石ヤンのテキトー日記01年9月(2)
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9月30日(日)
昼間はニヒル牛の俺のオーダーメイド作品「ソングフォーユー」の録音、何曲かやる。夜はホームページの更新等。友達の青木さんのホームページ(地下生活者)が、プロバイダが突然倒産し、引っ越しで大わらわだという。他人事じゃないなー。このホームページもなくなったら、復旧は気の遠くなる仕事だなー。
夜中、自転車でシャコシャコシャコーッと漫画喫茶に行き、マッサージチェアでまんずまんず気持ちよか、とパソコン雑誌など読み、帰ろうとしたら、自転車の鍵がない。夜中の3時頃とぼとぼ20分ぐらいかけて家に戻り、また合鍵を持って、幹線道路をひとり歩いて戻る。雨まで降ってきて、なんかわびしい気分満喫。これはこれでね。いいのさ、たまにはね。
高橋尚子がマラソン女子で世界新。イチローが大リーグで、新人安打数の記録を90年ぶりに塗り替える。というふたつのスポーツ界の大偉業がありながら、テレビは長嶋監督引退の映像ばかり。高橋尚子さん、イチローさん、悪い日にあたりましたなー。ご愁傷様。
青木玉「帰りたかった家」読む。
9月29日(土)
しょぼたまライブ。立川のAAカンパニーにて。
「ふくろう」という曲の時、即興で何か音を出すのだが、ふと下を見ると、お店のガムテープが転がっている。咄嗟にそのガムテープを拾い、「ビビッ、ビビッ」とガムテープを引き出す音を効果音とする。と、その結果、引き出したガムテープの行き先がない。ということでそれを体に巻き付けていき、曲が終わる頃にはすっかりミイラ人間一号となっていましたとさ。
この日は、はっきりいって、客の入りがイマイチだった。が、そーいう時って、逆に燃えてしまって「しっかり楽しませるからね!」という気分になってしまい、その結果、やけに3人ともMCの多いライブであった。
Gさんは、金髪で子供の学校の父兄参観に行った話。
知久君は「ズラボー」を被った時は「たま」、坊主丸出しの時は「しょぼたま」と分けている話。
俺は、昔いじめられっ子だったので、ビンタとかされて、ほっぺが今のようにタルタルになってしまった話などした。
リハーサルの前、立川の町をうろついていて、二缶、珍しい缶ジュースを見つけた。ひとつは「みっくちゅじゅーちゅ」という名前のジュース。ううっ、寒すぎて凍え死ぬわーい。もひとつは、普通のコーヒーだが、缶に蓋がついており、その蓋を裏返すと、玉入れゲームがついている、という物。どちらも珍品、俺にとってのお宝なりー。うっしっし。
野田知佑「川へふたたび」読む。
9月28日(金)
しょぼたまリハーサル。および打ち合わせ。
知久君より、「たま」の今後の活動についての提案があり、話し合う。
そもそもバンドも丸17年を経て、年令もそれぞれ40近くなって、ふとまわりを見渡してみると、それだけ長く活動を継続しているバンドは、皆無に近い状態だと気づいた。もちろんメジャーどころでも、サザンオールスターズとかハウンドドックとか、いくつかはあるかもしれないが、それにしてもそんなバンドでも、1年間全くライブをやらない年があったり、ソロプロジェクトで動いていることも多いわけで、こんな風に毎月毎月同じメンバーでライブを17年間もやり続けているバンドは、絶無に近いのではないだろうか。
そして、17年も同じメンツでやって、年も40になれば、普通なら99%は、バンドは解散してしまうことの方が、むしろ自然なのだ。
理由は、マンネリ化・体力、気力の衰え・それぞれの音楽性の変化・メンバー間の微妙な確執等、無数にある。
だが、あえて「たま」は解散しないことにした。
まだこのメンバーで出来る面白いことが残されている気がするからだ。
但し、より新鮮な面白さを得る為、バンドとしての活動は、来年以降、若干ペースダウンする。具体的には、「月例会」の終了だ。
もともと「月例会」は、たまの新曲を練り上げていく一種の「実験の場・お試しの場」としての役割がバンドにとってもっとも大きかったのだが、最近はやはり若い頃に比べて毎月新曲が出来るわけでもないので、その役割は終わったと判断したのだ。
ちなみにまだ不確定な要素はあるが、恒例となっていた大晦日のたまプロデュースのライブも、現段階では考えていない。
なのでおそらく、今年はお台場でのライブがたまのラストライブになる。そして、来年はスケジュールの関係で、1月は月例会があるが、それが最後で、しばらく東京でのライブはないかもしれない。
