き届けたところでバスが到着し、本当のお別れだ。

ありがとう石川さん、ありがとう大谷夫妻、ありがとうTHE・BIGRAW、最後までいられなかったの残念だけど、あの日あの場所でみなさんの音楽が聞けてほんとによかった。

今回の神戸&広島、石川さん達がいつも以上に光ってたのは、THE・BIGRAWの技量だとあたしは思う、もうこの際とっちゃんみたいに、レギュラーサポートメンバーで毎回広島から来ちゃって(笑)!ダメ?

ではペンネームは、着物の彼女のお名前から着想して…。(黒岸なぎ子)


(本人より)ホント、BIGRAWというバンドでサウンドが強固に補強されることでさらに自由度が増したね〜。
今回、広島は初のホルモン鉄道だったけどBIGRAWのおかげでかなり最高に近いステージになったんじゃないかな。
なんかその前の月もイシマツで広島県に来たし、今後広島は俺にとってまた近い町になる予感がしてる。
いろんなホームタウンがあるって素晴らしい〜!

2015.1.16 ホルモン鉄道極道ツアー 神戸編 at BIG APPLE

  神戸の街が20年目の鎮魂の鐘を鳴らす数時間前。私は駅から山手に向かって宵闇の中ツカツカツカと早歩きしていました。

  寒いのもありますが、そう、はやる心が抑えきれなかったのです。
昨年6月、大阪は天満橋のホルモン鉄道ライヴの後の打ち上げで、今回のオープニングアクトのバンド“ビッグロウ”の多分リーダー・ニイヤンさんがいつかホルモン鉄道を自分が呼びたい、と熱っぽく語っていらっしゃったのですが、ついにそれが現実のものとなったからです! 

  当時はニイヤンさんがバンドマンであったことは伺っていましたが、どんな音楽をされている方かも存じ上げなかったのです。そしてその日の朝まででゅおめいぷるようこさんと書家のNTさんの4人でたまオンリーカラオケに行って、そのたま愛・音楽愛に感動したのでした。なんて素敵な言葉を紡ぐ人なのだろう。なんて見事なハーモニーを創れる人なのだろう。

  その後かつて活動されていたバンド“ビッグロウ”の音に触れる機会に恵まれ、ロックバンドなのに確かな音程で奏でられる快感のハーモニー、リバプールの風を感じる懐かしくも新しいサウンドにすっかりやられてしまったのです。そんなビッグロウが、久々に再結成する現場に立ち合えるというからこれはたまりません。

  この人達とホルモン鉄道の音楽に、接点をまるで見出せなかった私。しかしベクトルこそ異なれどどちらも私の心をブン回す最高のユニットであることには間違いありません。今まで私が見てきた中では、ホルモン鉄道のライヴでは必ずオープニングアクトの演者とセッションが行われました。ロックとホルモン鉄道・・・・・・ 一体どんな展開になるのでしょうか。

  今回の神戸には関西ではいつもの顔馴染みのファンの皆さんが多数お見えでした。ホルモン名物ハーブティーさんムーゲ親子、前述のマンドリニストようこさん、書家NTさん、元たまの皆さんのライヴなら全国何処だってすっ飛んで行っちゃうフライング女子大生兼ニヒル牛作家・SちゃんMちゃん、投稿のよきライバル西大路さん、などなど。みんな大好きな石川さんと大谷さん&とっちゃんさん、そして初めてお目にかかるビッグロウの演奏に期待で胸を膨らませています。あっ物販には“スタッフ”なおさん、こんばんは! 早速このツアー限定のニイヤンさんのデモCDを購入、豪華なツアーパンフもゲットしました。このツアーパンフはまだ見れていないのでレポートはまた後日。

  そして定刻を約10分程過ぎた頃、いよいよ登場、ビッグロウ! 今日は3ピース構成です。G&Vo、ニイヤンさん。Dr&Cho、サトルさん。Ba&G&Vo&三味線、ムキムキ君さん(笑)。敬称が難しい。
初めて体験する生のバンドサウンドは圧巻!! 脳天に叩きつけられるようなドラムス、腹の底をえぐるようなベース、全身をバイブレーションさせるギター・・・ その迫力に圧倒されました。

  開始ほどなくして私の大好きな曲・「Call Me Back Again」が! 思わず口パクで一緒に歌っている気分に。そしてMC、かっこいい演奏のあとにニイヤンさんのなんだかユルいトーク(笑)。この落差がビックロウの魅力!?
  MCでビッグロウの曲作りの秘密を教えてくださる、というので耳を傾けていると「こんな風に歌います」とのセリフのあと唐突に演奏に入り、「Lan Lan Lan Lan Shooby Dooba・・・」 とスキャット風に3人のハーモニーが爽快なブルースをバックに奏でられます。
もう全身に鳥肌が立ちました。

  また面白いことにロック一辺倒の曲目ではなく民謡風の曲を演奏したり(ニイヤンさんのコーラスが知久さん的でいかす)、ちょっとシュールな「おしゃれグループ」なんてユニークな曲を歌ったり、最後はさびしく「年寄〜りが死んでいく〜」なんてギター一本で歌ったり、とやはり一筋縄ではいかないビッグロウ。元たまのみなさんとセッションした経験がある、というのがなかなか私の中で繋がらなかったのですが、このライヴで完全に腑に落ちました。ゆるカッコイイ!! 私がたまやホルモン鉄道の音楽を愛することからも、かっこいいだけでは多分ファンにはならなかったでしょう。このいい感じの脱力感がますます私や他のオーディエンスを虜にしたに違いありません。フロントアクトと言うには豪華すぎる、素晴らしい演奏でした! ステージが充分に温まって、さぁいよいよホルモン鉄道の登場です!!

  いつもなら控室的なところから始発のテーマとともに現れる我らがホルモン鉄道ですが、今日のステージには隠れる場所さえ見つかりません。いっぺん出てきちゃってからとりあえず部屋の隅っこからあらためて「ホッホッホッホッホールモン・・・」と登場するお2人(笑)。その上しょっぱなの曲「アタックNo1」が音響さんの手違いか何度もフライング、舞台では石川さんが笑い転げています。そして歌い終わっていつものように息切れ(笑)。ぜぇ、ぜぇ、はぁ、はぁ・・・ なんだろう、グダグダになればなるほど込み上げてくる愉悦。このなんともいえないトホホ感が私を病み付きにするのです。

  次の毛虫おじさんでは石川さんの「ゾワゾワ〜」に対し最前列の関西レギュラー組が「ヌメヌメ〜」を大声で返すというマニアっぷりを発揮、歌のあと大谷さんが「俺、この曲で石に絡まれるの嫌なんだよ・・・。今日みたいにお客さんにヌメヌメやってもらえばいいじゃん」とおっしゃいますが石川さん、「いやいや、ソロでやる時にもお客さんに言ってもらうんだけどこの曲を知らない人はこっちがゾワゾワ〜、って言うと向こうもゾワゾワ〜、って返しちゃうから難しいんだよ」という苦悩(?)を吐露。実際この日私もちょっと間違えて「ゾ・・・メヌメ〜(焦)」と何度かなりました(笑)。

  お次はみんな大好き包茎ジョナサン、舞台隅の方で小さくなっていたとっちゃんさんがようやく起動。石川さん「彼女は何年も前からあそこに座っていました」との語りで爆笑。歌い終わると「ワハハハァァ〜〜、ホォケェ〜〜〜!!」と泣きながら下手のカーテンに隠れる石川さん、いつものようにムーゲがなにやらツッ込んでいます。そしていつものように大谷さんの紹介で登場、アメリカから毎度ご苦労様のMr.ベースボーール! ひとしきりクレイジーに歌い暴れ終わってからふたたびカーテンへ(笑)、その間に大谷さんは着々と服を脱ぎだしています。客席から漏れる笑い声。すると落とし物の赤白帽と青バットを持った石川さんがひょっこり現れ、これまたおもむろに脱衣。大谷さんのトランクスの昇り龍柄が極道ツアーの本気度をうかがわせます(なんの本気だ)。石川さんが眩しいイエローのパンツ内の昇り龍をもウエスト部分を広げて誇示しようとして焦る大谷さん、子供か(笑)。最高です。ここで昨年10月末めでたく出演したEテレ「シャキーン!」について言及、大谷さんがリハーサルで本気で叩き過ぎて本番すでに真っ赤だった話、近所の子供に1番しか放送されなかったこの歌、おじさん全部知ってるよ〜!! と自慢すると変態扱いされるというお得情報(笑)など盛り沢山。

  さて今日もきわどくペッタンしたのち見つけたものはセロテープ。不可思議なコードを今日こそ解析しようと目を凝らしますがまたも頓挫。それにしても洒落た曲です。悪代官はますます卑猥で愉快、下卑た笑いと毎回アドリブで変化する内容にまたも大笑い。前半はしみじみ「どうでもワルツ」で終了、曲中マイクスタンドが萎れてスタンドしない(笑)。本当にどこまでトホホなハプニングをアドリブで爆笑に昇華させて私の腹筋を破壊しにいらっしゃるのでしょう。  

ついにここからはビッグロウも加わりロックなホルモン。待ってました! CDのレコーディングでもないのにバンドサウンドでのホルモン鉄道が生で聴けるなんて、一体誰が想像できたでしょう!? それを創造したニイヤンさんはまこと偉大です。  

起ち上がりの「ネットで検索」では石川さんのパーカッションとサトルさんのドラムがお互いにサビを盛り上げます。大迫力! そして太く支えるベース、楽曲に彩りを添えるギター! なんでこんなにしっくり来るの!? まるで昔からホルモン鉄道のバックバンドであったかの如き演奏を見せてくださるビッグロウ。
次に演奏されたのは極道ツアーにちなんでなんと「エチケット組長」! 一体どんな歌詞になるのか待っていましたがなかなか台詞に入らない・・・ 大谷さんが石川さんにどうした、と寄りますが実は大谷さんが伴奏のリズムを変える指示を出し損ねて待機していた石川さん(笑)。バンドはあわてて「♪エチケッ、エチケッ」に。エチケット組長はさすがやることが違いました。ドスでイきよりましたわ。ほんで包帯と絆創膏を用意してる割に「安らかにお眠り下さい」とか無茶苦茶(笑)!! 腹が、腹が・・・・・・!!!

