ザ・レポート(25)


今まで石川がかかわってきた全ての活動、つまり「ソロ」「パスカルズ」「ホルモン鉄道」等のライブ、CD、ビデオ、またテレビ、ラジオなどのマスメディア、演劇、書籍、ニヒル牛、コレクション、すごろく旅行、このホームページ、その他とにかく俺がかかわってきたありとあらゆる表現活動の感想、評論、思い出等を募集します。
 既に何かに発表したもの(ミニコミ、ミクシィ日記、ホームページ、掲示板等)の再録も自分で書いたものであれば0Kです。批判やお叱りももちろん構いません。他の人のプライバシーの侵害や、特殊なケースを除き、基本的に全て採用します。何についてのいつのもののコメントかをなるべく分かりやすくして、メールにて題名「レポート」でお願いします。おおよそ10行程度まで5ポイント、それ以上は10ポイントです。裏話等や本人のそれに対する意見や感想なども付けていくつもりなので、気軽に応募して下さいな〜っ。
 例えば俺本人も知らない「こんなとこに載っていた」情報及びその感想とか「すごろく旅行を実際やってみた思い出」など俺にインスパイアされたものでもOKですよ〜ん。

Go! Go! ホルモン鉄道/石川浩司&大谷氏

よ・・・ ようやく辿り着きました、我らがホルモン鉄道(実はユニット名ではない)の最新作サードアルバム! あらためて第一作・第二作を聴いてからのレヴューとなりました。さぁ何故か未だ誰にもされていないレポートの先陣を切りましょうかね! (って書いといて投稿した段階で既にレポートされてたらごっついかっこ悪いな。)

早速CDをパソコンに放り込みましょう・・・ あ、ありっ? なんだかつい最近聞いたことのあるヴァージョンの「始発のテーマ」が流れ出したぞ。これはひょっとすると・・・ そうです。私はガチで最新作と前作を間違えて挿入してしまったのです(笑)!! あるさんもおっしゃっていましたが、これジャケットのテイスト変わらな過ぎ(笑)!!!

気を取り直して冷静に作業をしましょう、下手すると今度はファーストアルバムを再生してしまいそうだ。そうそうOKレコードと違うやつね。KO-17が品番ね。2014年て書いてるのんね。これじゃこれじゃ、大谷さんが書いた白目の2人の顔面のイラストが目印のCDを挿入しまんねや。

曲に入る前にいつもの帯チェック、『アングラ・ロックの金字塔!堂々完成!! 豪華ゲストを迎え、さらな とんでもない世界へ!!  梅津和時・太田惠資・知久寿焼・蔦木俊二(突然段ボール)・ジョニー大蔵大臣(水中、それは苦しい)』見るからに豪華なゲストです。もはやホルモン鉄道のお2人(くどいようだが本当はユニット名ではない)も大御所の部類に入ってきましたね。すごく特殊な大御所ですが(笑)。
・・・ほんでよく見るとこのコピー、どっかで見たぞ・・・ あっ!! 前作のブックレットの“荒野レコードからのご案内”で大谷さんの『誰も知らないヒット曲/ザ・大谷楽団』のコピーも「誰も知らないアングラロックの金字塔。ディープな歌心で送る妙な感動。」て書いてあるぅぅぅぅ!! ・・・まぁ、つい言いたくなるフレーズですよね、金字塔。ほんとにいやらしいチェックばっかりしてすみません。ささ、いい子だから間違わないうちに前作は仕舞おうね。そして早よ曲の感想を書け、俺よ。

スタートは今度こそ間違いない、富山の誇る婦人コーラス隊の爽やかな「Go! Go! ホルモン!!」の掛け声で始まる、サードアルバム版「始発のテーマ」。
今までは石川さん・大谷さん・健さんの3人がレギュラー的に低く「ホッホッホッホッ・・・」とやっていたのですが、ご婦人が入るだけで随分イメージが一新されるものです。タイトルは前作とまるきり同じですがこの始曲の大きな変化からもこのアルバムに掛ける意気込みが伝わってきます。そしてその黄色い声援をバックに、大谷さん「ホルモン鉄道ォォォーーー!!」
石川さん「発車、オォライィィーー!!」いつものやつ、いただきました。

掛け声の途中でだしぬけに始まった打ち込み系のアレンジメントのバンドサウンド、それに乗っかる石川さんの奔放なパーカッションが堪らない・・・! 「アタックNo.1」。
おもろい!! 面白過ぎる!!! なんちゅう歌詞!! 
今までのホルモンに無かった打ち込みサウンドはもちろん蔦木さん。石川さんとの名作アルバム「管轄外」「ワカラナイ」を彷彿とさせながらも世界観は大谷さん。ほんとに居そうですねこういう場違いな剛腕アスリート。いきなり痛快な一曲でテンションは否応なしに上がっていきます。

そんなテンションを鎮静化させるかのように、しずかに鳴らされるベースライン。「失礼しました」。
・・・・・・なんだこの気持ちの落差は。物悲しい日々の思いが切々と。・・・あ、泳げない船長さん、最近どっかの国で捕まったな・・・。切ない・・・・・・。そんな声で「失礼しました!」なんて言われたら・・・。Fmの短調が良く似合う、ネガティブソングです。

そして不思議な下降半音進行ではじまる「孔雀」。
A、G♯、G、F♯、とひとつずつ下がっていくコードにないない尽くしのこれまた不思議な歌詞。メロディの音は4つだけですが半音ずつ、というのが難しいのか、石川さんがユニゾンをとるのが非常に大変そう。そこへさらに和音的整合性のないシンセが絡んできて曲中世界はますます混沌としてきます。一見デタラメに聴こえて、その実とても哲学的な内容の歌なのでは? と思いますが私の脳味噌ではそう確信が持てるほどにこの曲を理解できていません。現在廃盤の大谷さんのファーストCDから持ってきた曲だそうです。「富山の鬼才」のふたつ名は、伊達ではありませんね。

バンドサウンドから脱却して、みんなのアイドル「毛虫おじさん」。
いつもの石川さんのギターにぼよよんびよよん、知久さんの口琴が絡みます。曲の雰囲気にピッタリ、さすがは虫大好きの知久さん、テクニックが光ります。毛虫も好きかどうかは存じ上げませんが・・・。石川さんの慈しむような低音ヴォーカルと歌詞にギャップがあり思わず笑みがこぼれます。これはレアな知久ヌメ入りヴァージョン、恥ずかしそうな大谷さんに対してノリノリでヌメって来ます。流石です。

さあ来ましたよ、女子が揃って口ずさんでしまうという衝撃の問題作、「包茎ジョナサン」!
歌詞のシュールさ・面白さはもはや説明する必要はありませんよね。妙にワルツのリズムが親しみやすく、メロディもキャッチーで人前で思わず口をついてしまう恐ろしさ。そんなステキソングにベースとこの曲の熱烈的支持者・知久さんの特徴的なギター・コーラスが加わり、さながらアイリッシュな民族音楽のように。外国にもっていったら、歌詞がわからないので普通にイイ曲として愛聴されるのでは? 訳詞が作られないことを祈るばかりですが(笑)。普段の愉快さに加えて音楽としてもさらに情緒豊かになったデラックスホケジョナ(略すな)、一聴の価値ありですよ!

ふたたび雰囲気を陰鬱化させてト短調、「ネットで検索」。
私を含む昨今の人間たちの怠惰・盲信的な行為、ネットで検索。少し前ニヒル牛マガジンの連載で淺井カヨさんも「何でも検索で出て來ると思ふな」的なコメントで警告をされていましたが、世界中が電話線やら衛星やらで繋がっちゃったがために我々は多種多様の膨大な情報を一気に入手することが可能となりました。ただその情報たちは膨大であるがゆえに怪しいものも数あまた、またその真偽は己が判断で見定めるしかなく、悪意に満ちた罠さえ多々仕掛けられています。
それでも現代に生きる我々は、そのリスクよりも便利さをとって、今日も限りなくかつ限られた、開かれたまた閉じられてもいる世界を彷徨するのです(このサビのフレーズは実に言い得て妙で、はじめて聴いた時は大谷さんの感受性にあらためて驚きました)。そんな我々の軽薄な態度を嗤うかのような、石川さんの歌い方と軽やかなパーカッションが心憎い一曲です。

またまた一変して勢いのあるマーチ風に、「子供たちをよろしく」。
切々と悲しい調子にならず、敢えて力強く明るいマーチ風に仕立てていますが、詩の中からは大谷さんのしずかな怒りが読み取れます。政府・メディアが公表しない不都合な真実が渦巻くあの時からの日本。今なおこっそりと汚染され続けているであろう世界・そして未来。そしてその未来の世界で生きてゆくのは、我々の丸投げした害毒をその身に浴びせられ続けるのは、我々の子供達です。
大谷さんはそんな状況に憤りながらも、誰に向けるでもなく繰り返します。そんな子供達をよろしく、と。ほんとう、とは何か。ほんとうに、大事なものとは、何か。日々湯水のように電気を浪費しながら、考えさせられる一曲です。

さあ、私の大好きな曲です「夜の牛たちのダンスを見たかい」。
出だしのこれまたどう押さえてるか判らないコードが前衛的です。このヴァージョンはこのCDでしか聴けない、貴重なバンドサウンド版です。サビ部分も大谷さんとのユニゾンで、ソロとはひと味もふた味も味わいが違う仕上がりになっています。サウンドはソロの時より厚みを増していますが、夜の静寂の中展開されるお話の哀愁はそのままで、曲間の叫びや、ラスト近くの「見たーかァァーーい!!!」が胸を突きます。理由は私自身よく分からないのですが、とても、とてもいとおしい曲です。

お次、タイトルの意味は・・・?「オスペル」。
検索してもどっかの会長の名前だったりオランダのホテルだったりてんでな結果しか出て来ません。えーつまり、「尺八」が済んだのちに発生するある種の物質に丁寧語として「お」を付けている、とそう解釈しておきます。合ってるかしら。「マ」は何処に行ったんや、とか知りません、大谷さんに聞いてください(笑)。低く放たれる石川さんの「ワワワワ〜」がこれまた切なさを増幅させます。泣き出さんばかりに哀願する大谷さんの後ろでシンセサイザーを操るとっちゃんさん(大谷氏・妻)の気持ちを思うともひとつ切なくなれます(笑)。私は生涯で2度の経験しかないウブっ子ですが、良いものですね、尺八。寒い夜恋しくなるのも頷けます。

お下品ソングが続きます、出ました「悪代官」。
今回の録音では普段のソロと比べてオクターブがひとつ低く、より一層悪代官のいやらしさが際立っています。それにしても知久さんのギターはいつもの和風なテイストでズバリとこの曲にマッチします。「麦茶をもう一杯」のギターと通ずる雰囲気がありますよね。おお・・・リアルなチュウチュウ音が、あちらこちらから聞こえて来るではありませんか・・・! くっ、悪代官め、どれだけの無垢な町娘を手籠めにしてチュウチュウ音をさせておるというのだっ・・・! 羨ましい! ・・・かというとべつに私はそうでもなく、乳を吸うくらいならむしろお【自主☆規制】いです。あっでも悪代官だから別に乳にこだわる必要なく何でもし放題なんだからやっぱりなりたいなぁ・・・ もうこの辺にしときますね。ごめんなさい。

こ、これ一発録りなんですね!? 「必死こいてらあ」。
キーもコードもへったくれもありません、こないだの「ハエの種類」さながらの荒れ狂うノイズサウンド、大谷さんも現地ミュージシャンの皆さんも全員、必死! 必死!! 必ッッッッ死!!!  ・・・そのあとのオチ、石川さんのセリフがこの歌詞にはこの言い方しかないっ!! というこちらのイメージ以上に素晴らしい言い回し!! 最高です!! ギャグソング風に聴こえて実は深い作品です。

さてこれまたシュールな作品、「積み木くずし」。
積み木が松葉ならたまの前のバンド名候補ですがここは下ネタではなくちゃんと積み木の歌です。大谷さん独特の世界観でもって人生を歌っているとのことです。賽の河原の小石積みのようなエンドレスな作業、決して完成しない積み木の山。ちょっとした不正をしてたらそっちの方が面白くなっちゃって元の山はほったらかしでまた別の山を造るのに夢中、繰り返し、繰り返し・・・。なんだか人間の業のようなものまで感じる、哲学的な内容です。演奏は大谷さん&イシウメ太&積み木でお送りしています。スリッパ、腹太鼓、積み木と楽器ならぬもので曲を作って(でっちあげて!?)しまうお2人の才能に戦慄。

