テキトー日記04年11月(1)



11月1日(月)

 12月にやる芝居「マカブルタンツ」の顔合わせを板橋で。演劇なのだけど音楽即興演奏がはさまったり、ロビーでは奇妙なアウトサイダーアートの展覧会が催されたり、伝説のアングラ演劇スターとして知る人は泡吹いてぶっ倒れる元状況劇場の雄、大久保鷹さんが出演したりと「バット男」とはまた随分違う感じの芝居になりそうで楽しみだ。
 後、新宿に残った唯一の昭和、ゴールデン街の「ガルガンチュア」ヘ。ここのママさんはタンコ(石橋幸)さん。そう、8月にロシア公演に行った時のメイン歌手だ。で、今回の芝居にはこのタンコさんやパスカルズのバンマスであるロケットマツさんも出演するのだ。3人で飲んでいると、今回の演出家の昔の漫画の酔っぱらいの実写版ようにいつも真っ赤な鼻をしたマサオさんもフラリとやってきた。

 水野仙子「散歩」読む。

11月2日(火)

 季節の変わり目はとにかく眠い。眠い眠い眠い眠い・・・。眠る時「羊が一匹、羊が二匹……」と数えるのは英語圏で羊(シープ)が眠る(スリープ)と似た発音だからだそうだ。なのでそれを直訳したら一種の言葉遊びなので実はあまり意味がない。「合歓が一本、合歓が二本……」の方が良かったのかもね。

 横光利一「街の底」読む。

11月3日(水)

 昼過ぎに起きてもう夜の10時半を過ぎたのに朝ご飯がまだだ・・・。これから急いで3食朝昼晩と食わねば~! 慌ただしい~っ。

 さくらももこ「ももこの70年代手帖」読む。

11月4日(木)

 ローレン、ローレン、ローレン、ローレ~ン、ローガン、ローガン、ローガン、ローガ~ン、老眼・・・。最近遂に文庫本とかが老眼鏡をかけないと読みづらくなってきちまった。
 まだ一番度の低いやつで、文字以外のところを見ると逆にぼけちまうので初期なんだろーが。どんどん進行していってそのうち1ページ1文字とかの本しか読めなくなったらページをめくる手がさぞかし疲れて今度は腱鞘炎とかになって病気が病気を呼ぶ。げに恐ろしきは老い也。オーイオイオイオイ。

 村上龍「五分後の世界」読む。

11月5日(金)

 今日は朝寝て夕方起きたのでおてんと様見てない。あぁっ、やばい。光合成が出来ないゼっ!

 與謝野晶子「隣の家」読む。

11月6日(土)

 最近、楳図かずおの「漂流教室」を読み返している。小学生の時夢中になって以来だが、やはり面白怖い。ストーリー自体は「あれ、こんなだったっけ?」というところはあるものの、どうってことないシーンを鮮明に覚えてたりするもんだということに気がついた。一体記憶って何を基準に頭に残しているんだろーねー。

 よしもとばななさんからも最新の文庫「赤ちゃんのいる日々」という日記形式の本が贈られてきて、俺のたまの本のことが出ていて、
「最高だった。すみずみまで大好きな本だった。」
 と書かれていて嬉しいニャ~ッ。(自慢)

 よしもとばなな「赤ちゃんのいる日々」読む。

11月7日(日)

 こたつを出した。こたつっていいよニャ~ッ。妻はストーブ派だけど、俺は断然こたつ。顔なんて冷えてもいいからこたつのぬくもり。
 で、妻が「ところで外国でこたつのある国ってあるのかなぁ」と疑問を口にしたが、そういえば欧米はテーブルに椅子だからヒーターや暖炉だろーし、南国は関係ないし、お隣の韓国もオンドルという部屋全体を暖める方式だし。ということは日本だけの文化?そーだとしたら、俺はベルサイユ宮殿とかよりも好きだな~。なんせ低テーブルに布団だもんな~。こたつラブ。
 ちゅーことをホームページの「今日の一言」に書いたらクリスチさんから「トルコにこたつに似た物がある」との情報。なるほど、意外なところにポツンと飛び地であったわけね~。

 海野十三「地球要塞」読む。

11月8日(月)