  お次もエレキな楽器たちが奏でる、いつもより8割増しでかっこいい「特殊な訓練のブルース」。石川さんやニイヤンさんに演奏中執拗に半裸の剥きだしの乳頭を楽器で攻められ続けたにもかかわらず、辛そうな表情をしながらも止まらず歌い切った大谷さんが凄い。くすぐったがりの私なら一瞬で吹き出してしまうでしょう。さすが特殊な訓練を受けて来ただけありますね(笑)。

  あああ、オスペルまでもがなんでこんなにカッコイイの・・・(笑)?? 内容が内容なのに問答無用でサウンドがカッコいい・・・! ビッグロウとホルモン鉄道の相性がここまでのものとはっ!! 尺八に向けて盛り上がるドラム、泣けるギター、切なくドゥドゥドゥドウン、と呻るベース。石川さんのみのことが多いワワワワーも今宵は援護射撃が! 思わず泣きながら夜の神戸の街へ尺八の仕手を求めて駆け出したくなります。

  そして三味線の師範であらせられるムキムキ君さんと大谷さんの切ないコラボ「クローン牛」が胸をさびしくさせ、余韻に浸っていると大谷さんとバンドメンバーがいつも石川さんが弾いているあのコード進行を・・・! まさか、と思うや否や、クローン牛の間からハーブティーさんの隣の椅子に座っていた石川さんが立ち上がりマイクに近づき、「夜の牛たちのダンスを見たかい」を歌い出す! これは痺れた!! カッコ良過ぎる入り方!! またこのご両人の牛コンボは泣ける!!! 私はもう完全に世界に入りきって口パクで石川さんに合わせていました。さぞかしきもかっただろうと思います。

  エンディングは「雨の日のサーカス」。もはや当たり前のように演奏がバチッとハマります。このビッグロウというバンド、一体どうなっているのでしょうか。もちろん大谷さん、石川さんも彼らと一体化する熟練のテクニックを発揮なさっているのでしょうが、この違和感の無さは本当に特筆すべき事態です。
ある時ニイヤンさんは語ってくれました、音楽で大事なのは「グルーブ感」なんだ、と。
私はグルーブ感というものが未だよく理解できていないのですが、この日の演者の皆さんは間違いなくグルーブ感の塊だったのでしょう。

  素晴らしいライヴでした! 終点のテーマを石川さんがホッホッ口ずさみますがここで大谷さんの気分によりまさかのアンコール。となればやはりこの曲、「ネムイ」。
これはビッグロウのメンバーも床に座り込んで聴いています。大谷さんのおもちゃ、とっちゃんさんのシンセサイザーをバックに石川さんがメイジャーセブンスのコードを繰り返します。語らいはいつしか叫びに変わり、永遠の眠りへの許しを請う懇願へ・・・。誰もが、胸を詰まらせたでしょう。あの3月から4年。そしてあの1月からまさにちょうど20年。さらには明日、あの8月から70年経つ彼の地へ向かう石川さん達。地平の果てまで敷かれたお布団の中で待っているものは、私達が来ることを待っているのでしょうか、それとも拒んでいるのでしょうか。・・・考えても仕方ありません、きっと私達が決められることではないのでしょう。
ごめんね、もう少しだけ、こっちに居るから。せめて、居られるまで。  

ちょっぴりしんみりしましたが素敵なライヴはこれにて本当に終点。出演の皆さんと集合写真をぱしゃり。嬉しかったのは、石川さんから「今日もノッてたね!」とお言葉をいただいたこと。そう、ライブ中に何かが憑依したようにグニャグニャとリズムを取る奇態な私の挙動は天満橋で初めて見たMちゃんを戦慄させたほどの不気味なムーブなのです。そのきもさを個性として微笑んでくださる石川さんの優しさに、あらためて感謝しました。  

なぜか味付けのりを貰ってニッコニコのニイヤンさんに再会を約束し、とても満たされた気持ちで会場を後にしました。一緒に駅まで歩いたようこさん、NTさんと昨年行ったオールナイトたまカラの思い出などを語り合いながら、この素敵な仲間と、そして尊敬できるアーティスト達と出逢えてほんとうに良かった、と幸せを噛みしめた夜の帰り道でした。  

ニイヤンさん、石川さん、最高のライヴをありがとうございました! またいつかビッグホルモン(繋げるな)、やってくださいね!! (オポムチャン)


(本人より)いやあオポムチャンのグニャグニャダンスもなかなか凄かったよ!
今後も変人客の第一人者としてホルモン鉄道の客席を牽引していってくれ。頼んだぞっ!

終始無言

空き缶を集めている記事のフリーペーパーを寝る前に読んだら、その日の夢に石川さんが夢に出てきて、終始無言で見つめ続けられました。
とりあえず、石川さんには笑顔で返しましたが、徐々にゆっくりと顔が近づいてくるだけで展開はありません。
起床までその状態が継続していただけでした。

翌朝、テーブルに開きっぱなフリーペーパー見て、「ああ!これでか!」「どーりで!」「なるほど!」と、合点しました。(入眠直前に観た媒体が夢に反映される、よくある現象ですね)
夢はほとんど、見ないので深く印象に残っています。

この空の花、ほか映画やメディア媒体で拝見すると、私の観た夢と映画の映像が重なり不思議な感覚になります夢で見た人って、場合にもよりますが、なぜだか不思議と奇妙な親近感を抱いてしまう癖がありますよね。
特に、大林映画で石川さんを観ると、その夢と見つめられた目を思い出します。

2000年を過ぎたあたりに名古屋市 今池得三にて、たまを一度だけ観ました。
しばらくして解散を知ったので驚いた記憶があります。
(上記は、妻の口頭内容を、僕がタイピングしました)(36歳 名古屋市在住・堅田光憲)


(本人より)あ〜、それは俺もあるねえ。
「なんであんな普段思い出さない人が夢に出て来たんだろう」と思って考えると何かしらかの共通項がある事柄が前日にあったりね。
脳って不思議だね。

小野家に半分住んでいた?

1、今日、1月8日20時からの小野一穂さんのライヴに行きます。
数年前、一穂さんと話していた時に、小学生くらいの頃からだったか、「たま」のメンバーが小野家によくいたよ、というか半分住んでいたような、内容の会話を曖昧に記憶しています。一穂さんに会ったら、この「レポート」きっかけで、うかがってみようかと思います。

2、石川さんが俳優をされる際の、消したくても消せれなさそうな存在感と、真逆の全く自己主張しない、ナチュラルな映り方/取られ方の違いが謎です。
不思議で考えても解らなそうなので、諦め放置しています、いつか石川さんに伺いたいです。

3、石川さんは、どうしていつもランニング何だろうかね?と訊かれた際に、「代謝すごくいいらしくて、いつも暑いんだってさ」と適当に答えました。(36歳 名古屋市在住・堅田光憲)


(本人より)1、俺は小野家(友部家)には多分一度しか行ったことが無いな。
知久君はもう少し出入り回数は多いと思うけど「半分住んでた」ということは無いと思うけどな。本人に聞いてみてくださいな。
2、いや、本人は意識してないですな。映画は特に他の照明や音響の効果、アップか引きかでイメージが変わるからね。
それは監督の演出による部分が多いと思うね。

3、常に動きながら叩いてるからね。暑いから脱いだというのは本当。

たま楽曲音域表(たまカラオケ対応)

カラオケで気心知れた方々と「たま」の楽曲を歌うのがもう好きで好きで仕方ないカラオケ狂人の私。
しかしファンの方は女性が多く、知久さんの曲以外はキーが合わなくて歌いづら〜い・・・ また男性では知久さんの高い声がどうしても出な〜い・・・ とお困りの方もいらっしゃるかもしれません。

そこで! 以前にもレポートした現在カラオケで配信されているたまの曲達のメインヴォーカルの音域と、高音系低音系の男女ごとに原曲キーからいくら上げ下げすれば歌いやすいか、推奨キーをご案内しましょう!