いつもライブでは石川さんの不吉なピアノで始まるところを、今回は不安を煽るおどろバンドサウンド+口琴でさらに不穏な感じで迫ってきます。そんな混沌とした状態の中、だしぬけにCメジャーコードの明るいギターと歌声が割り入ります。後半は混迷の具合がさらに悪化し、この国の歯止めのきかない暴走を見事に表しています。世相をおちょくりながら警鐘を鳴らす、コミカル&シニカルな社会派一作。

アルバムの締めは、石川さんの現在のアンコールの定番、「ネムイ」。
すでにこの曲に関しては何度かレポートしましたが、この曲ができた当時とは大きく曲の意味合いが変わってしまいました。ウキュピレコードの配信で聴いた時は精神的にやられてしまいしばらく聴けなくなってしまったのですが、徐々に受け止められるようになってきました。業の深い為政者のとばっちりを受けるのは、いつの世も、どこの地域でも弱いもの、とりわけ幼いものたちです。チーズのようにとろけていってしまったたくさんのものたちに、いまいちど、おやすみ。

いままでのアルバムとはいささか異なる心模様で、鉄道は終着駅に辿り着きました。「終点のテーマ」。
再登場の婦人コーラス隊に途中からなんか必死な殿方が混入しています。いつもの掛け声、「ホルモン鉄道ォォォォーーー!!」「終〜〜点〜〜〜〜!!」。ふと気づけばゴーゴー言うてるのはその必死な殿方ひとりだけ。・・・ジョニー大蔵大臣さん、出番、以上。贅沢な豪華ゲストの使い方に脱帽です。

・・・・・・おっと、これで終わりじゃないぜ。実はこのCDには秘密の隠し玉が・・・ それは買ってのお楽しみ。石川さんがやらかしています。声あげて笑いました。

実に豪華で、聴きごたえのある一枚でした。
本音を言うと、ホルモン鉄道に社会派の歌なんて歌ってほしくなかったんです。
でも、このお2人のユニットをしても、歌っていかざるを得ない世の中になってしまったのです。
つまり、それほどまでこの世界が末期的な状況になってしまったのでしょう。
「ネムイ」の詩のように、地球はそろそろ眠りたがっているのかもしれません。
小さな小さな私に出来るのは、ただその1日を笑って過ごすこと、ほかに何もできません。
地球と自分が眠ってしまうその日まで、笑顔で生き続けるしかないのです。

考えさせられ、また笑わされもした、いろんな人に聴いてほしい一枚です。内容がアレな部分もあるため自分からお奨めしにくいのが難点ですが・・・(笑)。素敵な作品を、ありがとうございました! (オポムチャン)


(本人より)いや〜ホルモン鉄道シリーズ全曲解説ありがとう!
今回は意識的に豪華ゲストミュージシャンを使ったりもしたが、おそらく根幹の変わらぬところは変わらぬのだろうなぁ。
ま、たまやパスカルズやその他いろんなユニットがあるけど、ある意味俺のもっともソロに近いナチュラルな感じに大谷と一緒にやることでお互い刺激しあって出来てるのがホルモン鉄道だからね。
ゲストを入れたおかげでCDとライブはまるで違う印象の曲もあるかもしれぬ。
是非どっちも楽しんでくれれば嬉しくて残尿ドバーッ!

2013年5月26日(日) スクール革命!(199回) (日本テレビ系 11:45〜12:45) ※福岡放送(FBS)では、2013年6月5日(木)25:10〜26:08の放送

「映画&カラオケ&文房具など 平成のベストヒット 徹底調査!」と題された放送内容でした。

番組後半の放送開始34分後より

「ベストヒットしたあの人を探せ」ということで、「スクール革命!」初登場のベストヒット中の芸人「バイきんぐ」のお二人が、「ベストヒットした方々のその後を徹底調査!」

一人目は、元「たま」の石川浩司さん。

「ベストヒットした懐かしの人は今! 元たまの石川浩司」

一世を風靡した大ヒットソング「さよなら人類」でブレークしたバンド「たま」の元メンバー。※「たまセレクション」のジャケットと「さよなら人類」のライブ映像をバックにナレーション

「ランニング姿」という個性的ないでたちが、当時「話題」となった。
根強いファンに惜しまれつつ、「2003年 解散」。
はたして、「石川浩司さんの現在は?」

バイきんぐ「石川浩司さんが、今お店をやっているという噂を聞きつけたんですね。そこで早速行ってみたいなと思うんですよ」

バイきんぐのお二人は、西荻窪にある石川さんのお店へ。※「ニヒル牛」の外観映像
はたして、石川さんはいるのか?
店内には「個性的な品々が並んでいる」。※店内と作品の映像

おかやん(石川さんの義母さま)登場で、「お店の方にお話を伺う」。

バイきんぐ「ここは、何の店なんですか?」
おかやん「石川浩司のお店なんですけど、石川浩司がプロデュースしてます」
※ハッキリとしたお声でお答えになられつつも、目線は「これが石川浩司よ」と言いたそうにレジ横の棚にある石川さん人形(人形制作・久野昌一 氏)へ

■元たま・石川浩司ファイル■
 「アートギャラリー雑貨店『ニヒル牛』をプロデュース」

■元たま・石川浩司ファイル■
 「約250個の展示スペースをアート作家にレンタル」
※「ニヒル牛」の外観から展示スペース、並びに作品の映像

おかやん「石川はプロデュースしてますけど、いつもはいない」
バイきんぐ「いないんすか!? あー、そうなんですか」

では、石川さんはいったいどこに?

おかやん「今日は吉祥寺でね、ライブハウスで打ち合わせしてます」
バイきんぐ「マジっすか!?」
おかやん「うん♡」
バイきんぐ「これから行ってみたいですね。いや、まだあの人が音楽活動をやっているというのは、今すごく嬉しいですよ」

■元たま・石川浩司ファイル■
 「現在も音楽活動は継続」

教えられたライブハウスへ。
「'吉祥寺ライブハウス MANDA-LA2」

バイきんぐ「着いたー!」※BGM「さよなら人類」

テンションMAXで、いざご本人のもとへ。
階段を下り店内へ入ると・・・

バイきんぐ「あそこにいましたよ。あの人じゃない?」※石川さんの後ろ姿

そこには、「見覚えのある 坊主頭」が。

バイきんぐ「あの、すいません。元たまの石川浩司さんですか?」
石川さん「まあ、そうです」
※立ち上がられる石川さんと、奥には打ち合わせ相手の中野店長

バイきんぐ「石川さんやー。何一つ変わってないですね」
※登場時から石川さんのお顔は(秘)で隠されたまま

「CMノアト 元たま石川浩司登場!」

2分間のCM明け

足元からのパーンで、ジーンズにパスカルズのロゴTシャツ姿の石川さん。そしてお顔へ!

ザキヤマ(スタジオ)「変わってねーな、おい」

石川さん「私が、元たまの、石川浩司で〜す♡」
※最高の笑顔に「がんばる♡」ポーズの石川さん(笑)

23年経った今でも、坊主頭は昔のまま。

■元たま・石川浩司ファイル■
 「バンド『パスカルズ』のパーカッション担当」

石川さんは現在、パスカルズというオーケストラバンドのメンバー。今でもランニング姿でパーカッションを担当。
※パスカルズの国内・海外でのライブシーンと共に紹介されています

■元たま・石川浩司ファイル■
 「海外公演も多く 世界で評価される」

ヨーロッパなど海外公演を数多く行い、フランスの音楽チャートで1位になるほどの人気を博しているという。

それではここから、「たま」大ヒットの裏話を大調査。

「元たま・石川浩司伝説(1) MAX売り上げ??円」
※ここから「ランニングに着替えてもらった」石川さん

バイきんぐ「聞き辛い事なんですけども、ベストヒットした時ってのは、ぶっちゃけあのーどれくらい稼いでたんですか?」 石川さん「・・・(苦笑し乍ら)。えっとー、その年の新聞に載ったんですよ。新人の年間売り上げのランキングで。90年で、新人でデビューしたので1位で、売上高が・・・34億円」
バイきんぐ「えーーーっ!? 34億!?」(スタジオ「えーーーっ!?」)

■元たま・石川浩司ファイル■ 石川さんの記憶によると…
 「全盛期の年間売上は 34億円」

バイきんぐ「これ(ランニング)何枚買えるんですか?」
※約340万枚買えます
石川さん「バイきんぐさんもね、去年からドーンッと来て、その辺の最近の年収はどのくらいですか(笑)?」
バイきんぐ「あははは、まさか逆質問が来るとは思ってなかったです。僕たちはキング・オブ・コントで優勝して、賞金1000万円貰ったんです」
石川さん「うん」
バイきんぐ「それを半分にして500万。それで給料とか合わせて、600万円くらいです」
石川さん「・・・あ〜・・・まあね」
バイきんぐ「キョトンとしてるじゃないですか(笑)」

「元たま・石川浩司伝説(2) 名門??から出演オファー」

石川さん「パスカルズでフランスで公演してた時に、シンバルだけね、すげぇ高い3メートルくらいにしてね、本気でジャンプして届くか届かないかの(※アニメーションで説明)わざとそういうパフォーマンスがかった演奏をしてたら、『ウチヘ連絡をくれ!』っていって。それがあのシルク・ドゥ・ソレイユだった」 バイきんぐ「えーーーっ!?」

■元たま・石川浩司ファイル■
 「シルク・ドゥ・ソレイユから出演オファー」

石川さん「でも、そん時は俺はまだ、あんまりシルク・ドゥ・ソレイユのこと知らなくて。あのー俺サーカス団に売られるの嫌だと思って、断っちゃったというか連絡しなかったんだよね」
バイきんぐ「あははは(爆笑)」(スタジオ「あははは(爆笑)」)

ここで石川さんのご出演は終了。続いて、「孫」がヒットした大泉逸郎さんのご自宅へ。


ちなみに、この収録があった日の「俺の日常クイズ」は、

「13/4/17・昨日は某テレビの撮影。
昨年とあるお笑いのコンテストで優勝し、只今人気上昇中の漫才コンビふたりとトークした。コンビ名は何?

正解 バイきんぐ  正解者 1名 (ひとり30ポイント)

キングオブコント2012の覇者。「なんて日だっ!」が持ちギャグのふたり。
番組は来月放送らしい。詳細が分かったらまたインフォメーションで告知しま〜す。
パスカルズ、ホルモン鉄道の映像も流れるかもです。

回答はハマカーンが圧倒的。たったひとりの正解オポムチャンおめでとー!」・・・でした。※「俺の日常クイズ(14)」より転載


放送後の石川さんの「着イッター!」での反応は、

「スクール革命、あれほど何度もディレクターにやらされた「着いた〜!」は一度も流れなかった。いや、流れなくていいんすが(笑)。ニヒル牛店員で出てた義母までやらされたらしいからな…。あとザキヤマさんとか別の番組で絡んだことあるのに知らない振りしてたな。他局だからしょうがないな。」・・・でした。※パクられた俺の「着イッター!(11)」より転載


約7分オーバーの放送時間で、石川さんの「現在」のご活躍が幅広く紹介された番組でした。※コンビ名・愛称に関しましては敬称略させていただきました(デクノボー)


(本人より)この番組は他の同種の番組に比べるとちゃんと現在の活動の様子を映してくれて良かったな。
バイきんぐの年収を聞くところは最初台本にはなかったのだけど、突然ADからフリップが出て慌てて質問した。
他にもバイきんぐやスタッフと肩組んで歌ったりいろんなことしたけどそこら辺はカットになってたな。
今後も「現在の活動をきちんと出してくれる」という条件を満たしてくれるオファーなら受けるけど、なかなかそれは需要が無いみたい。
ホルモン鉄道とか深夜のテレビ出たら面白いと思うのだがな〜。

たま「ひまのつぶしかた」を実行してみた日

先日、古本屋巡りをしていたら、108円コーナーの棚に、たまの「ひまのつぶしかた」があるのを発見しました。たま関連の本やCDなどは中古屋で目にする機会がかなり少なく、そのためとてもテンションが上がりすぐ購入しました。
帰宅して読んでみると、とてもユニークな「ひまのつぶしかた」が123通りもあり、これで1日つぶすことができるんじゃないかと思い立ちました。
そしてある休日に、そのなかのいくつかを実行してきました。
もうこのことをもしかしたら「ザ・レポート」のコーナーに投稿されている方がいるかもしれません。いらっしゃったらかぶってしまいすみません。

