石ヤンのテキトー日記01年2月(1)
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2月20日(火)
打ち合わせの為、事務所へ。行きの電車の中、高校生同士が喋っている。
「きのう、馬とやっているやつ、見ちゃってよぉ」
「えっ」
「馬とやっているやつ。無修正の。ビ・デ・オッ!!」
「あ・・・あ」
「で、その男優のが、でかくてさ」
「・・・へっ、へええ」
「こおんなだぜ!」(両手をバーンと広げる)
「うそっ。そんなにでかくないでしょっ」
「馬鹿っ!! でけえんだって。マジで下にそのまま垂らしたら、膝は軽く越えるな」
ひとりは調子よくでかい声で勢いこんで喋り、ひとりは(人のいる電車の中なんだから、もう少し声落とせよー)と思いつつもそれが言えず、相づちを懸命にうっている。なんだかちょっと、高校生時代が、懐かしくなった。
えっ!? 俺はどっちだったかって!? ・・・さて、どっちでしょう。
ニヒル牛のひとつの箱で、今ちょっと実験的なゲームのようなことが行われている。「車掌」という特殊文芸ミニコミ誌(編集長・塔島ひろみ)の次回の特集が「ゲップ」で、その企画で「ゲップでゴー」というもので、まずは白い紙があるのだが、編集部員数名が、ゲップが出る度にニヒル牛に「○○です。4時35分、ゲップが出ました」と報告すると、その報告に対して、いろんなルールに従って、その白い紙が絵やシールなどで埋まっていき、やがてひとつの絵が完成する、というものだ。そしてその完成した絵がそのまま次号の「車掌」の表紙になるという。
まぁ、その企画自体はよかろう。ハプニング・アートとしては認めよう。ただ、計算違いだったのは、編集部員の中に何人か「異常にゲップの出る回数の多い人がいた」ということだ。つまり、1日何十回もゲップ出る人が何人もいたのだ。ニヒル牛は基本的には店員はひとりなので、もちろん接客もしなければならないのだが、レジに何人も人が並んでいるのに、ゲップの電話が1分おきにかかってきて、その指示どおりに絵も描いていかなければならない。編集部員達もその様子がわかてきたのか、段々小さな口調で「すみません。5時22分、またゲップが出ました・・・」と申し訳なさそうに報告してくるのだ。しかし、編集部員達に罪はない。悪いのは・・・そう、編集長、塔島ひろみだ!! ちなみに塔島ひろみは、ペンの力で人をさり気なく貶める方法を伝授した『楽しい「つづりかた」教室』や、一般市民を文学的にストーカーする『ドキュメント・ザ・尾行』、そして日本で一番多い姓、「鈴木さん」を馬鹿にした『鈴木の人』などという著書を出し続ける悪い女だ。・・・って、いつのまにか批難するつもりが、本の宣伝をしている!? むむぅ。さすが、塔島ひろみめ。にっくき奴よのう・・・。
林望「ホルムヘッドの謎」読む。
『(ツーリスト会社の)存在は「人並みにする」ということを保証する安全策ではあるかもしれないが、そのかわり、反面「人並でない」ものから目を覆ってしまうという危険をはらんでいる。私はそういう「観光」に血道を上げている人たちが見ることのできなかったものを、この目でシカと見届け、脳裏に克明に記銘したい、と念願する。人生は短く、時間は有限で、なおかつこの身はたった一つしかない。絵葉書やガイドブックで見れば良いことは、そこで済ませておけばよい。』
2月19日(月)
突然段ボールと俺とのコラボレーションアルバムで、作曲を頼まれていた2曲がやっと出来、ギターでポロポロ、デモテープ録り。今回はなかなかメロディが思いつかず、苦労したな~。
ジャック・タチ監督・主演の「ぼくの伯父さんの休暇」見る。「Mr.ビーン」の元祖みたいな映画。なかなかセンスもよい。
やじん「旅する野人の諸国珍遊記」読む。こういう旅のお馬鹿話は、何冊読んでも楽しいな~。
2月18日(日)
散歩をしていると、「オロナミンC」の瓶がデザインされた缶ジュースの自動販売機が。
「こりゃ、珍しか~!」
とお金を入れると、ガチャンと出てきたのは、フツーの瓶のオロナミンC。
「おいおい、ハナシ違うで~!!」
