テキトー日記02年8月

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8月1日(木)

 新宿におもちゃのラッパを探しに行き、
「あっ、おしっこ」
 と思って公衆トイレへララララ~ン。
 と・・・あれあれ、ズボンにチャックがない!!
 実はきのうR君に買ってきてもらったおニューの半ズボンなのだが、これはどういうわけだ!?
 例えばゴム地で、本当に短いやつなら、片側を引っ張って「横チンニョロリ出し戦法」がある。
 しかるに、これは普通の布地製だし、半ズボンといっても、膝下まである奴だ。
 これで「横チン戦法」が出来るには、ブツが30cm、否、40cm近くなくては不可能だ。
 それじゃ馬か、もしくはパプア・ニューギニアあたりにはそういう部族もいそうだが、日本人の平均的長さのブツしか持っていない俺には、不可能じゃーい!
 「横チン戦法」が駄目なら、あとはズボン全部降ろして「モロケツ出し戦法」しかない。
 しかし家の中ならそれでもいいが、公衆便所の朝顔のところでケツをプリプリ出している奴がいたら、俺なら、即Uターンして、信号を渡るな。
 ということで、なんとか個室で済ませ、家に帰ってR君に文句を言うと、
「だってそれ、メンズのところにあったんだもん。あたしもレディースの買って、色違いのペア・ズボンだったんだもん! ・・・同じXLの!」
 と言われる。R君、悪いがひとりでふたつとも、はきんな。・・・XLの。

 大西民子「印度の果実」読む。

8月2日(金)

 下北沢・club Queにてたまライブ。ここでは、しょぼたまは何度もやっているが、たまは初めてだ。共演、ニノトリンカ他。ワタナベイビー、ポリシックス等来てくれる。

 そういえば前日、ワタナベイビーから、
「迷惑ファックス送っていいですか」
 と電話があり、よく意味のわからないまま、
「・・・? いいよー」
 といったら、ダダダダと5~6枚のベイビー作の漫画が送られてきた。しかも、「感想を聞かせて下さい」等のメッセージも何もなく、ただ唐突に漫画だけが送られて来たので、
「?」
 と思ってそのまま放っておいたら、どうやらたまメンバーを含む約100人に同じファックスをしたらしく、
「たまの人は冷たいやー。誰も何も返事くれないんだもーん」
 と言っていた。
 はっきりいって、たまのメンバーは冷たいというより、面倒くさがりなので、わけわかんないものは、とりあえず、放って置く主義です。わかったかい、ベイビー。(ちなみにベイビーは「インターネット許すまじの会」の会長なので、ここはどーせ見てないけどな。ははは。)

 中田考「ビン・ラディンの論理」読む。う~む、政治物はやっぱりよくわからんかった・・・。

8月3日(土)

 甥の大樹の一才の誕生日で妻の実家へ。でもなんか眠くて、飯食って寝て、また飯食って寝てたら、
「大樹と全く同じだ。同じだ同じだ、赤ん坊だ!」
 と言われた。
 ま、40才くらいの違いは、宇宙の歴史からすりゃ、一瞬だわな! バブーッ。

 那須真知子・鈴木俊介「わが心の銀河鉄道」読む。

『本当にこの山や川は夢から生まれ、むしろ夢というものが山や川なのでしょう』(宮沢賢治)

8月4日(日)

 眠い。体調が悪いわけではないのに、1時間起きては2時間寝てのくりかえし。夜中になってやっと元気になって、ヤッホーイと外に飛び出す。

 水野麻里「セカンド・ヴァージン症候群」読む。

8月5日(月)

 眠い。これが「妖怪夏バテ」という奴か。う~む、なかなか手強い相手じゃのー。戦う前に、とりあえず、寝るわ。

 マルセル・エイメ「壁抜け男」読む。

8月6日(火)

 たまリハーサル。2時間遅刻。すまんーっ。後、事務所でGさん、斉藤君とマージャン。
 家に帰ってからは、ゲームのレビュー書き。

 東野圭吾「怪笑小説」読む。

8月7日(水)

 小さなアザラシと温泉に入って、パチャパチャやって、たーのしーいなー! ・・・という夢を見てたら、たまのリハーサル、なんと4時間遅刻。さすがにヤバイぜ。着いたら、みんなビール飲みにいっちゃってる。

