石ヤンのテキトー日記01年5月(1)

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5月21日(月)

 青山で芝居の顔合わせ。「北の国から」のホタルちゃんでおなじみの中嶋朋子さん、元・光ゲンジなので、実はテレビの音楽番組とかで何度か共演したことのある佐藤アツヒロ君、それからテレビでおなじみの近藤芳正さん、内田紳一郎さん、ナイロンの三宅君に村岡さんなど。初めての人も懐かしい人もごちゃまぜで挨拶。
 さて、その後、肝心の台本が配られた。一体、どんな役で、どんなことをやらされるのか!?。興味津々なところだ。ところが、配られた紙はたった一枚。ト書きで舞台の様子が書かれていて、そして最後の1行は、こうだった。
「・・・・開幕。」
 ・・・そりゃー、開幕するだろうよ、芝居なんだから!
 と全員の無言の突っ込みを受けながら、どうやらこれも毎度のこと、芝居の稽古とともに台本は出来上がっていくようだ。なので、「今度の芝居はどんな感じなんですか?」とは聞いてくれるな。ケラの頭の中以外は、誰も何も知らない、ということなのだから・・・。
 後、メンバーとマネージャーで八王子の事務所に行って、バリツアーとかの打ち合わせ。

 鷺沢萌「君はこの国を好きか」読む。在日朝鮮人3世の葛藤。

5月20日(日)

 R君と新宿にデート。でも、デートっていっても、一緒に家出てるんだから、本当は「待ち合わせ」という意味の本来のデートじゃ全然ないな。
 チェコの映像詩人・ヤン・シュヴァンクマイエルの映画を見る。「シュヴァルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック」という作品と「オトラントの城」というのが特に好きだった。「シュヴァルツェヴァルト氏~」の方は木彫りの人形がふたり(?)、手品合戦をする、というもので、顔がふたつにパカッと割れてヴァイオリンが出てくるところが良かった。「オトラントの城」は、「巨人が住んでいた城を探し当てた」というテレビのドキュメンタリー取材風で、合間に出て来る本の挿し絵が切り絵になって動きだしたりして、これも良かった。実はたまのファンの方にチェコ映画の招聘関係者がいて、いつもチケットをもらうのだが、前回の「パットとマット」というコメディ人形劇も良かったし、また、さり気なく出て来るチェコの風景が、なんともいえず枯れ果てたヨーロッパという感じで、胸にくるものがある。チェコには、是非一度行ってみたい。

 後、ドンキホーテを見てまわり、マクドナルドで若者に混じってシェイク飲んで、インド料理屋でカレー食って、漫画喫茶のマッサージ・チェアで締めた。

 谷村志穂「サッド・カフェで朝食を」読む。

5月19日(土)

 すごろく旅行原稿書き等。

 久住昌之「タキモトの世界」読む。たまも10年くらい前に一度お世話になったことのあるカメラマン、滝本淳助さんの日常のちょっと風変わりな視点を、久住さんが見逃さない。
「夜っておかしいよね。だって一軒一軒の家の中に、寝ている人がずらーっと入っているんだもんね」
 この「入っている」というところの感性が、実に映像的におかしい。

5月18日(金)

 朝、寝ぼけ眼で布団の中から「点耳薬つけなきゃ・・・」と思って手を伸ばすと、枕元に薬があったのでそれを耳に垂らす。このまま3分、薬が耳の中まで染み込むまでじっとしていなければならない。そのまま寝たままの姿勢で動かずにこらえて、「ふーっ」と一息、「さて、起きるか」と起きあがって、ふと横を見ると、俺の点耳薬が、反対側の方に転がっている。
「えっ!?」
 と思ってさきほどの薬を見てみると・・・なんとR君のコンタクト用の目薬! うぎゃあっ! 耳にしこたま目薬を染み込ませてしまった! だってまったく同じ瓶の形なんだもんなぁ・・・。くそぉ。
 てなことで、耳鼻科にはそのことは内緒にして、ミニバキュームのような機械で、耳の奥の垢を取ってもらう。看護婦さんが、
「ほら、こんなに取れたわよ」
 という感じでその耳垢を俺に見せてくれる。が、なんとなく、
「おぉ汚い。おまえはこんなに汚い牡豚野郎なんだよ!」
 とSMの女王様に言われているよーな妙な気がした。