5月某日 晴れの日 午前9時
気合いを入れず、ご機嫌にスタートしました。

1・ばれないように、一匹の蟻のあとをずっと追いかけてみる。
蟻、自宅の庭にて見つけました。蟻は30cmほど進み、砂のなかにもぐっていきました。これは追いかけたといえるのかどうか…。ばれてはいなかったようです。

3・墓場に行き、山田さんの墓を探してお参りする。
近くの墓場まで歩いて10分。なんと、墓場に入った瞬間見つけました。目の前に。もっと楽しみたかったなあ…。花をお供えしてその場を去りました。

7・「ケイコ」という名前の知り合いをすべて思いだす。
墓場の近くのベンチにて、持参したメモ帳とペンを手に考えました。
結果、出てきたのは、もう亡くなった祖母の桂子、これまた亡くなった祖父の愛人だったけいこさん。芸能人で知っている人を含めると戸田恵子さん、映画「田園に死す」に出演されている新高恵子さん、松坂慶子さん、北川景子さん。6人でした。なかなかいないものですね。

12・ひとつの小石を、見失うまでけり続ける。
大きめの緑がかった石を見つけたので、けり始めました。けっているうちに、ああ、小学校の頃は毎日下校時に石けりしたナァ…と、ノスタルジックな気分に浸ってしまいました。けり始めて200m程でドブに落ちてしまいました。

13・今なにをすべきか考えましょう。
これは非常に難問ですね。大きい意味にもとれればごく小さなことにもとれる。自分のことなのか、日本のことなのか、世界のことなのか。
結局、広い心を持ち、好奇心を忘れずに生きるべきだという結論に至りました。でも、わたしの今するべきことは、ひまをとにかくつぶすことです。先を急ぎます。

33・「さんずい」のつく漢字を思いだせるだけ書いてみる。
波、海、浩、潮、湖、洋、池。
メモ帳片手に、思いだせたのは恥ずかしながらこれだけでした。

37・鼻をつまんで、呼吸を何秒間我慢できるかやってみる。
47秒でした。相場がわからない…。

38・「今まで誰もやらなかった自殺の方法」について考える。
そういわれるとなかなか思いつきません。「タウンページを一気食い」とか…。死ねるのか分かりませんが…。

48・今まで聴いた音楽のベスト10をリストアップし、カセットに録音する。人生ベスト盤。
カセットって良いですよね。わたしも小学生ごろまでは図書館でCD借りてきて、カセットに録音したものです。
今はカセットがないので、ウォークマンのプレイリストに作ってみました。
ひのこ/人生ベスト盤
1.そのあくる日/レイ・ゲーラ
2.光と影/Fayray
3.亡き王女のためのパヴァーヌ/ラヴェル
4.ショートケーキのサンバ/小島麻由美
5.青い靴/たま
6.重き荷を負いて/中島みゆき
7.時折の色彩/ZELDA
8.貧乏マンガ/カステラ
9.苦笑いでハイタッチ/TOMOVSKY
10.夏/倉橋ヨエコ
作ってみて、自分でも、「わたしはこの曲がこんなにも好きだったのか」と気づかされました。

60・街のラクガキ採集をする。誤字は必ずチェックする。
座学が続いたので、再び歩き始めます。その後30分間で見つけたラクガキは以下の通りです。
「ZEZ!!」→??
「FUCK ME」→……。
「Omo-kagE」→面影?
…とまあ、謎でした。誤字なのかどうかすらも分からず。

77・公園のベンチに座って、子供に好かれている遊具のベスト3をきめる。
自宅の近所の公園、通称「タコ公園」にやってきました。公園の中心に、大きなタコをかたどったすべりだい式遊具があるのがそう呼ばれているゆえんです。Gさんはご存知かなあ…?
土曜日でしたが、お昼時で子供はあまりいませんでした。それでもなんとか順位をつけたら、
1位 タコ
2位 ブランコ(お子様用というのか、椅子のようなタイプのやつ)
3位 砂場
…こうなりました。でもまあ3位の砂場は1位のタコにくっついているようなもので、やはりこの公園の人気はタコが占めているようでありました。

93・ビンに手紙を入れて川に流し、返事をワクワクして待つ。
このためにあらかじめ、手紙入りのビンを持参してきました。そして川にポイっと。
なにを書いたかは秘密です。

123・3分間、銅像になる。
これは恥ずかしかった。自分への戒めのため、駅前で行いました。
…詳しく書くのは伏せますが…恥ずかしかった…。

そんなこんなで時間は経ち、午後4時にわたしの「ひまのつぶしかた」は幕を閉じました。
今回やってみて、新しく気づくことあり、改めて思うことありで、とても楽しく過ごすことができました。
そして、見事にひまがつぶせたことを石川さんはじめ、元たまのメンバーの皆様に感謝いたします。
長文、駄文、ただの愛知の田舎者の興味深くもなんともない文章、どうかお許し下さい。
読んで下さりありがとうございます。 (ひのこ)


(本人より)実はこの本の半分以上の項目は俺が考えた。なのでやってくれたのもほとんど俺の考えたやつ。
しかし「このままだと石川の本になってしまう〜」ということで付け加えるイラストは他のメンバーの方が多めになった。
くだらないこと考えるの好きだからなー。
でも実を言うと考えただけで実際全部を自分でやったわけでは無い(笑)。
実践してくれてあんがと!
自分也の新しい「暇のつぶし方」も考えてみてねっ!

亀山フェスティバル♪パスカルズ♪ 2011年09月25日

石川さん、こんばんは。
先日、津あけぼの座パスカルズライブの件で、石川さんが「初めての三重」とツイートされてたのを見て、おや?亀山フェスティバル忘れてる?三重県て印象薄いし仕方ないや、と思っていました。
そしたらライブの当日、マツさんまで「三重は初めてだと思ってた」と発言されてたので、ありゃっとなりました(^o^;)
そこで今頃ですが、3年前の関西ツアー、亀山フェスティバルのパスカルズの感想をお送りしたいと思います。
当時まだパスカルズの事をよく知らなくて、mixi日記に封印してたものです。Twitter等で他の皆さんが素晴らしい感想を沢山書かれてますが、私には洒落た表現は出来ないので、モヤッとした記憶のままに書いてみます。
そういう訳で、亀山と津は三重県です。どうぞよろしくお願いします。

家から車で30分の石水奚というキャンプ場にて、パスカルズのライブを堪能してきました!
朝からにわか雨があったので心配でしたが、ライブ中は涼しくて雨もなんとか降らず良かったです。
友人と、今回は娘も連れて行きました。子供は無料だったのです。太っ腹ですね。
亀山フェスティバルというのは、この年の6月に閉店した、亀山市の「月の庭」という未来食(自然食)レストランの奥様の主催でした。
「月の庭」にはライブスペースがあり、私はたまたま閉店直前に知久さんとGさんのライブを、そこで初めて聴く機会がありました。そしてこの亀フェスで、初めて石川さんにお目にかかれる事をとても楽しみにしていました。
初めて拝見した石川さんは、体は大きいけど、意外に小顔?!な印象でした。
動く度に、ほっぺたがプルンプルンゆれて、とても可愛かったです。
会場は野外なんで、客席からステージも裏もみんな見えるんですが、石川さんはステージの袖でジッとスタンバイしてて、音楽がスタートしてから乱入する形で飛び出してきました。
特設ステージは木組みに稲ワラが飾られていました。
石川さんがリズムに乗って揺れるたび、 頭上の稲わらが頭にチクチクしてて、痒かっただろうな。
後で知ったのですが、この稲ワラは福島県の米の苗を、震災後亀山で受けついで育てたものだったようです。「月の庭」の奥様はそんな活動もされている方だったようです。
そして、このフェスには、「月の庭」のご主人(故人)の五十才の生誕祭という隠れたテーマがあったようでした。
パスカルズの一曲目に、「月の庭」のご主人の遺影をもったスタッフが登場したので、亡くなってからも誕生日を祝ってもらえるなんて、ホントに凄い方だったんだなとビックリしました。
そんな風に、初めてのパスカルズと月の庭がごっちゃになりながらもワクワクと音を楽しんでいました。
最初の3曲は初心者の私も知ってる曲でした。
初めステージと客席の間に2メートル程の空間があって、そこに小さい子供が走り回っていたのですが、だんだん音楽に合わせて、くるくる踊り出しました。
見れば、お子さん連れの人がちらほらいましたが、誰ひとり愚図っていることなく、楽しそうにしているのが印象的でした。
その後、知久さんが「もっとみんな前に来ようよ」と言ってくれて、お客さん達は椅子を持って、ぎゅっとステージ間近まで大移動しました。
一体化した感じがまたドキドキでした!
石川さんはアヒルちゃんをステージに並べたり、クサリを使った熱いパフォーマンスでステージを所狭しと駆け回っていました。
そんなお茶目な石川さんから一転、曲間に石川さんのセリフが入る曲があり(「鳥の歌」というそうです)
「フクシマ…」と悲しく呟く石川さんが幻想的でした。
更に石川さんをじっと観察してたら、今度は切ない表情で、ふくらはぎをペンペンしだしたので、石川さんて体中が楽器なのね!と感心してたら、脚にアブが止まってたのを追い払ってたのでした 笑 
アブは、ロケット・マツさんの背中や頭にも乗ってて、バイオリンの松田さんがそっと弓で払っても払ってもなかなかとれなくて 困ってました。
山の中だからしょうがないですけどね。刺されたら痛いもんね。
このバイオリンを奏でる女性たち、しっかり弾きながら 大きな口を開けて歌っていました。
歌いながらバイオリンて、私は初めて見たので斬新でびっくりしました。
花火が上がったかと思ったら、サンダーで火花を散らしていたりほんとに自由な音楽でした。
バンジョーの原さとしさんもすごくカッコよかった。
コースターを投げてくれたのが、偶然私の足元に舞い落ちて ラッキーでした。宝物です。
ワンマンでなかったので、45分間というステージはあっという間でしたが、パスカルズの温かくてシャイな音楽はとても素敵でした。
今度はライブハウスのミッチリした空間で聴いてみたいと思いました。
ギュウギュウで!
3年後、津のあけぼの座でお会い出来たのでこの願いは叶いました。
次回は、四日市になが餅を食べにいらしてください。三度目の正直で、三重の事をもう忘れないと思います。是非お待ちしてます!
長くなってすみません。よーすけ。でした(^-^)


(本人より)亀山「月の庭」はたまでもやったことがあったな。
なんか不思議な野外会場だったよね。アブに襲われたのも覚えてる。
はい、これからは三重のこと忘れません。また行きたいっす!松阪牛食いたし。よろしく〜。

ニューホルモン鉄道/石川浩司&大谷氏

さてさて前作から時を経て12年振りにリリースされた2008年の作品です。大谷さんはこの間大谷シロヒトリから大谷氏へ芸名(?)をシンプル化、そしてたまもこの間解散、石川さんも名作「おいしいうそがいっぱい」をリリースしています。

ジャケットはお馴染み大谷さんのシュールなイラスト。ファーストよりもいささか黄色が濃いような気がします。電車なのに何故か(しかも全裸で)ハンドルを持っている運転席の2人。てかハンドルもなんで2個あるの(笑)。
品番はKO-12。大谷さんが代表取締役を務める荒野レコードの作品です。歌詞カード最終頁には「信頼と実績の荒野レコードからのご案内」と題して大谷さんの96年から04年までの5枚のアルバムが紹介されています。・・・その脇にちょこっと、石川さんの宣伝も。おやこの年リリースだったのですね、「石川浩司ライブ・イン・チェンマイ」。おふぁあっ、さもありなんレコードが「然もありなんレコード」となんだか小難しく間違われている・・・(笑)! 全然このアルバムとは関係ないですがこのレーベルも多分首謀者のさっちゃんさん、桃玉さんの「さ」と「も」を頭にもってきているのでしょうね。

冊子をぺらりとめくるとはじめに現れるは“ニューホルモン鉄道路線図(※平成20年7月19日ダイヤ改正)”と題されたタイトル紹介、その隣には“ニューホルモン鉄道のあゆみ”が駅長から19行にわたって紹介されています。前回の“ホルモン鉄道史”は5行で終わったのに、えらいやる気です。なになに、お互いのソロ活動の息抜きユニットの感になってきたホルモン鉄道だが、若者からいい歳のベテランなのにバカな事やってて面白いと言われてその気になり活動を活発化させ、まさかのセカンドアルバム発表に至った、とのことです。要約すると。