※1.音名について。ピアノのど真ん中のドをC3とし、右のレをD3、ミをE3・・・ 低い方へは左のシをB2、ラをA2・・・ という風に国際式階名表記でお届けします。ちなみにファがF、ソはGね。数字が大きいほど高い音です。実際どの鍵盤と対応しているかはなんとかペディアで「音名・階名」で調べて見てください(笑)。

※2.推奨キーについて。原曲そのままがおススメなら♮、キーひとつ上げがおススメなら#1、みっつ下げなら♭3と表記します。(オクターブ上げ/下げ)はキーを原曲から上下の後、そこから1オクターブ上または下で歌唱。

※3.歌い手の声域について。高いのが得意! という女性はS、低い方が好き、という女性はA、同じく高音好きの男性はT、低音寄りの男性はB、と表記しています。ソプラノ、アルト、テノール、バスの略ね。メゾソプラノやバリトンの方、音域が広い方は好きに歌ってください(笑)。あくまで原曲のままでは歌いにくい、という方へのおススメキー設定です。高音の男性でもファルセットを極力使わない音域で記していますので、知久さんの声の出し方が得意、という特異な方にはあてはまりません(笑)。

曲名                   音域       推奨キーS        A        T        B

あっけにとられた時のうた      A2 〜 D4           ♮        ♭3 ♭5    ♮(オクターブ下げ)

あの娘は雨女             D♯2 〜 F3    ♭4(オクターブ上げ)  #4        ♮        ♭4 

  あるぴの G2 〜 B3          #2       ♮ ♭2   #4(オクターブ下げ)

  海にうつる月               A1 〜 D3 ♮(オクターブ上げ) ♭2(同左) ・ #2

        ♮ ウララ                  C2 〜 E3    ♭2(オクターブ上げ)  #5        ♮        ♭2

丘の上                  C2 〜 D3      ♮(オクターブ上げ)  #5       #2       ♭2

お経                   D2 〜 F3    ♭2(オクターブ上げ)  #5       ♮        ♭5

オゾンのダンス B1 〜 F♯3    ♭4(オクターブ上げ)  #5       ♮        ♭4

おなかパンパン E2 〜 E3 ♭2(オクターブ上げ)  #3       ♮        ♭4

オリオンビールの唄 A1 〜 F♯3     ♮(オクターブ上げ) ♭4(同左)   #3       ♭4

おるがん                 G2 〜 B3          #2       ♮       ♭2   #3(オクターブ下げ)

学校にまにあわない          E2 〜 G4 #3        ♮        ♮        ♭5

かなしいずぼん             G2 〜 Eb4 #2       ♮        ♭5    ♮(オクターブ下げ)

鐘の歌 F♯2 〜 F♯4 #3      ♭2  #5(オクターブ下げ) ♭2(同左)

   かわいい流れ蛸 E2 〜 B3          #5        ♮       ♭3   #3(オクターブ下げ)    

きみしかいない             D2 〜 A3          #5      #2        ♮        ♭5

金魚鉢                  G2 〜 G3          #2       ♮        ♮        ♭5

月食仮面                F♯2 〜 B3          #3       ♮       ♭2   #3(オクターブ下げ)

ここはもののけ番外地         F2 〜 E4          ♮        ♮       ♭5   #2(オクターブ下げ)

こわれた                 E2 〜 E4          #3        ♮       ♭5   #3(オクターブ下げ)

さよなら人類(シングルヴァージョン)D2 〜 F3    ♭5(オクターブ上げ)  #4        ♮        ♭3

そんなぼくがすき            E2 〜 B3         #3        ♮       ♭2   #5(オクターブ下げ)

月夜の病院               D2 〜 B3         #3       #2       ♭2   #5(オクターブ下げ)

東京パピー C2 〜 G4    ♭5(オクターブ上げ)  #2 ♮         ♭3

どんぶらこ               D2 〜 E3    ♭2(オクターブ上げ)  #3       ♮         ♭2      

なぞのなぞりの旅          G♯1 〜 D3    ♮(オクターブ上げ) ♭2(同左)    #3         ♮

夏の前日               Db2 〜 F3         #6        #4       ♮         ♭3

日曜日に雨 D2 〜 F3         #5        #2       ♮         ♭3

   パルテノン銀座通り B1 〜 D3    ♮(オクターブ上げ) #5 #2 ♮

方向音痴                F2 〜 D4         #4        ♮       ♭3   #2(オクターブ下げ)  

星を食べる               B1 〜 D3    ♮(オクターブ上げ)    #5       #3・       ♮        

まちあわせ               D2 〜 E3    ♮(オクターブ上げ) #3        ♮ ♭2  

マリンバ E2 〜 F3         #4  ・ #2        ♮          ♭3

         満月小唄 E2 〜 G3         #5 ♮     ・ ♮         ♭5     

   満月ブギ                F♯2 〜 G3         #2        ♮         ♮         ♭5

むし                   D2 〜 D3   ♭2(オクターブ上げ)  #5        ♮         ♭2

夕暮れ時のさびしさに        G2 〜 C4         #2       ♮        ♭3    ♮(オクターブ下げ)

夜のどん帳              D2 〜 F♯3   ♭5(オクターブ上げ)  #3        ♮         ♭4

らんちう              ・ Bb2 〜 E4         ♮        ♭2       ♭5    ♮(オクターブ下げ)

れいこおばさんの空中遊泳     D2 〜 F♯3   ♭5(オクターブ上げ)  #3        ♮         ♭4

            レインコート            ・ G1 〜 D3    ♮(オクターブ上げ) ♭2(同左)    #3          ♮      

   ロシヤのパン ・           E2 〜 A3         #3        ♮         ♮    #5(オクターブ下げ)

     ワルツおぼえて            D2 〜 F♯3    ♭5(オクターブ上げ)  #3 ・    ♮         ♭4            

以上です。なんの参考資料や機械・ソフトも使用せず脳内再生で調査しましたので間違いがございましたらご指摘くださいませ。傾向としては知久さんの曲は声の低めの女性にピッタリのことが多く、石川さん柳原さんは高い音域の男性向き、滝本さんの曲は結構低音を使いますから女性には原曲キーで歌うことは困難であるようです。

さてさて高音トップは石川さんのG4、「学校にまにあわない」と「東京パピー」に出て来るシャウト部分ですね。
低音のトップは滝本さん、G1。「レインコート」の「♪よけいなものまでぜんぶ〜・・・」のところです。
結論、配信中の「たま」の楽曲すべてを原曲キーで歌いこなすにはなんと高低3オクターブを歌い分けないといけない、ということが発覚しました。そら無理です、無理。というわけで、キー変更が苦手でない方は、当レポートをご参考にしてカラオケ店でお歌いいただければ幸いです。

・・・・・・ていうかこれだけ時間かけて作業を終えましたが、果たしてどれだけの方に需要があるのか甚だ疑問になってきました。趣旨が違う、無意味ということでしたらコーナー変更、「あほな作業に時間をひたすら費やした私」というタイトルで「私のまわりのおバカさん」へお願いします(笑)。(オポムチャン)


(本人より)音楽のことはよくわからないけど、なんか凄い作業だというのは分かる(笑)。
是非みなさんカラオケで歌って少しでも僕らに印税の小銭をください。よろしく〜。

ウキュピレコード‘14.12月配信曲 まちあわせ LIVE

石川さんのツィッターをいつものように卑猥に覗き見してると、【音源アップ】の文言が。
なんのこっちゃいな、とよくよく読めば、なんと新録のライブ版・「まちあわせ」が我らがウキュピレコードにて購入ダウンロードできるようになったということじゃありませんか!

現在募集中の「お題曲」の配信まではとくに動きが無いものと思い込んでいた私には嬉しいサプライズ、早速200円支払。
この「まちあわせ」、イカ天キング? か何かに選ばれた誉れ高き名曲なのですが(笑)、配信するにもえらい短い曲だったのでは? と思いきや、石川さんもツィートなさっていましたがなんと原曲の2倍もの長さになっているとのことです。いったいこの曲の何処に延ばしどころが?? 聴いてみましょう。

「じゃ、に、二部をはじめます」
おおお、まさにライブの雰囲気だ。さあいつものようにギターでぽろんと始まる・・・ のではなく、驚くなかれ今回の「まちあわせ」はレアなピアノ弾き語りヴァージョンなのです!!

もちろんまっとうなピアノ演奏はされません。普通のアーティストには奏でられない、石川さん独特のアドリブ・ピアノがそれはそれは不穏な和音を響かせます。
近接した鍵盤を叩き不協和音を作り、ベース音をさらにぶつけて唯一無二の雰囲気を醸し出します。まるで、そう、夜2時15分近くに静まり返った裏通りを歩くような、暗闇の沈黙の中を彷徨うような気配を演奏から感じます。

そして不気味な路地の角を曲がると、そこにはタキシード姿の石川さんが立っていて、朗々と歌い出すのです。
単音のピアノとともに、「♪ゲン、ゲン、ゲーロゲーロゲーゲゲーロロ〜〜」と。丁寧に丁寧に、「♪粉〜が付ーいてーる・・・」まで1音1音鍵盤を叩きユニゾンで歌い上げます。
ひととおり口の周りのハムカツ粉を冷やかしたと思うや、世界は突然乱調し、怒涛の速弾きでのアドリブが再び展開します。

これは夜2時15分からかけ離れ、まるで真昼の雑踏のようです。人、車、飛行機、情報、モノ、電波、思念など様々なものが満ち溢れ飛び交う東京。そんな世界が便利になり様々なものが高速でやりとりされる現代社会の飛び交うモノたちがたてるノイズを表現しているようです。
おそらく2度と同じ演奏は出来ないでしょうが、同じ空気感の演奏はきっと石川さんならやってのけられるのでしょう。もはやこのピアノはパーカッションと化しているのです。

ノイズの嵐が止み、開けた視界の中に、また石川さんが立っていました。
・・・嗚呼! 便利の嵐に中(あ)てられて、ちょっとピアノをトチってしまっている(笑)!!
  そうです。便利のノイズは耳に、脳に毒なのです。不便の方が大分いいのです!