 小林信彦「紳士同盟」読む。

5月17日(木)

 今度のマキシシングルに入れる予定の、俺の古い曲「汽車には誰も乗っていない」のボーカル録り、及びメリィさんのアルバムの曲におもちゃの音入れなど。たまのスタジオでレコーディング。

 深田祐介「ドジ添乗員物語」読む。

5月16日(水)

 昼は田町のスタジオで、たまのメンバーで芝居のパンフレット用スチール写真撮り。それから京浜東北線に乗り、大宮のHeartsというライブハウスでしょぼたまライブ。当初はハシケンとふたつの対バンだと思っていたのが、5組みも出るイベントになっていて、びっくり。中には、元「KUSU KUSU」のボーカルの人がやっているバンドもあって、10年振りぐらいで共演したが、さすがに名乗られるまで顔はわからなかったなー。やっぱ、「KUSU KUSU」はほっぺに色塗っといてくれないとな。俺は10年経っても、相変わらずランニングなんだから。

 晩飯にラーメンを食うが、左耳が、口内の音がクチャクチャ聞こえてヤーナ感じ。自分の声も、外からと内からと半々に聞こえて来て、ミョーな感じ。始めてテープレコーダーで自分の声を聞いた時のような「こっ、これが俺の声!?」ってな、あの感じ。あー、耳鼻科の先生よ、早くブツを取ってくれーい。
 帰りは宗像君とオマちゃんの車に乗って、深夜、川口の健さんの家にちょいと寄ってから帰る。

 田島征彦「くちたんばのんのんき」読む。

  5月15日(火)

 きのうから、左耳がよく聴こえなくなってしまった。飛行機の高度が上がると、聴こえなくなるあの感じだ。実は、数カ月前からたまに左耳を下に押し当てて寝ると、その状態に瞬間的になることはあったのだが、耳タブをキュイーーーーンと下に引っ張ると元に戻っていたので、放っておいたのだ。それが遂にずっと聴こえづらくなってしまった。しょーがないので近所の耳鼻科へ。と、医者は、
「あぁ・・・耳垢がたまってますね」
 のひと言。
「えっ・・・耳かきとか、普通にしているはずなんですけど・・・」
 と少々顔を赤らめながら弁解すると、
「いやいや。素人の人が耳かきで取れるような場所じゃなくて、もっと奥の方です。しかも、こりゃ、すごく固いヤツがセメントのようになってますね。も、ガチガチですよ。3日間ぐらい点耳薬で徐々に柔らかくしてからじゃないと、今すぐには取れませんね」
 と言われる。しょーがないので薬もらって帰る。
 念のためもう一度言っておくが、俺は耳掃除は結構きもち良くて好きなので、こまめにやってるからね。
「ぐへへへ。耳、何ヶ月も掃除しないで、すっごくでかい耳垢を溜めて出そうっと。うふふふふ。」
 なんて趣味はないからね。・・・まぁ、でかいのが出た時は「うわわっ!」とか思いながら、何故かちょいと嬉しくなってしまう事実がないとは言えないが・・・。

 常盤新平「川あかりの街」読む。

5月14日(月)

 すごろく旅行の原稿書き。を、しなくっちゃあぁぁぁぁーーーーと思っているうちにそのわずかなプレッシャーに耐えきれず、布団にもぐって二度寝してしまうか弱い俺。起きたら夕方で、渋々執筆。ま、執筆ってほどたいそーなもんじゃないけどなー。

 R君と肩凝り老夫婦で整体行ったら、たまたま前の道を通ったクニちゃんが「何してんのよー、ふたりでぇ」と顔を出したので、これも何かの縁と、近くのエスニック甘味屋へ。甘味屋なのに何故か俺は角煮定食食べている。お店の人よ、CDにサインするのは全然かまわないけど、こっそり外に出て携帯から「おいおい、今、たまのランニングが店に来てるから、見にこいよー! 早く、早くーっ!」と友達をたくさん店に呼ぶのは、恥ずかしいから、やめとくれー。