えっと曲に入る前にいつもの帯チェック、緑鮮やかなオビに前作の紹介がされています。この段階ではまだ廃盤にはなっていません(笑)。
『これだ!これだよ!
特製濃厚おっさんエキス配合の
ディープで不条理な歌の数々!』
・・・・・・この文言を見て購買意欲をそそられる貴方、何処がかは存じませんがたぶんどっかが重症です。

いいかげんに曲を聴いていきましょう、おっ、今度はなんだかいささかテクニカルな三重唱で始まります、「始発のテーマ」。
前回のオープニング「ホルモン鉄道のテーマ」とおんなじかと思いきや妙に味わい深いアレンジメントを加えてきています。「ホッホッホッホッホールモン」しか言うてないのは変わりないんですけどね(笑)。威勢よく石川さんが「ニューーーホルモンーー鉄道ォォォーーー!!」と叫ぶと、呼応して大谷さんが「発車、オォライーーーー♪」とかわいらしく締めます。後ろで一生懸命な高いキーの健さんであろう声が何故かいとおしい一曲。

大谷さんのAメジャーのエレキギター一本で始まる「マドモワゼルに嫌われる」。
・・・来ました。石川さんのソロアルバム「おいしいうそがいっぱい」に対抗してきたのか? 一番初めの歌詞から顔面の中心に正拳突きを喰らわされました。ギターだけの正調から一変してパンクな展開、シンセと暴れまくるパーカッションと犬!! どう頑張ってもこの世界観はマドモワゼルが寄り付きそうにありませんな。ホントはマドモワゼルに口汚く罵って欲しいんじゃないの? なんて変な邪推までしてしまう痛快卑屈ソング。

おおっ、Aメジャーの次はまさかの開放弦、コードネーム付けよう無しの和音で始まる「テンツクテンンテン」。
ギターのコードはこの6本ぜぇんぶ開放弦とEmのふたつだけ。石川さんはこの後の「ハゲアタマ」でも効果的にこの開放弦コードを使っていらっしゃいます。混沌とした響きが石川さんのカオスな楽曲に実にマッチするから不思議です。
不思議と言えばこの曲の歌詞。まるでつかみどころがないなんだかブヨブヨした曲です。前向きなのか後ろ向きなのか、楽しいのかつまらんのか、いや、そういう諸々をすべて突き抜けた、諦観的なカラッとした空疎な明るさのようなものを感じます。あとブドウ味のスキンなら装着したことあります。

お次は大谷さんのしずかな掛け声からスタートする「エチケット番長」。
ドラムスドコドコ、バンドサウンドがカッコいい。ソロギターを弾いているのはホルモン作品全品で登場されているゴトヲトシロヲさんという方です。コードはEmのみ、なんなら手拍子とお囃子だけでも成立できちゃいそうな楽曲ですがこういうバンドサウンドに乗っかって歌う石川さんも楽しそうでいいですね。歌詞のおもしろさはもはや言うまでもありません。きっと出かける前はポッケにレースのハンカチを忘れず忍ばせ、昼食後にはすかさず歯磨きしに手洗い場へ向かうのでしょうね。でもリーゼントでグラサンとか。舎弟とかになるとけっこうめんどくさそうです(笑)。

さぁ来ました、石川さんのご友人のミスター・ベースボールと大谷さんのユニゾンが凛々しい、「キチガイ・スラッガー」。
このキチガイ・スラッガーの凄いところは、数字の理屈まで超越してしまうところで、打率が10割を超えるということはつまり10打数で11安打などという野球のルールを覆しかねない荒業をやってのけたということになり、このキチガイっぷりは500打点や打球の飛距離の話など霞んでしまうくらいの衝撃度なのです。凄い、凄すぎるぜ。この調子では、たぶん飛ばした打球もアメリカあたりまで飛んで行っててもおかしくはありません。・・・誰もが言いたくなるでしょう、「もう、いいじゃないか。」いっぺんDeNAあたりにほんまに入団してほしいなぁ。このアルバムではトランペットが入り、ますます巨人の星風です。

いきなり甲高い石川さんのシャウトで始まりを告げる、「正調腹太鼓音頭」。
「セーーェチョォォォォ、ハラダイコオンドォォォォーーッッ!!!」「ハィィィーーーーッ」
歌詞カードの横には、円盤ライブでパンツ一枚で腹太鼓に興じるお2人の写真が。この曲のなんともいえない雰囲気はCDよりはライブで味わわれる方がオススメです。ただこの録音からも、ある種の必死さが滲み出ていて、ピシャピシャ音を立てるお2人の様子をサディスティックに想像する愉しみ方もアリかもしれません(笑)。また『正調』腹太鼓音頭と名乗っておきながら、すぐに頬や尻に浮気するのもシュールで愉快な点です。「異調」「破調」「乱調」腹太鼓音頭とかも密かに存在したりして・・・。

腹太鼓のあとはちょっとしみじみ一服、「境鉱泉」。
ホルモン鉄道随一の癒しソングでしょう。ゆったりとしたテンポの、鄙びているけど何もないのがいい、山奥の安温泉を紹介する一曲。残念ながら現在はキレイにリニューアルしちゃったとのことで残念ですが、温泉マニアの大谷さんなら同じような条件の温泉宿はきっと山ほどご存知でしょう。コードもFとGmの繰り返しのシンプルな展開ですが、それがまたこの歌詞と曲調に良く似合っています。ライブももちろんいいですが二胡が入るとさらに雰囲気が出ていいですね。

軽快なドラムから始まる、心躍る「意味なし笛」。
実はなにげにこのアルバムで私の一番好きな曲です。このテキトー過ぎるテキトー加減、意外と真似しようとしてもここまで面白くならないものです。いきなり意味がないと宣言しておいて、ただひたすら自由奔放に笛を吹きまくるおっさん2人・・・ シュール過ぎる。私はこの手の曲が大好きなのです。旋律を奏でる3つの楽器もなんだか能天気です。果たして二胡・フルート・キーボードと3つも楽器を入れる必要があったのか怪し過ぎますが、実はその楽器たちも「意味無し笛」の中に含まれているのかもしれません。そしてその意味のないものをお金を払って聴いている我々・・・ 最高ですね。堪らぬものがありますね。

今度は石川さんの随分昔の作品でしょうか、『たま詩集』にも掲載してあった「今日はお祭り」。
なにやら祭囃子のリズムとは裏腹に少し薄暗いギターコード。歌詞もなんだか不穏な印象です。自分の顔面のお面が売っている光景・・・ 考えるとゾッとします。歌詞もすこし詩集からは変わっていますが、全体に漂う不気味な空気はそのままです。曲中に登場するハンメルフェストは北欧でも最果ての地、ジイさんが寒くて泣くのは当然の場所ですが、その話を挿し込んでくる意味も不明で、ただ「ハンメルフェスト」という極寒の太陽の昇らない極地方の暗いイメージを引っ張ってこようとされたのでしょうか、だとしたらそれは成功です。この狂気あふれるお祭りは今日でおしまいではなく、また明日も催されるようです。しかもそれを、主人公である“僕”は楽しみにしている様子・・・。楽しそうなヴォーカルが余計に怖い一曲です。

うーむ、これまたコメントに困る、「ハゲアタマ」。
ソロでもよく演奏されるこの曲、何故ハゲアタマという言葉を挟むのか、弱みにかこつけて耳元で産卵されるとどうなるのか、井戸からサンダーバード2号が顔を出しているとどういう事態なのか、私のあほな脳味噌ではいちいちの状況がさっぱり読み込めず、頭が疑問符だらけのまま終わってしまうという謎の曲です。「豆腐」と並んで2大意味不明ソングとして私の中では君臨しています(笑)。このCDでは健さんが石川さんの声に各種エフェクトをかけて面白く仕立てていますが、ライブでは石川さんの自前エフェクトが愉快な曲です。どんなエフェクターを使用されるかはライブでのお楽しみ(笑)。

パンク! ノイジィ!! 「ハエの種類」。
さながらハエの羽音のようなギター、嵐のような騒音! ハエ!! ハエ!!! ハエェぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!
歌い続けるうちにお2人がハエの大群に群がられ、パニックを起こして石川さんに至っては失神寸前になっているような歌いっぷり。よくもまあこんな曲が出来上がったものです。なんか全身がかゆくなりました。

ハエの群れからようよう脱出して、これもソロでお馴染み、「カブラギのおしえ」。
石川さんの若き時代、生きてゆくための大切な人生訓を説いてくれた偉人、カブラギ・山下・井上。その教え達のもっともベーシックなヴァージョンが収録されています。ライブでは途中のセリフがアドリブで長くなったりして実に面白い一曲です。若い頃、山下さんも狭い友人宅の部屋の中で危機一髪を経験されたのでしょうか。若気の至りと言おうか、ハタチ前後の男の子の性欲とは恐ろしいものです。井上さんに至ってはそこまで気にすなや、と思いますが(笑)。全編マイナーコードの、哀愁すら感じる男一人暮らしの教訓歌。

なんだかささやくような声で、「せんずり数え唄」。
おやおやお下品はお手のもののホルモン鉄道のお2人、どうしたの? と思ったらこの曲だけ公園で録音してたのね。なにもこんな曲に限って野外で録音せんでも・・・ 裏声でオナニーオナニーとお外でささやくおっさん2名が悲愁を誘います。にしても数え歌としては秀逸なクオリティです。これ大谷さん、石川さんのコーナー(「俺のジャンルは数え歌」)に投稿すれば良かったのに(笑)。私も数え歌は好きなので、一度テーマを手淫にしぼって投稿してみたいですねぇ。ホルモン鉄道に合わせて、オチを発車オーライ! で締めるのがニクイ(←何がだ)。

アルバムの大ラスを飾るは切ない演歌調の短い歌「どうでもワルツ」。
・・・なんかね、こんなふうに睡眠時間削って22時から明け2時の4時間、このレポートを書いている自分にしみじみ染み渡る歌詞ですよ、ええ。・・・明日も仕事やのに一体何をやってるの、私は。という気分になっちゃいました。世間の流れや人生からは、私のやってる事なんてあほの最上級みたいなものです。・・・・・・でもね、それに命をかける生き方があっても、それは悪くない人生だと思うんです。人から見たら果てしなくどうでもいいことでも、そのどうでもいいことをやってる本人にはとても満たされている瞬間かもしれないのですよ。そうなんですよ。だから私のこの愚行だって、まんざら無駄な所業でもない、と思いたい。思いたいなぁ。どうでもええか。

そして「始発のテーマ」との差異を捜すのに苦労する、「終点のテーマ」。
大谷「ニュ〜〜ホルモン鉄道ォォーー、」石川「終点〜〜〜!!」「御乗車、ありがとうございました。」

4時間の乗車でいささか乗り物酔い気味ですが、なんとか終点まで辿り着き清々しい気分です。さてなんとかボーナスポイントが付く5月中にニューアルバムのレポートを終えたいところですが、なんとこのセカンドアルバムに次回作の予告が掲載されていました!!

【(予告)次は10年後か!? 究極のサードアルバム!
『シルバーホルモン鉄道/石川浩司&大谷翁』
残尿ワルツ 入れ歯でワッハッハー 忘却の彼方へ 他全15曲】

ははははは・・・!! そうなる前に6年で次回作が出るとは、当時のお2人には想像もつかなかったでしょうね。次回サードアルバム編、投稿はいつになるか!? ・・・・・・もう2時半やがな。寝よ。(オポムチャン)


(本人より)おおっ、そんな予告があったの忘れてた!予定曲一曲も入っておらへんがな(笑)。
  「キチガイ・スラッガー」の歌詞は基本は大谷だが「打率すでに10割超えていて」の部分は俺が書いた。
あと打点500はあり得るんじゃないかということで最近のライブでは打点一万になってる。
まぁどうでもいいか・・・。
そういえば前作のファーストは当時あった、たまの「とおいスタジオ」でベーシックを録音した。
この作品と次の作品は富山の公共施設で。東京に比べるとうんと安いからね〜。

ホルモン鉄道/石川浩司&大谷シロヒトリ

さぁゴールデンウィークだ、ヒマに任せてホルモン鉄道のCDをしこたまレヴューしてこまそ、と思っていたら何だかんだで忙しくもう連休も終わらんとしています。時の流れの奴はそれにしても容赦がありません。

さぁて石川さん大谷さんの最新作のレポートかと思いきや違いますよ、新作「Go! Go! ホルモン鉄道」のオビにこっそり『絶賛廃盤中』と書かれていた(笑)記念すべき第一作について書こうと思います。在庫があるうちに地下オンで通販でゲットしといてよかったぜ。「おいしいうそがいっぱい」の二の舞にはなるまいぞ。

この頃の大谷さんは「大谷氏」ではないのですね。なになに1996年製作? 柳原さんがたまを巣立たれて、たまとしての活動もひと段落ついた頃にレコーディングされたのでしょうか。
歌詞カードの冊子の[ディスコグラフィー]によると石川さんは当時すでにたまでは9枚のアルバムを発表、出版物としても「イラスト図鑑インスタントラーメン」「すごろく旅行のすすめ」を上梓なさっています。

そしてこのディスコグラフィーの左のページが・・・ 何とも言えないお下品な大谷さんのイラスト。ここは説明を省きます。このイラストを見て、兄貴は2枚目のアルバムを聴くことを放棄しました(泣)。ここからがいい所なのに・・・ 勿体無い。
裏ジャケに移ると、セーターを着てエレキギターを弾く大谷さんと上半身裸でニッコニコでパーカッションを叩く石川さん。さすが30代前半、お肌の張りが良好です。
最新作とほとんどテイストが変わらないジャケットをめくり、歌詞カード冊子を開くと曲目(停車駅)紹介、また“ホルモン鉄道史”が載っています。81年に都内ライブハウスで出逢い、石川さんがたまで忙しくなると大谷さんは帰郷、90年ごろから再び一緒に活動しだした、ということです(戦後ホルモン史より)。もう出逢って今年で33年になるのですね・・・!