 昼間ひとりで回転寿司屋に行ったのだが、ここの「サケマヨ」が最近のお気に入り。で、血液B型なので「好きになったらとことんいきまっせ~」の俺はサケマヨだけ10皿食って帰ってきたこともある。で、本日も「ふふふ、サケマヨ、サケマヨ」と思ってカウンターについた。結構大きな店で、客は流れているもの以外はインターホンで注文する仕組みになっている。でももちろん小心者の俺としては「ひとりの時はなるべく発声しないで生きていたい」というのがあったので流れてくるサケマヨを待ったが二皿食ったあとはパッタリとサケマヨが流れてこなくなってしまった。仕方ないのでサーモンを取って、前のサケマヨの皿の端にへばりついていたタマネギスライスとマヨネーズを強引に付けてサケマヨに仕立てたりしていた。しかしさすがにお茶も冷えてきたので、遂に満身の力を込めてボタンも壊れよとインターホンを押し、
「あの~サケマヨとしめ鯖」
 と頼んだ。もちろん気持ちとしては、
「あの~サケマヨとサケマヨとサケマヨと、え~と……。あっ! サケマヨを!」
 と言いたかったのだが、そこはグッと大人になってこらえたのだ。もしかしたらサケマヨをついでにいくつか握ることも考えられるからな。そうすりゃこっちのもんよ、ウッシッシーてなもんで。
 ところが10分・・・来ない。結構昼時でこんでるからね。
 20分・・・来ない。こりゃあさすがにおかしい。で、オーダーしたやつは「注文品」と書かれた台の上に載って来るのだが、もしも、もしもここで立ち上がって会計しようとした途端に遅れてきた俺のサケマヨが台に載ってドンブラコッコスッツコッコ~とやってきたら・・・。
「お客さん、オーダー品はちゃんと取って貰わなくちゃ困るな~!!あぁん!?」
 とか言われたらと思うととてもとてもとても怖くて立ち上がれない。
 そして遂に30分が。さすがにいくらなんでも忘れられてることは確実だが、
「30分前に頼んだサケマヨが来てないんすけど・・・」
 なんて言ったら逆切れされて、
「ハァン!? お客さんそういうことはすぐに言ってもらわなくちゃ!こちとらだって忙しいんだ! 遊びで店やってるわけじゃねーんだからなっ!」
 と返ってきたらと思うと、ブルブルブル・・・。
 結局最後の締めに楽しみにしていたサケマヨはあきらめ、冷え切ったお茶をゴクンと飲み干して席を立った。
 み、みんなもそのくらい小心だよね?ね?ね?

 長塚節「旅の日記」読む。

11月9日(火)

 なんだかんだいって11月だけど昼間はそこそこ暖かい日も多いね~。
 なんせ五木君が未だに家で元気にヒャッホーッと走りまわって遊んでいるぐらいだからな。
 もうボチボチ五木の星に帰っていいんだぞ・・・。

 国木田独歩「節操」読む。

11月10日(水)

 夜ニヒル牛に行き今月のショーウインドウなど見て、後R君と西荻の★焼鳥屋「戎」へ。あっ! 今、
「石川さん、略語嫌いとか言っているくせに西荻窪のこと西荻っていってら~はは~ん、ふがいない、お・と・こ!」
 と鼻で笑った君! 君は間違っている! 確かにJRの駅名は西荻窪駅だが、ニヒル牛の住所は西荻南4-31-10。決して西荻窪南4-31-10ではないのだ。だから西荻は略語ではないのだっ!ワッハッハ~。

 それはともかく、久しぶりに居酒屋ではなく「焼鳥屋」という感じの店はやっぱりなんかいいね~。実は未だによく把握してなくて「カシラ」って頭だろーから、なんか鶏の額の辺の肉を想像していたら頬肉なのね~。またひとつ知識が増えちゃった。でもその分、何かの知識がトコロテンで押し出されるように脳から耳を通って耳垢と一緒にポトリと落ちたんじゃろーな~。一体今日は何が落ちたのか・・・。
 ビールと胡麻焼酎でいい気分。ヘロヘロアッハッハ~。

 コナンドイル「入院患者」読む。

11月11日(木)

 中国のChinaをローマ字読みした「支那」は日本の統治時代を思い起こさせるとして、支那そばは中華そばやラーメンに、シナチクはメンマにと言い換えられた。だけどなんで天下のNHKが未だに天気予報の時に「東シナ海」だけは変えずに毎日連呼しているのが不思議だ。「東中華海」とかでもいいと思うんだけど、何か理由があるのかな~?
 そう思っていたらメールで教えてくれた人がいてシナが駄目なのではなく、漢字の支那の「支」がよくないそうだ。なるほど、支配の「支」だもんな。ということは「シナソバ」「シナチク」ならいいのかな?

 太宰治「答案落第」読む。

11月12日(金)

 そういえば、昨日はたま結成20年目の日だったのね~。そしてデビューへの転機となった「いか天」初登場の15年目の日でもある。奇しくも同じ11月11日だったのだ~。普段は記念日とか全然憶えられない俺だけど、1並びなので憶えてる。残念ながら大人になるのを待たずに死んじゃったけど、みんなの心の中で生き続けていておくれ。ちゅーかまだCDやDVDは今なら外資系CDショップやニヒル牛で売っているので、廃盤になる前に買っとくれ、買っとくれよおまいさん。

 宮原晃一郎「虹猫の話」読む。

11月13日(土)

 テレビショッピングで買った「ふくらはぎ専用圧迫式マッサージ機」が届いた。なかなか強くて気持ちいい~。あふうぅぅぅぅ。もちろん普段テレビショッピングをそんなに利用しているわけではないが、昔買ったハンディのやはりマッサージ機がその前後何代かの中で一番良くて、よくツアー先にまで持っていって結局シャトルがバキリと折れるまで使ったからな~(フランスのどこかの町のホテルのクローゼットの上にこっそり置いてきたので今でもそこにあるかも。嗚呼ロマン)。今回のも割合大きいので、車のない我が家では持ち帰れないし、なにより電器屋でも見たことない商品だったからな、ふくらはぎ専用のマッサージ機なんて。他の物はわからんが、マッサージ機に関してはテレビショッピングもなかなか悪くないでっせ~。でっせ~。テレビショッピングのまわしものじゃありまへんで~っ。