ということを歌い上げられ、フィニッシュに行くか・・・ と思いきや「♪大分、い・・・」で溜めを作り、静寂ののち「♪いぃ〜〜〜〜」で美しいCの和音、今までの乱調とは打って変わってドミソで解決して終了。最後の最後でピアノ弾き語りらしい演奏が出ました(笑)。

いやぁ・・・面白かったです。ピアノだとこういう予測不能のアドリブが出来、毎回違った雰囲気の演奏が楽しめてこれもアリですね! 出鱈目に叩いてるようですが、何の計算もなしに闇雲に叩いたって、この気配は出せるものではないと思います。この即興力は、さすが石川さん! と呻るしかありません。
というわけで、是非皆様もこのレアバージョンを手に入れてみてください! そして私と違う角度でレポートしていただければ私も石川さんも嬉しいです(笑)。(オポムチャン)


(本人より)これ、実は本番直前に「各自で一曲ずつソロコーナーをやろう」とマツさんが言い出したのです。
既に開場しておりステージでリハーサルは出来ない状態。
然るにこの日はギターを持って来ていないのでいつもの弾き語りは出来ない。
でもパーカッションソロというのもなんかありきたりだ。
そこでハッとひらめいたのがこの「まちあわせピアノ弾き語り」。
感想でも書かれていたが惜しむらくは二番の弾き間違い。
事前に一度でもリハーサル出来ていたら音の確認が出来ていたのに(ちなみにギター弾き語りの「まちあわせ」はこの部分はアカペラなので何の音を押さえるのか分からなかった・・・ムムムッ)。
一度もリハーサルでもやったことの無いピアノを本番でいきなり披露!
ちなみに収録時間は4分を超えているので、普通の曲の長さはあります。
でもこれをイカ天でやってたらグランドチャンピオンにはなれなかったな(笑)。

YouTube【たま御歳暮'95】さよなら人類の動画

たま御歳暮'95のさよなら人類の部分だけをYouTubeで見た時の勢いあふるるレポート。

カフェのWi-Fiで見たので、湧き上がってくる涙を抑えるのに一苦労。でもお外でよかった。家で見てたら確実にボロ泣きだったコレ。
こんな映像見てしまって、あまりのテンションダダ落ちに、其の後暫くなんなら翌朝目が覚めるまで、ものすごく刹那的になりすぎてた。

95年グローブ座『たまの御歳暮』の♫さよなら人類 の動画を見てしまった。
  興味本位でYouTubeをクリックしたが、これが大失態(?)パンドラの箱を開けたような結果になってしまった。
  書いて整理せずにはいられない。
ので!初のザ・レポート投稿ここれになってしまった。もっと楽しいのを送りたかったのになーもう。
今度リベンジします。

柳原さん脱退の時のライブ映像…なんですよね。
  前奏はオールドバージョンというのでしょうか、ナゴムコレクションに入っている様な方のイントロから入るタイプで、柳ちゃんがもう始めっから思い入れコミコミで入っていく。
ボーカルは曲中基本的にずっと低調のメロディライン。
映像は柳ちゃん中心で撮られてくけど、他のメンバーも声から演奏から、だんだん感情込められてるのが伝わってくる。  間奏の「さるーーーーー」の部分、皆があふれそうな気持ちを込めつ押さえつ歌っている様子、少し映像にも映るけど、その表情がすごく痛々しい。

こんなに悲しいさよなら人類は見たことがない。
  『たまの詩集』のあとがきで石川さんが、同じ言葉であっても言い方で全然伝わり方が違うというようなお話を書かれていたけれども、正にこれがもうその通りのことだと思った。何度となく聴いてきたさよなら人類が、全然違うものでそこに流れてた。
歌には感情があるんですね。
  同じ歌詞、おなじみのメロディなのに死ぬ程さびしい。

  それでも名曲はやっぱりとっても美しくって、聴き入ってしまった。
  それはなんだかキレイな花びらが勿体無いのにゆっくりヒラヒラ落ちていくようなそんな演奏だった。

語りすぎたー(恥)
でもそれと逆行するみたいに、本当の解散ライブ'03の時のワタナベイビーハプニングによるグダグダなさよなら人類は、とっても明るくって、最後なのに笑えてたまらしくって、すんごく良いと思ったのでした。

つづく(ジェレ美)


(本人より)覚えて無い・・・。
まあソロ活動の為の前向きな脱退だったからね。
でも自然と「これが最後の演奏なんだな」っていうのはあったかもね。
物事にはなんでも終わりがあるからね。

たまの御歳暮'95

まず、
♫牛小屋

MC知久
始まりの挨拶に際し、本日のトラブルについてお詫びする。
「凄く早めに来た人が入れなくて外でテレビで見ているということで(中略)ときどき石川さんがよそに向かって言うと思いますが、その時はそういうことなんだなって、思ってください」

♫ロシアのパン

♫ふたつの天気
  柳ちゃん:伏目がちに演奏
  知久くん:演奏に熱中の様

♫リヤカーマン

♫ジャバラの夜
  柳ちゃん:表情基本的に曇りがちでなんだか重い雰囲気。時々込み上げるのを堪えてるみたい
  知久くん:左の方ばかり向いて柳ちゃんを見ないようにしてると感じるのは穿ち過ぎ?
  石川さん:つとめて明るい。普段通りにしてる風

MC
  柳「どうもありがとう」
  知「どうもありがとう」
  石「どうもありがとう」
  G「どうもありがとう」

ノリで結局全員が言うパターン。かわゆい。
で、次の曲に入るも少し揃わず、

  知「もいっかいやろ」
  G「うーんwもいっかいだねぇ」

今度はきちんと合って、
♫月食仮面

♫海にうつる月

♫電柱(でんちう)
  知久くん:泣いている?
  柳ちゃん…も、泣いている?
  石川さん:コーラスがめちゃ優しい

ここでこの曲はダメです。泣けてしょうがない。くそぅッッ名曲めっ!
石川さんの優しさに心底感謝。

♫たかえさん

♫日曜日に雨

♫ウララ

MC知久
「どぉぉ〜も〜!」

↓からの
↓知久ギタ柳ピアノでそのまま↓

♫とこやはどこや
  柳ちゃん:相変わらず目を伏せたまま、他メンバーの明るいコーラスとメチャクチャ対照的に暗〜い。

↓で、石川シャウト

「とこやはッ
  どこッ
  やー〜なぎはら幼一郎くん、11年間お疲れ様でした。
  またッ
  一緒にッッ
  悪巧みでもッッ
  しようぜーーーー!!!」

Gさんガン見w
知久くんも近寄るw
表情が見えないのが残念。
でもこれで明らかにこれまでのシトッとした雰囲気が打ち砕かれた感あり。

MC柳原
 「どうもーありがとうございました(苦笑)
  ちょっとウニャウニャウニャ(?よく聞き取れない)」

↑ここで笑顔になった模様。
   さすがは我らがマスター石川!!

♫夕暮れ時のさびしさに
  知久くん:少し晴れやかな表情に

MC知久
「どうもありがとう夕暮れ時のさびしさにというそれはそれは寂しい歌でしたー」
  (スタンバイまだっぽ)
「どうもありがとう夕暮れ時のさびしさにというそれはそれは寂しい歌でしたー」

ただ復唱して笑わせる知久MC

♫お経
  坊〜主〜、坊〜主〜
    (石川シャウト)俺もだ!!!
  ↑に、じわっとウケる柳ちゃん

♫冥王星

石川アドリブで「よっよっよっ〜」と歩き回り、おとなしくスタンバってる柳ちゃんに「柳原、よ〜!」と指差し絡む。

というわけで よ〜ぉぉぉっ
♫らんちう

知久くん、気になったのか演奏しながらチューニング。
OKらしく、後ろ手で「大丈夫」のサイン。

今日もマスターのジャンプが冴えるぜ!

