テキトー日記04年12月(2)



12月16日(木)

 ふひぇ~。今年最後の長い仕事が終わったよーん。
 今回の芝居は1日2公演の日が平日とかでもあって、家に帰れない日もあったなかなかハードなスケジュールだったけど、20代の元気のいい若手の人からエキスをチウチウ吸い取り、60代のベテランさんの妙味にエキスをチウチウ吸い取られて、なんか俺はその間でフニャフニャ「俺の存在意味は何? それはだあれも知らないの。お星様だって知らないの。ウフフ!」していて面白かったな~。
 本番中にトイレに閉じこめられるという漫画のような雪隠責めにあったりもしたけれど、来年春には完全に取り壊しになるという壁から何からボッロボロの古い劇場も味わい深かったな。やっぱり根がアングラなので、またこんなひと癖ある仕事を今後もシュタイナ~。アインシュタイ~ン。ノグチヒデ~ヨ。

 薄田泣菫「無学なお月様」読む。

12月17日(金)

 ま、しばらくボーッとするわな。そりゃ。
 頭の中のお庭に鶏一匹コケコッコー!!

 田中貢太郎「老犬の怪」読む。

12月18日(土)

 芝居をやっている間にすっかり冬になりやがって、まいっチングまちこ先生じゃがな~、って古くて若い人にはなにやらわからんがな~。いや~、用事がないと外に出ねえ出ねえ。ま、外に出ないと金かからないからいいんだけど。ってこれが世で言うひきこもりというやつか。ま、人生ひきこもごもともいうしな。ひきこもりも大事な人生よ。意味違うか。

 ところで携帯電話を持たない俺だけど、最近は海外でも通じる携帯電話が出たとか。料金とかどんな感じなんだろう。年あけたらほとんど日本にいないからな~。パソコンに繋いでインターネットとかも出来るのかな? 詳しい人いたら教えてチョンマゲ。

 中沢けい「楽隊のうさぎ」読む。

12月19日(日)

 かわいい女子大生とデエトだよ~ん、ふふんふんふん。
 ふたりでエスニック食べたりプリクラ撮ったりキャハキャハした。でも夕方に起きたのでそれが俺には朝ご飯だけど。
 そして彼女とツツーと涙で別れた一時間後には何故か妻とモシャモシャ豪快に昼飯食ってる。
 あぁ女と飯の日よ!
(本当はデエトはポイントプレゼントでした~。でもわざわざその為に遠くからバスに乗ってかわいい女子大生はやってきてくれたのさ~。ひゃんっ!)

 寺田寅彦「KからQまで」読む。

12月20日(月)

 このホームページの「王様の耳はロボの耳」のアップをしたのだが、なにせパソコンがへっぽこぴーなので途中すぐに固まってしまい3~40回も再起動せねばならなくてムキキキッと猿になったり貝を割るラッコになったり蛇になって部屋をヌルヌル右に左に激しく狂おしく動いたりして、朝の4時から夕方ちかくまでかかってしもーた。もちろんレスはもっと前に徐々につけているのにこのざまさー。なので直前に投稿されたものは次回にまわされるものもあるけど、ゴリョーショー下さいな。

 田中貢太郎「沼田の蚊帳」読む。

12月21日(火)

 冬至だ。冬至魔冬至さん、お元気ですか? 

 南部修太郎「自分の變態心理的經驗」読む。

12月22日(水) 

 パスカルズのメンバーで、かつ漫画家の大竹サラさんの新作単行本「ドリームランドEXP. 地球道草アンダンテ」(小学館)が贈られてきた。この本の半分は俺や知久君もいるパスカルズのヨーロッパツアーのドキュメントハプニング漫画だ。俺も漫画のキャラクターになって活躍してるぜいっ!巻末にはパスカルズの対談なども載っているので、まだパスカルズのことをよく知らない地方の人も、本屋でのぞいてみて下さいな。
 ちなみに最近はGさんもパスカルズに曲を提供しているので、実質「たまの変型人数増えたヴァージョン」みたいなテイストもあるバンドなので、是非ともねっ!
 あ、でも発行部数がそんなに多くないらしいので注文になるかも。その場合はもちろん俺の「『たま』という船に乗っていた」(ぴあ)と「おとなのなぞなぞ」(主婦と生活社)も持ってなかったら同時注文しないとくすぐり地獄に落ちるわよーん。足の裏を二時間刷毛でサワサワしちゃうぞ。よろしくね~ん。CMコーナーでしたー。