とは言ったものの、急にまた気が変わって、ライブツアーとかしてしまうかもしれないが、とにかく、ぶっちゃけて言やあ、「俺達、もうあんまり若くない」ということなんだよなー。これはお天道様の摂理なんだからしょーがない。
実は、日記にはあえて心配されると嫌なので書かなかったが、去年の、とあるライブの後、こんなこともあった。
いつものように、自分なりに一所懸命ライブをし、帰宅した。しかしライブのテンションから動悸がなかなか収まらない。そういうことはそれまでも度々あったので「またか」と思ったが、次の日もまだ心臓のあたりが変で、でも、その日も仕事があった為、2日後に医者に行って検査を受けてみた。
一週間後、結果が出た。医者が言った。
「良かったですねぇ」
何が良かったのかわからない俺はポカンとしてたら、医者の口が開いた。
「良かったですねぇ、生きていて。あなた、心筋梗塞で死ぬところでしたよ」
つまり心臓への負荷数値が、正常な人の6倍もあり、これは死んでも不思議ではない数値だということだ。しかもこれはライブが終わって2日経っての数値なのだから、ライブ直後の事を考えると、ゾーッとする。
そして医者に言われた。
「もうあなたは、20代じゃないんですからね。そこをもっと理解して行動してください。20代と同じ事をしていると、命の保証はありませんよ」
つまり俺は今までライブでは、自分の力の100%に近づけるようにライブを行ってきたつもりだが、茫洋と目指していたのは「20代の100%」だったのだ。
人は老いる。
20代の100%は40代では150%となってしまい、「一所懸命やった」対価は「死」なのだ。
やばい、やばすぎるぜー。
ということで、その後も俺は100%の力でライブは続けている。但し、それは「40歳の100%」だ。淋しくてもしょうがない。それが現実なのだ。死んじゃ、元も子もないからなー。
ちなみにそれでも、見た目の俺の動きはあまり変わらないかもしれない。「らんちう」ではちゃんとジャンプもするぜっ。でも心配しないでね。ちゃんと考えて、セーブするところではセーブしてやってるから。「大丈夫かしら」とハラハラしてみられると、かえってやりづらいからな。とにかくちゃんと考えてやってるから。心配は御無用だからねー。
ということなので、たまのライブがあったら、なるべく来て下さい。個々の音楽活動はたぶんそれぞれ続けると思うけど、いつ「たまラストライブ」になるかは、メンバーもわからないですから。数が少なくなった分、一個一個を大切に、ライブやってくので。よろしくねー。
有吉玉青「鏡の中の劇場」読む。
『われわれは、真似をせずして何ができようか。どうして今、われわれは歩けるのか。どうして今、話せるのか。(中略)ちなみに「学ぶ」の語源は「真似ぶ」である』
9月27日(木)
パスカルズのレコーディング、たまのスタジオにて。夜中の2時半終了では、もう帰れない。いくら駅が近くても、この時間に走っているのは、地獄の迷宮行きの特急列車だけだからな。ということで、明日もどうせスタジオに来なくてはならないので、そのまま事務所泊まり。ローソンで焼き鳥とチューハイ買って、チャットをしながら長椅子で寝る。おおっ、大丈夫だ。俺が寝るのは、もう夜が明けてからなので、幽霊の心配はないぞ。安心、安心。
高橋三千綱「卒業」読む。
9月26日(水)
事務所に打ち合わせ等に行く。
朝は、立ち食い蕎麦屋でわかめ蕎麦にコロッケを投入。考えてもミタマヘ。わかめ蕎麦は健康にいいと言うが、それだけでは、具の量として足りなくて、食ったのに腹が減ったままで、ストレスが溜まってやがて死んでしまうのは周知の事実デワナイカ。だからコロッケを入れることで、満腹感を得るのだ。いや・・・本当の事を言うと、それでもまだ所詮蕎麦では満腹にはならないのだが、朝だからとりあえず「そんなところで」と自分を誤魔化すのだ。騙すのだ。敵は身内にあり、だからな。兎にも角にも、ホクホクのジャガイモと、それをくるむ油の衣。ナニ、コロッケ代金80円がなんだと言うのだ! 俺はそんなことでビビるほど小さな人間ではないぞ。ほっほっほっほっほっほ。
テリー伊藤「衝撃の国民大投票」読む。
9月25日(火)
たまってたニヒル牛商品の「ポエムフォーユー」や「お絵かきフォーユー」の為、詩やイラストを作ってポストの口に投函しに行く。カコカコカコと下駄履いて。・・・下駄なんて、誰が履くかっ!!