 帰り、立ち食い蕎麦屋に入ったら、隣のおっさんが、一番安いかけソバを注文して、
「ネギたっぷりいれてや。汁もたっぷり入れてや」
 といって、さらにカウンターの上に置いてあったカレー用の福神漬けと紅生姜、そしてなんとワサビまで大量に載っけて「超ゴージャスかけソバ」にしていた。でも、ワサビ山盛り、っていうのは、いくら腹が減っていたとはいえ、ちょっと違うのでは・・・。と、人ごとながら心配。

 佐藤洋二郎「夏至祭」読む。

8月8日(木)

 夕方起き生活になってるので、時間調整の為、昨日から寝ずにいろんな100円ショップに行って、先日無くしたおもちゃのラッパ探し。でも、ちょっと前にはどこの100円ショップにもあった定番のラッパなのに、何故かどこにいってもない。
 まさか、俺の知らないうちに、「おもちゃラッパ販売禁止法案」が可決されたのか? うーむ、小泉め。

 今日のリハーサルはさすがに一番に行って、ニコニコとみんなを迎えた。迎えたさーっ。

 見沢知廉「調律の帝国」読む。

8月9日(金)

 「たまの暑中見舞2002」初日。スターパインズ・カフェにて。本当は8月だから「残暑」なんだけど、以前同シリーズで7月と8月に地方でまたがってしまい、内容が同じなのに生真面目に7月は「暑中見舞」8月は「残暑見舞」と名前を変えてやったところ「わかりづらい」の声が多かったので、あえて夏のイベントは「暑中見舞」に統一してまーす。だから、
「教養のないクソ馬鹿バンドね!」
 とは思わないでくれ給へ。浩司のお願いだ。

 で、夏の大きめな連続ライブは基本的に「懐メロ」の色を濃くしている。ということで、今年の企画は「以前にやった夏のライブの曲順再現」で、今日は99年のザムザ阿佐ヶ谷で数日間やったライブの、最後の日の物。それまで数日間やった日のライブで「もう一度聴きたい曲」をアンケートにとり、それを構成したいわば「ベスト・ライブ」的な選曲。ということは・・・セリフ物、即興物がどーしてもライブの醍醐味なので大量入選。ということで、若干片寄った選曲だが、こんな日もあった、ということで再現。
「学校にまにあわない」でバカボンのパパネタ、「かなしいずぼん」で知久君の前歯ネタ、「ブルース付きお昼の2時に」で妖怪夏バテネタ、「南風」で脇毛ガムテープ剥がしネタ。って、俺は芸人かっ!?
 さらに「カニバル」「ウララ」など。「ここはもののけ番外地」や「ざらざら恋の唄」なども久しぶりにやった。
「ねむけざましのうた」では1番、2番は俺の演奏はないので、つい前に出て、歌詞に合わせた小芝居をしてしまった。で、始めた途端、
「あっ、この曲はそういうモードじゃないっ!! やっ、やばい!!」
 と自分でも気づいたものの、途中でやめることも出来ず、そのままやったら、案の定、アンケートで、
「あの曲はしみじみと聴きたいので、余分な動きはしないで下さい」
 みたいなのがあったので、次の日に、
「いや~すまん~。二度とやらないから許してくれい!」
 みたいなMCをしたところ、今度は、
「いや、あれが良かったんだ。もっとやってくれっ!!」
 というアンケートも何枚かあり、どーすりゃいいんじゃいっ!!

 江國香織・山本容子「デューク」読む。

8月10日(土)

 「たまの暑中見舞2002」2日目。86年のマンダラ2でやったライブの再現。きのうとはうってかわって、じっくりした曲が多かったな。

 だいたいライブ後はきのうも今日もみな、軽く打ち上げをやっているのだが、俺は酒をセーブしているので、出席せず。しかし、なんとなくストレスだけはたまって、何か発散させないと寝られない。そこで、町中のゴミ置き場とかに、ニヤニヤしながらこっそり火をつけて回った。・・・なんてことはもちろん出来ないので、
「シンボー、たまらん!」
 で、コンビニエンスに行って、「トルコ風アイス」「ガリガリ君コーラ味」「スイカ・バー」など、アイス10個抱きしめ買いじゃ~! ウォーーーー!!
 ちなみにまとめ買いしただけで、10個全部まとめ食いしたわけじゃないから、安心してくれ給へよ。

