テキトー日記03年6月(1)

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6月1日(日)

 本日は、マチネ・ソワレの二回公演。
 ・・・ごめん、やっぱなんかまだ演劇用語に慣れてなくて恥ずかしいので変える。
 本日は、昼夜二回公演。一回が3時間半なので、計7時間。
 もちろん出ずっぱりなわけじゃないけど、それでも基本的にはある程度のテンションをずっと保っていなければならず、えー、はっきり言って「へとへと」です。ガムが靴にへばりつきました。それは「ベトベト」です。
 でも演劇は本番もそうだけど、稽古も今回2ヶ月間と非常に拘束時間が長い。東京から福岡まで車で一気にぶっとばせ! そりゃ高速時間が長い。
 なので、その点だけがやっぱり40過ぎで全く鍛えてない体には正直ちょっとつらいっす~。オムライッス~。カレーライッス~。
 てな弱音もちょっと吐いてみました~。雨の日は長靴も履いてみました~。ほうきで道を掃いてみました~。レレレのレ~。

 新井素子「くますけと一緒に」読む。

6月2日(月)

 オフ。
 漫画喫茶に行ったら奥菜恵さんの写真集があったのでドキドキ見てみる。13才からのヒストリー的な写真集だったが、これほど変わってない人も珍しいんじゃなかろーか。きっと陰で懸命な努力があるんだろーなー。
 まぁ俺もどちらかというと「デビューの頃からあまり変わってないですねー」と言われることもあるが、それは「忍法ランニング目眩ましの術」でランニングのイメージが強烈なので、変わってないように見えるだけなのだ。人は、印象的なところが変わってなければ「あまり変わってない」とみなすからな。で、まぁ、顔はともかく、腹は・・・腹は・・・エエイッ、腹の事は言うでないわぁぁぁぁぁっ!!
 って俺がひとりで言ってるだけか。

 あっ、ところで皆さんは「たま」も昔写真集を出したことあるのご存知ですかな?
 ま、アイドルだったからしょうがないねったらしょうがないね。フフフ~ン。
 しかーし!・・・言っておくが、今古本屋に売ってもおそらく、
「お客さ~ん(薄ら笑いで)今の時代、こりゃ引き取れませんなー、引き取れませんとも。へえ~、こんなのあったんだ~、ハハハハ」
 と一笑に付されるのがおちだぞ。
 まぁ「私って、人に馬鹿にされると感じちゃうのアハン」
 ってな特殊体質の人はいいがな・・・。
 なので、なるべく物置の奥~の奥~の奥~のそのまた奥~に出来れば葛籠(つづら)にでも入れてしまっておいて、おじーさんやおばーさんになって、もう死期が迫った時に開けてみると自分の意外な青春がよみがえってきてワハハハこりゃ馬鹿じゃいと幸せに笑いこけながら死んでいけるかもな。うん、その方が得だな。

 池波正太郎「男の作法」読む。

6月3日(火)

 本番。
 ミュージカルなので、当然芝居中に歌い出したりしてそれはまぁいいんだけど、ものによっては当然コーラスがつく。たまのメンバーが60年代のヒッピーの格好をして歌っていると、横から「チェ・ゲパラ」のチラシを配る男達(吉増君、喜安君)が出てきて、
「フェン、フェフェン」
 というリズムのコーラスをつける。
 こーゆーものは気づかないと何でもないことなのだが、知久君が、
「あの『フェン、フェフェン』おかしくなーい?」
 と言ったところから、つい冷静に考えてしまい、
「何故アジビラを配る男達がフェンフェン言ってるんだ」
 と思うとおっかしくてしょうがなくなり、ふと知久君の方を見てみると、知久君も舞台上で笑いを堪えるのに必死で、そのビラをさり気なく口元に持っていって、笑い顔を誤魔化している。
 しかしお客さんにはわからなくても、近くにいる俺は知久君がいかに笑いを堪えているのか、その目でわかってしまい、と同時に俺も急激に笑いの大波が襲ってきて、
「ヤバイ、ヤバイぜーっ!!」
 となり、慌ててビラを読むふりをする。するとビラには、
「合言葉は、『チェッ!』『ゲバラ!』」
 とか客に読めるもんじゃないからどーでもいい紙なのに、くーだらない事が書いてあって、また吹き出しそうになり、我慢でプルプル震える。
 ケラさん、こんな小細工して俺を「プルプル君」にしてる暇あったら、台本をもっと早くあげてくれや~!!

