石ヤンのテキトー日記01年5月(2)

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5月31日(木)

 昼はバリの州都・デンパサールの町へ、みんなでお買い物へ。スーパーなどを見てまわる。日本ものでは、ドラえもんと、クレヨンしんちゃんが席巻していた。ピカチュウもちょっとだけいた。俺は相も変わらず、コレクションの缶ジュースをしこたま買い込み、バッグが重い。昼は300円のスーパーの中のレストランのバイキング、夜はポピーズというレストランで食事。

 夜中、ホテルのプールへファンの人達と行くと、なんとプールの片隅では、俺達がいるというのに、西洋人のカップルが、接吻や、それ以上のことをしている。いかんなー。ちなみに、このツアーには、この旅行を新婚旅行としているカップルもいたが、プールからはさっさと出ていったようだ。きっと、西洋人のように、接吻や、それ以上のことをする気だな。くそぉ。うらやましいなぁーっ。

 プールの中で、女の人には胸パッドが堂々とまかり通っているのに、男には何故ちんちんパッドがないのか、という話しになった。よしんばそんな物をつけていたとしたら、完全に変態とみなされる。どちらも、結局は異性を意識した、性差部分の強調なのに、何故ちんちんパッドはないのだろうか。女性の方が、性的なことは進んでいる、ということだろうか・・・。謎だ。

 藤本義一「百円オペラ」読む。

5月30日(水)

 バリへ。ファンとのツアー。今まで海外のファンツアーは3回ほどやったが、いづれもミュージックフェスティバルやジョイントライブなどであったが、今回は、純粋に遊びだけのツアー。たまには南国で骨抜きにならんとな~。ということで、フニャフニャモードで行く。

 現地に着いたのは夜。ホテル、プトゥリ・バリは結構豪華な感じ。早速夜遊びに繰り出そうと思ったが、すでに11時。ほとんどのホテルの近くの店が終っているという。しかし初日は、海綿体、いやさ体もなんとなく充血していて、到底そのままクークーとやすらかに眠る気になるほど、俺たちゃジジイじゃない。まぁ、本当はジジイだが・・・。フロント近くにいた何人かのファンの人々と、出かけることにする。フロントボーイにマネージャーが聞くと、近くのカラオケバーならやっているとのこと。この際、何でもいいやー、ということになり、その店の車が迎えにきてくれることに。10分後、車はその店に横付けに。しかしその時、誰もが思った。
「ヤ・ヤバそうな店じゃねえか・・・」
 店はネオンサインだけがやけにケバイが、入り口は暗く、ガラの悪そうな店員が、けだるそうにたむろしている感じ。普段だったら絶対に入らないが、なんせ店の車で乗り付けているので、逃げるに逃げられない。とりあえず、中に入ると、どんどん奥へと薦められる。これではさらに逃げられない。小便くさい部屋へと案内され、そして言われた。
「ひとり1ドリンク付き3000円ね」
「ぬぁにいぃぃぃぃっー!!」
 瞬間、ボッタクられた、と思った。なにせバリの物価は、日本のだいたい5分の1なのだ。ということはひとり1万5千円かいっ!! 日本のカラオケボックスですら、そんなに高いところはないぞーっ。しかしまぁ、3000円というのはボッタクリと「日本人価格」のどちらともとれる絶妙な値段だ。むむむっ。とにかく逃げることは出来ない。でも3000円程度で屈強な兄さん達に凄まれたり、そして縛られたり、さらに刷毛で乳首やへその穴をコチョコチョやられたりしたら、まったく割に合わない。そりゃあ、割に合わない。しかしマネージャーの溝端さんが、意を決して、
「2000円!」
 と言うと、あっさり、
「・・・それでいいよ~」
 なんじゃい、ボッタクリ店でも値引きが効くんかいっ!!
 もしくは、とりあえず反応を見るためだけに3000円と言ったのかもしれない。くくく、とすると、もっと安く言っておけば良かったと思ったが、交渉成立してしまったのでしょうがない。
 しかしそれはともかく、その小便臭い個室は、どこもバリっぽくない。初めての南国の夜だというのに、何故「さよなら人類」のカラオケ観とるんじゃーっ。何故、俺と知久君は「津軽海峡冬景色」を熱唱しとるんじゃーっ。何故、部屋に勝手に入ってきたインドネシア人のホステスが、インドネシアの歌謡曲を楽しそうに腰をふりふり歌っとるんじゃーっ。と、いくつもの「じゃーっ!」をこだまさせながら、バリ初日の夜はふけていった・・・。

 阿刀田高「東京25時」読む。

5月29日(火)

 明日からバリに行くので、その間に〆切りのくる、すごろく旅行の原稿2本ヒーコラ書く。そして旅行準備。図書館でガイドブックを借り、まだ一応「何の意味もない、孤独な1日1册読書ラリー」を去年の10月頃から続けているので、バリ用に文庫本も10册ぐらい入れる。南国でのんびり読書をするニャ~。

 つか・こうへい「ハゲ・デブ殺人事件」読む。

5月28日(月)