 松尾スズキ「演技でいいから友達でいて」読む。

11月14日(日)

 久しぶりに「関東こまわり散歩」に出かける。
 我が家と同じ埼玉県だけど、電車の関係で東京を迂回せねばならないので3時間かかって行田の町へ2ヶ月ぶりぐらいに降り立つ。
 この町は寂れた町好きにはなかなかたまらないシャッター町。そしてここの名物は「フライ」。
「えっ、フライなんかどこでもあるじゃない。白身魚のフライとか」
 チッチッ。(指振り)
 ここのフライはそんな生やさしいもんやおまへんで~。なんせ「ゼリーフライ」「プッシュフライ」ですからな~。是非食べてみておくんなまし。ちなみにこのふたつは別の店なんだけど、東行田駅の近くにあるので本当に行く人はその駅の近くをうろついてれば見つかる。町にはとにかく「フライの店」がいっぱいあるから他にも何かオリジナルなものが見つかるかもね。
 ちなみにヒントを言うと一般人が思っている「フライ=揚げ物」とは全く別の食い物でごわ~す。

 それからずっと歩いて板東太郎(利根川)を渡って群馬県に入る頃から急に便意が。しかし公衆便所などもちろんなく、パチンコ屋や喫茶店すらない街道筋を肛門をスーハー呼吸させながら歩く。
 途中棒の上に小さな四角型の郵便ポストがあり、これがなんか朝顔(男性用小便器)を喚起させ、思わずここにケツ突っ込んでやっちまおうかという妄想にかられた。
 その場合、一刻を争うのだから「速達」にケツ突っ込んだ方がいいのか、いやいややはり大型郵便かと思ったがどこに配達されるんじゃいと思ってギッリギリこらえて、館林の市内に入りスーパー「とりせん」のトイレでやっとスッキリ。でもおかげでこの群馬だけのチェーン店スーパーでPBドリンク缶を数缶ゲット。おっほっほ。ウンを貯めて良かったわ。
 結局館林駅まで4時間ぐらいかかってしまって久しぶりの散歩で結構ボロボロ。帰りは東武線なので浅草に到着。金のウンコが迎えてくれた。

 夜はR君と数日前の借りを返しにまた近所の回転寿司へ。ほっほっほ、今度はパワー溢れて床がドロドロの妻がいるから安泰じゃ~い、と早速R君にインターホンを押させて「サケマヨ2つとイクラ」と頼む。もちのろん、サケマヨ2つが俺でイクラはR君だ。
 しか~し、なんということであろうかっ!
 流れてきたのはR君のイクラだけ。
 いぢめなの? 43才になってもいぢめなの?
 と思ったら頼りになる我が家の美女コンテスト結婚以来ずっと一位の快挙を成し遂げているR君がたまたま通りかかった店員さんに、
「あの、だいぶ前に頼んだサケマヨ来てないんですけど。その時は2つと言いましたが、この際3つ!」
 と頼もしいお言葉。
 結局、恐縮した店員がサケマヨ3ケ手で運んできた。・・・それじゃ全然回転寿司じゃないやないか~っ。
 しかしやっとサケマヨにありつけた。それもこれも結婚以来我が家の幻想的な女性一位の座を淡々と守っているR君のおかげだ。うっとり……。

 筒井康隆「最後の喫煙者」読む。

11月15日(月)

 昨日、風呂に入る前に体重を計ったら2、3日前より5kg減。もちろんウォーキングに出かけるくらいだから現在体調等なんら問題なし。さて、この究極のダイエット法とは!?
 おぉっーーーーーとっい、すぐに答えは教えないよ~。へへ~ん、何でしょうね。もちろん薬とかではない。そして頭のいい人なら、普段の俺の文章から垣間見られる俺自身の性格から読み取れるかも。
 あぁ、でもこのままのペースでいったら一ヶ月もたたずに体重が0kgに。そしてそこから体重マイナスの世界に。体重マイナス50kgというのはどんな世界だろう。浮くか?浮いてしまうのか?う~む、理科の勉強をさぼっていたので全くマイナスになった物体の存在模様がわからん……。

 さあて、それではいじわるしないでそろそろ答えをば。
 体重計が壊れてた、なんてオチじゃないから安心しておくれ。
 ずばり、2、3日で5kg減のダイエット法とは!
 ずーーーーっと寝てて食べないこと也!
 いや~、季節の変わり目、一日中なんか眠くて食事より睡眠を取ったおかげでだいたい一日一食から一食半程度の食生活で見事にこれだけ減ったのじゃ~っ。なのでみんなも下手なダイエット法で金などかけずにさっさと布団にもぐって今すぐ寝なしゃれ。但し一日12時間以上はちゃんとだらだらと寝るんだぞ。起きた時には君はもう立派なガリガリ君さっ!

 百瀬博教「絹半纏」読む。


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