 「草野心平詩集」読む。

『もともと富士山などといふものは天を背景にして存在するのだ』

8月11日(日)

「たまの暑中見舞2002」最終日無事終了。「おかあさんといっしょ」のデ・ポンのお姉さんや、ワタナベイビー、ケイコ先生なども来てくれる。
 今までは衣装は全部楽屋で着替えていたのだけど、今回のシリーズは、
「どーせ誰も見てねーだろうから、靴下とサンダルは、かったりーから、それで電車に乗っちまえー」
 で、両方とも家からカポカポ履いてきて、そのまま舞台に出て、そのまま、またカポカポ家に帰っていった。なーんか、もうだんだん細かい、ちっちぇいこと、どーでもよくなってきちまってさー。堕落かのー。それとも自然体になったのかのー。そのうちランニングや短パンも、
「もういいやー」
 で、家からだらしなく着てきて、もう全然衣装なんかじゃなくて、名実ともに、
「日本の伝統的な下町のおっさん」
 になる日も近いかもなー。

 五木寛之「ハオハオ!」読む。

8月12日(月)

 事務所にて打ち合わせ。アンケート等読むが、あいかわらず、みんな意見がバラバラ。
「○○はイマイチでした」
 というのがあるかと思うと、全く同じ曲で、
「今回、○○がサイコーに良かった!」
 というのもあり、よーは、特徴が強い曲は、余計に意見が分かれるちゅー感じだね。でも、それが良いのかもなー。

 家の物干台のところに蜂の巣があるので退治してくれとR君に言われていたので、夜中、軍手をはめて、そおっとそこに一歩二歩三歩としのびより、俺なりの精一杯のスピードで、
「とおりゃああああ!!」
 とビニール袋を被せ、ムンズとつかみ、
「恨みはござんせんが、死んでいただきやす」
 と、目をそらしながらも、
「コヌヤロ、コヌヤロ、エイエイ、ギュギューッ」
 と押し潰した。でも、もちろん俺は鈍くさいことでは人後に落ちないので、ブルース・リーのように最速の技を、
「アタタタターッ!!」
 と駆使したつもりだったのに、その間に「プイーン」と二匹に手と足を思いきしゃ刺されて、痛いでゴンスー。
 で、最近実はR君とは冷房の関係で別々の部屋に寝ていたのだが、確か蜂の一種には変な免疫(?)があり、一度目は大丈夫だが、二度目に刺された時、毒がまわって死ぬ、という種類の蜂がいたよーな気がうろ覚えながらして、
「・・・それなら、R君の隣で死のう」
 と思って、クーラーが駄目なR君の扇風機部屋にいって、静かに体を横たえる。
 おだやかな、気持ちだった。

 源氏鶏太「よい婿どの」読む。相変わらずの源氏節は、一服の清涼剤だなー。

8月13日(火)

 起きたら、生きていたので、
「こりゃ、いい。よしっ、人生おおいに謳歌するぞ! まず最高の贅沢は・・・もちろん惰眠だギャー!」
 ということで15時間位、いぎたなくよだれたらして、寝る。もちろんウミンチュになって、だらだらと。
(ウミンチュとは、沖縄の言葉で、漁など、海にかかわる仕事をする人のこと。転じて、上半身裸で暮らすこと。ちなみに「転じて」以降は、俺が考えた解釈)

 室井滋「すっぴん魂」読む。

8月14日(水)

 晩飯を食っていると、突然、R君の
「ギャー!!!」
 の雄叫び。
 見てみると、R君の足に、R君が最も恐れているゴキブリが貼り付いているではないか!
「だんな、グニャッて、甲羅、固い、黒い、あぁぁぁぁ!!」
 と、もう言葉になっていない。
 そして俺が見てみると、そのゴキブリはR君の足下で、もう御陀仏になっていた。
 どうやら、R君が小一時間前にゴキブリを見つけ、殺虫剤をかけたらしいのだ。しかしそれは部屋の隅だったので、あとで俺に捨ててもらおうと思って、そのまま忘れていたらしい。
 ところが、ゴキブリは言葉通りの虫の息の中、
「アノ、オレヲコロソウトシタヲンナニ、フクシュウシテカラ、クタバッテヤル」
 と思ったらしく、最期の力を振り絞って、R君の足下までたどりつき、その足の裏にペタンと貼り付いて、最高の嫌がらせをして死んでいったらしいのだ。・・・うーむ、敵ながら、アッパレ也。