 宮本輝「異国の窓から」読む。

6月4日(水)

 本番。
 朝、高田馬場駅で事故があり、山手線が動かなくなり、振り替えで地下鉄を乗り継ぎ、よーやく会場へ。
 しかし高田馬場で良かった。もう初日からだいぶ経っているので会場入りも開場1時間前くらいで、それに間に合えばいーや、という感じで家を出てるけど、うちは埼玉県。
 もしもうちの最寄り駅が事故とかで止まっていたら、振り替えの電車なんてものがそもそもないもんなー。バスや、例えばタクシーだって、電車よりはるかに時間かかるだろーし。というと自転車か。サイクル野郎か。
 む~ん、青山劇場まで約30キロ。・・・無理だな。
 とにかく芝居はひとりいなくても、進行はかなり難しいからなー。危ねえ、危ねえ。

 椎名誠「哀愁の町に霧が振るのだ(上)」読む。

6月5日(木)

 本番。「演劇ぶっく」取材。
 夜、楽しみにしている番組「探偵ナイトスクープ」を観ようと準備。
 この番組は、大阪では視聴率30%にもなったことのある有名バラエティ番組だが、何故か東京ではパッとしないのか、夜中の2時12分なんて時間からの放送。
 しかしうちの晩飯はたいてい夜中12時とか1時なので、ちょいと遅くなるが、放送開始まで待って飯にしようと思った。何せ、今日の晩飯は寿司なのだ。しかもビールもつけちゃうもんねー。ほほほほ。
 ところが時間になっても始まらない。
「?」
 と思っているとR君が、
「あっ、そういえばこの局、夜野球やってたんじゃない? いつものように延びたんじゃないかな」
 というので相当空腹になっていたが、我慢だ我慢だ我慢の後に福が来る。最大おしても30分だから2時42分か~。
 で、腹グーグー鳴らしながらテレビはつけたままだが「何分遅れます」のテロップも流れない。
 そして2時42分になった。すると・・・なんと関係のない映画が始まったではないかっ!!
「こりゃ、どげんしたとね~~~~!!」
 と思ってテレビ雑誌を見てみると、何とこの映画、本来「探偵ナイトスクープ!」の後番組で、夜中3時からやるやつではないか!!
 ちゅーことはだ。楽しみにしていた「探偵ナイトスクープ!」は何のテロップもなしになくなり、しかも映画を見ようと3時にテレビをつけたり録画予約してた人も、もうすでに映画は始まってしまっている、ということだ。
「ウガァーーー!!」
 俺は怒りのあまりゴジラに変身、東京タワーを焼き尽くした。
 嘘だ。それは嘘だが、寿司はすっかり乾き、ビールは冷たさのかけらもなくなり、そして番組もない。
「ゴワーッ!!!!」
 俺はキング・ギドラになり、浅草雷門の提灯を焼き尽くした。
 嘘だ。それは嘘だが、こんなのありかい~、おいっ!!
 諸悪の根元はもちろん、野球中継だ。
 俺は野球はまず見ないが、そこはまぁ好きな人も大勢いるのはわかるから許そう。
 しかし、聞いたところによると「野球中継」は時間内に試合が終わる事の方が珍しく、延長になることの方がよっぽど多いというではないか。
 ちゅーことは何故最初から延長時間も含めた番組にしない?
 時間があまったら、ダイジェストを長めに流すとか、ヒーローインタビューをもう少し考えて通り一辺倒の毎度毎度同じ質問じゃなくてもうちょっとアイデアのある質問をして伸ばすとか、ヒーローは何故か好きな曲を一曲歌えるとか、いくらでも工夫のしようがあるだろうっ!!
 いい加減なんとかしろいっ、テレビ局!!
「フギャーッ!!」
 今度はまじでモスラになって、巣鴨のとげぬき地蔵をその風力で倒すぞっ!! いいのかっ!?