 奥田英朗「空中ブランコ」読む。

12月23日(木)

 ライオンメリィさんの「自転車古河電車日光」という旅行記を読んだ。いや~天才だな~、やはりメリィさんは。旅行そのものというより、文体。基本的に言葉遊び的なんだけど、なんか力が良い加減に抜けていてスゲおも。そんじょそこらの作家なんかポーンと山の向こうに飛ばされちまいます。もしかしてメリィさん、文章書く仕事でもやっていけるんじゃない? なんか連続して人の本の宣伝になってしまったけど、気軽に読めるので是非読んでみて。感性、たまんねっすから。
 あ、でもたぶん一般の本屋さんにはないです。ニヒル牛か、メリィさんのホームページから通販もやってるみたいなので買うザンス。500円ザンス。

 ライオンメリィ「自転車古河電車日光」読む。

12月24日(金)

 いわゆるクリスマスイブなわけだけど、む~ん。さすがに40回以上もやっているとあまりお祭り騒ぎ的な気持ちになれず、というか昔に比べると毎日がお祭りみたいなもんだから、なんか盛り上がらないんだよね~。
 だってケーキとかだって昔は年に一回か二回ぐらいしか食べられない「高級菓子」だったのに今、
「今日はケーキがあるらしいぞっ!!」
「ま、まじっ!? なんでなんで!?」
 とか言うことないもんな~。

 ってなことで「ラピュタの城」を観ながらカニ玉丼(妻は「天津丼」と言い張るが、甘酢がかかってない。甘酢嫌いなんだって。でもそれでは「天津丼」では・・・。「なんか天津丼食べたい気分だなぁ」というので作ってもらったのだが)食ってるうちに週末のライブの為の生活時間の改善の為に前日から徹夜してたので睡魔~ズに襲われ、肝心なラスト10分で鼾ブギブギブギーマーンとかいて寝てたので結末わからず。トホホ。そんなロマンチックな夫婦ふたりだけのイブの日だった。
 ・・・あっ!チキンとケーキとツリーとプレゼント交換のことはついうっかり忘れてまいた!

 南部修太郎「阿片の味」読む。

12月25日(土)

 友人がふたりきてうちの夫婦と4人でクリスマス麻雀大会を地味目にやった。そしてかつて「雀王」と言われて人でなし扱いをされるほど勝ちまくっていた時代もあった俺は、8回やってなんとオールマイナス。もちろんブッチギリのビリ。クズ。カス。うんこ。小便。ゲロ。ゴミ。チリ。イヌ。ブタ。ゴキブリ。目糞。耳糞。鼻糞。歯糞。使いふるし過ぎてボロボロになって道に剥がれて落ちた運動靴のペナペナの底。ペナペナ。ペナペナ。ペナペナペナペナペナペナ。ペナペナの罪で逮捕。
 あぁ、人に恨まれても、人でなしと言われても、まじめに睨みつけられても、やはり勝っている麻雀の方が楽しいよー。しかしとにかく手がひどすぎて、どーにもこーにもならなくて笑ってしまうよ。笑ってしまうのよ。虚しい笑い声が自分の中だけにこだまするのよ。いや、出した声は心の山に跳ね返っても山がいじわるして戻してもくれないので、行ったきりなのよ。帰って来ないのよ。そいでまた心の穴がどんどん巨大化していくのよ。ブラックホールなのよ。捨てた牌はほぼ3回以内にまたつもってくる、やっとリーチ出来たと思ったら当たり牌が場に全部もう出ていることに気づいてチョンボを覚悟してヘラヘラ打って、他の人があがったのをみてかえって安心する・・・。俺の雀人生はこのままここで終わってしまうというのか? 終わってしまうというのかいっ? いや、そうはいかん! 

