テキトー日記03年11月(2)
文章中の文字の色の違うところをクリックすると、詳細が見られたりするぞ。
11月16日(日)
パリ。終演後お客さんからたどたどしい日本語で、
「アナタ・・・ワ、パスカルズノ、チャーリー・チャップリン、デ、ス、ネ」
と言われる。
俺にはシルクハットもチョビヒゲもステッキもないわい!
ちなみにこれはお客さんが撮ったライブの模様。
出久根達郎「あったとさ」読む。
11月17日(月)
ブザンソンという町へ。メンバーの大竹サラさんが、
「あたしの部屋、ベッドが血だらけで、枕の下には髪の毛がごっそりなの。誰か部屋を変えてっ!」
と叫んでた。
おそらくベッドに赤い何かの染みがちょっと付いていて、枕の下に髪の毛が一本ぐらいヘニャッと落ちてた程度なんだろうけど・・・なんせ彼女の本職は漫画家だからな。
何事もデフォルメしたい気持ちは、俺には痛いほどわかる・・・。なにせその方が何倍もジンセー楽しいからな。
青木タカオ「ちょっくら・おん・まい・でいず トルコ編」読む。
11月18日(火)
国境を越えてスイスのチューリッヒへ。といってもパスポートも見せることもなく、隣の県に入った程度の感じ。
本日の客層は明らかなるインテリジェンス溢るるレディース&ジェントルメエエエエンばかり。一体どういう宣伝をしたのだろーか。
帰りに俺達のCDを買って、売り子のスタッフにそのCDと同じくらいチップをはずんでいるメェェェェェェンもいた。
1日の滞在なのでユーロに参加していないスイスでは両替をしなくてはならないのだが、面倒臭いので楽屋にあったネズミの形のチョコレートを大量に失敬してホテルに戻る。もちろん余った分はおみやげにしたとも。したともさ。
青木タカオ「ちょっくら・おん・まい・でいず ヨーロッパ編」読む。
11月19日(水)
ブザンソンに戻る。このフランス東部の町は実にいいぞい。男の俺でさえいつのまにか目の中にお星様がティンクルティンクルして「まじ、フランス、おっシャレね~」というような町だ。どこの路地を折れても「フランスらしさ」を裏切るような風景がなく、小さな商店街の個人商店の一軒一軒のディスプレイがいちいちセンスに溢れてる。すべからく女子がフランスに憧れるのも分かる。
ちょうど歩いてまわるにもいい大きさだし、俺は大都会のパリよりこんなフランスの小さな町が好きだなー。
青木タカオ「ちょっくら・おん・まい・でいず パリ編2」読む。
11月20日(木)
今日の会場はその小さなブザンソンの町からバスで20分ほど行った山の中の元ワイン倉庫という場所。しかし全く近くに人家もなく、案の定開場時間になっても客の姿がほとんどない。
これはさすがにヤバイのでは? と思ったら、わずか30分の開演時間までの間に、
「あっ、あんた達どこから湧いてきたとね~っ!?」
と九州に住んだことのない俺でさえ九州弁が丸出しになるほどの盛況で、前の方で女の子がふたりノリノリで踊っていたので、
「こりゃ、あっちの方が楽しそうじゃわい」
と思ったその瞬間、俺は演奏をポーンと放棄して客席に飛び込み、そのふたり組みに混ざって踊り、さらには3人で手をつなぎながらダンシングしていた。パスカルズは15人もいるからひとりぐらい客になっても気づかんじゃろーて。パスカルズのみなさーん、さらにノリノリの演奏一丁たのんまーすっ!
ちなみに今日はボジョレー・ヌーボーの解禁日。しかもここはワイン倉庫で本場のボジョレー地方にもほど近い。今まで言葉は知っていてもほとんど自分の人生に関係のなかったボジョレー・ヌーボーをすっかり堪能させてもらったのだ。ニャッハッハーッ。
村山由佳「天使の卵」読む。
11月21日(金)
ナンシー。舞台の途中で俺はサンダルに鈴を付けて笛を鳴らしながら客席に降り、ズンズンとひとりで客席の後側に歩きながら演奏していった。さり気なく後ろの方にドアがふたつあるのをステージの上から確認していたので、左側からいったんロビーに出て、右側からまた演奏しながら戻って来ようと・・・。
しかし、左側のドアを開けてロビーに出たら、なんと右側のドアには別のところから入るらしく、そこに行く道がなかった!
