石ヤンのテキトー日記00年12月(1)

文章中の文字の色の違うところをクリックすると写真や詳細が見られるぞ。



12月31日(日)

 たまプレゼンツ「トーキョースットンキョーvol4」マンダラ2にて。オールナイトライブ。出演は順に、石川浩司+突然段ボールwithおにんこダンサーズ、知久寿焼+JON(犬)、滝本晃司+坂本弘道+斉藤哲也、大谷氏+とっちゃん+石川浩司+知久寿焼、原マスミ+たま、たま。ちなみにたまのサポートは昨日も書いたように斉藤哲也。
 俺は最初の出番だったので、今世紀最後の景気付けをすることにした。『真剣な会議の真只中で全裸~』という歌詞で始まる歌が一曲目だったこともあり、真剣な会議ではなく、真剣なステージだったが、全裸になることにした。もちろん日本の法律は遵守せねばいけないので、棒・袋・毛はきちんとアルミのゴミ缶で隠しながら、カッコよくお尻ふりふり歌った。Gさんが、
「足のところにひっかかったままのパンツが情けなさそうに揺れているのが、良かったよ」
 と誉めてくれた。
 3時頃ライブは終了、中華料理屋で朝まで打ち上げ。

 灰谷健次郎「ワルのポケット」読む。

12月30日(土)

 明日の為のたま、及び原(マスミ)さんのリハーサル。久しぶりのサイトー君と。サイトー君は今年の3月を持って「たまのサポート終了宣言」をしたのだが、原さんと大晦日にやることになり、そのセッションはサイトー君しかやってないので、他の人をサポートにすると、曲を教えるリハーサルの為、2,3日必要になってしまうが、そんな時間はどこにもないので、ダメモトでサイトー君に電話してみたら、いともあっさりと「いいよ!」の答え。そしてさらに念のため、聞いてみた。
「たまのサポートは、駄目だよね・・・」
 すると、
「あっ、やるやる。何でもやるよ、俺!」
 って、あの宣言はなんだったんじゃーい!! と思ったが、ともかくやってくれるなら、それに越した事はない。サイトー君は基本的にたまの曲はほとんどサポートした事があるので、教える手間もいらずに、こちらは大助かりなのだ。それにしても、9ヶ月で復帰とは、こりゃまたなんてカッコワルクテカッコヨイのだ。キーボーディストはすべからく、そのぐらいイイカゲンじゃないとな。ブラボーだぜ、サイトー君!! (マジ)

 夜、テレビで大好きだった「やっぱり猫が好き」の新作をやっていたので見ると、なんと脚本をケラさん(ケラリーノ・サンドロヴイッチ)がやっている。随所にケラさんらしい台詞が出てきて、思わずニヤニヤしてしまう。
 それから、昔の映像でワハハ本舗が出ていたが、久本雅美がカワイコちゃんの役をやっていて、本当にカワイコちゃんだったのには驚いた。シャレじゃねーんだもんなーっ。うーむ。

 東海林さだお「ショージ君の満腹カタログ」読む。

12月29日(金)

 テレビでドイツには「捨て子箱」というのがある、というのを見てビックリする。コインロッカー状になっていて、いらない子供をそこに入れるのだという。捨てられた子供は直ちにその裏側にある保育園のようなところに保護され、里親を待つ、というシステム。福祉行政の進んだ形態なのだろうが。考えさせられる話だった。

 玖保キリコ「それなりのジョーシキ」読む。

12月28日(木)

 打ち合わせの為、新宿の「談話室 滝沢」に。飲み物がオール1000円均一。なのでただのコーヒーは損な気がして、カプチーノを頼む。実は俺にはコーヒーなんてどれでも同じなのさー。
まぁ、あんまりはっきり趣味があったら、缶ドリンクのコレクションも出来ないからな。味覚が鈍く、どれでもいいやー、といういい加減な舌がコレクションを長続きさせている、と言ってもいいだろう。短所は長所に変えないと、損だからな。

 後、ニヒル牛に行く。向かっている途中、駅前で誰かに背中をドンッと押されたので、一瞬、何者かに「刺された!」と思いドキリとするが、クニちゃんがただ俺を見つけて背中をこづいただけだった。橘高さん来る。

