テキトー日記03年1月(1)
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1月1日(水)
あけましておめでニョーッ。
今年は2003年か。遂に「鉄腕アトム」が生まれた年になったんだなー。
つまり、子供の頃の「21世紀の、未来世界」にいるわけだなー。
あれっ? ビルとビルの間を「空中タクシー」がビュワ~~~ンと走ってないぞ!?
宇宙旅行にもいけないぞ!? うーむ、未来って、意外と現実は地味なのね。トホホ。
今年は珍しく、ほとんど年間スケジュールが決まっている。
まず1,2月はたまで「劇団ダンダンブエノ」の音楽制作と稽古。
3月はその「ダンダンブエノ」の舞台。劇中バンドと、ダンス(笑)
そのまま、今度は4月はやっぱりたまで劇団「ナイロン100゜C」の稽古。
5,6月は東京、名古屋、大阪で同公演。
7月はちょっとお休みして、8,9月はライブかレコーディング。これはまだどちらか決定していない。
10月から12月の間のどこか6週間は「パスカルズ」でヨーロッパ・ツアー。
ということで、もし8,9月にレコーディングをするとしたら、今年は通常の形での「たま」のライブはほとんどないかもしれない。でもまぁ、その分、いつもと違った事をやる楽しみはあるけどね。だから、ライブが恋しい人よ、新しいビデオも出たので、どーかそいつで今年はしばらく我慢しておくれ!
でもこんなに決まっていると、かえって怪しい匂いがするぞ。クンクンクン。神様は「決まったことを覆す」のが好きだからな。なんらかの大きな変更もあるやもしれん。出来れば、それが自分やメンバーや、身近な人の病気や事故などでありませんよーに。パンパン(柏手)。←ハクシュじゃないよ、カシワデだよ。
まぁそれはともかく、今年も年賀状誰にも出してないので、元旦から郵便受けには閑古鳥が一匹、グーグー寝そべっていまーす。
でも子供の頃の手書きの年賀状は楽しかったけど、大人になっての儀礼的な印刷の年賀状は嫌悪感すらある。まー、それでも年賀状という風習が好きな人もいるだろうし、滅多に会えない人に近況を知らせるいいチャンスと思う人もいるだろーから、人がやる分には構わないけど。俺はなんか嫌。政治みたいな感じの嫌さは何故だろー。
なので、高校を出て以来、20年以上誰にも出していない。
もしも貴方が外国の友人に、何故かはわからないけど、
「カレワ、ナゼニ、ニューイヤーズ・カードヲダサナイ? ニッポンノデントウヲキラウ、ワルイヤツカ?」
と聞かれたら、
「カレワ、ニューイヤーズ・カードノ、ダンピツセンゲンヲシテイルンダヨ、ジョニー!」
とフォローしといてくれ。頼んだぞ。
夜は妻の実家に新年の挨拶に。初めて「雪見鍋」というものを食べる。風流なもんだねー。
壇一雄「海の泡」読む。
1月2日(木)
はいはい、新年早々リハーサルですよー。ズンドコズンドコ。
新年早々遅刻しましたよー。フニャフニャフニャ~。
でも明日から本番なので、新年早々結構マジですよー。ホロッホーッ。
大鋸一正「緑の鳥」読む。
1月3日(金)
「たまの正月2003」ライブ、吉祥寺スターパインズ・カフェにて。3日間連続ライブ初日。
例年、冬の連続ライブは「たまの御歳暮」と題してクリスマスの頃に行っていたのだが、そのおかげで毎年俺達にはクリスマスがなく、ひそかに電柱の陰でシクシク泣いたものだ。またファンの人も、
「クリスマスぐらい彼氏とふたりでメルヘンに過ごしたいのに・・・『全裸でゴ・ゴ・ゴー』を聴くのは、そして坊主頭の中年男達を観るのは、何もクリスマスじゃなくてもいい・・・」
と思っている人も多いんじゃなかろーか、そして正月も元旦、2日ぐらいはお屠蘇気分でいいが、その後は案外退屈しているんじゃなかろーか、と頭脳をフルに回転させ、この冬は、正月の3日からやることにしたのだ。