しかもそこのロビーは他の施設と共用になっているらしく、鈴サンダルに笛はともかく、レインボーのカツラを被り裸エプロンでおどおどとしているジャッパニーズの俺は、明らかにロビーにいる人達に奇異な目で見られていた。
あわててスタッフらしき人を探し、
「舞台はどこじゃ~!!」
と泣きつくと事情を察してくれたらしく、
「こっちだ!」
と大急ぎで走る彼をサンダルの鈴をシャンシャンとクリスマスのトナカイのように鳴らして追いかけ、パッと舞台の後ろからジャジャジャジャーンと飛び出せてほっと一息。
もしもロビーにスタッフがいなかったら、へたすりゃ今頃精神病院に直行する車の中で笛をさみしくピーヒョロロと吹いているところだったぜ・・・。
青木タカオ「ちょっくら・おん・まい・でいず 田舎編」読む。
11月22日(土)
パリ郊外のフェスティバル。テント公演。しかしそこはさすがのフランス、テントといっても中世のサーカス小屋のようなレトロな絵が描かれカウンター・バーなどもあり雰囲気抜群。
しかしただひとつの難点は、音量が小さい俺達の演奏は、テントの外で行われている他の楽団のアフリカンチックな太鼓を中心とした野外演奏の音にテント全体がすっぽり包まれてしまい、俺達の演奏がほぼ何も客には聞こえなかったことだな・・・。
本日にてフランスツアー終了! 打ち上げの席でずっとツアーに同行してくれた言わばツアーマネージャーのフィリップにお礼のプレゼントは靴下だ。
なんせ、同じ穴の開いた靴下を3日間ぐらいいつも履き続けていたからな。それともあれはフランス流オシャレだったのだったら、ごめんな、フィリップ。
青木タカオ「ちょっくら・おん・まい・でいず はじめての東京編」読む。
11月23日(日)
あれっ? ツアー終了したのにいつのまにかパリのポンピドゥセンターの前の広場で笛ピーヒョロ吹いて小銭を投げてもらっているぞ。笛を吹くのは楽しいからな。しょうがないな。
青木タカオ「ちょっくら・おん・まい・でいず 犬物語編」読む。
11月24日(月)
昼間は川口君らとマニアックなCDなどが置いてある雑貨屋に行くと、なんと突然段ボールのCDがほぼ全種類揃っている。日本でもそんな店見たことないのに。やはり文化レベル高し! でも「たま」は一枚もなかった・・・。
ちなみに店員は俺の事を知っていた。というか他のメンバーもドライブインのただのおばちゃんとかにも「あんたら、パスカルズの人じゃろ」と言われていたらしいしな。
ということで夜、帰国の途へついて本日のフライトは満席ということでちょっとゲンナリしていたら、なんとビジネスクラスに乗せてくれた。フランスでのみのVIP扱い。足がズズズーイと伸ばせるわい。ズズズーイとな。ほっほっほ。ほっほっほ。ほっほっほ。
青木タカオ「ちょっくら・おん・まい・でいず フォーク狂編」読む。
11月25日(火)
外国から帰国して最初に俺が食うのは、日暮里駅の立ち食いそばと決まっている。
ちなみにメンバーの原君のホームページの日記を読んだら、やっぱり日暮里駅で立ち食いそばを食っていた。俺だけじゃなく、日本人の定番というわけだな。
かき揚げ天ぷらは、つゆに箸で何度も溺れさせてフニャフニャにして食うのが好きだ。
柳美里「タイル」読む。
11月26日(水)
時差ボケ。もろ。
一日中、細切れに何度も寝たり起きたりしてわしゃ昔のミルク飲み人形か。
岩村昇「ネパールの赤ひげタイへ行く」読む。
11月27日(木)
親戚の食事会。というか本当は他の人達は墓参りの後の食事会なのだが、俺は墓にはまるで興味がないので食事会のみ出席。
みんななんであんな長細い名前の書かれた石が好きなのか。
三代目魚武濱田成夫「俺には地球が止まって見えるぜ」読む。
11月28日(金)
原稿を書いたり、
ティム・ハンキン「イギリス式いたずらの天才」読む。
11月29日(土)
尻を掻いたり、
加納喜光「あなたの日本語、ここが大間違い!」読む。
11月30日(日)
義理を欠いたり。
金子光晴編「山之口貘詩集」読む。
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