 井伏鱒二「井伏鱒二対談選」読む。

5月13日(日)

 ライオン・メリィさんの新しいCDにたまが参加。そのレコーディングをたまのスタジオで行う。なんと、ブルースのアルバムだ。メリィさんとブルース・・・異色のアルバムになりそうで、楽しみ也。

 佐野洋子「猫ばっか」読む。

5月12日(土)

 R君と自転車で散歩。となり町で「旬の市」というのをやっているので見にいったが、フリーマーケットとか、素人が全然いなくて「売れない商店主がこぞって集まり、フリーマーケットのふりした店頭セールでごじゃります~」で、なんとも期待はずれ。
 ステージでは、今どき「マイケルジャクソンそっくりショー」をやっていて、ムーンウォークとかしているので、逆に目が釘付けになってしまった。スイスイッてあんた、懐かしくて涙チョチョ切れますよー。お祭り広場では「長谷川宣伝社」のチンドンショー。老婆3姉妹で、長女だけが苗字が変わって独立していることが司会の紹介でわかってしまい、つまりはあとのふたりはお嫁に行けなかったんだなぁと、ここでもその人生に涙チョチョ切れる。チンチンドンドンチンドンドン。
 それからR君の実家に寄り、寿司や、ローズマリーで焼いたピザなどごちそうになる。

 夜、「サウスパーク」というブラックなアニメビデオを見る。アニメの前に制作者の男ふたりが作品紹介するのだが、わざとふたりがただならぬ関係で、「ふふふふっ」とお互い見つめあうホモセクシャルを演じていて、そこがアニメ以上に馬鹿馬鹿しくて好きだった。ふたりの撫でている犬が、いつのまにかいろんな犬にすり変わっているのもくだらなかった。

 椎名誠「中国の鳥人」読む。

5月11日(金)

 レコーディング。しかし自分の出番は結局この日はなし。ひと楽器ずつ録っているので、意外に空き時間があることもあるのだ。

 北杜夫「大日本帝国スーパーマン」読む。
『人類には、もとより、愛とか平和とかを大切にする本能はある。しかし、その血の深部には、残虐性とか喧嘩好きとか戦争をおっ始めたがる本能のほうが、より濃いのではあるまいか』

5月10日(木)

 本日もレコーディング。曲はまだヒ・ミ・ツ?

 阿部公房「笑う月」読む。夢的イマジネーション面白い。
『弱者への愛には、いつだって殺意がこめられている』

5月9日(水)

 夏に出すマキシシングルのレコーディング開始。たまのスタジオにて。

 録画しておいた「雷波少年」で「鉄棒少女」というのに出ている女の子がいて、いつも舌ったらずな喋り方をしているのだが、腕が痛いとかで緊急で病院に行った時だけ、一瞬医者にだけは、つい素になって全然違う口調で「はいっ!」とか言って、あわてて喋り方をいつものテレビ用のに直しているのがおかしかった。マルクスブラザーズの映画でも、いつもおとぼけのハーポが、ハープを弾く時だけ、顔がまじになって聡明そうになってしまうのを思いだして笑ってしまった。素がつい見えてしまうことで、逆に、他の部分は全部演技でがんばってるんだなー、みんな大変なんだなー、と思った。

 稲葉真弓「エンドレス・ワルツ」読む。日本のシド&ナンシーこと、ジャズマンの阿倍薫と作家の鈴木いづみのセミ・ドキュメント。俺のまわりにも、結構破滅型のミュージシャンやアーティストがいるので、他人事とは思えなく読んでしまった。でもやっぱりドラッグはヤバイよなー。俺は人に怒られるのがとにかくなにより嫌なので、絶対その関係はやらないけど、煙草より害のないマリファナぐらい、いい加減政府も認めたらどーかねー、とも思う。オランダのように合法的な国もあるんだし。でも逆にイスラム教の国では、酒を飲んだだけで死刑、という国もあるんだよなー。法律って、変だよなー。

