テキトー日記04年2月(1)

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2月1日(日)

 カブラギと別れ、ひとりでバスでパタヤへ移動。
歓楽リゾートだけあって、普通のホテルにチェックインしたのに部屋にはコンドーム常備。ひとりでプープーと膨らまし風船作って、
「そーれー」
「キャハッ! そっちそっち!」
 とか言って部屋の中をかけずりまわっていたらさすがの俺も虚しさ100%じゃからな・・・。
 町を軽く一周して「こりゃ、ムフフな遊びをしにくるか、もしくはカップルで来るとこだな~」と思ったが、もう時すでに遅し。一週間分の滞在料金を前払いで払ってしもーたのじゃ~。
 夜中2時過ぎでも裏手のバー街から巨大な音量の生演奏が聞こえてる。楽しそうだなぁ。
 俺の出来ることといえば、ひとりでボ~ッとすることオンリー、ボ~ッ。
 あっ、船の汽笛じゃ、ないよ。

 添田唖蝉坊「乞はない乞食」読む。

2月2日(月)

 海辺に夜中ひとり寝そべって山口百恵をパソコンで聞きながら、ボ~ッ。

 萩原朔太郎「猫町」読む。

2月3日(火)

 ウルトラマンコスモスの海賊版DVDを買ってきて部屋で観て、ボ~ッ。

 石川啄木「弓町より」読む。

2月4日(水)

 それでもマッサージ屋にだけは毎日行くよ、ボ~ッ。

 太宰治「姥捨」読む。

2月5日(木)

 海辺に朝ひとり寝そべって薬師丸ひろ子をパソコンで聞きながら、ボ~ッ。

 田山花袋「少女病」読む。

2月6日(金)

 海辺に昼ひとり寝そべって二匹の犬がじゃれあっているのを見ながら、ボ~ッ。

 倉田百三「あはれなる二十日鼠」読む。

2月7日(土)

 結局本当にボ~ッとして一週間過ごしてしもーた。パタヤはともかく若者がほぼ皆無。不良の中年老年白人達がバーで一日中お姉さん相手に酒を飲んでガハハハ、夜はその女の子達や「ボーイズ・タウン」に行って男の子をウヒョヒョヒョお持ち帰りする為だけの町だった。
 海もきれいではなくて、マリンスポーツをやっている人はいるが泳いでいる人はいない、という感じだった。う~む、俺の趣味が変わらない限りもうあまり来ることもないかもな~。
・・・とか言う町に限って何故かその後何度も来るはめになったりするんだよな。人生って。俺は知ってるぞ。

 高橋三千綱「BY THE WAY」読む。

2月8日(日)

 バンコクへ戻る。ナショナル・スタジアムの近くのムアンポーンという安ホテルに投宿。
 夜は近所のショッピングセンターの中の日本料理屋「すもう」で刺身定食にビール。

 宮本百合子「明るい工場」読む。

2月9日(月)

 プロムポンという町のマッサージ屋に行ったら股間におねーさんが手を伸ばしてきたので「そっちはいらん」と言ったが「じゃあいいけど、チップを100バーツ(約300円)くれ」と言われたが無視して40バーツ渡そうとしたら手を引っ込めたので「それじゃあ、1バーツもやらんよ~だっ!」と言ってお尻ペンペンして帰る。
 ホテルの近くは「バンコクの渋谷」と言われている地域だが、パタヤと違い夜10時にはもうどこも店仕舞いしていて、渋々セブンイレブンでピザ買って部屋でモッサモサ食う。モッサモサだよ、おっ母さん。

 イルカ「冬の馬」読む。

2月10日(火)

 3等車の列車に乗ってナコーン・パトムという町まで日帰りで行く。車窓からの風が気持ち良し。
 世界一高い仏塔があり、そのあたりのベンチで本などのんびり読む。

 高村薫「地を這う虫」読む。

2月11日(水)

 R君の誕生日なので電話をするが、公衆電話がほとんど壊れていてキーッとなる。やっとかかると、
「川口君(栗コーダーカルテット、渋さ知らず他)もバンコクにいるらしいよ」
「へえ~」
という話を聞いて、その20秒後には川口君何故か俺の横にいる。
 ちょうどやはりバンコクに女友達と来ていたという「たま」のライブのお手伝いなどやってくれていたMちゃんもいたので、3人でルンピニ・ナイトバザールという所に行ってビールで乾杯。
川口「あ~でも僕、今日の夜中の便で日本に帰るんですよ~」
俺「そーか・・・。3日後にはR君も来るんだけど、会えないね・・・」
川口「あ、いや、大丈夫です。3日後にはバンコクに戻ってますから!」
 って、一体どっちに住んどるんじゃーい。恐るべし海外男、川口君。
 ちなみに川口君とは日本ではそんなに頻繁に会うことはないのに、フランスでも、ネパールでも、バリでも何故か一緒にヒャッホーっと遊んでいた・・・。

 島崎藤村「伊香保土産」読む。

2月12日(木)

 昼飯を食ってホテルに戻ると、フロントにMちゃんからよもぎアンパンの差し入れあり。うまひ。

 ジェフリー・アーチャー「十二本の毒矢」読む。

2月13日(金)

 映画館に行く。映画が始まる前は国歌が流れ、王様の姿がスクリーンに映り館内全員が起立するのがタイの決まり。コメディ映画だったが、VIP席の切符を買ったらなんと椅子がマッサージ・チェアーになっている。こりゃえーわい。うおーモミモミ気持ちいーわい。でも言葉が全然わからないので映画の内容さっぱりわからんわーい。
 ・・・グォーーーーーッ。
 ハッ! いつのまにか周りに客が誰もいない!
 掃除のおばちゃんだけが俺の方を鬱陶しそうにみてる。テヘヘ、あまり心地よいシートというのも考えものだニャ~ッ。

 星新一「さまざまな迷路」読む。

2月14日(土)

 R君バンコクに来る。R君が3日前に40才の誕生日だったので、先にホテルにチェックインし、タイで飲んだ缶ジュースでベッドにオメデトの文字を作ってプチ演出をして空港へ。しかし空港の出口がふたつあり、連絡方法もなくあせる。俺は「ま~なんとかなるだろー」と思っていたが、海外に初めてひとりで来たR君はすごく心細かったという。結局3時間後ぐらいにホテルで落ち会い、ふたりで屋台で飯。やはりひとりで食べるより旨い!
 俺は飯なんざ味よりも、誰と食うか、値段や居心地、店員の態度がどうかの方がはるかにはるかに重要なんだよな~。俺が変わってるのかな~。

 竹久夢二「秘密」読む。

2月15日(日)

 スコタイ・ホテルという高級ホテルの有名な「チョコレート・ビッフェ」に行く。R君、カムバック男川口(ちなみに日本にいたわずかの間はテレビなどに出ていてちょっと「スター」してきたそうだ)、Mちゃんと4人で賑やか。ここのパティシュエの作るそれぞれの好みに合わせてブレンドしてくれるチョコドリンクが最高。
 但し、このビッフェのことは日本のガイドブックにのみ必ず載っているものらしく、お客のほとんどが日本人だったのがなんかちょっとミーハーで恥ずかしかった。チョコ以外にも寿司やサンドイッチもあり、いずれも旨い。
 後、川口君お薦めのオープン・バーへ。ここは何と地上60階にある吹き抜けの屋上バー。な、なんちゅーもん作るんじゃいっ、タイ人はっ!
 もちろん俺は柵から5m以上は常に常に離れてブルブルブルブルと子犬の様に可哀想に震えていたのは当然のことだ。

 梶井基次郎「温泉」読む。


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