と、ひとり嘆く。どうやら、サンプルのところだけそうなっていたようで、実際そういう缶があるわけではないようなのだ。くっそ~。でもこの「くっそ~」と思うのは、缶ジュースコレクターの、日本でもほんのひと握りの特殊な人種だけなので、だからといって、その店に「馬鹿もーんっ!!」と殴り込みをかけるわけにもいかず、泣く泣く瓶を飲む。もとい瓶の中のオロナミンCを飲む。
夕方、iMacを買ったものの、使い方が全然わからないよ~と言っている島田さんのところにR君と行って、使い方のイロハを教える。そりゃ、最近いくらパソコンが簡単になったからといっても、コピー&ペーストとか、ソフト終了の仕方とか、基本的なことすら、本読まなければわからないのでは、まだまだだな。老人や子供でも即座にわかるテレビ並みにならないとな。
そのうちファンの人からもらった、○○の××××のCD-ROMも貸すからね。舞っててね、もとい、待っててね、島田さん。
夜はすごろく旅行原稿書き。
竹内海南江「冬虫夏草」読む。
2月17日(土)
漫画喫茶に3時間いて、雑誌を読みまくる。「週刊宝島」「SPA!」「ぴあ」「週刊アスキー」「Mac People」「PC fan」「Yahoo Press」「オリコン・ザ1番」「ビッグコミックオリジナル」「週刊現代」etc・・・。パソコン雑誌は面白そうなホームページや、オンラインダウンロードがあると、アドレスを控えておく。Napsterのように、大得情報もたまにあるしな。でも、ゲームとかはほとんどウインドウズ専用のものが多く、マイナーMacユーザーは、涙ザーザー。
椎名誠「おろかな日々」読む。漫画に関するエッセイがあり、
『つげ義春の本で一番完成度の高いのは「必殺するめ固め」だろうと思う』
には、同意。つげ作品はどうしても、「ねじ式」とか、もしくは「無能の人」あたりが評価の高いところに分かれると思うが、俺も椎名誠同様、一番「夢的世界」の強い「必殺するめ固め」が、どれかひとつ、と問われれば最も好きな作品群。もちろん他の作品も全部愛しているけれど。マイナーなところで気が合うと、思わず「おっ!!」と思って嬉しくなっちまうんだよなー。
2月16日(金)
事務所にて打ち合わせ。打ち合わせをよくやっているように思えるかもしれないが、ツアーなどライブの会場やその詳細、宣伝方法を考えたり、それに合わせてCDや物販のリリース計画やその方針を考えたり、ファンクラブの取材、原稿書き、おまけのカレンダー描き等をやったり、インフォメーション電話を入れ替えたり、次回のライブの曲目を考えたり、と細かい打ち合わせ事項は無限にあるのだ。なんせ、プロダクション、レコード会社、バンドと3つの本来なら別々の打ち合わせ事項を全部自分達だけでやらねばならないからなー。こんなこと、前にも書いたかもしれないが、「自分が好きなことだけをやる」為には、そういう犠牲はついて回るのだなー。
特に、相手になんらかの別会社がからんでいるものは、その相手の状況が刻々と変化したりするので、それによって、色んなスケジュールを移したりしなければならない。
また、それぞれソロ活動もしているので、そのライブ、レコーディング、リハーサルなどの日にちをなるべく重ねるように調整。なので、時々お客さんから「知久さんと滝本さんのライブが同じ日。どっちも行きたいのに~。いじわる~!」なんて声も聞こえるが、実はソロのライブがメンバー同士で重なってしまうことは、むしろ意図してそうしてあるのだ。何故なら、無軌道に各自がスケジュールを入れていくと、「たまとして使える日が全然ないっ!!」などという自体になってしまうことが今まででもよくあったので。(ちゅうか、はっきり言うと各自のソロが多すぎる為、たまとしての宣伝活動に支障をきたし、それも原因のひとつで、レコード会社を干されたこともあった)ソロの為に「たま」の活動が全く出来なくなってしまっては、本末転倒だからな。ちなみに、お客さんには1日のライブ、としか外見上見えない場合でも、実はそのリハーサルに3日かかっている、という場合もあるからなー。