5月8日(火)

 本日は大阪から帰宅するだけなので、まっすぐ帰る他のメンバーと別れて、せっかくなのでひとりで散歩。JRの寺田町という駅で降り、ふらふら歩いて、何線かわからないが、河掘口駅、美章園駅などを通って、天王寺に戻るコースを歩いた。散歩途中、目についた物。
 「理容 男まえ」は必ず男前になれるのか?
 くずれかけたような家が立ち並ぶ一角。なんかかっこいい。
 「美章園駅にエレベーター、エスカレーターの設置を求める総会」の貼紙は何故か中華料理「喜楽」の前だけに貼られている。ひとり相撲?
 「アポロ文具」には大きな紙で「大工用・赤鉛筆あります」と大書。そんなに需要があるのか?
 小さな「美章園稲荷神社」は不自然に「立入禁止」になっている。別に工事をやっているとかそういう雰囲気はなく、わけがわからない。なにか立ち入ると恐ろしいことでもあるのか!?
 「ステージ喫茶・サンフラワー」は誰でも自由にステージに立てるのか?
 ガンショップでウインドウに飾ってあったエアーガンが「10才用」と書いてあったが、9才や11才は持ってはいけないのか?
 喫茶「フルフル」で、しょうが焼き定食のブランチ。おばさんがひとりで切り盛りしている店だが、そのおばさんはずっと独り言を言い続け、鼻歌を歌い続けていたが、大阪では普通の光景なのだろーか?
 と数々の疑問をもちながら、新幹線で帰京。

 渡辺淳一「風のように・みんな大変」を読む。

5月7日(月)

 朝10時にホテルはチェックアウトしなければならないが(日本だけだぞ、こんなに早いのは!! 世の中の人がみんなビジネスマンだと思ってるのか。俺はいつも昼までブイブイ寝てるんで、寝不足になるんじゃーっ!!)、会場入りは午後なので、それまでGさんや川口君達と漫画喫茶へ行って時間潰す。せっかく大阪にいるので、どおくまんの漫画を読んで、浪速っぽい気分になる。

 扇町ミュージアムプラザという芝居小屋でしょぼたまライブ。俺の鍋が2回も落ち、Gさんは歌っている途中で声がハラホロヒレハラになり、知久君は最後をしめる「ハル」でハーモニカだけの担当なのに、そのハーモニカを東京に忘れてしまい、ウクレレでお茶を濁すというハプニング満載のライブだったが、HONZIも即興で9曲ぐらい一緒にやってくれて、東京でも見られない珍しいセッション・ライブになった。

 エスニック風のバーで打ち上げ。ライブを主催してくれた元・レッドライオンの岸田君の声のトーンは相変わらず「どっから声出してるねんっ!」というほどに高いなー。

 小林信彦「悲しい色やねん」読む。

5月6日(日)

 朝一で起きて、大阪へ。服部緑地公園で行われる「春一番」コンサートにしょぼたまで出演する為だ。「春一番」は伝統のあるフォーク・イベントで、今回たまは初参加。
「お昼前までに入って下さい」
 と言われたので朝一で来たのだが、出演者表見てみたら、出演は夕方5時半じゃないか~。しかも押して、結局7時近く。最初は「30分くらい」と聞いていたので曲目もだいたい考えていたのだが、進行表ではセッティング込み20分。ということは、演奏時間は15分じゃーい。もっとも、1日で25組(!)も出るんじゃしょーがないけど。ということで、3曲しか出来ないので、初めはひとり1曲ずつやろうかとも思ったが、イメージがわかりづらくなりそうなので、今回は知久君のボーカル曲だけでやることにする。