 井上ひさし「本の枕草子」読む。

12月27日(水)

 R君がニヒル牛に居たところ、置いておいたトルコの「身替わり石」という飾り物が、突然何の前ぶれもなく、パリンとまっぷたつに割れたそうだ。ということで、
「何か危険な目に合わなかった!?」
 と電話があり。特に思いあたるふしはなかったが、誰か近親者で本当は危険な目に合った人がいたのかもな。身替わり石よ、よくわからんが、ありがとう。

 塩田明彦の映画「月光の囁き」ビデオで見る。切ないソフトSM的恋愛映画で、最近の邦画の中では出色な作品。

 中島らも「永遠も半ばを過ぎて」読む。

12月26日(火)

 紀伊国屋ホールにて、「たまのお歳暮」ライブ2日目。知久君が「あれーあれー」と言っているのでどうしたのかと思ったら、「ふくろう」の時使う楽器がないという。その楽器とは・・・ペットボトルをふたつガムテープで括り付けただけのものだったので、掃除のおばさんにすっかり捨てられていたのでしたーっ。そりゃ、普通捨てるわな。俺もよく、スティックの一貫として使っている棒付きタワシが捨てられそうになったり、衣装のサンダルが便所に履かれていたりするからな。注意、注意。

 石坂啓「男嫌い」読む。

12月25日(月)

 紀伊国屋ホールにて、「たまのお歳暮」ライブ。ワイドショーのカメラもデビュー10周年、ということで入る。ゲストに関島さん、サポートはアキラさん。
 「メンバー紹介の時の為に確認しておくけど、『関島』は『セキジマ』でいいんだよね」  時々、『セキシマ』と濁らない場合もあるからな。でも『島』という字はそれだけで『ジマ』と濁ることはないのだから、本当に日本語はムヅカシイ。ちなみに佐渡ケ島は『サドガシマ』だが、八丈島は『ハチジョウジマ』だもんな。

 サンタの計画は挫折したので、南風の間奏はせめてクリスマスということで、鐘を頭から被って『鐘男』になって踊った。

 上田賢一「上海パノラマウォーク」読む。

12月24日(日)

 明日の「南風」という曲の間奏で演奏中のメンバーのみんなに、サンタの帽子と髭を付けてやろうと思いつき、確かあったはずと100円ショップをめぐるが時期が遅すぎたのか、見つからず。川越まで足を伸ばしたが駄目。でも代わりに「川越地ビール缶」が見つかったので良しとする。

 週刊誌のカラーページを葉っぱの形に切って、帽子かけをモミの木に見立てそれを貼り付け、ツリーを作り、ニヒル牛から帰ってくるR君を待つ。クリスマスプレゼントは、「ドラゴンクエスト7」。

 中島らも「お父さんのバックドロップ」読む。

12月23日(土)

 「週刊宝石」の缶の取材で青梅の「飲み物缶コレクション」缶長でもある(字、間違ってないからね)清水りょうこさん家に来る。清水さんとは何度かお会いしているので、その後、鰻屋で「特上」を週刊宝石の経費で食いながら、「将来はやはり缶ジュースの本格的なコレクション館を建てたい」という話しで一致する。ところで、何人もの缶コレクターを取材している清水さんだが、「数では、たぶん石川さんが日本で一番持っていますよ」の嬉しいお言葉。そしてたぶん、缶ジュースのヴァリエーションやデザインがこれだけ変わるのは日本だけなので、つまるところ・・・「世界一かも知れませんね」とのこと。うっほーい、ギネスに登録するかな。

 妻の実家でクリスマスパーティ。義妹のダンナが、普段はどっちかというと、ぼーっとしているイメージなのに、携帯電話で仕事の連絡が入った途端、キリッと引き締まった声で応対していて、驚いた。あぁ、俺はステージもプライベートもあんまり変わらないなぁ。まぁ、もちろん家ではジャンプはしないけれど、奇声をあげたり、踊りは踊るからな・・・。