いつものように帯も見ていきましょう。黄色のジャケットに映える緑のオビ、これは以降のCDでも共通のホルモンカラーです。
『「たま」の石川浩司と鬼才・大谷シロヒトリ。これが噂の最強コンビ!! さあ、あなたも一緒にホルモン鉄道に乗ってみませんか?』
『全曲カラミ有り?。』
『嗚呼、こんな線があったとは!・・・(JR関係者)』
ははは。商品番号はOK-03。この頃はこれまた荒野レコードではなくOKレコードが制作していたようです。違いについては各自皆様でお調べください(笑)。

いつまでたっても中身に入れないのはご愛嬌、キーボーディストのとっちゃんさんは言うまでもなく、なにげに豪華なアーティストが参加しています。パスカルズでもお馴染みの坂本弘道さん、原さとしさんなど。
いよいよ一曲目。「ホルモン鉄道のテーマ」。
低音で放たれる「ホッホッホッホッホールモン、ホッホッホッホッホールモン、ホッホッホッホッホールモン・・・」、そこへ次々に声が重なってゆき、4度のハーモニーが地味に(笑)形成されます。そこへホイッスルが一声、大谷さんの朗々とした声で、「ホルモン鉄道ォーーー、発車、オオォーーライィーーーー!」う〜ん、この掛け声も歴史あるものだったのですね。しみじみ。4度の和音のコーラスはホイッスルを契機にやや上ずり、5度のコーラスへ・・・ たぶん意図的なものではありません(笑)、そもそもこのユニットはそういうものを求めるような存在ではありません(笑)。

ホッホッホの最中に唐突に曲が切り替わり、「場ちがいだよ、おっかさん」。
初っ端から石川さん飛ばしまくり。とんでもない高音でシャウト、シャウト! 目茶目茶なギターに滅茶滅茶な歌詞、あまりのパンクさに初聴の方々は全員度肝をズボズボ抜かれたことでしょう。私もしばらく言葉を失い呆然としました。もはやプレイキーがどうこう、という次元の楽曲ではありません、もはや楽曲なのかすら分からなくなってきました。叩きつけるような石川さんの狂気に圧倒されること間違いなしです。「ガマガエルの偏差値を計れ計れ」なんて絶叫されても困りますが、この曲では一番好きな歌詞です。

3曲目、雰囲気が一変し、爽やかなギターでEのコードが奏でられる「愛の花園」。
突如正調に振り戻され、狼狽えて聴いていたらいきなり崩壊、好き放題鳴り物は叩かれ、ギターはかき鳴らされ、シンセはてんでな効果音を荒れ狂わせます。メロウな春の花咲き乱れる野辺をイメージさせる歌詞とギターからはこの展開はまるで予測できませんでした。まったくこのユニットの楽曲は歌詞カードだけでは歌の様子をさっぱり判断できません。油断ならねえぜ。

おや今度の石川さんの曲は正調なギターですね、「ファッション ファッション」。
コードはEとF♯/Eの2つですが歌詞はじつに面白いものです、なんでもかんでも行動の理由は「皆がやってるから」で、その「皆がやってること」こそファッショナブルだから、という世間の人々への痛烈な皮肉を楽しいメロディで小馬鹿にして歌い上げます。社会批判の曲なのに、聴き終わった後には何とも言えない爽快感が残ります。

出ました、かっこいいセブンスのコードで始まる「特殊な訓練ブルース」。
渋い大谷さんのヴォーカルに対してへにゃっとした石川さんの歌声が対比的で面白い。ブルースとしては実にかっこいいのですが、問題は一体どんな特殊な訓練を受けて来たのかまったく説明が無い点で、何があったのか皆目わからないまま大団円を迎えて勝手に終わってしまわれるところが痛快です。

スリッパの音が小気味よく聴こえてきて始まる「スリッパを叩け」。プレイキーはE♭・・・ってこういうの要りませんよね。そもそも楽器(?)がスリッパだけなのでライブで演奏される時はたぶん別のキーになっているでしょう(笑)。 しかし使っているものがスリッパだけだというのに、ちゃぁんと曲になっているのが素晴らしい。リズミカルなスリッパのビート(?)を聴いているうちになんら違和感を感じなくなります。そう、どんな者でもスリッパを叩くくらいならできるのです。なんだか足元のスリッパでそこいらじゅうを叩きまくりたくなってきました。

続いて石川さんの「誕生日」。
明るい調子のDメジャーのコードでしずかにアルペジオが奏でられたと思うとなんだかさみしいことを呟くように歌い、気付くとAmで悲しく歌が終わってしまいました。せ、切ない・・・・・・。きっと石川さんのある誕生日の記憶をそのまま歌にされたのでしょうね・・・。Dメジャーに調子を戻して吹き鳴らされる大谷さんのハーモニカが救いですが、ライブなんかではそのままAmで悲しく終了することもあるので注意が必要です(何にだ)。

次なる曲は不朽の名作・「雨の日のサーカス」。
最近はGで演奏される機会が多いですが、このCDでは2つキーが高くAでプレイ。大谷さんの声が高らかに響きます。
現在の物と少し歌詞が変わっていますが、循環するコードの中現れる物悲しい雨の中のサーカスの光景はそのままです。ホルモン鉄道の中でも唯一無二の雰囲気のある、哀愁あふれる楽曲です。この演奏には当時結成されたばかりのパスカルズのメンバーが3人も入っています。その3人がその時すでにパスカルズに所属していたかどうかは勉強不足で存じあげませんが、パスカルズに通じる雰囲気をこの曲から感じるのは私だけでしょうか。

えーと・・・ また雰囲気を一気に変えてきましたね、「おっぱい少女」。
石川さんと大谷さんが交代ごうたいで歌います。ギター一本、コードもEとAのみでシンプルに。シュールなお話で一気に展開、おっぱいと私の不思議な関連・連動性にイヤン。街で豊乳な少女でも見かけてノリで一気に作った曲なのでしょうか(笑)。

お次はエレキでぎゅんぎゅん、「ねんど」。
これまたシンプルなコード展開ながら、この世界観は大谷さんならでは。いくらシンプルとはいえまず他の人には書けない曲でしょう。曲の雰囲気はまったく異なりますが、歌詞は新作アルバムの「積み木くずし」に通ずるものがありますね。電話口の石川さんが何とも言えない味を出しています。

さあこれは現在のファンの皆様もお馴染み石川さんのソロ代表作、「夏のお皿はよく割れる」。
はい、出だしの歌詞は危険バージョンですよ気を付けて。夏のお皿は〜、のフレーズは1番・2番でも繰り返されます。大谷さんが石川さんに絡まれてリアクションに困る、というのはこの頃から成立している図式なのですな(笑)。微妙に展開が変わるライブヴァージョンがいつも楽しみですが、最近はあまりホルモン鉄道としては演奏されていないかな?

はい、この曲が私がこのアルバムで一番好きな一曲です、「森の木陰で」!
疾走感あふれる太鼓と弦楽器に、とんでもないお下劣な歌詞が弾ける、最高にノれる曲です!! お2人のヴォーカルもイケイケで愉快に爆走します。
怪しげな森の木陰で密かに行われている、妖怪変化と魑魅魍魎と有象無象とあほ共達の異様な宴。そう、きっと今夜も、あなたの近くの森の奥深くで、どんじゃらほぉい!!! 堪りませんね。

これまた急に落ち着いて「けずり節」。
えっ、カツオじゃなくて? えんぴつですのん?? ショリッ、ショリッ、きゅこっ、きゅこっという音が切ない、シュールもシュールな一曲です。あっ鉛筆けずりに対して親ゆずり・・・ なにげに韻踏んでたのね。今気づきました。2人のやり取りで、まるでやる気のなさそうな大谷さんと、一生懸命な石川さんが微笑ましい作品です。

楽しかった鉄道旅行もこれにておしまい、「さらばホルモン鉄道」。
一曲目とどこが違うか説明しろと言われても実に困難ですが、石川さんが「終ー点〜〜〜〜!」と渋く締めるくらいしか差はありません。このオープニングとエンディングをほぼ同じ曲で締めくくるのも今後踏襲されるスタイルです。

と言う訳でまだ1枚目のアルバムなのにありえないくらい時間がかかってしまいました。連休中の全作レヴューはここに頓挫したわけですが、改めてファースト作の面白さを深く噛みしめました。良い時間でした。次回セカンドアルバム編、今しばらくお待ちください。(オポムチャン)


(本人より)絶賛廃盤中のアルバムレビューあんがと!
OKレコードは当初大谷とすべての録音エンジニアの健さんの頭文字を取ってOKレコードだったのだが、韓国に同じ名前のレーベルがあると分かり大谷が勝手に荒野レコードに変えた。
後日健さんが寂しそうに「俺のKはもうどこにもないの?」と言っていた・・・。
このアルバムの中でも最近のライブでもやってるのは「雨の日のサーカス」ぐらいかな。
「ファッションファッション」や「ねんど」などはライブでやった記憶が無いなー。
ちなみに今はライブの告知などでは普通に出演・ホルモン鉄道と書くが、本来はこのアルバム名であって大谷シロヒトリから大谷氏に代わったもののずっと「石川浩司+大谷氏」名義なんだよね。アーティスト名としては。
ま、そんな細かい(?)こと誰も気にしてないけどね(笑)。

2014年3月26日(水)「ハイコレ129〜石川浩司・デキソコナイの後進〜」@箱崎水族舘喫茶室

1587年(天正15年)、かの豊臣秀吉が千利休と共に宿陣し茶会を催したとされる「筥崎宮」。
それから427年の後・・・。
時は2014年(平成26年)、その「筥崎宮」から細い旧道を北に進むこと100mほどにある「箱崎水族舘」・・・とは言っても実際に水族館があったのは明治43年から昭和10年までのこと。
上空を着陸間際のジェット機が何度も通過する現在の「箱崎水族舘喫茶室」を会場に、「ハイコレ129〜石川浩司・デキソコナイの後進〜」が開催されました。※「たま」に影響を受けた人たちによるライブなので「行進」ではなく「後進」  

昨年2013年12月初旬の深夜に開かれたチャットバー 〜ウキュピ〜でのこと。
長崎県佐世保市にある保育園の方からの「保育園でライブをして下さい!  園長が是非にと!」との発言から、あれよあれよという間に2014年3月25日(火)の「保育園ライブ」(一般非公開)と「南国食堂地球屋ライブ」が決定しました。 石川さんの「来年3月26日(水)福岡・佐賀・佐世保辺りで僕の出前ライブをやられる方、交通費不要(幹線から外れた場合若干負担あり)で出来ます。」(Twitterからの転載)との発言から、福岡でのライブも即決定!
主催は、過去に知久さんや柳原さんのライブを開催し石川さんとの共演経験もある、福岡在住のアーティストで「ヨコチンレーベル」の代表ボギーさん。共演に、テクノユニット「宇宙サービス」。
そして、年が明けた2014年2月中旬の深夜に開かれたチャットバー 〜ウキュピ〜に続きます。
知久さんの話題から曲「326」へ。石川さんの「326のオリジナルはパスカルズです。たまはそのカバーです」から、「みんな、福岡は326だよー!」(3月26日の意)へ。仕舞いには「福岡主催者のボギーに326リクエストメールしときました!」との粋な流れに。※発言内容に関しては全て筆者の記憶によるイメージです