 でもおかげで、いろんな人達のライブを観れた。PANTAさん、遠藤ミチロウさん、中川五郎さんなど。でも結局ついつい見てしまったのはコミックバンド的要素の強い「赤犬」の青田赤道の真似、チョンワ、チョンワー!! と、「アチャコ一座」の
「♪ムチャクチャでっせ、ムチャでっせ~」
 という曲だった。はっきり言って、真面目なフォークソングは長く聞いていると、飽きる。でもなんでも一日中聞いてりゃ、飽きるかー。

 打ち上げで「明日もライブだー」と言っていたら、一緒にいたHONZI(バイオリニスト)が、
「あたしも、出る!」
 ということで、急遽飛び入りゲストに決定。

 ホテルのフロントで売っている週刊誌が何故か「全品100円」なのが気になる。まさか、電車の中で拾ってきたのを売っているわけではあるまいし・・・謎のサービスだ。

 殿谷みな子「アローン・トゥギャザー」読む。

5月5日(土)

 「おかあさんといっしょファミリーコンサート」最終日。久しぶりに、子供達の素直でダイレクトな反応があって、本来のたまの歌とは少し違うけど、面白い感触を得た。しっかし、本来バリバリのアングラ音楽が好みの俺達が子供の為にニコヤカに童謡調の歌を歌っているなんて、詐欺みたいなもの? まぁ、いいやな。人間、いろんな側面があって。これも楽しあれも楽し。
 コンサートの打ち上げでも「あるぴの」や「ハオハオ」を演奏。ヤンヤの喝采嬉しい。

 荷物があったので、タクシー券をもらい、タクシーで帰宅。家までは1万8千円ぐらいかかった。でも1万8千円・・・本当はその分、現金でもらって、電車で帰りたかったなー。そうしたら、安いプリンタぐらい買えたのになー。なんてあんまり本音言うと何も出してもらえなくなるので、うううう嘘でーす、ありがとうNHKさん! と言っておこう。

 中島らも「こらっ」読む。

5月4日(金)

 朝、5時半に起きてしまったので、「ニヒル牛」インターネット部門の更新等の作業やる。
 それからNHKホールに出かけると、楽屋で、車で来ている人達がみんな怒っている。なんでも、駐車場の管理人と、全員がそれぞれトラブルがあったと言っていた。
「嘘を教えられた」
「人によって言うことが全員違う」
「言い方があまりにもひどいので、殴ってしまうところだった」
 とおだやかでない。
 NHKのガードマンさんよ、そういう意見も多いので一考を。俺は車、乗らないから直接関係ないけど、あまり「お役所風」吹かすのはまずいと思うなー。

 コンサートは無事ニ回公演。本日はテレビの撮影収録もあったので、みなちょっとだけ緊張。

 「ライオン」で例のごとく読書してから、夜は西荻のニヒル牛へ。Tシャツフェアの様子など見てくる。ウインドウディスプレイの段ボールで作った山中奈緒子さんの銭湯は、ディテールが凝っていて、子供が毎日覗いていくという。週に2度ずつぐらい変化があるので、
「あっ、ここが変わった! 変な人がお尻出してお風呂入ってるー!」
「こんなところに良く見るとこんな物が置いてあるー!」
 と人気なのだそうだ。庶民的アートギャラリーの真骨頂だな。近々「ガチャガチャ」も店頭に置かれる予定だしな。もちろんカプセルに入って出てくるのは、ニヒル牛作家の作ったアート作品だ。100円のアート作品。

 本当は妻のR君とまっすぐ帰る予定だったけど、義姉の亜古ヤンが来ているとあっちゃあ、素面で帰れるわけがねえ。そんなわけはねえ。ということで、近所に新しくオープンした「太陽食堂」というエスニックの店へ3人でランランとでかける。テーブルの上に、「ひまわりの種」が食べ放題で置いてあるのが良い。ラフティやアボガドサラダなど食べつつ、いいちこのボトル入れていい気分。

 藤原審爾「三行人生」読む。

5月3日(木)