 花輪完爾(本当は完には草冠。パソコンに文字がないよー)の「悪夢小劇場」読む。「ちりじごく」という短編が面白かった。

12月22日(金)

 リハーサル。スタッフの前でやる、いわゆる「ゲネプロ」だ。スタジオが狭いので、みんなギュウギュウな中で聞いてもらう。その後、スタジオや事務所の入っているビルの3階で、そこを紹介してくれた不動産屋さん達の忘年会があったので、おつき合いで会場で2曲ほど演奏する。

 さくらももこさんの「富士山」というムック本の最新号で、ニヒル牛が「R君の店」ということで紹介されている。さくらさんとR君は友達なのだ。単なる主婦のR君がカラーページ1ページでガンッ!と載っていたので、驚いた。尚、「富士山」効果で一時的なものにしろ、売り上げが3倍になった。ありがとよっ、さくらさん!

 花村萬月「風に舞う」読む。一度「たけしの誰でもピカソ」でお会いした事があるが、こわもての顔とは裏腹に、腰を低くしてニコニコしながら「『らんちう』とか好きでした」と言っていた。ところで小説、面白い! 傑作。

  12月21日(木)

 名古屋できしめん食ってから、中央高速で帰京。天気がいいので、南アルプスとかよく見えて気持ちいい。帰宅してからは、すごろく旅行の原稿書き。

 沢野ひとし「花嫁の指輪」読む。沢野ひとしと言えば、椎名誠のほのぼのとしたイラストで有名なので、なんとなくそんなほのぼのとした小説かと思っていたら、不倫的私小説で「最後の無頼派」と呼ばれている作家だったとは。人はイメージだけで計ってはいけないな。

12月20日(水)

 機材車にて、名古屋まで移動。途中、おもちゃの問屋があったので「トイピアノありませんか」と聞くも、やはり唯一作っていた会社が倒産したので、ここにも在庫がないとのこと。うーん、トイピアノにはトイピアノにしか出せない魅力的な音があるのになぁ・・・。

 ところで、車の定員の関係から、アキラさんだけは新幹線移動。で、お店が近付いてきた時、俺が「アキラさんがそこらへん歩いていたりして・・・」と言ったら、本当に目の前の横断歩道を淡々と歩いていて、何の驚きもなく「お早うございます」と言っていたのが、おかしかった。

 得三という店でたまのライブ。「南風」という曲の間奏で、今年流行した「フラン」というポッキー菓子を演奏中のメンバーやお客の口にポイポイ放りこんでいったり、即興の「コブブルース」をやったりした。
 打ち上げは「ピカイチ」という中華料理屋や得三で。朝4時ぐらいまで古い友達たちとダラダラ飲む。

 三上寛「三上寛怨歌に生きる」読む。三上さんといえば、去年は一緒のセッションで首をゴム紐でギュウギュウに絞めたっけ。詳しくは、去年の年末の日記を参照の事。
 ところで本によると、三上さんは80年代は毎月ライブをやるも、新曲を一曲も作らず、そればかりかその10年間、全く同じ曲目を、全く同じ曲順でしかやらなかったそうだ。こんな実験、意外とやったことある人誰もいないと思う。普通日和って、曲順くらい変えてしまうからな。しかもその実験(同じ事を毎回10年間続けたらどうなるか)をした後の90年代は、ガンガン新曲を作り、毎年1枚づつアルバムを出していたそうだ。うーむ。さすが俺の心の師匠、やるな!

12月19日(火)

 新幹線で大阪へ。バナナホールにてたまのライブ。知久君のボケがすざまじく、気合い入れてたら、1曲目からガーンと全く違う曲をひとりで始めるは、途中カポタストかなんかが見つからなくなって3分ぐらいただむやみやたらにステージ中をうろうろと怪しく探し回っているは・・・。
 メンバー最年少の知久君からしてこれだからな。アッハッハー、今後もボケなんかに負けずにがむばるぞー。というか、ボケを武器にしたるんじゃーっ!!