  そして迎えた本番当日の3月26日(水)。
開場15分前に「箱崎水族舘喫茶室」へ着くと、中からリハーサルの歌声が漏れ聴こえてきました。
すると通りを歩いていた4人のサラリーマンが、歌声に誘われて近寄って行きます。
「おっ、ここに入りましょうよ。ちょっと見てきますね」、程無くして「残念ですが、今日は貸切で無理みたいです」と肩を落として店の前を後にします。
今度は店内から、すでに出来上がった状態の先客として居合わせた若きアーティストが「ヤバイっすよ〜。宇宙サービスのサウンドが最高にカッコイイんすよ〜。石川さんの声が超通っててハンパないんすよ〜」と現れました。
開場直前になると、普段は25席という会場に50人以上の長蛇の列が出来ています。
入場してビックリ。出来るだけ多くのファンに機会を与えるべく、所狭しと並べられた椅子に驚愕しました。
受付で渡された「ハイコレ通信 Vol.129」(ミニコミ誌)の表紙は、なんと亀甲縛りで横たわる石川さんの写真(「妖艶ホリデー」より)。カメラに収めだす女性客もチラホラ・・・。
他の客の迷惑にならない角席へ一目散に向かい、席を確保した後に温和で明るい店主からドリンクを受け取りました。  

いよいよ開演!
先ずはテクノユニット「宇宙サービス」の登場です。
「リヤカーマン(カバー)」や「男気」など、軽快で楽しいビートが続きます。※正確なセットリストについては各自でご確認ください
先ほどの若きアーティストの乱入もありつつ、中でも某古本・OFFをテーマにした「男気」で「♪本を売る くらいなら(燃やす!)売〜るくらいなら売〜るくらいなら(燃やす! 燃やす! 燃やす!)」とコール&レスポンスで会場を温めまくります。

  続いて、主催者のボギーさんがバトンを受け取ります。
「ミュージシャンのうた」や「カーニバル」など、ギターテクニックと熱いソウルはお手のもの。※正確なセットリストについては各自でご確認ください
某アーティストたちと息もピッタリ「ツーカー」ならぬ「ツーフー」トークも冴え渡り、某サブちゃんの某「まつり」をオマージュした「カーニバル」で更に会場を燃え上がらせます。  

本日のメインキャスト、石川浩司さんの登場です!  

1. 毛虫おじさん
2. 悪代官
3. ハゲアタマ
4. ぼけ
5. たちあがる日本
6. メメントの森
7. 夜の牛たちのダンスを見たかい
8. オンリー・ユー
※セットリスト及び内容については、筆者が記憶しながら聴いているうちに3曲目辺りからライブの楽しさにすっかり覚えることを忘れてしまい、まぁそのうち誰かがTwitterで呟くだろうと踏んでいたところ思惑も外れ、そのため若干正確ではありません

  上から坊主頭・ランニング・短パン、さらに笑顔の石川浩司さんが登場されると、会場から感嘆の声が漏れました。
「わ〜、本物だ〜」 「お〜、本物だ〜」 「本物だ〜」
往年のステージ衣装でのライブは、福岡では初めてのこと。不思議な感想が口をついたのは仕方ありませんが、すぐさま割れんばかりの拍手が!
ご挨拶の後に「毛虫おじさん」で演奏を始められた石川さんでしたが、ギターを弾かれるお姿を見ることへの驚きと九州人(福岡県人)独特の真面目さも相まってか、会場は大人しめ?
ところが、例の所へ差し掛かると・・・。
「♪ゾワゾワヌメヌメゾワゾワヌメヌメ・・・」
「あはははっ!」
ドッという笑い声で会場が揺れました!
観客の心を鷲掴みにされた状態で「悪代官」 「ハゲアタマ」、パーカッションセットの一部をスライドバーに「ぼけ」へと、悪戯心満載の曲が観客の笑い声と共に続きます。これまた九州人(福岡県人)独特の好奇心がくすぐられます。
力強く「たちあがる日本」の演奏を始められたかと思うと、ピタッと中断。おもむろに後方のピアノへ向かうと、カッコよく前衛的な弾きっぷり。かと思うと、今度は糸の先に鈴を付けた釣竿を持ち客を釣りに掛かります?
最前列に座っていたボギーさんの次男Tちゃん(新小学一年生)が手を伸ばすとヒョイっ、手を伸ばすとヒョイっ。絶妙なタイミングで竿を上げ鈴に触らせない石川さんと、もてあそばれるカワイイTちゃんに会場は大爆笑!
フェイントで横に振る「竿」で濡れた女性・・・コーヒーをこぼしてしまった女性客も。
一遊びし急いでマイクに戻ると、「たちあがる日本」の続きを無事に歌い終えられた石川さんでした。
雰囲気はガラリと変わり、新曲「メメントの森」へ。
ラテン語の「メメント・モリ」(死を想え)から取られた題名(石川さん談)に相応しく、「♪みんな死んじゃうからこの世はある」と静かに語らうように歌われます。
石川さんの歌を通して自分の魂に語り掛ける時間に、目頭を押さえる人も多く見られました。
鬼気迫る「夜の牛たちのダンスを見たかい」には生への執着を感じ、観客の手にも力が入っているようです。物音一つ立てず、食い入るように聴いています。
石川浩司ソロのラストは「オンリー・ユー」です。
各々が自分の大切な人を思い浮かべ涙を流しています。ハンカチで何度も涙を拭う者、顔を両手覆いうつむいている者。 この曲には「鼻をすする音」が付くのだと、ライブで初めて分かった現象でした。
爆笑で始まり感動の涙で終わる。そして万雷の拍手で送られる石川浩司ソロコーナー・・・!  

いやいや、感動の嵐はここではやまず。
ギターを抱えた猫背の知久寿焼さん風の男(ボギー/nontroppo)、オルガンにスタンバイする柳原幼一郎さん風の男(アダチヒデヤ/アダチ宣伝社)、カッコよくない訳がない滝本晃司さん風の男(tessi/Hypstone Friends)の登場。
そして、坊主頭にランニング姿の石川浩司さん風の・・・石川浩司の登場! ※敬称略
再びの「おぉぉぉ〜!」という感嘆の声に万雷の拍手!  

「石川浩司 with たま完全コピーバンド」、初登場。  

1. リヤカーマン
2. らんちう
3. かなしいずぼん(サムラゴーチ Ver.)
4. 学校にまにあわない(タモリ Ver.)
5. まちあわせ

  ここで石川さんのパーカッションセットに、ガムテープを使って手作りの「マダムソース」前掛けが貼り付けられます。
「さっきは偽物(宇宙サービスによるカバー)でしたが、これから本物をやります(笑)」
40分のソロを終えたばかりとは思えぬほどのパワーで、スピード感溢れる「リヤカーマン」を演奏されます。観客の方も、まるでリヤカーに乗せられているような縦ノリで応えます。

  「イカ天」初登場で多くの人が「たま」を認識し虜になった曲が、知久寿焼さん風のボギーさんの完全なりきりボーカルで再現されます。
「♪よぉ〜〜〜」 「コンッ(桶)!」
一気に会場は1989年(平成元年)へとタイムスリップ。
「♪斜め懸〜垂〜」 「いちっにっさんっしっ!」
あの「動機の無い盛り上がり」も再び!
「ドンッ、コンッ、ドンッドンッ、コンッ」
石川さんの全くブレないパーカッションに、25年前と同じ鳥肌の立つ思いがした「らんちう」でした。  

続けて知久さんの曲から「かなしいずぼん」です。
柳原幼一郎さん風のアダチさんのオルガンが完璧なまでに雰囲気を作り上げます。
「♪魚になりたくない〜」 「ドンッ、タンッ、ドンッドンッ、タッタッタタッ」
一打入魂とばかりに、石川さんの放つ「音」が観客の心を突き抜けていきます。
そして、待ってました!
「奥さん。あんた〜、サムラゴーチマモルでしょ?(以下は大人の事情により省略)」
暗いイメージの曲で爆笑を取る石川さんの即興セリフ(記者会見に現れたサムラゴーチ氏の姿が全くの別人だったことから、丁寧にマジシャンへの転職を勧められる内容)でした。

  石川さんの代名詞とも言える、「学校にまにあわない」。
よく通る石川さんの歌声と、それに寄り添うように演奏される「たま完全コピーバンド」の面々。
校門で待っていたのは「校長先生」ではなく、某お昼の番組がまもなく終了するに当たり若干の不安を抱える「タモリ」さんなのでした。

  最後の5週目・・・5曲目は、締めで必ず歌われる「まちあわせ」。※博多で言うたら「博多祝い唄(祝いめでた)」みたいなもんたい
「石川浩司 with たま完全コピーバンド」の4人が横一列に並ばれます。
なんと、アダチさんの手には「平成名物TV いかすバンド天国(イカ天)/審査員賞」に輝いた時の楯(本物)が! ※「たけのうちカルテット」(ボーカル、ショルダーキーボード)で完奏の実績あり
緊張で弦を弾く手が震えるボギーさんに、
「あれ? 知久君、ちょっと会わないうちに下手になったんじゃないの(笑)?」
と、石川さんの優しいツッコミ。
「♪で〜も便利より不便の方がだいぶいい〜」
息もピッタリ、観客も目を潤ませながらの拍手!
謝辞を述べられ、疑似「たま」の4人はステージ(フロア)を後にしたのでした。  

会場の拍手は鳴り止みません。そればかりか、全員の拍手が一体となりリズムを刻みます。もちろん、アンコールの要求です!  

〜アンコール〜
6. 326  

再びステージ(フロア)へと戻られる4人。
チャットバー 〜ウキュピ〜の発言から実現することになった、3月26日の「326」です。
知久さんが歌われる高音の「326」を聴く機会はあっても、石川さんが歌われる「326」?
「知久君がヨーロッパツアー欠席だったので俺が歌ってる。だからヨーロッパでは326は俺の持ち歌扱い(笑)」 ※発言内容に関しては全て筆者の記憶によるイメージです
これは楽しみ!
静かに流れる音楽の中、いよいよ歌のパートです。
「♪花の咲く季節の〜 鼻をすする子供〜」
知久さんとは違い大人テイストな、それでいて「ほんわか」とした歌声です。
天上から落ちてきた天使の羽が地上に到着したように、全ての演目が終わりました。

  「たまの完コピというか、俺ですら本物の元メンバーがいるかの様に錯覚するライブだったよ。オルガンのアダチさんはしょぼたまのサポートで何度も一緒にやったから、ある意味半分はたまなんだよね」と石川さん。※CD「汽車には誰も乗っていない」にはゲストミュージシャンとしてアダチさんのお名前がクレジットされています
すると知久さん姿のボギーさんから「50%本物のたまです」との確認の声。
すかさず石川さん、「50%はサムラゴーチマモルに言わせれば100%だから」の返し。
会場は大爆笑に包まれ、大団円を迎えました!

  ところが、なかなか帰らないお客さんたち。もじもじ・・・。
そこで石川さん自ら「みんなー! 写真撮ったらツイッターにバンバン上げろよー!」のお声。
笑顔になったお客さんは一歩踏み出し、大撮影会が始まりました。
新譜CD「GO!GO! ホルモン鉄道」とDVD「ふなっしー×石川浩司コラボライブ」は大人気の即完売(この日の手持ち販売分)。※「ニヒル牛」にて通販もあり
入り口付近に移動された石川さんは、握手・サイン・写真・お喋り攻めに。
そして、人気(ひとけ)の無くなった石川さんのパーカッションに近づく不気味な男・・・パシャッ。
「私も撮るー」 「あたしもー」
実は石川さんを操っていると言われる(嘘)パーカッションセットも人気なのでした。

  このライブは、単なるセッションではありませんでした。
石川さんの弾けっぷりは、まさに当時そのまま。共演者に気を遣うことなく、自分の演奏だけに没頭する「石川浩司」。 本物を観ました!
清清しい表情で帰途につく観客の心には、きっとそういう気持ちがあったのだと思います。  

※もちろん、他の会場で演奏(セッション)される石川さんも本物であることは言うまでもありません (デクノボー)


(本人より)確かにこの日はちょっと特別な一日だった。
今までたまのコピーバンドでセッションしたことは何度もあるが、服装や喋り方、知久君の猫背まで完璧に真似たバンドはなかったからね。
流石福岡が誇るボギー。(ちなみにボギーはボーカル&ギターのことらしい)
俺も本当にタイムスリップしたね。
博多もんはすごかとばいっ!

