テキトー日記02年12月(1)

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12月1日(日)

 1日中、ファミリーレストラン。ドリンク・バー消費税込み315円也だけでねばって、妻のiBookこっそり借りて、このホームページの原稿とか書く。あー、でも電源が持たない。コンセントが自由に使えるファミリーレストランないかなー。
 あと、風呂に入っているのに、冬場はやたら頭とか体とかカサカサになって、痒くなる。
 あぁ、シャワーのあるファミリーレストランないかなー。
 あと、やっぱりマッサージ機があるといいなー。
 あぁ、マッサージ機のあるファミリーレストランないかなー。
 あと、仮眠所があるといいなー。
 あぁ、仮眠所のあるファミリーレストランないかなー。
 あと、卓球台があるといいなー。
 あぁ、卓球台のあるファミリーレストランないかなー。
 あと、かわいい犬がいるといいなー。
 あぁ、かわいい犬がいるファミリーレストランないかなー。

 わけわかんなくなってきたのでここらにしとくかなー。あぁー。あぁー。あぁー。

 鈴木清剛「ロックンロールミシン」読む。

12月2日(月)

 体をあげて外を見ると
 柿の実が風に揺られている
 風邪をひいた俺は
 カッと力を入れて
 改札口まで行ったが
 完全にグロッキー
 金を公衆電話に投げ込み
 会社に電話
「勘弁! 今日はリハーサル行けない」
 カタン、と受話器を置くと
 帰り道で野菜ジュースを買って
 鍵を開け、家に戻る
 階段を昇って
 形が部屋を出た時のままの布団にもぐる
「かなわんなー。早く直ってくれよ」と
 軽くつぶやくと、
 影が静かにしぼんでいった  

 素朴な疑問研究会編「大愚問」読む。

12月3日(火)

 来週「明和電機」と一緒にセッションする為のリハーサル。
 いつもは、ライブはてきとーなカウントで曲を始めるのだが、今回は、明和電機がたまのCDを聞いて、リズムボックスかなんかでテンポを計って出すらしいので、自分達のCDを流しながら、そのテンポに合わせて練習。
 結構ライブの時は、テンションがあがったりすると、途中からテンポが早くなることもあり、曲によってはそれが自然なこともあるので大目に見ている場合もあるけど、一定のテンポって、意外に難しい。
 あとCDを作った時と、ライブを重ねていくうちに、テンポが変わるものもあるからね。

 ところで、今日の日記は「テンポ」という言葉がたくさん出てきたけど、これをチ○ポ、と変えて読むのは、馬鹿馬鹿しいから、やめとけよ。・・・って言ってるそばから、やったな! 馬鹿だなぁ。

 村上春樹「TVピープル」読む。

12月4日(水)

 冬は必然的に布団にくるまっている時間が長いのだが、布団の中の、自分のオナラが、かわいい。
 自分のオナラの臭い、いや匂いって、なんて癖になるいいものなんだろう。
 オナラが出ると、布団の中にこっそり潜って、その匂いに包まれる快感。
 これは、絶対、みんな経験があるはずだ。
 こらっ、そこの君! 嘘はいかんぞっ!!
 もちろん俺は人のオナラの臭いは大嫌いだっ! そういう趣味は全くない。
 というか、俺の前で平気で屁こく奴には、時には殺意さえ覚える。
 だから「オナラ」自体の臭いが好きな訳では、もちろんない。
 だけど、自分のだけはどうしてこんなに香しく、愛おしいのだろう。