 宮沢賢治「銀河鉄道の夜」読む。

8月15日(木)

 大谷、健さん、R君と恒例のお盆マージャン。このHPの87年頃の日記を読んでもらえばわかると思うが、15年前と、メンツも、やっていることもほとんど変わっていない、グータラな仲間だ。
 しかし、大谷は今や医院の院長、健さんは建設会社の社長、R君はアートギャラリーのオーナー、俺は会社の取締役と、全員いつのまにか、肩書きがついている!
 ちゅーことは、だ。人間、これだけ滅茶苦茶してても、40年経てば自然に肩書きなんてついちまう、ってえことか。で、こーいう人の下で働く人もいる、っちゅうことか。かわいそうに。しかし、そう考えると、おっとろしいなぁ、世の中って。

 北川悦吏子「毎日がテレビの日」読む。

8月16日(金)

 北海道へ。札幌からほど近い石狩市で行われる「ライジング・サン・ロック・フェスティバル」出演の為。2日間、4会場で行われる大規模なコンサート。パンフレットを見てみると、井上陽水、忌野清志郎、矢野顕子などの大物をはじめ、今、人気絶頂の、ドラゴン・アッシュ、ハイロウズ、モンゴル800、UA、元ちとせ、石野卓球などなど、総勢100組ぐらいのアーティストが出演。
 しかし、パンフレットを見てひとつ気づいたことが・・・それは井上陽水さんらソロの人を除いて、「バンド」形態だと、なんと俺達が最年長ジジイバンドだということだ。いつのまに、こんなことになっちまったんだー! 光陰15才のスペルマのごとし、だなぁ・・・。速い速い。

 札幌のテレビ局で生放送で1曲演奏した後、会場へ。凄い巨大な野外会場で、全貌が見渡せないほど。数万人のお客さんが入るらしく、この規模のフェスティバルに出るのは、久しぶり。
 さて、今回は演奏時間が30分ほどだったので、曲目をちょっと工夫してみた。
「たま」というと、どうしても「さよなら人類」。しかし、そのヒットも12年も前なので、今の10代はそれも知らない。聞いたことがあるのは、一時テレビアニメ「ちびまる子ちゃん」のエンディング・テーマになった「あっけにとられた時のうた」やNHKの「おかあさんといっしょ」の「ハオハオ」ぐらい。
 もちろん、たまの中にそういう明るめでちょっととぼけた歌の要素もあるが、実はレパートリーの中では、その筋は決して多いほうではない。
 しかも今回はタイトルが「ロック・フェス」なので、ここはひとつ、思いきりロックっぽいナンバーばかりを演奏して、少しイメージの払拭を計ってみよう、と思ったのだ。
 もちろん、明るめの曲や馬鹿馬鹿しめの曲をやれば、ある程度盛り上がるのはわかっていたが、所詮、そこで「ワー」となる人達は、その時限りの人が多い。
 そこで、たまのディープな部分を聞かせ、それでも気にいってくれた人が、本当のファンとして、これからも応援してくれるのではないか、と思ったのだ。
 ということで「ゆめみているよ」「夢の中の君」「箱の中の人」「青い靴」「汽車には誰も乗っていない」などをほとんどMCなく、行ってみた。
 ちなみにHPの掲示板では賛否両論だったが、終わった直後、ライブを見ていたマニから電話が入った。
「2年ぶりに見たけど、カッコ良かったよ!! あたしの知らない新曲もいっぱいあったしね!!」
 マニは人にお世辞を言うようなタイプではないので、感想は素直に喜ぼう。しかし、えーと・・・
 彼女は1年前まで我がたま企画室の事務員であり、ライブにはスタッフとして必ず来ていたはずだが、「2年ぶり」とはどーいうことだろう。さらに、やった曲も、まだマニがいた時代に出来て、ライブでしょっちゅうやってた曲ばかりなんすけど・・・うーむ。細かいことは、まぁ、いいか!?
 デビューの頃、ツアーで一緒にまわったスタッフとも、何人も再会して懐かしかった。