 サポートのアキラさんが、打ち上げでにごり酒をグイグイやっていてたと思ったら明るくへべれけになり、ホテルに着いたら「ここはどこだー!!」と大声でうなっていた。そしてハッと見るとロビーの床に自分の鞄をテーブルにして、正座して静かにチンマリと座っていた。知久君もふざけてその前に正座したので、俺も「あらあら、お茶も出しませんで」と奥様のふりをして、悪のりした。

 椎名誠「ギョーザのような月がでた」読む。相変わらずよくいろんな所に出歩くおっさんだな。

12月18日(月)

 ニヒル牛へウィンドウディスプレイの打ち合わせ。店に作品を置いている作家さんの目ぼしい人達に、ひと月ずつウィンドウを解放して、自由にディスプレイしてもらおうという趣向にした。
 さぁ、来月は誰の作品がクローズ・アップされるか!? カワイイかグロか、まっとうかハチャメチャか!? それは店が決めるよ~ん。

 鴻上尚史「ドン・キホーテのピアス」読む。鴻上さんとは以前、雑誌の対談で御一緒したが、あのとっつあん坊や(失礼!)みたいな顔に、ついころりと、本音を喋ってしまうんだよな。なので対談者としては、一流かも。

12月17日(日)

 この日記がたまりにたまっていたので、一気に書く。すごろく旅行原稿書きと合わせて、一日中マックに向かっている。おやつは小枝チョコレート。

 田辺聖子「姥勝手」読む。ユーモア老人小説。

12月16日(土)

 スタジオにてしょぼたまリハーサル。トイピアノを弾く曲があるのだが、俺の指は末端肥大症というかでかいので弾きづらい。あぁ、ふたついっぺんに指が押しちまって不協和音だよーっ。

 長野まゆみ「三日月少年漂流記」読む。漫画「クシー君」の鴨沢祐二の小説版みたいな感じで面白かった。

12月15日(金)

 塩田明彦の映画「どこまでもいこう」ビデオで見る。少年の頃の些末な事を思い出させてくれる秀作。些末なことっちゅうのはどんどん忘れてしまうけど、結局その些末な事が重なって今の俺があるんだもんな。些末が、実は全てなんだよな。

 R君と「庄屋」で晩飯。メニューの中に「21世紀サラダ」というのがあって、頼んでみたらなんとなく未来っぽい感じのサラダになっていたけれど、21世紀はあと2週間で来てしまうぞ。どーするんだろーか。・・・と、余計な心配だな。

 島田雅彦「やけっぱちのアリス」読む。異端な存在の少年と少女達のお話。

12月14日(木)

 今日もリハーサルの為、スタジオへ。さあて、夕食はマクドナルドで安く済ませるぞ。なんたって、平日は半額だもんねー。
「ハンバーガーと、チーズバーガーひとつずつ。持ち帰りでっ!!」
 元気に発声する。すると、
「304円になります」
 (えっ!! もしかして、サービス期間が終わったのか・・・しっ、しまった! ならハンバーガーじゃなくったって、よかったんだ。俺は半額だからこそ、150円そこそこで一食浮くからこそ、マクドナルドにしたんで、半額じゃないなら、他に肉マンとか、夕方で100円引きになったスーパーの弁当とか、他にも選択肢は色々とあったんだ。なっ、なんということだ。しっ、しまったぜ!!)  と心の中で思ったが、40近いいい大人がそんなことで一切動揺を見せてはいけないと思い、表情は一切変えずに、304円を「フフフン」と鼻歌まじりでカウンターに置いた。
 ところが、「ちっ!!」と言いながら店を出て見ると、階段のところのノボリに「平日半額セール12/29まで」と堂々と書いてあるではないかっ!! なんとっ!! 子娘に騙されたのだっ!!
 俺はすぐさま店に戻り、
「姉ちゃん、これはどーいうことやねん。半額なのに、なに、全額取っとんねん。おんどりゃ、マスタードとケチャップ、頭にかけたろかっ!!」
 ってなことはもちろん言えるはずもなく、というか戻って文句を言うことすら出来ず、気弱なひとりの坊やは、トコトコと、悲しみにくれながら、みんなのいる、あったかいスタジオにトボトボ戻って行きました、とさ。
 でもお歳暮に届いていた紀州の梅がおいしかったから、もう、いいのさっ!! ふんっ!!