間奏アドリブ部分でメンバー紹介をする柳ちゃん。
「たまでしたー!」で〆た〜と思ったら、知久くん「♩魚で一番悲しい金魚〜」とリピートしはじめ、
「逃げようったってそうはいかんぜオマエ」
ツッコミ捨て台詞で無理やり柳ちゃんに再度アドリブ台詞部分をやらせる。
「魚で一番…」ですぐそれに気づき、ガックシ後ろのオルガンに手をつきうなだれる柳ちゃんに笑える。
で、柳アドリブ。
「思い出は走馬灯のように頭を駆け巡る訳でございます云々…」
これに知久くん&石川マスターのチャチャとシャウトの「また嘘かいッ!」等々が入るのがまた笑わされる。

〜全員チューニング〜

♫満月小唄

柳ちゃんが本当に寂しそうに歌う。知久ハモリ入った瞬間は眉をしかめて感情を堪える様子みられる。
Gさんの眉間にもなんとなくシワ。

MC柳原
  「どうも今日はクリスマスにお集まりいただいてありがとうございました」
ここで脱退のお話が本人の口からあり。

♫鐘の歌

#######本編おわり#######

####アンコール####

Gさんサンタ服で登場。
(↑因みにこれの帽子については後でマスターに奪われた挙句(サンタ帽子にランニングって…w)客席に投げ込まれる運命にある)
可愛いお姿に皆がなごむ。

柳ちゃん即興ギターで♫聖しこの夜を歌い始めると、客席から合いの手「キヨシ!」と入り、柳ちゃん吹き出す。

で、ここでたまの真骨頂。即興に全員が適当に合わせて
↓か〜ら〜の〜
↓切らずにそのまま曲突入!柳ちゃん目配せで知久くんピッタリ。うう〜ん!やっぱ凄いぃ。

♫マリンバ
石川マスターのおふざけをブルースに無理やりのせる柳ちゃん。
石川アドリブで、
 「たまが生まれたのは…ここから歩いても10分くらいの地下室でした云々」
にピアノを弾きながら柳ちゃんコクコク頷く。

そしてマタマタそのまんま次の曲に突入。

♫お昼の2時に

####アンコール2####

♫あるぴの

♫さよなら人類
目をつむったままの柳ちゃん。
皆の演奏をしっかり聴くように。
時々笑顔にも。でもずっと目をつむってる。

間奏アドリブ
「シャラララ… 雪が落ちてくる
   シャラララ… 僕は何にも見えないよ…」
に聴いている方もやっぱり涙溢れる。

「さるー、さるー、さるー、さるー」
全員、声が伸びない。

曲終わり、一礼をして、早々に立ち去ってしまう柳ちゃんの背中が切ない。

####アンコール3####

♫空の下

♫おやすみいのしし
石川さん「ウッアーウッアー」の後ろで、おふざけ顔を覗かせる柳ちゃんの顔は晴れやか!
ああ〜これで最後なのねぇと思わせられるも、メンバー全員のお顔が明るいで満足。もう言うこと無いよ!本当にありがとう4たま‼︎‼︎‼︎

と思ったら最後の最後は、

♫まちあわせ
うおおん!息ピッタリ!
「粉がついてる、口のまわりにハムカツの〜」でマスター石川が柳ちゃんのお顔をパチパチ!お口周りをペッタペタwww笑いをこらえて耐える柳ちゃん!
妙ちくりんニヒル笑顔でメンバー全員が引き付ける絶妙なパフォーマンス‼︎

全員で歌い上げ、石川さん
「どうもったまでしたっっっ」

全員でそろって綺麗にお辞儀。
最後はきちんと客席に向いてから去った柳ちゃん。

もうこれはマスター石川に大大大健闘賞を贈呈したいと思います!
ずっと明るくいつもの如く楽しく振舞って、
重くも感じさせた序盤からの雰囲気を一転させたのも、
後半に向けてみんなのテンションを底上げし続け(なにげにGさんもこの時は結構参ってた感ある気がする)最後の最後でお客様さんをシュールに笑顔に巻き込む、そんでもって気持ち良く〆る。
たまのオルガナイザー石川の男気を力強く、いやもう心強く、感じさせられたライブ映像でした。

これを見て救われた。
たまは本当に素敵なバンドだー (ジェレ美)


(本人より)解散ライブも最後は「ヒゲのある暮らし」だったからね。
たまの終わりに湿っぽいのは似合わないぜっ。
ちょっぴり切ない馬鹿バンドでしたっ!

2014年11月15日(土) ホルモン鉄道 「第二回 全日本○珍(まるちん)音楽大博覧会」 戸頭 はこカフェ

お店を出ると星がきれいでした。

帰る道々、歩きながら歌い出したくなりました。でも、人の迷惑だからと我慢しました。

この日に集った、表現する人たち。

楽しみ、楽しませるジャグバンド「トリルイ」。

熱くてクール、狂っててストイックな「てあしくちびる」。

喜劇の奥に痛みが溢れる段ボール紙芝居、飯田華子さん。

レコード屋「円盤」の店主・田口さんのお話と柳家小春さんの歌・三味線。声に誘われて、どこかから霊か何かが降りて来たみたいでした。

「ふちがみとふなと」の、渕上さんの穏やかにしみこんでくる歌声。強く優しく寄り添う船戸さんのウッドベース。

主催の「ちくわ朋彦トリオ」。弾けるような笑顔の向こうに、抱えきれないほどの屈託がありました。

「ホルモン鉄道」は乗客を当惑のどん底に叩き込み、かと思えば叙情の駅で乗り換え接続。さわやかに毒を効かせ、ふいに暗闇を覗かせます。

はこカフェのマスター、ペヤングさん。お店のなかや料理、コーヒーもまた、ひとつの歌のようでした。

皆さん、志に覚悟を決めた方なのだと感じます。

僕は歌を歌いながら、自分にうんざりしたり、己の稚拙さにいじけたりすることがあります。

今は、それは甘ったれであると感じます。


ライブが終わってお店を出ると星がきれいで、歌を歌いたくなりました。

人の迷惑になるからと、心の中で歌い歩きました。観に来て良かった。ほんとに良かった。


…ところで、ホルモン鉄道は石川さんがハチャメチャをして大谷さんを振り回すのかと想像していたのですが、それは一側面に過ぎませんでした。大谷さんも勝手に曲順を変えたり、打ち合わせにない新曲を歌いだしたり、急に石川さんとゲストの「ふちがみとふなと」さんに恥ずかしい振り付きコーラスを要求たりと自由奔放。それでいて、終始ほがらかで味わい深い人柄。自分の父親くらいの年齢の方ですが、キュートで可笑しくて、失礼ながらニヤニヤしてしまいました。

ホルモン鉄道、素敵です。好きです。 (イーダけん痔)

(本人より)そうなんだよ、一見俺が振り回して大谷が諌めるとイメージしてる人もいるだろうけど、実際は・・・ふたりともハチャメチャっす(笑)。
まぁハチャメチャやるのがホルモン鉄道だからね。
イベントもどの人も見応えあって良かったね。
俺はちくわ君主催のイベントにはもう4、5回出てるけど今後も呼ばれるといいな。
その際はまた是非遊びに来てね!けん痔くん。←サインに書いた名前

ホルモン鉄道のCDを聴いて

ホルモン鉄道のCDを聴いていて思うのが、二人が大事にされている音階とリズム。
それがよくわかる歌が、「包茎ジョナサン」と「悪代官」だ。
包茎ジョナサン!あの綺麗なメロディーラインを遊びがないかのように歌っておられる大谷氏。「俺も綺麗に歌えたら」と思ってしまうのだ。
悪代官!最初は綺麗なメロディーラインなのに途中から絶叫系に変化させておられる石川さん。でもこの歌のパーカッションに注目して聴くとびっくりする。「この方こそ本物のプロ」。
表現力のない俺はこんな書き方しかできません。でもこのお二人の違いを書いてみたかったのです。
この違いがホルモン鉄道の魅力の一つ。そして、ホルモン鉄道は走り続けてるんですよねえ! (西大路)

(本人より)悪代官のパーカッションは最初入れる予定は無かったんだけど「なんか音がスカスカだなぁ。ライブならいいけど。あっ、パーカッション入れるか!」と。
なんせライブでは俺がこの曲のギターを弾いているので同時にパーカッションは出来ないからね。
CDだからこそ出来るダビング。
はい、今日もホルモン鉄道はどこかの町を走り抜けてますよー。

2014年10月 石川浩司ウイークエンド!沖縄 〜 序章 〜 それは突然やってくる!

10月の那覇は暑い、台風の過ぎ去った後など時には肌寒いときもあるが、基本的にはTシャツ一枚、寝るときはパンツ一丁で十分な温度である。

そんな10月の沖縄に石川浩司さんをお招きして、イベントを企画したのである!
僕がやっているBARドラミンゴでのセッション3DAYSに、那覇・コザでのソロライブ、そして天使のおっさんの昼寝屋、、、

思い起こせば2年前。いや、きっかけは3年くらい前か。
僕が家族で住んでいたタイ北部の都市チェンマイでのこと、ある晩ぼくはipodを全曲シャッフルで聴きながらインターネットをしていたとき、流れてきたたまの曲にあわせてなんとなく「石川浩司」をネットで検索、、するとそこでファンの方々とチャットでお話する石川さんがいるではありませんか!
さとう「今タイのチェンマイにいます〜」
石川「え、チェンマイのどこ?俺も毎年2月はチェンマイにいるよ〜ん」
さとう「ガートスアンケーオというデパートのとなりの青と白のアパートですよ」
石川「そこ俺が去年住んでたとこじゃん!」
・・・・・  なんたる偶然!