ところが、そのフル回転したはずの頭脳が、実はクラッシュしていることに気がついたのは、もうライブも発表した、12月に入ってからだった。
なんと、ライブの前には「リハーサル」が必要だったのだ。19年もバンドやっているのに、そんなこともコロッと忘れる、コロちゃん頭脳だったのだ。
つまり、クリスマスはリハーサル、そして正月は本番と「冬の二大行事」がふたつとも潰れてしまったわけですね。去年までは、正月だけはあったのに・・・。
ということで、そんなコロちゃん頭脳の俺達は、遂に警察に見つかってしもーた。
そう、初日のこの日「頭脳警察」のふたり、パンタさんとトシさんが、偵察にやって来たのだ。
まーもしかして若い世代は知らないかもしれないが、「頭脳警察」と言えば、内田裕也さえもビビルんじゃなかろーか、というほどの、日本の「過激ロック」の元祖とも言うべきバンド。レコードは激しい歌詞ですべて発禁、ライブではトシさんの全裸パフォーマンスなどで、「本物警察」からも要注意人物としてとらえられていた、真のロック界の大御所だ。そのメインのふたりが、50を過ぎて仲良く手をつないで、「たま」のライブに来る・・・。遂に「たま」も過激バンド界の仲間入りか!?
水木しげる「ほんまにオレはアホやろか」読む。
1月4日(土)
「たまの正月2003」ライブ2日目。
この日は、今度「ダンダンブエノ」というダンス公演を一緒にやる、近藤芳正さんが観に来てくれた。
もちろん近藤さんのことは「近藤さん」と呼ぶわけだが、実は同い年。俺、Gさん、大谷、とっちゃんなども「学年で言えば」同級生なのだ。だから本当は「君」でもいいのだが、やっぱり「さん」づけ。
会社の上司関係とかもないので、別に「さん」をつけなくてもいいのだが、ここにひとつの逸話がある。
Gさんと知り合った当初、Gさんは俺の事を「石川君」と呼んでいたのだ。ところが、俺も含めてメンバーみんなが「Gさん」と呼んでいるのに気づいたGさんは、ある日から俺のことを「石川さん」と呼ぶよーになってしまったのだ。普通「さん」が親しくなって「君」になったり、呼び捨てに「石川はさー」と言うことはあっても、その逆とは珍しいケースではなかろーか。
「Gさん」は「Gさん」がひとつのニックネームなので「G君」と呼ぶ人はいないので、俺も「Gさん」と呼んだわけで、いわゆる年上の人にあてての「さん」とは意味が違うのだが、Gさんの中では、
「ハッ!! 同い年の石川君が俺の事を『さん』で呼んでる。おっ、俺も「さんづけ」した方がいいのだろーか!?」
とかすかな葛藤があったに違いない。何故なら、「石川・・・さん」と呼び始めの頃は躊躇が見られたからな。
しかし人の呼び方というのは難しい。特に自分より年上か年下かわからない人の場合、尚更だ。また多少の年齢差で友人なのに「さん」づけしてしまうと、何かよそよそしくなってしまうものだし。
で、俺が20代の頃、よく使っていたのが「ダンナ」と「先生」。どちらも言葉におふざけの要素が入っているので気軽だし、かといって年上の人への尊敬語も内包しているからだ。
これは今でも、結構便利に使っている。例えば知久君とかも、結構、俺に、
「ダンナー、そこのところもうちょっとテンポ合わせてよー」
とか言うと、「あっ、そうだね。ハイハイ」という感じになるが、
「石川さん、そこのところもうちょっとテンポ合わせてよー」
と言うと、ちょっと逆にきつい感じになったりしてしまう事もあるし。
ということで「ダンナ」「先生」みんなも一度、お試しあれ。
山田風太郎「十三角関係」読む。
1月5日(日)
「たまの正月2003」ライブ最終日。「デジタルぴあ」の取材を受けてから本番。