 椎名誠「哀愁の町に霧が振るのだ(下)」読む。

6月6日(金)

 本番。
 今度はとある女優さんがやはりダンスのシーンで靱帯を怪我。それによりまたまた踊り、台本等変更。フヒェ~。でもどーやら話しを聞くと、ミュージカルには怪我はつきもののようだ。
 でもみんな役者根性で、舞台では足の怪我など素振りもみせない。流石だなー。そして袖に引っ込んだ途端、車椅子。
 たまたま舞台の小道具として元々車椅子は用意されていたのだが、まさかこう次々と舞台以外で実用になるとは・・・。

 森茉莉「マリアのうぬぼれ鏡」読む。

6月7日(土)

 本番、二回公演。
 朝、会場入りすると出演者やスタッフに皆「おはようございます!」と挨拶するのだが、なんせ関係者は100名近くもおり、また舞台袖は暗いので、なんかうろちょろしていると「あれ、この人とは今日挨拶したっけかな?」と頭がこんがらがっておたおたしてしまう。もう挨拶が済んだ人には、ピコピコとウルトラマンのように胸に赤いランプが付くとかになればわかり易いのになー。

 筒井康隆「カメロイド文部省」読む。

6月8日(日)

 本番。
 東京公演最終日なので、夕方から「東京公演打ち上げ」の立食パーティ。俺達はいつもの汚い格好のままだが、奥菜さんはドレスアップしてきて、
「おおっ! 女優!」
 という感じだった。
(ああー、他の女優さん達すみませんー、いっ、いやみなさんも、も、も、もちろん素敵でしたよ。た、ただ全員の名前を挙げていくときりがないので・・・って、なんか自分で自分の首絞めているような・・・アウーーーー)
 とにかく眼福させてもらいました。ええ冥土の土産ですじゃ。ナマンダブナマンダブ。

 乃南アサ「窓」読む。

6月9日(月)

 やっほー久しぶりの休みだ!
 フヒャヒャヒャヒャッ、ムニュームニュー、バゲゴジバゲゴジ、ホロッホー!!

 鴨志田穣・西原理恵子「もっと煮え煮えアジアパー伝」読む。

6月10日(火)

 図書館に行くとシ○ルさんが。
 シ○ルさんとは、我が町のちょっとした有名人だ。
 元々は小さなレストランを経営していたらしいのだが、どういう理由かは定かではないが、ある日から、風呂に入るのをやめたらしく、また服を着替えるのもやめたらしく、真っ黒な顔で裸足で町を歩いているのだ。
 うちの町は大きくないので、明らかにその手の格好をしている人は、シ○ルさんしかいない。
 そしてそれでも、
「私は買い物の途中ですよー」
 というカモフラージュのつもりか、常にバッグからネギを覗かせてるというのが特徴だ。
 しかしさすがに今日は図書館なので、TPOをわきまえているシ○ルさんは、ネギは持っていなかった。
 だけど、ネギ以外は全部一緒です。
 ちなみに自宅はおそらくその元レストランなので、深夜にどこかの軒先きに段ボール敷いて寝てる、ということはないのでいわゆる「浮浪者」ではない。
 もしかしてただの趣味、もしくはコスプレのようなものだったら、アッパレだなー。
 友達になれるかも・・・。

 カレル・チャペック「ダーシュンカ」読む。

6月11日(水)

 久しぶりに事務所。事務所ということは我らが経営してる会社なわけだが、なんせ今年の前半は芝居音楽関係で現場仕事ばかりなので、年が明けてから数回しか来ていない。
 もちろんしょーがないんだけど「なんか誰もほとんど来てない事務所の家賃がもったいなーいー!」と考えてしまうのは、俺のせこさだにゃー。

 近藤雅樹「神がみのパフォーマンス」読む。

6月12日(木)

 名古屋へ。ついてすぐ会場に行き、場あたり等。ホテルにチェック・インした途端バタンQー。はっと気づいたら夜中でまだ晩飯も食ってないのでお腹が完全に背中にくっついていて化け物になっていたので、町に出たがすでに夜中3時じゃラーメン屋しかやっておまへーん。ということで名古屋名物・喜多方ラーメン食って部屋に戻ってテレビをきまぐれに付けると、ななななんと男と女の裸プロレスがっ!! どーやらこのホテルでは通常有料の裸プロレスがサービスで、無料で見られるのだ。なんてえこったいなんてこったい。けしからんなプンプンプン、ふむふむこっ、こんなことまでやっておるのかっ、最近の若い者はっ!! イカンゾイカンゾッ!!と思ってたら、あれっ? もう朝じゃん。ま、まずいわいーーーーっ!!