最近、何故か足が臭い。靴がニホフ。ニホフニホフ。ナンデダ? 脱臭剤とか乾燥剤を入れてもニホフ。ずっとニホフ。ニホフニホフ。ニヨイに弱い俺は、自分ですらウゲゲゲーッと気持ち悪くなる。誰か俺の靴の足の靴の足のニホヒを盗んでくれ!
原田宗典「元祖スバラ式世界」読む。
9月24日(月)
青山マンダラにて、たまの月例会。サポートのアキラさんが、メキシカンハットとポンチョのような衣装で、ますますバンドの衣装コンセプトは混沌の極みに。4人が同じバンドメンバーとは、とうてい思えないだろ。うっしっし。
毎度の「お昼の2時に」の前の即興ブルースは通常、時事ネタをやる事が多いのだが、さすがにニューヨークテロ事件は生々しすぎて客がひくので、てきとーな即興でごまかす。
ワタナベイビーも見にきてくれる。
河出書房新社編集部編「県人評判記」読む。県の地域性比較とか人口とかは、子供の頃から何故か好きなんだよなー。中学生位の時は、日本の市の人口はほぼ知っていたし。・・・しっかしなんであんなこと、覚えたんだろう? 今では自分でもわからない。
9月23日(日)
13回目の結婚記念日。でも何もやらない。そもそも、うちの夫婦は結婚式もやってないし。双方の家族を呼んで食事会をやっただけ。儀式嫌い。めんどーくさいものは俺の体にとても悪いので、健康を損なわない為にね。
70をだいぶ過ぎたうちの親父よりメールあり。ホームページ作ったとのこと。よっぽど暇な人は見てやってつかあさい。老人のはずなのに、俺にはとても出来ない本格的な登山をしている。元気やな~。
松谷みよ子「モモちゃんとアカネちゃん」子供の頃読んだ記憶の、再読。
9月22日(土)
たまのリハーサル。Gさんの髪が、完全に金髪になっていて、びっくり。どーした、Gさん、新手の失恋か? しかし齢40になって金髪の男というのは、一体何の職業に見えるのだろーか。ホスト? ギョーカイの人? 自分の年を勘違いしてしまった痛いヤンキー? 難しい問題だな。とにかくたまは、坊主とカツラ(ズラボー)と金髪のグループなので、今後もよろしくーっ。
竹内久美子「男と女の進化論」読む。
『世に芸術と言われているものを思い浮かべてみてほしい。
オーケストラの大音響や人間拡声器の如きオペラ歌手。キィーキィー、ガーガー、ドスンドスン、不協和音や不快な音だらけの現代音楽。目をひんむいたり、いきなり大声をあげてみたりの新劇、歌舞伎、暗黒舞踏。原色の飛び交うキャンパスに奇怪なオブジェ・・・。
さて、これらのものが脅しでないとしたら何であろうか。
芸術は威嚇なのだ!』
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