また、特に問題なのは「たま宛」にくる、営業と呼ばれるライブやCM、テレビコメント撮り、取材などがだいたい直前(前の週とか)になって飛び込みで入ってくるものが多いので、それを見越して多少日にちを空けとかなければならないのだが、何も入らないとポッカリ空いてしまうかも、というおそれもある。逆にライブのスケジュール等は3ヶ月ぐらい前に決めなければならないことがほとんどなので、その調整がビミョーなのだ。
帰り、駅のホームに降り立ってみると、ホームの真ん中ほどに「あずきパン」という袋入りのパンが、置き去られている。食いかけではなく、袋に入ったそのままだ。ポツンと、そこを足早に通り過ぎて行く通勤者達とは、無縁なように存在していて、なんだか不思議な空間を作っていた。
ただ単にスーパーのビニール袋から落ちてしまっただけなのか、それとも梶井基次郎の「檸檬」の現代版としての、哲学的意味・文学的根拠がある誰かの恣意的行為なのか。・・・うーむ、たぶん、前者だな。
ジョン・フォード監督の「三悪人」見る。古いサイレントの映画。
津島佑子「水府」読む。
2月15日(木)
夕方からニヒル牛に行き、写真撮り。その後、家に帰ってそのアップ作業。デジタルカメラを購入したので、少し作業が楽に。今までは、ずっとデジタルビデオを静止画像に変換したり、JPEGに変換したりの手間があったからなー。
花村萬月「イグナシオ」読む。文章中にキング・クリムゾンがかかっている店が出てきたので、俺もキング・クリムゾンを聞きながら読む。やっぱ、プログレは好きだなー。
2月14日(水)
夜中、R君と遅くまで開いている古本屋やレンタルビデオ屋など、深夜の散歩。今日降った雪がもう止んでいるのだが、それが道の植込みのところに樹氷みたいな氷の結晶になっていて、綺麗。つい子供のようにザラザラ触りながらふたりで歩いてしまう。
ジョージ・キューカーの映画「ガス燈」ビデオで見る。ウイスキーのお茶割りに、チーズのオリーブオイル漬けをつまみにしながらの深夜のひとりの鑑賞は、ホームビデオならではの贅沢。モノクロームの中、ロンドンの霧の夜がいい雰囲気を出している映画だった。
山口瞳「むにゃむにゃ童子」読む。
2月13日(火)
一日、ホームページ作業等。本日より政府主催(!)のインパク(インターネット博覧会)のいちブースに、俺の缶コレクションのページが出来たのだ。トップページにいくと、森総理のメッセージまで載っているぞ。やれやれ、俺も体制側の人間になっちまったってえわけか・・・。って、全然違うけどな。それから伴田良輔さんからもメールを頂く。なんでも、自分の名前で検索していたら、俺の日記に引っ掛かったらしいのだ。みんなも、意外なところで自分の事かかれているかもしれないから、一度は自分の名前を検索してみた方が良いぞ。ちなみに俺のお勧めの検索ページはGoogleだ。よく引っ掛かるぞ。
長野まゆみ「雨更紗」読む。
2月12日(月)
きのうから延々麻雀。途中抜けて、ちょい寝とかしながら。麻雀をしながらの話題は「ザンニョー」について。「残尿感」ではなく、「ザンニョー」そのものなところがちょいと悲しい。悲しいけれど、「ブルータス、お前もかっ!!」と盛り上がるのが、なお悲しい。一所懸命振って振ってさらに振って、もういいだろうとズボンの中にブツをしまった途端・・・これ以上はいいたくない。(って、言っているも同然か・・・)
麻雀の結果は、家主である健さんとくす美さんが悲しいことに。しょうがねえ、勝負は時の運だ。
帰り、乗り換えの秋津という町でR君と、「コーヒーでも飲んでいくか」と言っていたのに、ハッと気づくと、中華料理屋でカツ丼をむさぼり食っているちょいと太めの夫婦がいた・・・。
フェデリコ・フェリーニの「道」遅まきながらビデオで見る。ジェルソミーナの表情がちょいと演技過剰な気がして、俺は今一歩だった。でもこの映画がフェバリットだという人、多いんだよなーっ。ごめんねー。って、あやまることないか。
中脇初枝「魚のように」読む。
2月11日(日)
横浜HMVにてしょぼたまインストアライブ。終了後のサイン会の時に、メンバー全員にゴディバのチョコレートをプレゼントしてくれた人がいたので、甘物知識が乏しいと思える知久君に、