 ちなみに誰かの本だったか漫画だったかで、その人は、自分のトイレ(もちろん「大」ね)の匂いがたまらなく好きで「ウ~ン、デリ~シャース」と嗅いでいたと言っていた。
 ところが、いったんトイレを出て、中に忘れてきた本か何かを取りにすぐにトイレに戻ってきた時、その「自分の香しい匂い」は、単なる「トイレの、いわゆる悪臭」になっていて、ガーンと、頭を鈍器で殴られた様なショックを覚え、裏切られた気分になった、と書いていた。
 これは俺も確かめたから、本当だ。
 つまり、オナラなり「大」なりで匂いが出た瞬間は、まだ「自分のもの」で、「自分の分身」として、自分を包んでくれる優しい優しい母親みたいなものなのだが、いったんそこから離れた途端、匂いは、薄情にも、
「じゃ、もう、おめーさんのものじゃないかんね。知らんかんね!」
 と臭いとなり、他人面してしまうのだ。単なる悪臭にと変化してしまうのだ。
 一体、何メートル離れたら、「匂い」は「臭い」に変身してしまうのだろう。
 誰か、科学的に解明してくれいっ!

 五木寛之「水中花」読む。

12月5日(木)

 リハーサル。来年の舞台公演の為、とある曲をカヴァーせねばならず、リハーサル以前に、その採譜に時間がかかってしまう。なんせ、そういう作業はほとんどした事ないので。といっても、俺やGさんは、楽譜もまともに読めないので、ほとんど知久君のひとり作業。

 なのでせめて俺は、ファンクラブの更新者のデータ打ち込み作業をパソコンでやって、それぞれ得意分野で「バンド」と「会社」を両立。
 もちろんめんどくせー、と思うこともあるけど、全部自分達でいろんな状況を把握出来るので、他人によって、時に変な仕事をしなければならない、という精神的な苦労はない。
 ある意味全体的に見れば、バンドとしては、今が一番いい状態かもなー。

 町田康「夫婦茶碗」読む。さすがだ。ロッカーという経歴を知らなくても、このオリジナリティある、「口語講談調・自由だもんね小説なんて文体」には舌を巻く。

12月6日(金)

 リハーサル。帰宅すると、カブラギ、マニ、ヒビキラー、馬場君と来ていて、麻雀。
 勝負はまあとんとんだったが、カブラギ以外皆20代なので、まぁみんな、よく食うわー。
 前回やはりこんな感じのメンツで集まった時も、用意しておいたご飯があっという間にペロリとたいらげられてしまったので、今回は、炊飯器で炊けるだけの飯を炊き、カレーも山盛り作っておいた。この間の、倍の量だ。
 しかし、それも朝にはきれいさっぱりなくなっていた。
 う~む、みんなが食うというより、いつのまにかやはり俺達の年代の食う量が減っているんだろーなー。
 確かに、昔は「食い放題、飲み放題」なんて看板を見ると色めきだってウヒョヒョヒョヒョで、まずかろーが量さえあればニッコニコのホックホクのウッシャシャシャだった時代もあったが、最近はあんまり興味もわかないしなー。
 ちなみに、俺のことを、
「そんな腹して、どれだけ食っとるんじゃーい!! この化け物がーっ!!」
 と思っている人も多いだろーが(ちなみに「化け物」は言い過ぎだぞっ!!)、ほとんど、ご飯は茶碗に一杯こっきり。外食でも「大盛り」を頼むことなんかない。なのに、この芸術的ともいうべき、見事な太鼓腹。
 そして、20代の友達は、あんなに食ってるのに、太っている奴は誰もいない。何故だっ!? 何故ニャのだーーーーっ!! ウギャギャギャーーーーッ。
 理不尽とは、まさにこのことだな。くそぉ。誰かが俺に呪いをかけて、太鼓腹にしてるに違いない!
 もしくは、絵馬に、
 「石川さんが、いつまでも太鼓腹で笑われますように」
 と願掛けしている輩がいるに違いないっ!!  俺の腹をでかくしておもしろいかっ!!
 ・・・あっ! おもしろいか!!