2014年4月27日 パスカルズ・ふちがみとふなと 信楽陶芸の森野外ステージ

  2歳の乳飲み子を持つ身として、女房をほったらかしにしてライブに行くことが気持ち的にはばかられる私。
先日のチャットバー・ウキュピで4月下旬のパスカルズ関西ツアーの話題になった時、パスカルズは絶対一度は生で見ておくべきだと思うけど上記の理由で行けない、との旨の発言をしたところ、石川さんが「今度の信楽なら子供連れも多いから見においで〜」とのコメントを頂戴しました。
あっそうか。野外だからホール内にぼうずのやかましい泣き声が響き渡って折角の演奏がわやに、という事態が避けられるのか。「嫁はんと交渉してみます」と私は早速財務省に相談、おそるおそる話を切り出してみると嬉しいことにOKが出ました! 私は電光石火で申込フォームに入力送信のうえ送金、うきうきと当日を待ちました。  

信楽・陶芸の森に来るのは3度目です。パスカルズは初めてですが私の妻はタヌキマニアで「日本たぬき学会」の会費まで納めている猛者。催事・展示場でタヌキの手ぬぐい・靴下を過去にも購入しており、近隣の陶器屋さんで掘り出し物のタヌキの土鈴をゲットするなど信楽を満喫している渋い女の子(アラフォー)なのです。今回も高速を飛ばして90分、信楽へやって来た、というよりは帰って来た、という感覚だったそうです。  

閑話休題、そんなゆかりある信楽の地で初めてパスカルズが生で観られるなんて、なんだか不思議な感じです。
いつも駆け上っていた広場の高台から、今日はリハーサル風景が覗けます。あっ知久さんだ! 私はこの日パスカルズだけではなく初めて知久さんをも生で拝見したのでした。

  受付を済ませ手作り感満載のステージパスを受け取り、いよいよ開場! ・・・ってよく見るとあっという間に間抜けな私はパスを落っことしていました。手首に巻いてあったはずなのに跡形もありません。まあでもせっかく列の先頭付近に並んでたので、もいちど受付でパスをもらうのがめんどくさかった私はそしらぬ顔で入場、運よくなんのお咎めもありませんでした(主催の皆さん、ごめんなさい)。かぶりつきで石川さんを見ようと、パーカッションの真ん前・最前列に茣蓙を敷き陣取りました。青の石川さんシャツを着こんでいましたが、後方には黄色のシャツを着ている同志も。ヌヌッ、やるな! そうこうしてるうちに、さあ待ちに待った開演です!

  オープニングを飾るのは京都のステキデュオ・ふちがみとふなと。この日は風が強く、はためく渕上さんのスカートに気が行ってドキドキしました。が、何も起こりませんでしたのでよかったよかった(?)。本当に私は困った変態です。
ニコニコしながらコントラバスを自在に操る船戸さん、独特の低音のよく効いた歌い方が何とも言えない渕上さん。また歌の世界観がパスカルズによく調和するんです! 途中渕上さんに請われて、ランニング姿の石川さんがセッション!! 拍手の中息子が「みみのびるのおっちゃんや!」と叫びます。そう、我が家では石川さんは「みみのびるのおっちゃん」と呼ばれているのです・・・。即興とは思えない見事な叩きっぷり! これが石川さんの真骨頂です!

    せつなくも楽しい2人の楽曲が終わると、舞台奥から続々と14人が姿を現しました。ついに生で観ました、パスカルズ! といってもメンバーの外見を見に来たというわけではありません、もちろんお目当てはその多幸感あふれる音楽です。
私は基本的にはインストゥルメンタルが苦手で、パスカルズの曲は多少は知っていますがタイトルを思い出すことができません。
でもしずかな曲も派手な曲も、滲み出るハピネスを石川さんがアンプのように増幅させているのがわかります。
そう、石川さん以外の方々の演奏だけでも、音楽としては成り立ちます。
だが、その音楽が「パスカルズ」の音楽たりえるためには、石川さんは欠くべからざるパズルの1ピースなのです!
「野のなななのか」でしんみり、「のはら」で高揚、ときにロケット・マツさんが高らかにシャウトを上げます。私のヒザ上では、ぼうずが興奮してジャンプを繰り返しています。
なんて、何て幸福な音楽なのだろう。
「着イッター!」でつぶやいておられる皆さんのように興奮したような気持には私は何故かならず、何というか、しみじみと胸の中に染み入ってくる感動を覚えました。
「ハートランド」でそれは頂点に達し、あと一歩で私は不覚にも落涙しそうになりました。重なる、知久さんとあかねさんの声。あぁ、なんて美しい楽曲なのだろう。いつまでも、いつまでも聴いていたい・・・  

そして最後はふちがみとふなとと合体、渕上さんと石川さん、謎の宇宙語で激しく応酬しています(笑)。会場、大盛り上がり。アンコールの「GO!GO! マングース」では渕上さんがGO!で石川さんを威嚇、怯えつつGO・・・! と応じる石川さんにまた爆笑。このおねえさんも尋常ではない面白さがあります。ぼうずと一緒に私もハブに。シャァァァァァァ!!!
別の曲では石川さんとチェロの坂本さんが客席に乱入、おかしげな対決をおっぱじめます。石川さんがサングラスをかけた坂本さんに「おまえ佐〇河内だな!?」なんて叫び、辺りは大受け。
大ラスの「Home Coming Song」では、釣竿に鈴を付けて子供釣りに興じる石川さん。どこまでも観客を楽しませてくださいます。

  昨年9月に台風で流れてしまった信楽のリベンジ、見事に晴れて成功しました! 私はとても満たされた気持ちになり、気をよくして物販で「ふな石コラボライブ」のDVDをもとめて退散、名神高速の大津SAでブラックバスバーガーをむさぼり帰宅、早速レポートをしたためた次第です。  

メンバーの皆さんが元気なうちに、見ることができて本当によかったです。お疲れ様でした!(オポムチャン)


(本人より)この日は野外で子供も多いということで、実は選曲的には若干明るめに偏ってた。
まあ青空の下で暗黒やってもね。・・・いや、それはそれで面白いか(笑)。
ともかく野外はやっぱり気持ちいいね。客席乱入も自由度高いしね。
でも是非さらにディープでカオスな曲も入るライブハウスもお試しあれ。
また違ったパスカルズの面も観られるよ・・・。

ウキュピレコード5月配信曲・お肌ツルツル老人

  おほぉ、これはまたレアな曲ですよ、ただいま地球レコードでも在庫切れのたまマキシシングル『ゆめみているよ』にも収録されていたおもしろソングです!
ただその時もシングルの名義としてはたまでしたがほぼ石川さんソロ、バックもライオンメリィさんが手がけていらっしゃるのであまりたま色を感じないアレンジでした。
打ち込みのサウンドで難しそうなコードを使っていたので、これがギター一本になると一体どうなるのか? ちょっぴりネタバレ気味ですのでご注意を!

  おおっ、出だしからザカザカと激しいストロークで勢いよくスタートしました。コードはEですね。メリィさんのアレンジではAだったので聴いた感じが違って面白い! まぁ石川さんの語りがメインの曲はあんましプレイキーとか影響ないんですけどね。それはそれで凄いことなんですが。

  そして出てくるでてくるイヤデスなシチュエーションの数々!! は、鼻からアンコウが!!? 裂けるよ! 鼻の穴ひとつになっちゃうよ! イヤデス! 目から・・・ あらっ、コンタクトかしら?? いや、違うぞっ! ウロコだ、痛い、生臭い! リアルに嫌だっ!!! 

  とウゲゲながらも楽しい気持ちでいると、テンポがいささか落ち着き、左右からふゎんふゎんエコーのかかった石川さんの声、裏には不協和音がゾワゾワさせるギター。まさに歌詞のシチュエーションを具現化したような伴奏です! ぎょゎぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! 相変わらずコード解析の困難なオリジナリティ溢れる和音、痛快です。おや若干マキシ版と歌詞が異なりますね。トマトジュースのようにはなれず、イヤな状況に出くわし続けては耐え続けるイヤイヤカーニバルが始まってしまう・・・!

  ここからはイヤデスフェスタ!! なんでそんなわけわからん状況に!? という珍妙なイヤデスが盛り沢山(笑)!!
伴奏に緩急も付きつつ、イヤデスジェットコースターはさらにひた走り、ようやくしずかにエンディングを迎えると思いきや・・・ まだ来た(笑)! も、もぅええで! もうええってば石川さん(笑)!!!

  いやぁ・・・ キツイ場面の連続攻撃なのに笑ってしまうという名曲です。個人的には某ミックスジュースと某うどんにびょぉぉぉぉぉぉ!!! とおぞ気が走り抜けました。CDの打ち込みバージョンもいいですが、弾き語りバージョンも違う味わいがあっていいですね。
・・・まぁ、正直あまりヘビーローテーションで聴きたい気持ちにはなりにくいのですが・・・(笑)。まぁまぁ皆さん、恐いモノ聴きたさで、いっぺん試しにダウンロードして御覧なさい。こんな曲提供してくれるベテランミュージシャン、よそ当たっても絶対いないよ(笑)!! (オポムチャン)


(本人より)この曲はライブでも滅多にやらないので一所懸命思い出しながらやった。
でも最近は健康法のひとつで「後ろ走り」はあるらしく後ろに走る老人は普通の光景になってるとか。
でもいきなり出くわしたら、やっぱり嫌だな。

チャットバー・ウキュピ

こないだ「ドキドキドキリコ初体験」で初めてかつ唯一のチャット体験を投稿しましたが、今月はレポートがポイントボーナスらしいので角度を変えて感想として投稿します。ヒヒヒ、ポイント餓鬼道に堕ちた卑怯者らしい小癪な所業です。

先日初めて体験してきたのですが、それまではもっぱら覗き見専門でした。石川さんがいらっしゃる時そうでない時、さすがこのHPを覗いてるだけあって(失礼)、実に個性的な皆さんがたのしく自由にコメントされていて、やりとりを見ているだけでも十分に面白いコンテンツです。

また私はよそのチャットの現場を見たりやったりしたことは無いのですが、それぞれ入室したときや退室するときの反応、チャット内での立ち回りも人それぞれ個性があって面白いです。
入室されたと思いきや気が付くとワンコメントだけで去っていた方。
丁寧に御挨拶されて流れるように会話に乗っていたのに突然沈黙する方(多分寝落ち)。
人数が少なくなってきてから本領を発揮する方。
誰もいない時に、こっそりひとりごちを残すシャイな方。
女性の方が入室されるとアグレッシブになられる方(笑)。すごい、あやかりたい(笑)!
キーボードを打つのがべらぼうに速くて反応のいい人、または穏やかにことの流れを見守るゆっくりさん。
特定の方がいらっしゃるのを見て、その方お目当てで入ってこられる方。
単にエロい話がしたいから深夜に待ち構えているオッサン・・・、はっ、私だ(笑)! ・・・というかまだ1回しか入室してないんですけどね。

あとは場の雰囲気がその場その場でクルクル変わるのも面白い。入って来た人によって大きく変わったり、みんな眠いのか今の話題が難しいのか全員2・3分沈黙したり(笑)、助平な会話では全員レスポンスが高速になったり(笑)。健全な若人も参加なさることがあるというのに、いけませんねぇ(ニタリ)。

石川さんが「王様の耳はロボの耳」を作った理由は、チャットで出て来たいい会話やアイディアが残らずに流れて行ってしまうのが勿体無いから、とおっしゃっていましたが、なるほど、見えない相手とのやりとりの楽しさが2つのコンテンツに共通してあります。ただ「王様」も時間差でいろんな投稿者の方と意見を交わし合えて楽しいですが、このチャットバー・ウキュピでは石川さんはもちろんのこと、自分の好きな、また尊敬している投稿者さんと直接会話したり意見を交わしたりし合えるというのがこのHPの閲覧・投稿者として最大の魅力ではないでしょうか。チャットでしかお会いできない方との会話ももちろん楽しいですが、普段投稿文でしか見られない投稿者さんのキャラクターをダイレクトで感じられるのはこのコンテンツならではの面白さです。

というわけで初めての入室で実物と違わず挙動不審(?)だった私をあれこれイジって下さった石川さん、デクノボーさん、て〜お〜さん、ありがとうございました。快感でした(笑)。私は有害なコメントを吐きがちなので出来るだけ我慢していますが、憧れのエロマンガ先輩や他の投稿者さんがいらっしゃったら、ついつい指が滑るかもしれません。その際は宜しくお願い申し上げま〜す。(オポムチャン)


(本人より)リアルタイムはまた投稿とは別の面白さがあるよね。
近々同じライブに行くことがあるとお互い目印つけて会ったりとかも楽しいし。
何より顔やスタイルで判断する前に意気投合すると、オフで会ってもたいていすんなり知り合いになれる。
内面や趣味から出会うからね。
なのでオポムチャンはもちろん皆さんも「ちゃんと話せるかな?」とかあんまり考えずに気楽に入って、自分の興味のあるとこだけ反応するんでも全然かまわない。
面白いことしてる人、変わった経歴の人も多いから意外にも為になることも多いしね。
ホームページを始める元となったチャット。
くだらない話も真面目な話も、なんでもありだよ〜入って来てん!