「ゴディバは、普通のチョコと違うんだからね。小さなひと粒でも何百円もする、高い、たっか~いチョコなんだからね。『なんだ、チョコか』なんて気軽に口に入れる物じゃないんだからね」
と諭す。知久君も「・・・わかった。」と事の重大さに気づいてくれたようだった。
夜は、荻窪に行き、ちょっと高級な韓国レストランでR君の誕生日食事会。とっちゃん、くす美さん、亜古ヤン等も来てくれる。なかなかおいしかったが、特にとっちゃんが感激していた。何故なら、とっちゃんの夫である大谷は、食べ物の好き嫌いが激しく、肉だめ魚だめという人間なので、外食しても高級な料理屋とかには全く興味を示さず、「わしゃ、これでいいんじゃ~」とカレーかラーメンという人間なのだ。なので自然、ちょいといい店で食事、などという機会は、結婚以来全くなし。なので、ちょっとしたコースの料理とかにすっかり感激してしまい、「遅まきながら、あたしも今後の人生は、食い道楽に走るよっ!!」と40才を間近にして静かに闘志を燃やしていた。ちなみにその後、富山に帰ったとっちゃんは、「わたしはこれから、おいしいもの食べるよっ!」と宣言し、それまで「外食は800円まで」という大谷家の不文律を見事に破り、1000円のスパゲッティを食ったそうだ。・・・おめでとう。
それから西川口の菱沼家に行き、健さん、大谷と合流して麻雀。なんといっても、妻への最大の誕生日プレゼントは「友人と麻雀大会を開く」だからな。
銀色夏生「ミタカくんと私」読む。銀色夏生、という人は実はそのペンネームだけでなんとなく読むのを遠慮していた。甘っちょろいニューミュージックの作詞家のようなペンネームだと思ったので。でも食わず嫌いだったようで、なかなか面白かった。すまん。
2月10日(土)
立川に新しく出来た「A.A company」というライブハウスの柿落としのスペシャルライブに呼ばれて、しょぼたまで出演。知久君の誕生日だったので「ハッピーバースデー」を歌ってから始める。マスターが内田裕也似なことから、ライブ中、ふと「シェギナッ!!」とつぶやいてしまったが、マスターにはバレただろーか。おーなり由子さん等来てくれる。
池澤夏樹「骨は珊瑚、眼は真珠」読む。
2月9日(金)
近くのスーパーで「カレーパン3ケ、アンドーナツ3ケ」の計6ケで199円というセール品をみつけ、安い物があるとそれだけで嬉しくなってしまう俺は何も考えずにムンズとそれをつかみ、買って帰ったところ、R君に「油っぽくてキモチワルイ!!」と言われてしまう。
考えてみると、先日の天玉そばもそうだが、やはり意図していないのだけど、自然に油っぽい物を手に取ってしまう癖がある。その点について、もちろん健康の為、控えるということもあるが、もうひとつ家で困ったことがある。
階段が、駆け降りられないのだ。
つまり、オイルフットになっている為、非常に滑り易くなっている。なので、一歩一歩慎重に、手すりにつかまりながら横歩きしないと、ツルッと滑ってズダダダッと落ちてしまうのだ。真剣に落ちたこと3回、落ちかけて手すりに「ンガシッ!!」っと必死でつかまったこと数知れず。もっとも家の階段は、建て付けの悪さと古さから、少々斜めに傾いでいるのも原因なのだが。
とにかく、まだ老人でもないのに、自分の家の階段からズッコケて、黒枠の写真に静かに微笑みながら収まるのは、かっこ悪すぎるからな。注意、注意と。
岩阪恵子「淀川にちかい町から」読む。
2月8日(木)
すごろく旅行原稿書き。モバイルが出来ないので、ちょっとツアーがあると、すぐにたまってしまうにゃ~。ニヒル牛に出している「ポエム・フォー・ユー」のポエムもいくつか考えて出す。
中島らも・ひさうちみちお「しりとり対談」読む。
2月7日(水)
朝飯は、立ち食いのコロッケそば。本当は天玉そばが一番好きなのだが、健康を考えて半年ほど前から主にわかめそばを食べているのだが、どーも腹が減っている時は、へにゃへにゃのあのわかめだけでは物足りなくて、その中庸策としてコロッケそばを食うことがあるのだ。立ち食いそばをあまり食べたことのない女子(といっても、最近はかなり増えているが)には是非教えたい。
「立ち食いのコロッケそばは、コロッケの味が、抜群にうまくなる」と!