 橋本憲一「包丁一本がんばったんねん!」読む。

12月7日(土)

 昼過ぎ、起きてみると、カブラギ以外はみんな帰っていた。
 で、寝る前にマニが、
「理香さん、チョコとかない?」
 と聞くので、R君は、
「あぁ、そこにあるのは食べてもいいよ。でも冷蔵庫に入ってるのは、高級な貰い物だから、食べちゃ駄目!」
 と釘をさしておいたらしいのだが、マニはいとも簡単にその釘をエイヤッと引っこ抜くや、高級チョコまで、全部食いつくしていた・・・。
 こらっ、マニ! おめーも最初たま企画室に入社した頃は10代で、高校生みたいなもんだったけど、今じゃ20代半ば。ちょっとは大人にならんかいーーーーっ!
 と言おうと思ったけど、マニの魅力は「いくつになっても超天真爛漫、真性ボケ」だったな。
 じゃ、このままでいいや。真性ボケは、愉快だからな。そして「愉快」が友達としては、一番だからな。
 ただ、高級チョコを食べてもまだ足りなかったとみえ、チョコだと思って、コンソメの素まで開けたのが、テーブルの上に「チェッ」という声が聞こえるほど、ほっぽり出されていたのはさすがにどうかな・・・。

 昼、「BUBKA」原稿書き、夜、カブラギと釜飯屋でビール。

 びっくりデータ編集部編「パフォーマンスの天才」読む。

12月8日(日)

 六本木「シンク・ゾーン」にて、NHKの「デジタルアウワード」というイベントに、しょぼたまで出演。
 地下鉄で六本木の駅をフンフンと出ると、いきなり目の前にテレビカメラが。どうやら、会場に入っていく様子も撮影しているようだ。事前には、テレビ撮影がある、とは聞いていたが、入るところまでとは思っていなかったので、
(なんか、こんなスターみたいの、ひさしぶりだなー)
 とか内心思いながら、鼻クソとかほじってなくて良かった、と思った。
 いや、鼻クソぐらいならまだしも、涎を垂らしてたり、脱糞してたりとかしたら、どーするんだっ!
 ふーっ、黒ヒゲ危機一髪。

 さて、ここの控え室の近くのトイレで驚いたのは、トイレに行く通路が、行く時は自動ドアで普通に開くのだが、どういう理由か、20分以上経過したら、中から開かない、というシステムになっていたことだ。何か防犯上の利点があるのだろーが、まずそれがよくわからん。
 で、普段だったら、それなりの大きさのビルなので、20分と待たずに次の人が入ってくれば、まぁ、ほとんど閉じ込められる、ということはないわけだ。
 しかしこの日はイベントの為に1階を使っていただけで、休日だった為、2階以上は、基本的に無人。で、おそらく1階にスペースがなかった為、特別に8階に控え室を作ったらしく、要は暖房すら作動しておらず、「さみーいよー」とブルブル震えていたのだ。
 まぁ、暖房の事は臨時に使用させてもらっているのでまぁ仕方がないが、トイレは恐怖だ。
 たまたま止まらないドント・ストップ・ゲーリーとかの場合、どうするのだろう。

 例えば、ここにそのトイレに入ったドント・ストップ・ゲーリーの男がいたとしよう。
 その男は、自分の時計を見ながら、まるで、非常脱出のパニック映画のように、
「あと5分」
「あと3分」
「あと1分!」
 とカウントダウンして、遂にはパンツをまともに穿くこともままならず、
「ヌオォォォォォ!!」
 と必死の形相で、ドアまで走る。
 走る、走る。
 腕を直角に曲げ、走る。
 往年のカール・ルイスのように、走る!
 しかし、運の悪い時は重なるもので、穿ききれていないズボンの裾を自分の足がふんずけ、もんどおりうってひっくり返る。
「ウオォォォォォォーーーッ!!」
 誰も見ていないのに、ゴロゴロと激しい音をたてて、前方回転する。
 即座に立ち上がるが、一瞬、自分がどちらの方向を向いているのかもわからない。
 すると、あらぬ方向に、ドアが見える。
 男は、決死の思いでそのドアに向かって芋虫男のように這いずる。
 何故かドアが、天界への入り口のように後光をさして光っている。
 ズズズズ・・・ズズズズ・・・
 奇妙な音をたてながら、ドアにやっとたどりつく。ほっと安堵のため息をついた、その瞬間だ!
「ブーッ」
 という無機質な機械音とともに、もうドアはびくとも動かない。
 一瞬、男は、
「ウガググババババッ!!」
「バビバビボブブブッ!!」
「スットンキョースットンキョーアーローハー!!」
 とパニックに陥るが、しばらくしてようやく自分を取り戻し、
「・・・こんな時こそ、人間、落ち着くのが、肝要じゃい!」
 と、一回大きく深呼吸して、あたりを見渡す。