ウキュピレコードリミックス企画第八弾・冥王星

前回のリミックスでは衝撃の問題作(笑)を提供して下さった、石川さんとその楽曲を愛する職人・so-heyさん。 おやっ、バーの進行スピードから今回は原作に忠実な長めの展開になっている模様です。

元々の原曲がギター一本のこのシリーズですが、so-heyさんははじけるドラムスを手始めにもってこられました。
心躍るバスドラムに跳ねるスネア、シンバルは響きパーカッション風のぽこっ、という音も加えられています。そこへ始まりを告げるラッパー風のお兄さんの掛け声が。う〜ん今回もハナからいかしてます。

よくエコーの利いた石川さんのボーカルがスタート、おおっ、ムキエビに行く前に4小節の溜めを造り、ディッ・ディッ・ディリッディッ(ソ・ミ・シド♯ッレッ)と電子音を挿入し曲のイメージをお洒落にしています。
よくよく聴くと各番の3フレーズ目が他のフレーズから半音吊り上げられ、コードもE一辺倒からFになっています。そして ♪はいムキに行くー、が原曲の2回から3回になり、石川さんのボーカルも実に自然にミからソへサスペンドされ、コードがG・F・Eの下降進行で展開します。この辺の細かいテクニックが私は個人的に大好きです。まさに職人技。

ドラムスはノリ良く展開し、重厚なエレキが加わりだします。ザカザカとコードを刻んでいたと思ったら美麗なソロを挟んだりして曲間を彩ります。これは打ち込みではなく実際に弾いてらっしゃるのかしら。かっこいい。そんなハードなロックをバックに石川さんのいつもの歌声が響き渡る・・・ このギャップが堪りません。 ♪はい冥王星〜、ありゃっ、着いてもた(笑)!!! ははははは!! いやいやまだ着いたらあかんがな(笑)!!

間奏ではまたもかっこいいギターソロ。さあ曲も終盤です。
ああっ、今までのリミックス作品のアレンジされた石川さんの声が効果音に使われてる。そしてなんだかへっぽこなサキソフォンも入りありゃりゃな感じに。うわ面白いな。
♪はいさようなら〜、いやそう簡単にさよならしませんよ! 2人の石川さんがデュエット、片方は半音ずつ上がっていく原曲のような音、一方は半音ずつ下がっていき、なんとも不可思議なハーモニーを奏でます。ははははは、どこまでいくねんな、最後はもはや石川さんじゃない何かになってしまってます(笑)。宇宙人とダースベイダーのハモりになってる。宇宙空間に浮かんで終わるエンディングに相応しいデュオです(笑)。いやぁ今回も最高でした! (オポムチャン)


(本人より)いやあ今回は力作だったよね。俺も思わず唸った。こっちを売り物にした方がいいんじゃなかろーかと(笑)。
多分原曲よりも長くなってるかも。
このリミックスコンテスト、完全にso-heyのひとり舞台だな。
他にも応募が無いわけじゃないんだけど、ちょっとレベルが違い過ぎるんだよね〜。

ホルモン鉄道NewCD発売記念ツアー・東京編 2014年3月22日(土)東京「吉祥寺マンダラ2」〜デラックス編

こんにちは、さぼてんと申します。
先日の『Go!Go!ホルモン鉄道』発売記念ライブに行ってまいりました!
だいぶ遅くなってしまった上、他の方のレポートもすでにあがっているのですが、とってもすてきな夜でしたので、石川さんへお礼も兼ねましてその時の様子を報告させていただきます。
間違いも多かろうと思いますがご容赦ください。

2014年3月22日、わたしは吉祥寺のマンダラ2におりました。
最前列があいておりましたのでおっかなびっくり、でもうまうまとそこへ。

待つことしばし、照明が落ちると「Go!Go!ホルモン♪」の黄色い声援をしょってステージに大谷氏が登場。
石川さんはなんと客席後方からお客さんの間を縫って現れたのでした。
大谷氏はあの茶色のシャツ、石川さんはもちろんランニング。

この日は豪華ゲスト多数ながら最初はシンプルにお二人だけで始まったのですが、なんと1曲目の「アタックNo1」は フル打込みのキャッチーかつ激しいナンバー!
スパイク!そしてアタック!と振り付きで熱唱し終えたお二人は、

石川さん「これは20代30代の頃にやっておくべき曲だった・・・(息を上げながら)」
大谷氏 「まだ新曲に慣れてなくて富山でも昨日の江古田でも間違えちゃって、今日始めて成功しました(うれしそう)」

「毛虫おじさん」がゾワゾワヌメヌメとやってきたあと、サポートメンバーのとっちゃんさんを迎え、みんなだいすき「包茎ジョナサン」!
”気にしちゃいない”と言いつつ、人には”そんなことはありません”と言ってしまうジョナサンを思うと涙を禁じえません。
「キチガイ・スラッガー」では紅白帽をかぶったMrベースボールが今夜も来日、
帰りたくないと駄々をこねたせいで大谷氏のギターのプラグが抜けちゃう一幕も。

「新作を取り扱っているディスクユニオンへ偵察しに行ったら”日本のパンク”のコーナーにあった件」
「大谷氏のギターに先日からぶたさんが混入している件(弦を抑えていないとぶーーと音が鳴り続ける)」
といったMCをはさんだ後、いよいよ豪華ゲストのみなさまがステージに!

サックス・梅津和時さん、バイオリン・太田恵資さん、コントラバス・後藤勇さん、ドラム・石塚俊明さん、そしてダンサーのみっちさんを迎えて、
ニューアルバムから「失礼しました」「孔雀」「ネットで検索」の3曲を。
太田さんの青いバイオリンが蝶々のようにきれいで、真顔で踊るみっちさんがまた得体の知れないキュートさで、すんごく、すごかったです。
梅津さんなんか、あまりにど真ん前過ぎたのでまともに拝見できませんでした。もったいなや!

デラックスセッションのあとはシンプル編成に戻っての「セロテープ」そして「ハゲアタマ」
「ハゲアタマ」では”にきびをつぶす ハゲアタマ♪”のところで、
石川さんが先ほどまでステージにいた豪華ゲストのお名前を次々と挙げたため大谷氏が窮地に。

石川さん「梅津和時!」
大谷氏 「(堪える)」
石川さん「太田恵資!」
大谷氏 「(堪える)」
石川さん「ペリカンかゆい」
大谷氏 「ハゲアタマ!」
石川さん「石塚俊明!」
大谷氏 「ハg・・・!(大ピンチ)」
石川さん「知久寿焼!」
大谷氏 「・・・ハゲアタマ」
石川さん「そうか知久くんはいいのか」

念のためですけども、頭髪の状態とかっこよさに相関はありませんむしろ大歓迎と書いておきますね。
最後はしっとりと(?)「どうでもワルツ」で第一部は終了しました。

休憩を挟んで第二部はソロコーナーからスタート。
とっちゃんさん「鼓動」、大谷氏「境鉱泉」、石川さん「メメントの森」と畳み掛けられぼろぼろ泣いてしまいました。
初めてお聴きしたとっちゃんさんのうたは、ゲスト勢ぞろいのバックバンドに恐縮しつつも力強くてやさしくて、お声は少女のようでした。

ここからはふたたびゲスト勢ぞろいのデラックスセッション!
だったのですが、その一曲目が、

大谷氏「作ったもののなかなかライブでやれなくてCDにも入れてなかった曲で、
今回ニューアルバムを出すことになったから”入れるのはここだ!”と思って。聴いてください。オスペル」

近くのお客様がくすくす笑い出すのを何事かと思っておりましたが、はじまってみましたらばその理由がわかりました。 ひどい!あんなに渋くはじまっといて大谷氏ひどい!
あと石川さんが途中でとっちゃんさんの方をぢっと見つめていたのもひどい!

その上この次の曲が「悪代官」
こちらはライブではもうおなじみとなっておりますけれど、やっぱりひどい!
石川さんは途中で”吸うときの音”を大谷氏に強要するしひどい!

このくだりの意味がわからない方は『Go!Go!ホルモン鉄道』を買いに走りましょう今すぐ。
えーと大絶賛しております。

大谷氏ソロの「クローン牛」で一旦クールダウンし(石川さんをはじめステージの皆さん腰を下ろして休むふり笑) 不穏当な長い長い不協和音ではじまったのは「立ち上がる日本」

日本列島立ち上がる ブレーキ機能は故障中 ストップ機能は開発中 放射能を撒き散らせ♪

あの震災と事故の後、しばらくはなんだかこわくて、こわかったからわざとギャグにしてみせたりしていたあの頃の感じがして、たいそうこわかったです。

女性陣のコーラスがなんともかっこいい「エチケット番長」、名曲「夜の牛たちのダンスを見たかい」
新曲「積木くずし」では何度も繰り返される歌詞と太田さんの穏やかでないバイオリンにしびれ、
第二部ラストは「メルヘン」でふしぎな感動の大団円を迎えたのでした。
かーーんこーーんそーーうさーーい。

惜しまれつつ去っていく石川さんとゲストの皆さんを尻目に、ステージにはひとり服を脱ぎ始める大谷氏の姿が!
パンツ一丁となった大谷氏が舞台袖に向かって「イシッ!」と呼ぶと、石川さんが舞台袖から顔を出してにっこり。
ステージに出てきてランニングを脱ぎ、同じくパンいちとなった石川さんは、

「どーせみんなこれを観にきたんでしょ。チャージの2,000円分はこれなんでしょ」

そんなんじゃないけどやっぱりそうです。アンコール1曲目は「正調腹太鼓音頭」
全身真っ赤にして腹太鼓を叩きまくるお二人はイカしてました。
なんと最後は石川さんが客席に降りてきてくださり、わたしの目の前に、まるで差し出すようにおなかを!
一瞬躊躇したのですが、他のお客さんと一緒に叩かせていただきました!ぺったんぺったん!

腹太鼓が終わった後、お二人は

大谷氏 「・・・なんか選曲を間違えたんじゃないか」
石川さん「これが最後じゃなんなのでもう一曲やらせてくださいッ!」

というわけで、この日の最後はゲストの皆さんもお迎えして全員で「ネムイ」を。
ねえ!もう眠っていいって言ってよ!と叫ぶ石川さん、なんたるカオス。
わたしが地平線いっぱいにびっしりとお布団が並んでいるところをまざまざと想像して背筋を泡立てている隙に、
デラックスな一夜は夢のように終わっていたのでした・・・。

とは言うものの、終了後には物販で待望の『Go!Go!ホルモン鉄道』を手に入れ、サイン会でサインもしっかりといただいてまいりました。
うれしい宛名入りですわーいわーい!
その後ふわふわと宿に戻ってツイッターに絨毯爆撃のような感想ツイートを打ち、寝落ち。
翌日はなんともさびしい気持ちで家路に付いたのでした。

石川さん、大谷氏、とっちゃんさん、それにゲストのみなさま、すてきな夜をありがとうございました。
涙腺と横隔膜と鳥肌がフル稼働で、泣きながら笑っちゃうような、笑ってるのにこわいような、ゴージャスでデラックスなライブでした。
ぜひまた伺います。やっぱりボーナストラックをいっぺん生で聴かせていただかなくてはっ! (さぼてん)


(本人より)いつも新潟から来てくれてありがとう〜!
こんなゴージャスなバックを付けるホルモン鉄道は多分今後もう無いかもねー。
ホルモン鉄道にサウンドが入った奇跡的瞬間(?)でした。
今後もジジイになっても馬鹿なことをやり続ける俺たちをニヤリとしながらお楽しみくだされ〜。