普通のそば屋にはなかなか「コロッケそば」のメニューがないので知らない人も多いと思うのだが、そばにコロッケを入れると、その崩れて行く身がそばつゆとあいまって、独特の甘味が出るのだ。これは、「立ち食いコロッケそば」以外では味わえない絶妙な味のハーモニーなのだ。これを知らずして、汝、死ぬことなかれ。ってえほどじゃないけど、騙されたと思って一度はチャレンジしてみてくれ。ちなみに妻のR君は一度これを食わせてから、立ち食いそばは必ずコロッケそばになってしまった、とだけ言っておこう。
事務所にて打ち合わせ。あれやこれや。
山本容子「ルーカス・クラナッハの飼い主は旅行が好き」読む。ホテルを題材にした、ちょっぴりおしゃれなエッセイ&イラスト。
2月6日(火)
散歩をして家に帰ろうとしたら、鍵を忘れていることに気がついた。R君も仕事から帰ってきているはずなので、電話をしてみるが出ない。何度か電話を入れて、「悲しみの妻はどこに行ったんだー帰れないよ~の歌」とかを留守番電話に吹き込みながら、R君が立ち寄りそうなスーパー、古本屋、パチンコ屋など探すがどこにもいない。そうこうしているうちに小便がしたくなり、自宅に戻って庭の隅で哀しい立ち小便に湯気をモワーッと立たせる。
と、ようやくR君の姿が。
「どこに居たの?」
と聞くと、交番で40分もお茶を飲んでいたという。なんでもキャッシュデスペンサーの所で書類入れを拾い、駅前交番に届けたところ、そこにいた50年配のおまわりさんが俺の素性を細かく知っていて、
「いやー石川さんの奥さんですか。最近、だんなさん、執筆業が忙しいようですなぁ。あっ、『誰でもピカソ』も見てますよ。」
ということで、話がはずんだらしい。
「最近ここの担当に部署替えになったんですが、『昔ながらの、地域密着型の交番』を目指しておりましてな」
ということらしい。・・・もしかしたら、この日記も見られているかもしれない。なんせ、もしインターネットが出来る環境なら、検索で俺の名前を出せば一発で来れるもんな。ううっ、すいません。自宅の庭での立ち小便は見のがして下さい・・・。
すごろく旅行原稿書き。今回から大江戸線編。
藤沢周「ブエノスアイレス午前零時」読む。
2月5日(月)
今日は帰るだけの日だが、飛行機が夜の便なので、昼からまたアダチ宣伝社とつるんで、蕎麦屋でビール。昼ビールは効くねぇ。ポヨヨヨ~ン。
その後、アダチ宣伝社の事務所で、パリで公演した時のビデオを見せてもらったり、チンドン屋の歴史を聞かせてもらったりする。チンドン屋さんというのは、たいていは家族で経営したりしているので、事務所まで構えてるのは大阪に大きい所が一軒と、アダチ宣伝社のふたつしかないとのことだ。ということは、アダチ宣伝社はなんと業界第ニ位の規模なのだという。業界ニ位ということは、日本で二位、ということは世界で二位。う~ん、凄い~。(笑)
夕方は、映画に行くというみんなと別れて、ひとりで西新の町をうろつく。
たまたまトイレに行きたくてパチンコ屋に入ったら、なんとそこには「サンコー」という地元メーカーの缶ジュース自動販売機が。町のどこにもなかったのに、このパチンコ屋だけにあるとは~。で、喜びのまとめ買い。俺は缶ジュースコレクターなのだ。最近、地方の中小メーカーがほとんどなくなってしまったので、貴重なのよねー。