その後沖縄に移住し店をはじめたぼくは、再びチャット・バーウキュピでの会話から2012年に行われた「石川浩司ウイーク 〜一週間ぶっ続けセッション〜」を、企画するに至ったのでした。そして今回、そろそろまた石川さんを沖縄に招いて楽しいことやりたいな〜などと思っていたタイミングで、自身が所属するバンド”やちむん”の関東ツアーの合間のオフの日に「次回の沖縄ライブの打ち合わせでもしようか」という事になり.西荻窪の秋田ばる七尾で石川さん、なおさん等と、いぶりがっこサワーを飲みながらの打ち合わせ、そしてふたたび、2年ぶりに石川浩司が沖縄にやって来たのである!!

つづく・・・・ (さとうこうすけ)


(本人より)思えば不思議な出会いだったよね。
チャットで喋っただけでお互い一度も会ってないのに俺史上前代未聞の一週間ぶっ通しライブ!しかも毎日ジャンルも違う初対面の人と即興セッション!
確かこうすけ君が開いたバーでもほぼ初めての本格的なライブでいきなりそんなチャレンジを!
でもやって良かったね。その時があったから今回もあるんだものね。

2014年10月 石川浩司ウイークエンド!沖縄 第一章 〜 ドラミンゴ3DAYS! 〜

那覇空港へ石川さんを家族全員で迎えに行く、前回は石川さんとも初対面で、同行した市場の古本屋「ウララ」の宇田さんも僕も緊張でガチガチ!だったけど今回は「おひさしぶりでーす!」と、ぼくの嫁でダンサーのジーナも5歳のりゅうちゃんもうれしそう。

そして始まったドラミンゴでのセッションライブ3DAYS!

初日は地元のジプシー音楽のバンド”ビッコス”とベリーダンサーZina&Smaraに石川さんがパーカッションで加わったセッション。今回は石川さんのランニング姿への”お着替え”からスタート!?!そう、この2年のあいだに石川さんはまたランニング姿でライブをやるようになっていたのである。
そのお着替えもビッコスの演奏に合わせて歌いながら行う石川さん、初めて合わせたとは思えないほど、息のあったパーカッションを加える石川さん、ダンサーとの絶妙な絡みを見せ、くるくると回り歌い踊るの石川さん、釣り竿から垂らした鈴を漂わせ、2年前にはなかった新技を見せる石川さん。
やはり石川浩司は健在だ!と、ぼくは嬉しくなった!
最後はメンバー全員が演奏しながらドアから外に出て行き、「地球を一周してきまーす!」、そして再び店内に戻り「地球は以外と狭かったー!」のラストで初日のライブが終了。
この日のライブではスタンプカードが配られ、スタンプが3つたまると前回の石川浩司ウイーク(2012)の非売品DVDがプレゼントされるというおまけつき!(結果最初に用意した11枚と追加の10枚の計21枚が配られました!)


そして2日目、ぼくがドラムを担当している”やちむん刺激茄子”とのセッション!
正直、楽しすぎて.あまり細かい部分まで覚えていませんが、まぁ〜とにかく笑った!
石川さんと年齢もちかく、芸達者なやちむんのリーダー奈須さんと石川さんの相性もよく、やちむんの代表曲のひとつ「タコス屋で逢いましょう」の間奏部分では「本来はここはギターソロの部分ですが.今日は浩司さんの喘ぎ声ソロでお届けしま〜す!」のフリに「あ〜 あぁ〜ん んあぁ〜ん あぁぁ〜」で石川さんが応える爆笑ソロや、「床屋の孫」という曲での石川さんの「とこやはどこや〜」の即興コーラスに、会場に来たお客さんもとてもうれしそう。新曲「一生売れない心の準備はできてるか」では、「なーに たとえ一時売れたとしても・・」というの石川さんの即興での語りも加わり、大盛況にてライブ終了!。このやちむん刺激茄子と石川浩司のジョイント・ライブはいつか東京のお客さんの前でもやりたいなー、もし内地での石川さんとのライブが実現したら.
そのときはみんな是非見に来てねー。


そして3日目は誰とでもセッションデー!
この日は会場にきたお客さんがだれでも参加できる企画。セッション希望者の名前の書いた紙を箱に入れ、くじ引き方式でセッションしてゆくというもの。
最初に選ばれたのは、前回の石川浩司ウイークで一週間続けて撮影をしてくれたスケボーヨーヘイ。
前回の思いでなどをしばし語ったあと、口琴でパーカッションとセッション!
つづいては初日にビッコスで、2日目はやちむん刺激茄子でトランペットやフルートを吹いていた、那覇在住ミュージシャンの長谷川ヨッチャン。この日はアコーディオンで参加のヨッチャンの「それでは、ぼくの演奏にあわせて”イタリアに住む思春期の少年セバスチャンが恋をするのだが、同時に性欲も湧いてきてしまい、これは本当の恋なのか?と悩む気持ちを即興で唄って下さい」という難題!に、壮大な世界観をつくり歌いあげた石川さん!見事でした、会場も大拍手!
カウンターにいたお客さんも「すげぇ〜!!」を連発、「セッションってこういうものなの?」とも言ってました!笑。セッションといってもただただパーカッションが入るだけじゃない、圧巻のパフォーマンスにこの日はじめて石川さんのライブを見たであろうお客さんは驚いてました。
そしてコザでアルテというライブハウスを営む.やまじんさんとの”変態セッション!笑に、三線や八重山民謡とのセッション、沖縄で人気のバンドJack the Nicholson'sの金城小町さんの歌う大工哲弘さんの東京節のカバー「沖縄節」など、沖縄でしかありえないセッションなどもあり。
そしてぼくも、この誰とでもセッションに参加!ドラムとパーカッションでの打楽器セッションを希望、実はこれたのしみだったんです。前回2012年の時、一週間すべてのライブを終えた後お客さんも帰って誰もいなくなった店内で石川さんと太鼓でセッションしたのが、ぼくにとって本当にかけがえのない時間であったので、こんかいも二人で打楽器セッションするぞ!と。
そしてはじめた即興演奏・・ 最初はビートも無いようなアバンギャルドな始まり方で、次第にビートができてゆき・ リズムを刻んでゆき・・ 音楽としては出来上がっているけど、、なにかお客さんにインパクトを残さねばっ!と思い、途中で僕のドラムと石川さんのパーカッションが入れ替わる!という奇襲にでてみました!お客さんも楽しんでくれたんじゃないかな〜。
そんなかんじで計10数人とのセッションで3日目も終了。

あとは来週のソロライブと天使のおっさんのひるね屋をのこすのみ、石川さんにはライブ3連チャンの疲れを癒すためゆっくり休んでもらい、僕たち家族はつかの間の休息で慶良間諸島に行き、海でウミガメをみたりして過ごした。
そんな10月の沖縄です、    つづく・・・(さとうこうすけ)


(本人より)やっぱりセッション好き。何が起きるか分からないし予定調和しようもないし。
本人達も思ってない化学反応で新たな音楽が生まれたり。
一期一会のまさに音楽の醍醐味だね。
多分セッションしてる時、自分の頭が意識無意識ともにもっともフル回転してるんだろうなあ〜。

2014年10月 石川浩司ウイークエンド!沖縄 最終章 〜 わっかをなくした天使のおっさんのひるね屋 in 沖縄 〜

慶良間諸島から戻った僕は、天使のおっさんのひるね屋のメニュー作り、金曜日には、西荻窪で一緒に打ち合わせをしたなおさん、メイプルようこさん、なおさんといっしょにやちむんの高円寺抱瓶でのライブを見にきてくれたニューさん等、内地からこのイベントに来てくれた3名とも合流し、喫茶カラーズで石川さんのソロライブを見て、土曜日はドラミンゴで別のモアリズムというバンドのライブがあったので、僕は仕事。
沖縄市アルテコザのライブには行けなかったけど、こちらも大盛況だったよう。

そしていよいよ最終日、わっかをなくした天使のおっさんのひるね屋!in 沖縄

金曜日の喫茶カラーズで2年ぶりに、石川さんの緩急もあり時に強烈な緊張感もある圧倒的なプロフェッショナルなライブを見て、心底感動した僕は、ひるね屋のリハ.セッテイング中に「すばらしかった、特に”玄関”という曲、ぼくはあれがいちばん好きだった」ということを伝えると、「じつはあれ新曲なんだよ〜 新曲が評価されるのはうれしいな」と。
そしてある程度の段取りを決め、石川さんはいなくなり、現れたのは天使ちゃん。
僕は自己判断で黒のスーツにサングラス、胸には【悪】の文字を付け悪魔に、、
そう!大阪で天使のおっさんのひるね屋に行ったみなさん!
大阪のひるね屋にも黒のスーツを着た悪魔がいたでしょう!
実は.天使のおっさんのひるね屋の地方開催のやりかたの概要をつくったのは僕なのだっ!
この功績をたたえて、沖縄に旅行に来た際にはドラミンゴに飲みにきてねっ。

そして、ひるね屋オープンと同時にお客さんが入ってくる、
そこには寝ている天使、、 BGMには昔コーヒーのCMに使われていたダバダ〜♪
悪魔が無表情でアナウンスをし、ゆっくりと始まった・・
なんともシュールな会場の雰囲気の静寂を破った最初の注文は、、「天使と写真撮影」、その後はそれにつづくように沢山の注文が入ってゆく、そのつどフライパンの音で起こされる天使、、「着ぐるみのねことのセッション」「赤ちゃんのまえで気狂い踊り」「人形劇とのセッション」「田中角栄降臨」「嘘」「着いた〜!」「お告げ」などなど次々に注文があり、会場も笑いがあふれ、とてもいいイベントでした。
ぼくは悪魔に徹していたのでなるべく笑わないような演出を心がけていたけど、なおさんの「土下座お願いしま〜す♡」で思わず吹いた(笑)
他にも絶妙な間をあけて同じ人からの「腕おなら」3連発注文や、体重90kgの男性の「お姫様だっこ&写真撮影」など笑わずにはいられないものがたくさんあり、「会場BGMとのセッション」「即興歌」「ガウディさん」「ネムイ」「カブラギの教え」「学校にまにあわない」「夜の牛たちのダンスを見たかい」など、うたの注文も沢山あり、ぼくは再び「玄関」を注文。

最後は時間を確認するために使っていた目覚まし時計をならし寝ている天使を起こし終了!