 佐々木麻乃「ダンナを置いて韓国へ」読む。

8月17日(土)

 飛行機が夜の便なので、昼間はひとりで余市の町へ列車に乗って行く。相変わらず小樽の手前の海沿いは絶景哉。余市は数年前にもやはりひとりでふらりと来たことがあるのだけど、駅前とか再開発されていて、風情のあるニッカの工場も、なんだか観光地化されていて、ちょっぴりショボン。でも地元の人の為にも「観光地」に来たい人の為にも、その方が町の増収や、活性化にはつながるんだろうなぁ。複雑な気分じゃのう。
 商店街をカメラ散歩していると「宇宙温泉」という看板が!
 中に入ってみると、そこは無重力の状態で温泉に入れるという、摩訶不思議な場所だった!
 みんなピョンピョン、トランポリンでもないのに、ふわふわと浮いたり、温泉につかったりして、
「ワッハッハー!!」
 と楽しそうにニコニコ笑っている。こんな所がこの世にあったなんて!!
 ・・・なーんてことはもちろんなく、単に宇宙飛行士の毛利さんの出身地というだけで「宇宙の湯」・・・
 別に毛利さんの実家という風でもなく、さらに近くには「宇宙体験館」みたいな観光施設もあり、たったひとりの有名人の出身、というだけでここまでやっちまうのがすごいなー、と思った。
 俺ももっと偉大になって、どこぞに「ランニング温泉」や「ランニング体験館」を作ってもらえるほどにならにゃあな・・・。臭そうだが・・・。

 駅前のいつもの古ぼけた食堂で、いつものカツ丼とビール。ちなみに、ビールにはお通しとして、リッツが2枚ついてくるぞ。尚、「いつもの」と書いたが、血液型B型の人にとっては、二回同じところで二回同じ物をたのめば、もう「いつもの」だ。3回以上通った店は「俺の店」になる。以上。

 帰りの列車でまたまた人生初体験の出来事が。
「お客さん、終点ですよ。車庫に入りますよ!」
 と車掌さんに激しく揺すられて起こされたのだ。どうやら爆発ドガーン睡眠、略して爆睡していたようなのだ。今まで列車とかいろんな乗り物の中では、ついぞ眠れず、睡眠不足の時だけうとうとするぐらいの事はあったが、数カ月ほど前から、何度か電車を寝過ごすことが多くなり、遂には車掌に叩き起こされるまでに成り果ててしまった。40を過ぎて体質が変わったのか、これで真の「おっさん」になったのか・・・。
 ま、人生明るい方に考えて、「真のおっさんのニューフェイス」として、バリバリに売り出すかぁ!!
 みなさんも、「真のおっさん」が何かで急に必要になった時は御一報を!
 開店サービスで、安くしときまっさ!!

 帰宅後は、10月に新宿ロフトプラスワンでやる「ニヒル牛ナイト」というイベントの打ち合わせ。

 昂星郎「コスモスの君にキッスを」読む。

8月18日(日)

 「BUBKA」の取材で、湯島・本郷界隈を歩く。東大の真ん前にあんな横丁があるなんて・・・。詳しくは、雑誌で読んでおくれーな。

 うちの親父のホームページを久しぶりに覗いてみたら、「旅行写真集」だったのが、いつのまにか、「随筆コーナー」まで作って、しかも40本近い随筆がいつのまにかアップされとる!
 うーむ、俺に対抗しようとしているのか・・・謎だ。

 小沢昭一「裏みちの花」読む。

8月19日(月)

 しばらく休み。そのあとには、ドトーのツアーが待っているが。で、一日中ダラダラだよ。エヘヘヘヘ。

 にんげんは、なんでしごとしなくちゃいけないんだろうね。しごとをしないひとがわるいなら、みなみのしまで、木になっているくだものやら、おっこちてきたのをたべて、それだけでにこにこくらしているひとたちは、みんなごくあくにんだね。じごくにおちるのかね。