「南風」の間奏の時、咄嗟にステージの横の箱馬(木の台)に腕を通し、
「片腕ガンダムー」
とか幼児退行パフォーマンス。
もちろん咄嗟、といってもリハーサルの時に気づいて、誰も見ていない時にこっそり、腕が入るかどうか、試してはいるのだが・・・って、全然咄嗟じゃない? いや、でも、俺がわざわざ用意してきたわけじゃなくて、基本的に「そこにあるものを使う」が原則だから。
「おやっ!? あの箱馬は? 何か使えそうだな。おっ、穴が開いてる。おっとふふふ、腕が通る通る、これは『片腕だけガンダム』ではないか!」
とほくそ笑んでいたのだ。・・・今年もまた、馬鹿いっぱいやりまっせー。
宮沢章夫「よくわからないねじ」読む。
1月6日(月)
明日共演するトモフスキーとのセッションの為のリハーサル。ブガチャカブガチャカ。
椎名誠「ネコの亡命」読む。
1月7日(火)
下北沢「Que」にて、トモフスキー、スカーフカー、サード・クラスらと共演ライブ。
この日、約束の2時ちょうどにライブハウスにやってきたGさんは、目をまんまるく剥いて叫んだ。
「ばっ、馬鹿なっ!!」
そう、そこにはもうすでに俺も知久君もムフフフと座っていたからだ。
通常、「2時集合」と言ったら、他の人がからんでない限り、「2時半ぐらいまでに来ればいい」というのが、俺達の中での暗黙の了解なのだ。しかもこの日は2時集合ではあるが、タイムスケジュールにより、2時45分からリハーサル、と判っていたので尚更だ。
ま、社会人にとってはジョーシキなんだろうけど、俺達のあいだではこの後、
「Queの奇蹟」
として、永遠に語られ続けられるであろう。
さて、トモフスキーは御存知「カステラ」でボーカルやってた人ね。この日は弾き語りと、全部ひとりで打ち込みで作ったカラオケを使っていた。
最後はセッションも一緒にしたが、「まっすぐなのに、ひねくれている」人はたくさんいるが、彼は「ひねくれてるのに、まっすぐ」という珍しいタイプだ。この日気に入った彼の「大人なので」という曲の歌詞。
もう我慢してる余裕はないんだ
もう我慢している時間はないんだ
あー大人なので
出来ない出来ない出来ない出来るけど
三谷幸喜「オンリー・ミー」読む。
1月8日(水)
39度2分の熱を出して寝込む。トホホホ・・・。
完全に疲労からの熱。風邪の症状などは一切なく、ただ熱だけがグワーッと上がって、へたり込む。
きのうのライブの、「らんちう」という曲で、例の、「意味なく、40過ぎの太ったオッサンが、高く両足上げジャンプをしながら太鼓を叩く」という俺の十八番で、それを見たことのない若い客が、
「スッ、スゲェーッ!!」
とか言ってくれたのに、一歩ステージを降りりゃ、ただの無理した年寄りじゃて。ま、人生こんなものよ。
椎名誠「黄金時代」読む。
1月9日(木)
「BUBKA」原稿書き。雑誌を完全にアイドル誌にするとかの編集方針の転換の為、これが最終回。好きな企画だった為、さみしいのー。
夜「パリの恋人」というオードリー・ヘップバーンと、フレッド・アステアの映画見る。内容に深さはないが、単純に「これぞ、映画!」という感じで面白かった。特にフレッド・アステアがもう実際は老人の域なのに、軽やかにステップを踏んで踊るシーンなど良かった。
小林聡美「キウイおこぼれ留学紀」読む。
1月10日(金)
新宿にてメンバーらと昼間、打ち合わせ。カフェ・バーみたいなところに行ったが、
「打ち合わせだから、ドリンク代は会社の経費ね」
と言った途端、知久君はビールを、マネージャーはワインを、怒濤注文(値段はコーヒーと変わらないが)。いつのまにか、オードブルなどもテーブルに並べてる。あんたらほんまに、酒、好っきやのうー。
木村聡「赤線跡を歩く」読む。