 今日より3日間、6公演の「おかあさんといっしょファミリーコンサート」。お客が子供達が中心なので、午前の部と午後の部なので、楽屋入りが8時半と早い。俺は6時起きだ。1回のコンサートは1時間強で、たまは7~8分ずつ、2回の出演シーン。曲を5,6曲やる。楽器ごと引き枠のセットに乗ってゴロゴロ登場するので、足を「フンムッ!」とふんばっていないと、こけて格好悪いことになる。
 着ぐるみの人は、中が相当暑いらしく、袖に引っ込む度に頭を取って、扇風機でヒューヒューと放熱していた。
 歌のお兄さんもさすがに連日のリハーサルで疲れたのか、公演の合間には、廊下の長椅子のところでバテて横になっていたが、俺が横を通っただけで、顔をあげてニッコリ笑い、「お疲れさまです」と丁寧にお辞儀をしてくれる。俺なんかに愛想を使わないでいいから、本番までゆっくり休んでくださいー、と言いたかった。

 帰宅後、すごろく旅行原稿書きをし、それからひとり「鬼無里」に行ってビール飲みながら村上春樹「パン屋再来襲」読む。

5月2日(水)

 「おかあさんといっしょファミリーコンサート」ゲネプロ、NHKホールにて。ゲネプロとは、衣装等も全部つけ、本番と全く同じように行うリハーサルのことだ。
 ここで、マネージャーがプロデューサーにお願いをした。
「石川のランニングですが、やはり白の方が良いのでは・・・カラフルなステージということはわかりますが、何か赤のランニングは、違う物になっている感じなので・・・それに、全体がカラフルなセットなので、かえって白の方がコントラストがはっきりするんじゃないですか」
 と、プロデューサーはしばし考えてから、
「そうですね。それじゃ、白でいってみましょうか」
 ということで、無事俺のアイデンティティ(?)は守られた。めでたし、めでたし。マネージャーの溝端さんよ、ありがとう。

 根深誠「風の冥想ヒマラヤ」読む。

5月1日(火)

 「おかあさんといっしょファミリーコンサート」のリハーサルでNHK301スタジオへ。着ぐるみの人たちは、素顔でも、常にその着ぐるみがする感情表現を誇張して顔で表す動きをしていて、
「どーせ、見えないんだから、顔をそこまでクチャクチャにしなくても・・・」
 と思った。
 おにいさんやおねえさんや、子役の人達も、100%を越えてしまった笑顔を見せることがあり、デフォルメ表現は俺も常にステージの上でしていることなので、人のことはいえないが、持続させる笑顔というものは、7~80%に抑えておかないと、そのうちビョーキになるぞ。もっともテレビというメディアでは、普通の顔をしていても「なんか不機嫌なんですか」と言われることがあるくらい、「笑顔で当然のパラダイス国」なので仕方ないかもしれないが・・・。

 ところでこのコンサートには、着ぐるみの人達が4人と、子役が10人くらいと、それからおなじみの歌のおにいさん、歌のお姉さん、体操のお兄さん、そしてもうひとりお姉さんがでるのですが、さて、それは何のお姉さんでしょうか。
 ブー・・・はずれです。「体操のお姉さん」ではありません。答えは「デ・ポンのお姉さん」です。パンフレットにもちゃんとそのように、書いてあります。
 でもさも当然のように書いてあるので、
「あぁ、デ・ポンのお姉さんね・・・。」
(デ・ポン・・・何か、インドネシアかなにかの踊りだろうか・・・)
 そう思ったが、俺だけが知らない常識かもしれないので、黙ってた。
 ところがその後、家に帰ってインターネットの辞書やなにかで調べても、全然わからない。
「デ・ポン」で検索しても、出てくるのは、その「あかあさんといっしょ」そのものと、あとはデコポンばかりだ。熊本県産の果実のお姉さん、と言われてもわけわからんしなー。
 でもとにかく、自己紹介の時も、
「デ・ポンのお姉さんでーす」
 と言って子供達が拍手してるんだから、子供達にはきっとわかってるんだな。
 おーい、誰か、「デ・ポン」とは何か、教えてくれーい!! 夜も眠れんわーい!

 夜はおなじみ「名曲喫茶ライオン」で読書。玉岡かおる「捨て色」読む。


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