 とり・みき「マンガ家のひみつ」読む。

6月13日(金)

 昼夜公演。
 俺が舞台上で演技をしつつサラリーマンの格好で「東京パピー」の替え歌を演奏しながら歌うシーンで、なんと歌の途中で太鼓のセット台から太鼓がいきなり落ちやがった。
 むむむ、さすがだてに13日の金曜日を神様もはってるわけじゃないわい!
 でもとにかく他の人の演奏も続いてるし、何よりミュージカルなのでバックにコーラス兼ダンス隊が踊っているので「も一回頭からー」というわけにもいかず、ハッと思った瞬間には、その太鼓を左手で持ち、右手でスティックで叩きながら「どーせ崩れたから、演技に見せたれっ!」と思って俺も踊りながら叩きながら歌い続けた。
 なので名古屋で見たお客さん、あれは演出ではなく、咄嗟のパフォーマンスでーす。
 ・・・ってさすがにあれはバレバレか。ムホーッ!!

 宮本輝「ひとたびはポプラに臥す 1」読む。

6月14日(土)

 ひとりで大阪へ。
 本来、何日か空き日があるので、ほとんどの人はいったん東京に戻ってまた数日後に大阪入り、だったのだが、俺はちょっと行きたい、というか泊まりたい所があったので先に大阪へ。
 そう、大阪には俺の「大阪妻」がクネクネとしなをつくって待っているのだ。
 ・・・すみません、嘘つきました。
 本当は大阪西成のいわゆる「ドヤ街」にしばらくその身を置いてみたかったんじゃー。
 昔から興味はあったけど、泊まる機会がなかったからなー。一度その世界を覗いて見たかったんじゃー。
 ということで地下鉄「動物園前」で降りると、そこはホテル街。といってもラブホテルでもビジネスホテルでもないホテル街だ。
 ちなみに駅は「動物園前」だが、JRの「新今宮」も南海の「南霞町」もはっきりいって場所は同じ。なので大阪初心者のみなさんはよーく気をつけるよーに。動物園前にいて「新今宮」に来て下さい、とか言われて電車さんざ乗り換えて外に出てみると、さっき居た所と同じ交差点の反対側に出るだけだぞ。
 そーいう意味ではJRの「大阪駅」も地下鉄や私鉄では「梅田」だからな。
 各社独立独歩というか、はっきり言って協調性全くなし。きっと大阪の血液型は俺と同じB型だな。

 さてそれはともかく町を一周。どのホテルにするか迷う。なんせ1泊500円の所からあるのだ。でも500円の所はおそらくドミトリー形式だろーから、ここは「ドヤ街初心者」ということでホテル街の中では最高級の値段を誇る2100円の宿に。ほっほっほ、「ドヤ街の貴族様」とお呼びっ!!

 で、部屋だが確かに狭い。3畳。そしてある種の臭いが。「うーむ」と一瞬思ったが、狭さは昔ひとり暮らしのアパートに戻ったような安心感を逆に呼び、臭いは10分で慣れた。
 部屋にはクーラー、テレビ、ビデオ、空の冷蔵庫も備え付けられており、共同の風呂も全く清潔でサウナもついている。電子レンジ等も使える。
 ということで、例えば「アジアの安宿」に泊まったことがあるよーな人だったらなーんも問題ありません。
 しかも宿泊客もあんに反して普通のサラリーマンや予備校生風の若者、果てはトランクを持ったスチュワーデスみたいな女性までひとりで泊まってた。いわゆる労務者みたいな人はひとりもいなかった。
 問題は門限が11時半ということなので、ライブの時とかは使えないってことだけかなー。
 はっきりいって・・・気に入った。なんか落ちつく・・・。

 宮本輝「ひとたびはポプラに臥す 2」読む。

6月15日(日)

 昼間は歩いてすぐの通天閣あたりに行き、アレンジボール等してだらだら過ごす。
 晩飯は近くの「玉出」というスーパーでお買い物。
 ご飯68円、豆腐39円で100円ちょっとで「豆腐一丁丼」でディナー。ホッホッホー!
 ちなみにホテルに長期滞在する場合、500円ぐらい払って会員になると、フロント脇にある1000本ぐらいのビデオが半年間借り放題。このサービスをやってるとこは結構多いようだ。

 唐沢俊一「クスリ通」読む。


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