 マンダラ2にて、たまの月例会。HONZIがゲストでヴァイオリンを弾いてくれた。ちょうど俺の真ん前の立ち位置で、弾きながら、腰をクイックイ俺の目の前で動かすので、俺をライブ中に激しく誘惑しているのかと思ったが、そうではなく単なるクセだという。本当かな~。あの腰つき。かなり鋭角的に揺れていたぞ~。誘惑じゃなくて、あんなに鋭角に揺れるものかな~、腰っていうものは。
 ミスも続出。ただ、練習不足というより、年で歌詞やコードをド忘れ、という感じで、こいつはいくらリハーサルをしても、記憶容量が小さくなってしまってるから、どーしよーもねー、という感じで情けねぇーっ。リハーサルではちゃんと出来ていることが、本番でいきなりすっぽり真っ白になってしまう。別に緊張しているわけではないのに。ま、新曲とか一切作らないで、スタンダードだけやってりゃいいんだろーけど。弁解とかいうわけじゃなくて、本当に年を取るというのはこういうことなんだなー、と実感。なのでお客さん、その辺、おおめに見てやってくだせえなー。
 GさんとHONZIだけの「ワンピース」というデュオや、いきなり振って知久君がバーブ佐竹の「青いゴムゾウリ」をやったりしたので、ライブ的には面白かったのでは。
 「おかあさんといっしょ」の歌のおねえさんや、デ・ポンのおねえさん、着ぐるみの中の人達も観にきてくれた。

 林望「幻の旅」読む。この人はイラストもうまいなー。

  5月27日(日)

 たまのリハーサル。最近は、本家の「たま」よりも「しょぼたま」の方がライブの回数が多いので、しっかりリハーサルしとかないとな。どんどん忘れていくからな。サポートはアキラさん。

 山本昌代「デンデラ野」読む。姥捨ての話。

5月26日(土)

 すごろく旅行原稿書き。

 近藤史恵「この島でいちばん高いところ」読む。

5月25日(金)

 本日もアダチ宣伝社とレコーディング。今回は1曲だけの参加だが、将来的には、ミニアルバムぐらい一緒に出来れば面白いね、ということで何曲か候補曲のデモテープを録っておく。
 そして明日は愛知県の一宮の方でチンドンフェスティバルがあるそうだが、メンバーの女の子が突如、
「でも、○○君はヤリチンで、福岡に帰るんだよね!」
 と無邪気に言ったので驚いた。ヤッ、ヤリチンって、あんた・・・。
 と思ったらどうやら、「ヤリチン」というのはチンドン屋用語で「ひとりで行く営業」のことらしい。まっ、まさか、女の人がひとりで行く場合は・・・。いや、なんでもないです。

 中島らも「恋は底ぢから」読む。

5月24日(木)

 アダチ宣伝社とレコーディング。アダチ宣伝社は今年の「全日本チンドンコンクール」で優勝した、つまりは日本一のチンドン屋だ。元々アダチさんは「たけのうちカルテット」というプログレバンドをやっていて(他のメンバーは今、「エレキはちまき」というバンドをやっているらしい)、他のメンバーも音大を出たりしている、バリバリのチンドン屋だ。そのアダチ宣伝社に、この夏に出すたまのマキシシングルに1曲参加してもらう為、やってきてもらったのだ。たまとチンドン屋。その絶妙なコンビネーションは、8月発売予定の、同CDで是非聞いてね。

 泉麻人「丸の内アフター5」読む。

5月23日(水)

 芝居稽古。渋谷の駅でちょうど前を知久君が歩いていたので、ドンッとヤクザのように肩をぶつけておどかしてやる。知久君はびくびくしながら、「ビビらせんなよ~」とか言っていた。
 稽古場に着くと、Gさんが買ってきたサンドイッチを食おうとして「あっ!!」と言っている。なにかと見てみると、そのサンドイッチは真ん中にトマトが挟まったサンドイッチで、Gさんは生のトマトが大の苦手なのだ。どうやら間違って隣のサンドイッチを買ってしまったらしい。でも大人なんだから、そんなトマトの破片ぐらいパクッといってしまうと思ったら、ていねいにサンドイッチを剥がし、トマト除去作業を行っている。そしてトマトをこわごわ脇に貼付けている。おいおい、トマトは噛み付きゃしねーから、そんなにビクビクするなよー。だけどGさんは何故かトマトジュースは好物なんだよなー。おかしな奴だなー。

 稽古終了後、ナイロンの新人君たちと5時間ぐらい居酒屋で飲む。400人ぐらい受けて、20人ぐらい合格になったといっていたから、20倍くらいの競争率のオーディションを突破してきたつわもの達だ。でも最初は出番なんてほとんどなく、裏作業の手伝いとかばかりなんだろーなー。やっぱ演劇は好きじゃないと、なかなか続かないもんな。さて、5年後に何人残っているか。ま、がんばってくれやー。

 森瑤子「愛の予感」読む。

5月22日(火)

 芝居稽古。芝居で使われる予定のたまの曲のコーラスの練習など。それから、まだ台本があまり出来てないので、出演者の名前をお互い円形になって言い合うゲームみたいなことをする。人の顔と名前を覚えるのが苦手な俺は、結構ドキドキ。ナイロンの新人君たちもいるので、10数人の人がお互いの名前を呼び合いながら場所を移動していくのだが、俺は新人君たち6人ぐらいを「服」で「このTシャツの人は北野君」とか覚えて呼んだが、よく考えてみりゃ、今後、服代えられたらわからないじゃないか。俺は馬鹿か。おいおい新人君たち、今後も同じ服を着続けてくれい。
 でも本当に問題なのは、ベテランの人たちだ。新人君たちは、例え名前を忘れても笑ってすませられるが、ベテランの人の名前が咄嗟に出なかったら、相手のプライドを傷つけてしまうことにもなりかねない。ということで「中嶋さん」「アツヒロ君」「近藤さん」などは、気をつけて呼んだ。

 三浦哲郎「野」読む。読み終わりそうになかったので、わざと遅い各駅停車の電車に乗って帰る。なんといっても、電車の中が一番の読書空間だからな。


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