こうして、石川浩司ウイークエンド!沖縄は大盛況で終了したのでした。

最終日に空港へ向かう前に、僕の家の近くの”満湖公園”で写真撮影、なおさん、ニューさん等と近くのパーラーで10月おわりのかき氷をたべ、石川さんはまた、次のライブへ向かって行きました〜。楽しかった

今度はホルモン鉄道を沖縄に呼ぶぞ〜!

おわり。 (さとうこうすけ)


(代理人より)この企画は以前にニヒル牛2でやっていたものの騒音問題等で出来なくなったもの。
ただその時は会期も一週間以上で時間も長かった為、お客さんも入れ替わり立ち替わりだったので今回のようにライブ形式で入場料取ってやったのは初めて。
こうすけ君が悪魔になっていたのは笑ったなあ。あとBGMも如何にも天使っぽいクラシックで。
ともあれ、多少の改善点は残しつつもこういう馬鹿な企画が出来ることが分かったのは良かった。
さあ、今度はどこに天使が現れるかな!?

DVD ホルモン鉄道デラックス

   て、手に入れたぞ・・・ こないだの「ホモ鉄」と略されるきっかけになった(?)際どいパッケージの第一弾DVDは円盤さんの通販で買ったけどこのDVDは地下オンも円盤もなんか通販のコーナーに姿を現さないので、ようやく信楽の石川さんのソロライヴで手に入れたった・・・!
(※ “スタッフ”なおさん曰くニヒル牛で通販が可だそうです)  

相も変わらずジャケットがいかしてます。左側のパツキン淑女が実はよくみると石川さんだという事実に気付かない方多数という凝りすぎっぷりがまた楽し。maipenrai graphicsのセンスが光ります。  

今回はいつものホルモン鉄道に豪華ゲストが加わったデラックス版、いつもの3人でももちろん最高に楽しいのですが新作CD録音の際にも加勢してくださったサキソフォン梅津さんとヴァイオリン太田さん、さらにバスに後藤勇さんドラムスに石塚敏明さん、踊り子とコーラスにみっち。さんを迎えてのCD発売記念ライヴの映像です。
おまけに昨年(2013年)のお正月ホルモンライヴ映像では知久さんとジョニー大蔵大臣さんがサイドを固めてのレアホルモン! これをデラックスと言わずして何と呼びましょう!?

  早速再生してみましょう、おわっ!! メインメニュー画面でまたしても紳士淑女ホルモンがお出迎え! いちいち珍妙な気分にさせてくれます。
さわやかな婦人コーラス隊の掛け声で登場する、われらが石川さん&大谷さん。初っ端は3度目のライヴ演奏だけどまだ1回も成功したことが無いという(笑)「アタックNo1」。打ち込みサウンド故の異色のカラオケ状態でホルモン鉄道は走り出しました。
歌詞カードも用意して(笑)準備万端のお2人。まだこの曲に身体が馴染み切ってない感じですがそれもまたレアで良いものです。内容のシュールな面白さはもはや説明不要ですね。  

ここからは豪華メンバーの登場です! 上記の皆様に加えもちろんとっちゃんさんもスタンバイ。いつもの3人よりも厚みがありしかもドラムスがしっかり支えてくれるので石川さんがより自由に羽ばたけます。  

「孔雀」でみっち。さん登場、いつもの無表情でくねくね踊ります。なんともいえない曲の雰囲気をさらになんとも言えなくさせる、不思議な魅力のダンスを加えてくださる名スパイス役です。このみっち。さんのコーラスがまた綺麗で、「エチケット番長」におけるとっちゃんさんとの「エチケット番ぁ〜〜ん長」なんてお2人ともご生誕半世紀とは決して思えないピュアなお声。なんかキュンキュンします。  

ホルモンワンマンと特に雰囲気が変わるのが「たちあがる日本」。イシウメ太でも組んでいらっしゃるお2人のこれでもかとばかりに不穏なインプロビゼーションをバックに長調のメロディを愉しげに乗せる石川さんと大谷さん、腹の底がぞくぞくする異様さを感じました。途中青白いライトを手に会場を徘徊するみっち。さんの袂に石川さんが鎖を入れて引っ張るというセクシャルプレイ、不穏な空気の中で不覚にも陰茎が反応しかけてしまいました。  

みんな疲れちゃったのかステージに座りこみ、石川さんが大谷さんにソロのリクエストを好き放題。「「犬の改札口」やって、「砂糖付饅頭」やって、「射北中学校の夜」やって」などなど・・・。結局牛のなきがら達がせつない「クローン牛」(withとっちゃんさん)をはさみ、牛つながりで名曲「夜の牛たちのダンスを見たかい」。私の中では曲の光景はとてもシリアスなのに、ホルモンでやる時はいつも大谷さんがズボンを脱いで頭にかぶりながら彷徨するので、気持ちの持って行き所に大変困ります(笑)。  

そして初めて聴く大谷さんの不思議な曲「メルヘン」。石川さんはただひたすら「冠婚葬祭〜〜」とつぶやいてしずかなみっち。さんとステージ客席問わずふらふらします。大谷さんも特段変化のない歌詞にGとEmの繰り返し、この不可解さもホルモン鉄道ならびに大谷さんの魅力の一つでもあります。もしかするとこのメジャーコードとマイナーコードの繰り返しはまさに人生を表していて、めでた事お悔み事、あざなえる縄の如き禍福を長和音・短和音で示しているのでしょうか。  

プログラムはこれにて終了、豪華ゲストの皆さんと石川さんがハケられます。
そして1人しずかにズボンを脱ぎだす大谷さん・・・ アンコールの拍手の中、石川さんを呼び込みます。
すると石川さんもおもむろにランニングを脱衣、「やっぱりこれやんないとお客さん、満足しないんでしょ・・・? どうせ、これ目当てでしょ? チャージの2,000円分はこれでしょ? ・・・わかってるっ、これが欲しいんでしょ?」と畳み掛け、客席を笑わせにかかります。そして全観客の要望に応える形で(?)、唐突に『セェェチョォォ、ハラダイコッオンドォォーーーーッ!!』と、いつもの見事な腹太鼓を披露してくださいました。なんというか、豪華ゲストの皆さんがいらっしゃると緊張なさってかあまり派手な馬鹿はなさらないような感じがしました。音楽的な充実はステキでいつもと違った大人のホルモンを楽しめたのですが、やはりホルモン鉄道の(私なりに感じる)真価はこの2人のふざけたおっちゃんのやりとりにあるのかもしれません。  

懸命に全身を叩きまくる疲労困憊のおっさん達(笑)。「アンコールの選曲、間違えたかな・・・」と曲中でつぶやく大谷さんにまた笑いが起こります。そんな思いとは裏腹に叩き終えると万雷の拍手が! しかし石川さん「これで終わるのは切ないから、もう一曲やらせてくださいっ!」と懇願、オーディエンスはこれまた拍手で歓迎します。最後はやはりこの歌、「ネムイ」。腹太鼓のカッコのまま、つまりパンイチでギターを担ぐ石川さん。
いつものように石川さんがギターで弾き語っていると、徐々に豪華メンバーが演奏に加わりだします。FM7とCM7が繰り返される幻想的な伴奏の中、石川さんの語りがいつ聴いても胸に突き刺さってきて苦しい曲です。普段加わらない楽器たちも切ない、みっち。さんの美しいコーラスがまた輪をかけて切ない。この演奏はこのメンバーでなければ聴けない、というのは当たり前の事実ですがほんとうにこの演奏はこの日限りのものだったでしょう。とくにこのユニットは同じメンバーが集まっても二度と同じ演奏にはならないでしょう。この演奏が記録されていて、本当によかった、と思いました。
・・・ただその切なさと相俟って、主役の2人がパンイチなのがまたなんとも言えない気分にさせられるのも事実です(笑)。

  さてメインのデラックス編はおしまい、昨年正月の新年ホルモン編へ。知久さんとジョニー大蔵大臣さんがすでにスタンバっています。
私はこの映像ではじめてジョニーさんを拝見したのですが、なんだか挙動が不審で観ているこちらが大丈夫か、とハラハラしてきます(笑)。『たまの最期!!』のワタナベイビーさんと通ずる雰囲気があるように思います。結局全編を通して演奏らしい演奏はほとんどしていない(笑)にもかかわらず、強烈なインパクトが残ったのは何故でしょう・・・。
対する知久さんはさすがの安心感、絶妙なタイミングで口琴やコーラス・ギターを加えてきます。もうこのお方は明日からでもホルモン鉄道の新メンバーとして加入してもまったく違和感がないでしょうね、実力的にも雰囲気的にも(笑)。  

それにしても両ステージで共通なのは石川さんと大谷さんのブレない表現者としてのたたずまい。茶化し、ふざけ、テキトーにしているようで音楽の芯の部分では譲れないものがあることが演奏の端々から感じられます。大谷さんの歌唱キーやギターの正確さ、石川さんのパーカッションのリズムの精巧さ、歌の世界への入り込みっぷり・・・ 流石です。拙い表現で恐縮ですが。  

そして・・・ 実はこのDVDで私が一番衝撃を受けたのは、残念ながらあちらへ旅立たれた今井次郎さんとのユニット・「DEBUDEBU」の秘蔵映像です!!  