 松谷みよ子「ちいさいモモちゃん」再読。

8月20日(火)

 久しぶりに島田さんの家に遊びに行き、パソコンや旅行の話しなどする。

 夜、テラスでローソク使って本を読んでいて、ふとしたはずみにローソクを手の平にドバッと浴びて、観客のいないひとりSMショー。熱いけど、意外に悪くないわ。うん、悪くない。

 瀬戸内晴美「インド夢幻」読む。
 ネパールに「クマリ」という生き神様の女の子がいて、俺も見たことあるんだけど、この本によると、「生き神様になる31の条件」というのがあり、「神のような脚線」「美しい影」「雀のような低い声」「牛のようなまつげ」ぐらいは理解が出来るんだけど、「骨盤の奥深くある性器」そして、「ある程度に限界のある皮膚の毛穴」ってなんだ!? ・・・うーむ、やはり生き神様には簡単になれそうにないな。

8月21日(水)

 ほんとーはニヒル牛に行こうとしたけど、夜まで昼寝(?)してしまったので、行けず。家から一歩も外に出てまへーん。ふにゃふにゃふにゃ。これぞまさに究極の「おたく」?

 小林紀晴「アジア旅物語」読む。

8月22日(木)

 昼間は「水戸黄門」をテレビで見る。フルで見たのは、もしかして生まれて初めてかも。始まって5分でわかるストーリー、口を開いた途端にわかるセリフ、唐突な由美かおるの入浴シーン。嫌味じゃなくて、これはこれで面白いもんだニャー。「安心」して見られるもんニャー。まー、まだ、さすがに毎日見る気はおきないが、そのうち、日常の一部になる日もくるのかニャー。
 夜は「渡る世間は鬼ばかり」と「うたばん」のソニンの裸エプロンを期待して見る。
 俺はダウンタウンの番組等、一部のものを除いて、ほとんどテレビは見ないのだが、今日は久しぶりにテレビを満喫したニャー。

 サキ「サキ短編集」読む。

8月23日(金)

 R君と「ドムドム」でコーヒー飲んで、あとは近所のデパートの休憩コーナーで読書。

 夜、チャットをしていたら、
「新曲は作らないのですか?」
 と突っ込まれ、ムムムと唸る。
 いやー、もちろん作りたいよ。新鮮な曲は自分達でも演奏したら楽しいし。だけど、正直言って、出来ない・・・。いや、チャットでも言ったけど、無理して作ろうと思えば作れるかもしれない。しかし「無理して」作るのがいいことかどうか、ビミョーだもんなー。
 なんせ、はっきりいって歌いたいテーマや風景みたいなものは、ほとんど20代の時に出尽くしてしまっている、と言っても過言ではない。そしてそれは俺達だけでなく、おそらくどのミュージシャンにもある程度そういう「年令の傾向」があるのではなかろうか。
 10代、20代のミュージシャン人口は凄まじい数だが、30代で一気に減り、40代になると、本当に限られた人しかいないのは、先週のロックフェスでも明らかだ。それは、同じ「創作」の分野でも小説家や画家などとは少し違う点のような気がする。
 つまり、そこにはやはり一種スポーツ選手にも似た「限界」があるからだろう。(それは、若い時にしか出ない「気」のようなものに思える)
 それを越えてもなお続ける、ということは、「若い時の路線をそのまま突っ走る」か「常に新しい事にチャレンジしていく」のどちらかしかないわけで、もちろん後者の方が、より難しい。
 そう考えると、たまもまた、ひとつの岐路に遅まきながら立っているのかもしれない。去年あたりから自然発生的にインスト等をやるようになったのも、そのひとつの現れかもしれない。