さらにスーパーに行き、納豆コレクターなので「九州の納豆」と韓国が近いせいか「キムチ納豆」を仕入れ、インスタントラーメンコレクターなので「サンポー軒」のラーメンも仕入れる。鞄、パンパンじゃがな~。コレクター稼業も大変じゃわい。終電近くで帰郷。
ナンシー関×大月隆寛「地獄で仏」読む。
2月4日(日)
昼はHMV福岡というCDショップでインストアライブ&サイン会。お店が用意していたCDが全部売り切れるほどの盛況でウレシヒ。
夜は唐人町の「甘棠館show劇場」という所で、しょぼたまライブ。もちろん今日もアダチ宣伝社と一緒。始まる前、前のアーケードで本業のチンドンで客引きしてくれていたのが嬉しかった。ラッパで「らんちう」とかをやってくれていた。ただ、商店街が閉まっている店が多く、ちょっと閑散としていたのが、また物悲しくてそれはそれでよかった。
「あるぴの」という曲の時、「あるぴーのー!」と叫ぶところで、ふいに思いついて、
「チンドン・・・チンちゃんのドンとやってみよう~!!」
と叫んだところ、メンバーの知久君だけが歌がブレるほどの大爆笑。客は、
「・・・?」
そういえば「欽ちゃんのドンとやってみよう!!」なんて30代以下の人は知らないっていうわけかい。・・・ワシラも年を取ったのぅ。
打ち上げは、アダチさんのパーティジョークをたっぷり楽しんだ。例えば、
『とあるパリのバーで、いつも二杯の酒を頼む男がいた。バーテンダーが、
「ムッシュはいつも二杯ですね」
と言うと、
「あぁ、俺にはニューヨークに親友がいて、遠く離れてはいるけれど、いつも一杯は自分の酒、一杯はその親友の酒と思って飲んでいるのさ。俺たちの友情の証しさ。」
と言っていた。ところがある日の事。男は酒を一杯しか頼まなかった。バーテンダーは驚いた。
もしや、彼の親友の身に何かが!?
「ムッシュ、今日は何故一杯なんですか!?」
すると、彼は落ち着き払ってこう答えた。
「実は、今日から俺は禁酒したのさ・・・。」』
一同、数秒程シ~ンとしてから
「・・・なるほど・・・。」
この笑いなく「・・・なるほど」こそ、パーティジョークの極意也、と教えてもらった。
ちなみにアダチさんは福岡のすべてのラジオ局でDJを務めた事があるとの事だが、そのマニアックな選曲とこの200は暗記しているというパーティジョークで、番組が始まって数カ月経つと、
「アダチ君、ちょっといいかね・・・」
とお偉方から必ず呼び出しが来るのだそうだ。・・・マケルナッ、アダチさんっ!!
友人家に帰って3日連続の麻雀。とGさんが、
「フッ」
とため息をついて上がった。リーチでもかければ良かったところを、つまらない手でもつもっちまったのかと思いきや、なんとスーアンコのツモあがり。役万じゃねーかっ!!
おいっ、Gさんっ!! こんな時ぐらいクールに決めてないで、「ヤッタゼ!!」とか言わんかいっ!!
俺なら、即座に台所に行って、鼻に突っ込む割り箸と頭に被るふきんとザルかっぱらってきて、卓の上で「喜びの安来節」踊り狂うぞっ!!