 すると!
 非常用の電話があるではないか。
 サンタさんからの、ひと足早いプレゼントは、ちゃんと用意されていたのだ!
 サンタさん、メリー・クリスマース!!
 男はひとまずズボンを整えると、受話器を取る。
 呼び出し音が鳴る。
 トゥルルル・・・トゥルルル・・・。
 ところが・・・休日なので警備員もひとりしかおらず、そのひとりもたまたま前の晩に、久しぶりに徹マンとかしちゃったものだから、疲れが出て惰眠を貪っていて、緊急電話も聞こえず。
 8階を休日だけど控え室に特別使っている、ということも、申し送りのミスで伝わっていなかったので、まさか誰もいない8階から電話が鳴るなんて、考えもしなかったのだ。
 万事休す。

 ・・・ひからびかけて呆然と天をあおぐ男が発見されたのは次の日。
 早朝出勤してきたそのビルの社員によって、20時間ぶりくらいに救出されたのである・・・。

 ちなみに、この主人公が「女」の場合ももちろんあるわけで、そーなったら、シャレにならんな。

 さて、ライブは明和電機としょぼたま。明和電機は元々兄弟ユニットで、俺も「たけしの誰でもピカソ」という番組で何度かお会いしたことがあったが、兄が昨年あたり「引退」してしまった為、実質的に演奏者は弟の「社長」ひとり。
 但し、社員のような「技師」がふたり袖に常に作業着で控えており、機械のトラブルの際にはすぐに出動出来る体制になっている。

 そして、さすが明和電機! オリジナル楽器が凄かった。アコースティック・ギターが4本あるのだが、ひとつは弦の張っていない、つまりは見かけはギターだが打楽器に、ひとつはアルペジオ専用、といった感じで、しかも、そんなアナログな風体なのに、全部パソコンからのプログラムで、自動演奏するのだ。
 さらに、花弁が開いたり閉じたりする動きの「花型木琴」等もあり、見てるだけで爆笑。

 そして俺達のライブは、静かめな「ふくろう」という曲をやっている時、俺がオモチャ楽器を取ろうと、後ろの棚に手を伸ばしたところ、その棚が固定されておらず、
 ドッバーン!!
 という激しい音とともに棚と、その上に乗っていた多数のオモチャ楽器が散乱、大スペクタルとなった。
 ちなみに、明和電機の土佐さんは、
「いやー、棚が落ちたことより、そんな激しいことになっているのに、メンバーがひとりも驚いた表情を見せず、淡々と演奏を続けていたのが凄かったですねー」
 と感想をもらしていた。

 2曲セッション。俺達の曲に合わせて、人形がジャブをしながら音を出す、という明和電機の仕掛け。尚、この模様はNHKBSで流れるらしいので要チェック。

   畑正憲「ムツゴロウの雑居家族」読む。

12月9日(月)

 この日は、朝方、両足をほぼ同時につった。こむらがえり、というやつだ。ふくらはぎの肉がなんか、変な方向にグルンッと移動して、「ウギーッ」と激痛にのたうちまわる。
 片方、というのはよくあるが、両足は初めて。どうやって歩いたらいいんじゃいっ!
 しかし、この「こむらがえり」はたいてい1時間くらいで直るものなので人の同情も買えないし、辛いのー。でも今回、左足はその後、3日間痛みが消えなかった。老人じゃのー。
 ただ、直りかけの時、反対の足で、そのふくらはぎの部分をそぉぉぉっとこすると、何故かイタ気持ちいいのよねー。
「イタ気持ちいい」って、肩凝りをマッサージされる時とかでもそうだけど、かなりの幸福感。幸福感レベルでも、松竹梅なら「松」じゃないかなー。それとも俺って、マゾッホ!?