なんというか・・・ もうパンクなのです。なにをしでかしてくるかまったく判らない、狂気に満ちたおっさん。
石川さんでさえ、その出鱈目ぶりに若干引いているようにさえ見える(笑)キ〇ガイ度合!! 太ったヒゲのおっさんがバニーガールの耳付けて「ィイャッハハハハハハハハアアアアアアァァァァァァァッ!!!!」と笑うのです。石川さんより一回り上のおっさんが、ですよ。
曲中、「♪デブは早く死ぬから〜」「ヒャハハ、もうすぐ死ぬ〜〜〜!!!」というやりとり、ステージでは笑い草だったでしょうが今改めてこの映像を見ると次郎さんはご自身の未来をどこかで悟っていたような気配さえしてくるのです。
狂気の中に身を置きながら、射抜くような、しずかな瞳の奥で。

  凄いものを見ました。
この映像をこの世に残してくださった今井次郎さんと、制作スタッフの皆様に感謝します。
そしてこのお方の世界観に対抗して隣に立ち続けた石川さんの対応力にも、拍手!! 生半可な気持ちなら完全に圧倒されてしまうところをある種タイマン張り続けたようなもんですからね。素晴らしいユニットでした!!
・・・あと画面端の裸で手持無沙汰の大谷さんが妙に切なくて良い(笑)。

  買って良かったです。デラックスの名に恥じぬ豪華映像の数々! 皆様も早速お求めを! ホルモン鉄道はCDももちろん良いですが映像つきならさらに面白さが伝わりますよ!! さ、恥ずかしがらないで(笑)!!!  (オポムチャン)


(本人より)本編アンコールの「ネムイ」は実はゲストメンバーには何の事前連絡もしておらず、メンバーだけで地味に終わろうとしていた。ところがそこは流石の長年の付き合いのミュージシャン。コードも何も教えて無いのにひとりふたりと自然参加して大団円に。感動したなー。
あと最後のDEBUDEBUは実際は大谷は横で見てるだけだからあまりこのDVDのタイトルからは関係ないのだが、こういう機会でも無いと発表することが出来ないので本当の特別映像。
これは正月のイベントだったが、まさかその年のうちに今井次郎さんが亡くなるなんて思ってもいなかった(この直後に癌が発覚した)。あまりにもタイミングのあった「ヒャハハ、もうすぐ死ぬ〜〜〜!!!」を不謹慎と思う人もいるだろうけど、次郎さんならきっとあっちでも笑ってくれるだろうと思って入れた。
「たまの映画」にも出演してくれた次郎さん(ちなみに映画の時が初対面だった)もうちょっと待っててね。
そのうち僕もそっち行ったらみんなが呆れるセッションしましょうね〜!

石川浩司+突然ダンボール/ワカラナイ

  最新のホルモン鉄道のCDの名曲「アタックNo1」は、そういえば石川さんがデビュー前その音楽やステージングに激しいショックを受けたバンド「突然ダンボール」の弟さん・蔦木俊二さんの奇天烈プログラミングて仕立て上げられていることを突然(ダンボールは関係なく)思い出しました。昨今では件の「ホワイトマン」まで動画サイトにアップされているようで、本人さん達の意向は複雑なところでしょうが大変感銘を受けました。

  この石川さんと突然ダンボールの共作CD2作、私がそんなパソコンの動画サイトを知る随分前に購入していたのですが、当時の私にはまだ良さが理解できず永らく戸棚の奥に眠っておりました。
それが突然、まさに突然「あっ、アタックNo1が面白く感じたということは今の私の感性はこのCD達を面白がれるレベルに達したやも知れぬ」と思いたったのです。

  ちなみに石川さんも著書の中で説明されていますが、このCD達はお互いの詩にお互いが曲とヴォーカルを付ける、という詩曲交換スタイルで徹底されています。石川さんが書いた詩は蔦木弟が曲・兄がヴォーカル、蔦木兄の詩は石川さんが曲を付けて歌う、というわけですね。

  早速この夜中、ヘッドホンを装備の上ひさびさに拝聴してみましょう。
・・・オァア! なんか1曲目から前に聴いた時とは違う珍妙なウキウキ感が湧きあがって来たではありませんか!

  全編を通して思うのは、どちらの詩もシュールでやや難解、バックを彩る打ち込みサウンドはコードや調性がまるでつかめず、簡単な曲のコード分析を得意とする私ですがこれらの楽曲ではまったく解析ができませんでした。進行にせよ和音の構成にせよわかってないのかわざとなのかワカラナイような造りです・・・ いや、これは確信的な業(ワザ)ですね。出鱈目ではこんな展開にはできません。凄い・・・! たぶん、凄すぎてあんまり一般的にわかってもらえない・・・(笑)! 意図的な乱調を感じて聴き進むほどに、湧き出した高揚感がいよいよ増してきます。

  摩訶不思議な世界観で流れてゆく音楽。歌い回しはお互いになんだか茶化すようなかわいらしいもの。長い長いインプロビゼーションもあります。双方とも詩・曲共に方向が似ているので相性はバッチリです。おやライヴのMCなんかも収録されていますね、このボーナストラックのライヴ音源では大変レアなことに石川さんがご自身の詩の曲(「準備体操」)を歌ってらっしゃいます。

  歳をとって、ようやくこのCDの面白さの一端が掴めてきた気がします。フェイバリットは「ヤケの一撃」、石川さんの歌い回しがあまりにキュート。また蔦木さんヴォーカル曲では「泥棒」が良かったです。(オポムチャン)


(本人より)これはケラさんが大絶賛してくれた。「まさに理想のコラボ」と。
しかし売り上げには結びつかず。
ま、これがそんなに売れたらおかしいけどね。でももう少し売れても良いね。
俺のお客さんでも多分一番持ってる人が少ないアルバムかもな〜。

   

突然ダンボール+石川浩司 with おにんこ/管轄外

  前作から時は流れて6年後。あのシュールな奴らが3人の女性コーラスを従えて帰ってきました!  

この時すでに写真の蔦木兄さんは杖で足を支えている状態、それでもヴォーカルに一切翳りはなく、石川さんの面妖な詩をメロディーとか大してかっちり決めずに叫び飛ばしていきます。
ここでしか聴けない石川さんの歌詞もより狂暴性を増し、混沌とした世界に拍車を掛けます。  

そして蔦木弟さんのアレンジもさらにパワーアップ、微妙なズレの演出、さらなる難解な不協和音、ノイジーなギター、リズムも8ビートに12ビートを被せたりと、よりこのバンドとして洗練された感じがします。  

対して石川さんのヴォーカルは前回とは少し毛色が違い、あまりへらへらしていません。限りなくシンプル化した蔦木兄さんの詩に合わせているようです。ほぼ全曲疾走感にあふれているこのユニットですが、「想像すれば」のみややメロウな感じで、噛みしめるような石川さんの歌い方も印象的でした。  

今作はインパクトに残る曲が多くてフェイバリットが決め難いですね。「たま」を想起する歌・・・では全然ない(笑)「玉」、この無意味感が最高です。畳み掛けるような石川さんのラップ調(?)のヴォーカルも素敵。
音楽的にガツンときたのが「カット」、曲の流れをここまで何度もバツッと切る、カットする曲を私は他に知りません。
詩で強烈なのが「でこぼこ」。石川さんの脳味噌の中は一体どうなっているのか、ますますわからなくなる勢いのある曲。 そして最後を飾る曲がまた「壁土」て・・・(笑)。内容も壁土食うたらいかん、くらいしか言うてないし(笑)。  

世間に認めさせるにはいささか困難な内容ですが、あらためて聴くと聴きどころ満載の意欲作でした。「アタックNo1」の源流を探りにここまで帰って来た甲斐があったというものです。もう事実上このユニットでの音楽は聴けないわけですが、今少しこの3人の奇才による作品を聴いてみたかったです。(オポムチャン)


(本人より)このユニット、ライブのお客さんも少なかったね(笑)。
でも好きなんだよな、この世界も。
作品として残しておけばいつかジャストフィットの人に聴かれる可能性はあるからね。
それでいいんだ。究極的には。この二作品は自分の中でも最もアートとポップがコラボした作品と思ってる。