 また、ライブについても、難しい。
 例えばポール・マッカートニーがライブをやると、ビートルズ時代の曲や、ウイングスのヒット曲では大いに盛り上がるそうだが、
「それでは、最新アルバムのナンバーから」
 と言った途端、客はサーッと引いてしまう、という。
 結局、客の多くが望んでいるのは(もちろん全員がそうだ、ということではないが)自分の知っている、耳なじみのある曲なのだ。
 これはたまでも時々感じる。今年のはじめまでやっていた「月例会」は常連のお客さんがおそらく半分ぐらいを占めていたが、常連さんはどうしても逆に「いつもと違う物」を求める。新曲があればもちろんそれに越した事はないが、例えば、それが演奏のミスであっても、スムーズにステージが進行していくよりも、喜ぶ傾向がある。
 だからと言って、別に常連さんを責めているわけではもちろんない。自分だって、一時、随分はまって毎回のように見に行っていたバンドがあったが、ハプニングは楽しいものだったし、ハプニングこそ、CDでは味わえない「ライブ」の魅力だったから。そして、そこにそのミュージシャンの「歌だけでは見えない」人間性みたいなものも、見えてきていたから。

 しかし演る側については、難しい問題だ。
 もしも全員が「常連さん」なら、それはそれで即興ぽいことを増やすとか、普段あまりやらない曲を多めに演奏する、とかあるが、「後ろの方にいるお客さん」は、必ずしも常連さんではなく、アンケート等読んでもわかるが「初めて来ました」「10年ぶりに来ました」等のお客さんなのだ。
 ついつい前の席の方に常連さんが多い為、惑わされそうになって、ふざけ過ぎてしまうこともあるが、本来、そういう「後ろの人達」に向けて歌うことの方がやはり大切なのではないか・・・いや、どうなんだろう、と迷うことがある。しかしそういう人たちは、
「良かったけど、もっと昔の曲をやってくれると嬉しかったです」
 という人も多い。が、こちらはなるべく新しい曲を演奏したいし・・・。うーむ、どうしようか、ポール。

 まぁ、結局「バランス」なんだけど、イベントとかに呼ばれると、またその「バランス」もかなり変わってくるので、ひとつひとつ、考えていかなければならない。村の集会場みたいなところや、子供ばかりのお祭り広場みたいなところで、シュールな曲や、おどろおどろしい曲をやっても、ポカンとされるだけだし・・・。あまりにも理解されていないのがわかってしまうと、やっているこっちもきついし。ま、「さよなら人類」「あっけにとられた時のうた」やCMソング等の「世に少しは知られている曲」と、それ以外の曲のギャップがあり過ぎるんだろーけどなー。
 ま、どのバンドでもかかえている問題なんだろうけど。でも、本当に俺達って、「自分達の好きな曲」しか出来ない、ある種の、悪い言葉で言えば「わがままバンド」いい言葉で言えば「こだわりバンド」だからなー。わりと知られている曲でもほとんど演らない「お蔵入り」の曲があったり、かと思うと何かのきっかけで蔵から出してみたら、意外に熟成していい塩梅になっていて、しばらくやり続けたり。
 ま、そんなことを考えたり考えなかったりして、ボチボチやるしかないんだけどねー。でも「新しい物を提供したい」という気持ちは常にあるので、のんびり待ってておくれー。よろしゅうに。

NHKプロジェクト編「アジア古都物語 北京」読む。

8月24日(土)

 ニヒル牛へ久しぶりに行く。後、R君と地中海料理の店でご飯食べて、「DANTE」でコーヒー飲んで、それから「信愛書店」に。ここは、店頭に沼田元気さんの本がコーナーで平積みになっている、という素晴らしい書店だ。小さな書店だが、その他の品揃えも、いちいちこだわりを見せていて、好感が持てた。
 さて、俺は地中海料理は夜8時の朝ご飯だったので「富士そば」で昼食のそば食べて、それから上石神井の西友で晩飯の寿司30%割り引きを買ったら、レジを済ませた途端、
「只今から、寿司を半額セールとします」
 という店内放送があって、オイオイ男泣きに泣いたりした。

 林真理子「食べるたびに、哀しくって」読む。

8月25日(日)

 最近チェーン店で各地に進出している「10分1000円ヘアカット」に行き、1mmで丸狩りにしたら、短かすぎた。どーやら俺は2mmがベストのようだ。

 ということで、ほとんどハゲ頭でマンダラ2に「あかね」のライブを見に行く。普段は腰が重くて、ほとんど人のライブには行かないのだが、3年降りのワンマンとあっちゃ、20年来の友人だ、行かねばならぬだろう。「緑」という曲は最高だった。帰りは、健さん、くす美さんらと台湾料理食う。

 村松友視「カミュの客人」読む。


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