 窓を開けると、今年初めての雪は大雪。
 東京の雪は、大雪でも積もることはほとんどなく、道がグチャグチャになって、たいてい、俺のズボンは気をつけたつもりなのにていねいにていねいに歩いているつもりなのにいつのまにかビシャビシャになっていて、「ヒデー目にあった」とブルブル家に帰ると、たいていヒーターの灯油が切れていて、もう、俺の人生、こんなんばっか。イヤーーーーーッ!!

 中野翠「ウテナさん 祝電です」読む。

12月10日(火)

 先月から解決出来なかったホームページのインフォメーションのページのバグが、知人のサジェスチョンによって、よーやく解決。なんでも、開発者にしかわからない複雑なバグらしく、シロートがいくらHTMLをチェックしても、わからないとのこと。まだまだパソコン、わからないことだらけじゃニャー。

 午後はリハーサル。今やっているのは、来年の舞台で「この曲をやって下さい」という指示のあった曲なんだけれど、これが笑っちゃうほど難しくて、みんな本当にゲラゲラ笑ってる。
 というか、詳しくは舞台を観てのお楽しみだが、「この手の曲をしょぼたまでやるかーっ!?」という曲なので、愉しみに待ってておくれー。
 俺達も初心に返った気分でリハーサルに励んでるのさー。

 山田太一「冬の蜃気楼」読む。

12月11日(水)

 事務所にて、ファンクラブ会報作り。「おやじの冬」について語る。
 以前にもどこかで書いたか言ったかしたので、この時は話題に出さなかったけど、クリスマスの攻勢に比べて、「お正月」って、なんか影が薄くなったよな~。諸悪の根源の筆頭はコンビニエンス・ストアーだと思う!
 だって、俺が子供の頃の正月って、暮れから一週間くらい全ての店が休みになっちゃうので、
「あれも買っておかなくちゃ、これも用意しとかなくちゃ!」
 というのが、緊張感のあるドキドキワクワクウホッホーが、楽しみのひとつだったと思うんだよね。
 その緊張感が今じゃなくなっちゃったから、「ただの年変わり」になっちゃったんだよねー。
 あの独特な緊張感を俺に返してくれぇー!
 まさに、
「不便の方が便利よりだいぶいい」
 だな。

 さらに言えば「お年玉」も貰えない、というかもはや支払う方だからな。
 せめて、誰かお年玉の方だけでも、俺にくれ~。それで全て水に流そうじゃないか。ワッハッハ~、よっ、この太っ腹!

 ラ・ミューズ編集部編「クリムト 世紀末の美」読む。

12月12日(木)

 六本木「Y2K」にて、たまのライブ。共演は伊藤ヨタロウさんらのバンド等。
 アンコールで「どっこいしょ どっこいしょ」をやる時、ステージと客席の間に、「熱狂ファン押し寄せ防止鉄柵」みたいなのがあり、でもこの日は別にそこまで人が押し寄せてはいなかったので、強度を確かめた上で、それを鉄棒に見立てて、まるでジャニーズのようにアクロバチックに前方回転とかをやって客席側に跳び降りた。思った以上に着地が決まって(我ながらスンゲーかっこいいゼッ!)と思ったので、俺はそのまま歌いながら、五木ひろしのディナーショーよろしく(って、別に「五木ひろしのディナーショー」見たことないけれど・・・)、お客さんと握手をしながら、客席を一周した。

 さて、このライブハウスは楽屋が面白かった。
 こびと・・・いや、ミゼットの人専用のような楽屋だったのだ。
 つまり、天井が異常に低く、一番高いところでも、背伸びをすれば頭がついてしまう、という案配。
 なので、楽屋に行く度に、
「ゴンッ!」
「バシッ!」
 という、みんなが頭をぶつける音が止まることはなかった。
 なのでみんな腰を曲げてヒョコヒョコと、
「本番まであと何分?」
 なんて老農夫のような姿勢で楽屋をうろついているのが、おかしかった。