 最近、自分の中の悪魔がちょっと弱いか、グータラと眠りこけているのだ。ここはいっちょ悪魔のケツを叩いて「ワル石川」を復活せねばな。よし、来年の俺のテーマは「ワル」だ。さぁみんなビビリまくりな。麻雀だけじゃなくワルになったる! ワルちうねんになったる! 
 まずは基本のピンポンダッシュからだな。ただ、ほとんど10m走ると息があがってしまう最近の俺が、ピンポンダッシュした家の若者に首根っこ捕まれてボコボコにされ、ちうねんなのにワンワン泣かなければ、の話だがな・・・。

 小林多喜二「母たち」読む。

12月26日(日)

 しかしクリスマスというのも最早宗教になんかほっとんど関係なく日本では一年で一番の行事に成り上がったよね~。まるで永ちゃんだね。あっ、永六輔じゃないよ。馬鹿だな~、矢沢永吉のほ・う。
 ちなみに矢沢永吉の「成り上がり」という本は当時大ヒットしたけど、実はそれを書いたのがゴーストライターだった今の糸井重里で、それで糸井重里もブレイクしたんだよね~。 ってそんな話じゃなくて、昔は正月の方が絶対格上だったのにな~。
 やっぱりクリスマスの方がプレゼントだケーキだ赤プリだ靴下だと何かと経済効果があったからなんだろーなー。わかりやすいし。それに日本だけじゃなく、中国に旅行した時とかでも11月から「もーえーやんけ~」という2月ぐらいまで年の4分の1ぐらいはホテルとかツリーが飾ってあったしな。

 ところでサンタの衣装といえば赤と決まっているけど、それが定着したのは実は割と最近の事。あれ、コカ・コーラ社の「サンタは赤い服=コカ・コーラ」というイメージ戦略からそうなったんだよね~。世の中、何事もショーバイですバイ。ちょっとうんざりですバイ。

 小島烏水「亡びゆく森」読む。

12月27日(月)

 昨日は芝浦で行われたその名も「女祭り」というイベントに参加。うっしっし。
 といってもストリップとかじゃないっす。ま、かぶってる部分が皆無とは申しませんが・・・。よーするにキャット・ファイトという女子プロレスみたいなもの。(但し「プロレスも大変ですよね~」と彼女らにふると「プロレスじゃありません、キャット・ファイトです!」と怒られるのであくまでプロレステイストのキャット・ファイトという試合です) ま~何故俺が呼ばれたのかは今世紀最大の謎だが、生まれて初めてリングの上でロープにつかまったりでんぐり返ったりしてソロで4曲、解説者と1曲、そしてキャット・ファイトの女の子3人にコーラスを付けてもらって1曲とハーフタイムを楽しんでもらった。

 しかも正直キャット・ファイトのことはほとんど知らないのにその後の試合のゲスト解説者までやってしもーた。熱烈ファンの方、申し訳ねっす。
 でもイベントは凄く面白かった! 悪役の子が解説者に「痩せましたね~」とか言われてヒールなのでずっと怖い顔を作っていたのだが、何度も言われたのでお客さんに背中を向けたちょっとのすきに耐えきれず思わず頬がほころんだりしてしまっていたのが可愛かった。その他基本的にコスチュームに凝ったファイターが多くて、大股開きされると負けになるなど下品なれど俺の大好きな「見えそで見えないもどかしさ、おぉもどかしさ」がとても良かった。今後は俺の歌を気に入ってくれて登場ソングとして使ってくれる、という人も現れて嬉しひな~。
 ちなみにたまの「夜の音楽」という歌を登場ソングとして使っていた人もいたのにはびっくり(どちらかというと闘魂には不向きな気も・・・あわわ、何でもないっす!)。
 チラリズムファン、もしくは強い女ファンは是非一度ご覧あれ!