嵐山光三郎「温泉旅行記」読む。
2月3日(土)
以前ファンクラブツアーで壱岐に行った時の福岡港に付帯したビルの中にある、ベイサイドギャラリーホールという所でしょぼたまライブ。昨年に引き続き、チンドン屋のアダチ宣伝社がオープニング・アクト及びセッション4曲。チープでおかしくて、やがて哀しきところが、しょぼたまと相性バッチリ。
ちなみに「チンドン屋」は放送禁止用語で、テレビに出た時は「広告宣伝業」とかに言い換えられるらしい。それじゃなんだか、わからんわいっ!! 放送業界、おめーキチガイか!? (もちろんキチガイは絶対的放送禁止用語なので、「色きちがい」という言葉の入っている「とかげ」というたまの曲は放送では、流れることはない。これ、ニッポンのお馬鹿なジョーシキ)
自粛することで、「卑下」している意識がないものにまでモザイクをかけ、「これって卑下される職業!?」と暗に伝える逆差別。本人達が自信を持っている「チンドン屋」を馬鹿にする行為也。
NHKの「おかあさんといっしょ」で「今月の歌」になっている「ハオハオ」をきちんとした形では初披露。ちなみにテレビでは、歌のおにいさんとおねえさんが歌っているのだが、年末にたまのスタジオに録音に来た時の話。
先に着いていたおねえさんの携帯電話が鳴る。どうやら、おにいさんからのようだ。と、おねえさんが出るや、
「あっ、おにいさん? 今、どこっ!?」
・・・って、あんた達、プライベートでもおにいさん、おねえさんと呼びあってるのかいっ!!
普通、いくら番組の中ではそう呼んでいたとしても、番組から出たら「加藤さん」とか言うもんじゃないのかねっ!! みんな、笑いころげた。
打ち上げでは、ライブを見に来てくれていた、デビュー当時の現場マネージャーだった渡瀬さんや、「ミン&クリナメン」(知っている人、通だねぇ~)の眠比佐子さんも乱入。ふたりで乳自慢やケツ自慢をして下品度満点。特に眠さんは、石垣島に住んでいるとかで、派手派手な衣装で、
「私は石垣島初のニューハーフよ~ん」とシナを作りまくっていて、
「そもそもおめーはオンナだろーがよっ!!」
と全員で突っ込んで、楽しかった。
池波正太郎「私の風景」読む。
2月2日(金)
きのうのすごろく旅行で「ひと駅、後ろ向きに行進しながら歩く」というクジがあり、しかも道を間違え、3駅分ぐらい歩いてしまったので、足がなんだか痛い。なんせ、普段使っていない筋肉を思いっきり酷使したからな。ということで、整体に行ってから羽田へ、そして福岡へ。
福岡では、友人宅に宿泊。毎日、寝酒ならぬ寝麻雀を2回ずつやることに。こりゃ、楽し。
「TV Bros.」という雑誌に「しょぼたま」のCD評が載っているのだが、
『(前略)寓話とリアルの両方に足をかける知久。滝本はバラード「ハル」が出色。石川さんは存在も歌もシュール(後略)』
って、なんで俺だけ「さん」付けなんじゃ~! しかも他のCDでも、みんなメンバーの名前は呼び捨てにしているのに、たったひとり、俺だけに「さん」が・・・。これは、逆差別かっ!?
吉村昭「街のはなし」読む。
2月1日(木)
すごろく旅行にて小雨しょぼ降る中、大江戸線、一日取材。今日もまた馬鹿なこといっぱいやってきた。詳しくは「フロムエー・マンデー」にて。関東・中京地区以外の方はこのままだと一生読めない危機にさらされるので、「フロムエー」に「早く単行本化しちくりーっ!!」の声をあげよう。
新宿で解散後、ひとりで小便横町へ。尚、小便横町は通称。看板には「思い出横町」の文字。焼き鳥にビール、酎ハイ。俺はひとりでは滅多に飲み屋には入らないのだが、一日歩いてクタクタになっていると「疲れ魔羅」ならぬ「疲れ飲み」したくなっちゃうのよねー。う~む酒が五臓六腑にしみわたるわい~っ。うい~っ。
飲み屋で、吉本隆明「なぜ、猫とつきあうのか」読む。
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