 その楽屋に、出演者の知り合い、という20代の女性が来て、
「知久さん、サインいいですか?」
 と言うので、知久君が、
「あいよーっ」
 てな感じで気楽にサインしていたら、
「デビューの頃、私のアイドルは、知久さんでしたっ!! ・・・そして、初恋の人も知久さんでした!!」
 と言われ、知久君も照れ笑い。
 もちろんそういう人も大勢いるんだろーけど、面と言われるとね。「アイドル」と言っても、今じゃただのハゲ親父だからね。
 そーいえば関係ないけど、「チャゲ&飛鳥」の「チャゲ」って「ハゲ」が訛ったものなんだってね。知久君の教えてくれた豆知識でしたー。

 向田邦子「男どき女どき」読む。

12月13日(金)

 近所に、割といい整体がある、という情報で新しい整体に行ってみる。
「肩凝りとかもみてもらえるんですか?」
 と聞くと、受付のお姉さんも、
「はぁ、まぁ一応・・・」
 てな感じだったんだけど、医者に触診してもらったら、医者が即座に、
「こっ、これは!」
 と絶句される。
 ま、今まででも、
「こんなひどい肩凝りはみたことがない。大きな病因で首にヘルニアがないか、みてもらった方がいい」(結果、首のヘルニアではなかった)
「ちょっとみんな来て! この人のこの背中凄い! みんな、触ってみて!」
 などと整体に行く度に騒がれていた俺だったので、
「あぁ、またか・・・」
 と俺は思ったが、医者の方は真剣に、
「ムムム・・・」
 と考えこんでしまい、
「いやー、本来、ただの『肩凝り』というのは、保険がきかないんですよ。でも、これはひどすぎる。うーん、じゃ、なんか、てきとーに病名をつけて、保険がきくようにしてあげましょう」
 と言われる。

 そもそも俺は先天的に歯並びが悪く、そこから繋がっている、顎、首、肩、背中まで体のバランスが悪いのに加えて、慢性的な運動不足、さらにずっとパソコンの前にいるかと思ったら、突然のライブでの異常な動き等で、「史上最悪の肩凝り」を作ってしまったらしいのだ。わははははっ。だから、もし貴方が「肩凝りマニア」なら、俺の真似をすると良いと思うぞ。
 そのうち本当にロボットのように、ガシャーン、ガシャーンと音を鳴らしながらガンダムのように動く日が来るのも、近いかもな。
 最も、体型からもわかる通り、油は人並み以上に摂取しているのだが・・・。駄目か・・・。

 桜井亜美「The 2nd Lovers」読む。

12月14日(土)

 高円寺GEARで、しょぼたまライブ。今年最後のたまでのライブだ。
 なんとなく今年はこれといった派手な活動もなかった気がするが、数えてみると、ライブも50本以上やっている。やっぱりライブバンドだなー、と思う。
 この日は、若手バンドのイベントのゲストとして呼ばれたので、リハーサルもなしで本番ぶっつけ。
 普段ならリハーサル等で2時くらいに会場に行ってなければならないところ、8時集合だったので、6時半頃、チャットに顔を出すと、何人か会話してたので、
「今、家にいます・・・」
 と言ったら、
「いっ、石川さん、ライブはどうしたんですか!?」
「何かあったんですか!?」
 と驚かせる。ふふふ、いたずらだーい好き、41才。

 藤井友樹・田中裕也「ガウディの独り言」読む。

12月15日(日)

 ニヒル牛に、クリスマスの店内ディスプレイを撮影に行く。くす美さんが、店の中央に、大きな木のオブジェを天井近くまで作って、星がぶら下がっており、「星狩り」が出来る、というもの。ニヒル牛だって、クリスマスぐらいメルヘンチックになるんだいっ!! ズンドコズンドコドッコラサッサー。

 日垣隆「それは違う!」読む。
 言葉の裏側の例が面白かったので記す。
「人権=声の大きい者による既得権の拡大
 自由=わがまま
 平等=抜け駆け禁止
 博愛=敵は殺せ」


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