 すぎたカズト他「ちょっとキケンなひとり旅」読む。

12月28日(火)

 来春に発表予定の去年のパスカルズ・フランスツアーのロードムービー的DVDの制作作業を某所にてパスカルズメンバーとやる。制作のU5君は何十本というビデオを観て編集。俺も「ヒストリー・オブ・たま15」のビデオはほとんど最後の詰めの直前までひとりで黙々とビデオを観続けてテイクを選ぶ作業をしていたのでその苦労はよくわかるでガンス~。「おっ、いい演奏だ!」と思ってもビデオや照明の加減が悪かったり、誰かが決定的なミスをしていると「うう~ん、もったいない~ん、いっやは~ん」と思いながらもリストから外さねばならないしな~。

 ところでメンバーが、日本では未発売でヨーロッパでしか売られていない「Half Moon of Pascals」というパスカルズのメンバーの個々のソロを集めたオムニバスアルバムの向こうでの雑誌評などを翻訳したものをいくつも持ってきてくれたのだが「今や知らぬ人がいないパスカルズの・・・」で始まる論評もあってビックリ。
「俺達ライブはやっているけどテレビとかは出てないのにね~」
 と言うと、実は出ているという。というのは3年前、初めて出た「トランス・ミュージック・フェスティバル」の様子などが結構向こうの音楽番組などで頻繁に流されているらしいのだ。
 実はこのフェスティバルは過去にニルヴァーナ、ビョークがこのフェスティバルをきっかけにブレイクしたヨーロッパでは非常に権威あるフェスティバル。今年のオリンピックのオープニングはビョークが務めたから、それがパスカルズに変わっても誇大妄想ではないのだ。
 オリンピックのオープニングで桶を叩きたいっ!!

 まぁそれはともかく実際、ドライブインのふつーのオッサンにまで他のメンバーが顔バレしてたからな~。詳しいことはわからないが、今現在もラジオのリクエスト・チャートには3曲ぐらいランクインしているという。(ヨーロッパでは音楽は基本的にCDで聴くよりラジオで聴く方がポピュラーらしい) しかし、日本では何故こうも無名なのだろう……。
 せめて全国の主要都市のツアーぐらい出来るようになりたいにゃ~。

 実は昨年の夏にもヨーロッパのフェスティバルに出る予定があったのだが、直前にキャンセルになった。その理由が最近わかったのだが、主催者がとある日本人に「日本からはパスカルズを呼ぶのだが……」と言ったら、その人が「パスカルズなんて知らない」と言ったのがきっかけでどーやら駄目になってしまったらしいのだ。トホホ。外国では認められているのに、この温度差。どーすりゃ日本でももう少し売れるのでショー。
 やっぱり商業的な事務所に所属して、わかりやすいラブソングをかっこよく歌わなきゃ駄目なのかの~。かの~。かの~。かのおしまい。

 養老孟司「脳の冒険」読む。

12月29日(水)

 ニヒル牛に作品を観にいった。くす美さんの作品だが、アナログレコードのターンテーブルの上でいろんなけったいな人形がくるくる踊るという趣向で面白かった。
 それからR君とどこかで飯でも食って帰ろーやと歩いていたら、とある店から聞き覚えのあるサックスの音。そしてその二階のガラス張りの店を見上げてみると、顔は見えねどテカテカと華麗に光る見覚えのあるつるっぱげ頭の先っちょが。

 5分後には、店から鍋やフライパンをマスターに借りて梅津(和時)さん・多田(葉子)さんのサックスやチャン(ヨウコウ)さんのアコーディオンに合わせておたまをスティックにビール浴びながらセッションしている自分がいた……。

 権藤晋「つげ義春幻想紀行」読む。

12月30日(木)

 暮れの大掃除はまた来年ということにしますわ。

 田山花袋「耶馬渓の一夜」読む。

12月31日(金)

 西荻の「音や金時」でタンコさんのライブに出演。途中、フリーの演奏がのってきたところで突然スタッフがステージに上がってきて「こっ、こうしてくれるわっ!」っとはがいじめに静止されみんな殴り倒される(嘘。おとなしく静止される)。
 「?」と思うと、年明け也!

 とともにこのお店での大晦日の恒例であるタンコさんの知り合いがロシアから送ってきた蟹の食い放題の始まりじゃ~い!
 実はギャラなんかよりこれが目的だったのよね~ん。ウホホ、次々と茹で上がった蟹の足をば切り裂き、ボトボト落としながらほじりまくり食いまくりほじりまくり食いまくりほじりまくり食いまくるざんす~。ううっ、ゲップ~。しばらく蟹はいらんでござんす。
 さぁ、来年は蟹年だガニッ!! 泡を吹くガニッ!! 嘘だガニッ!!

 鹿島茂「衝動買い日記」読む。
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