1月11日(土)
ここ7年間ぐらい、毎日平均5回ずつぐらいやっていた、「スライム・インベーダー」というパソコンのシューティングゲームで、1年振りぐらいに、ベスト10の8位に入る。ひゃっほーっ! ズンドコズンドコ(インディアンの踊り)
いやー、最初の数年は、記録がどんどん伸びてオホホホホと口に手をかざしながら笑ったものだが、40才になった頃から、パタリと記録が出なくなったもんなー。慣れはあるのに、指がよー動かん。よー動かんのよ。忸怩忸怩と音がする。♪ハァー、音がするぅぅぅーー
しかし、7×365×5=12775回、一回につき15分ぐらいかかるから、計算すると、全く寝ずにやり続けても、4ヶ月半ぐらいやっていることになるな。むーん、馬鹿だな。でも馬鹿ってカワイイから、まぁ、いいか・・・。
三谷幸喜「Now and THEN」読む。
1月12日(日)
近所の「ジョナサン」に300円のドリンクバーだけで5時間くらいねばって、読書やHPの原稿等書く。
いやー、うちにいると「スライム・インベーダー」やるか、ゴロゴロしてるうちに変な時間にハッと気づくとグーゴー昼寝てしまい、生活わっけわかんなくなるからなー、自由業って。特にぐーたらな自由業は、ちょっとは自分で抑制して動くようにしないとなー。あっという間に堕落人生まっしぐらになるからなー。
ま、つげ義春ファンとしては「堕落人生」「駄目人間」も魅力なんだけどなー。おっと、ヤバイヤバイ、まじでそうなる可能性を秘めた人間だからな、俺は。俺ってえ奴は。
横田憲一郎「教科書から消えた唱歌・童謡」読む。
1月13日(月)
リハーサル。ちんぴょろすっぽーん!
夜は何故か中野のカラオケボックスで「ダンダンブエノ」のパンフレット用の対談。
近藤(芳正)さんがモチ肌だ、というのを三谷幸喜の本で読んだので、
「本当にモチ肌なんですか?」
と聞いてみると、
「触ってみなよ」
と言うので、みんなで近藤さんのホッペとかをペチャペチャ触ると、確かにモチモチしている。
でも俺も負けじと、
「俺の腹も、結構モチですよ」
と言うと、みんな触ってみて、
「いや、固いな。これはモチ肌じゃないな」
と言うので、悔しいので、
「か、鏡モチ肌なんだいっ!」
と言うと、みんな「なるほど」と納得してくれた。良かった・・・。
しかしドリンクとかを運んで来るカラオケボックスのお姉さんは、全くマイクも持たずに、お互いの肌をペチャペチャ触りあっている中年男達を何と思ったろうか・・・。
大槻ケンヂ「猫を背負って町を出ろ!」読む。
1月14日(火)
「ザ・フー」のピート・タウンゼントが、逮捕された。容疑は「児童ポルノのホームページを閲覧していた事」。
児童ポルノについてはともかく、ホームページを見て逮捕、なんてことがあるのか!?
たまたま見てしまったらどーするんだ。というか、見てるのをどこかで調べられてる、ということか? その方が問題なよーな気がするな。怖いなー。
突然俺の家にも警察が踏み込んで来て「『地下生活者』とかのマイナーなページばかり見たり、夜な夜な怪しげな「チャット・バー」など開いてるのは、お前か!」でお縄頂戴になったら、嫌だのー。国家権力は、時にファシズムだからなー。まじで。
町田忍編「銭湯読本」読む。
1月15日(水)
リハーサル。ズビズバーパパパヤー。
リハーサルについては、ちょっと面白いことがあっても、内容に関することだとネタバレになってしまうので書けないからなー。虫の鳴き声で誤魔化すしかないわい。ツクツクボーシ、ツクツクボーシ。ミーン、ミーン。スイッチョン、スイッチョン。
日野啓三「あの夕日/牧師館」読む。
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