 小松左京「召集令状」読む。戦争物の短編SFだ。

12月13日(水)

 リハーサルの為、スタジオへ。さて今日の「デミタスコーヒー」は一体、何本出るんじゃい!? この間3本だったから、今度は一気に5本、なんてどうじゃ!?
 と思ったら、なんとその自動販売機が突如、撤去されていた。しかもその自動販売機だけではなく、そこに並んでいた5台ぐらいがすべて跡形も無くなっていたのだ。こりゃ、親父が、
「なんじゃ、この自動販売機はっ!! ちっとも儲からねーぞ、どーなってんだっ!! ウギャァァァァァ!!」
 とヤケになってショベルカーかなんか持って来て、「うりゃあぁぁぁぁ!!」と全部撤去してしまったのだろーか。やっぱり2本ぐらいならともかく、3本は確かに出過ぎだったもんなぁ。御愁傷様でございやす・・・。

 本山賢司「のんきに島旅」のんきに読む。

12月12日(火)

 きのうのリハーサルのとある曲で、楽器の関係上、中腰の姿勢で練習を長い時間していたところ、朝起きたら、腰に「ウグゥッ」と激痛。ギックリ腰ほどではないが、腰痛という奴だ。早速いつもの整体に行って、骨盤矯正してもらう。老人じゃのう~。

 川崎長太郎の「鳳仙花」読む。この作家は、俺の大好きなつげ義春が「日頃から愛読している」というので是非読んでみたかった作家だが、なかなか本屋等でも見当たらなかったのだ。それが図書館にあったので、あわてて借りて来た。つげ義春好みらしく、二畳の物置き小屋に住みながら、時々安女郎を買う、といった貧乏風情の私小説だった。

12月11日(月)

 リハーサルの為、スタジオへ。例のスタジオの近くのニ本出るという「デミタスコーヒー」今日は何と三本出る。サービス良過ぎだぜ、よっ、親父! と言ってもどこにも親父はいないが・・・。

 宮脇俊三「線路の果てに旅がある」読む。宮脇俊三物はほとんど読んでいるが、これだけは未読。車ダン吉とテレビ撮影の入った鉄道旅行が、いいシーンを撮る為に「やらせ」のようなちょっとした苦労をしている話しが面白かった。

12月10日(日)

 ニヒル牛へ。すっかり各箱にもクリスマスの装いをしている人が多く、なかなか良い。久しぶりに店に行ったのでお客さんが俺の「糸電話リサイタル」を買ってくれたので、糸電話でこっそりミニライブをやるが、店内でやったので、他のお客さんにも丸聞こえ。青木さん、坂本さん、石丸だい子、あずささんなど知り合いにも会える。こうなると、一種のたまり場だな。
 夕飯はR君と西荻の「ムーハン」という店で海南風チャーハンとアボガドサラダ。

 藤原審爾「私は、ヒモです」読む。人情味あふれる好短編集は、あの「男はつらいよ」シリーズの原案にもなったとのことだ。

12月9日(土)

 珍しく夫婦共に家にいるので、ダラダラしながらお笑いの話しとかする。俎上に上がったのは、千原兄弟、板尾創路、木村祐一、浅草キッド、「雨上がり決死隊」の螢原など。このあたりの「B級マニアック芸人」が夫婦一致した好みだ。

 すごろく旅行原稿書き。10数年前、病院のバイトで一緒で、元「元気バカ組」というバンドをやっていた毎熊君からメールが届く。懐かしいなぁ。

 清水義範の「もっとおもしろくても理科」読む。挿絵・・・というか挿漫画は、西原さんだ。

12月8日(金)

 終日、東京駅から京葉線にてすごろく旅行の取材。詳しくは毎度のフロム・エーで読んどくれ。マンデーの方で、関東・中京地区だけだけど、それ以外の地方の人はフロム・エーに「読めないので、早く単行本化して下さい!」と熱烈葉書を書いておくれっ!

 さて本日で、このHPもついに開設、一周年! 誰も祝ってくれないから、ひとりでアッハッハーと言うぜ。
「おめでとう!」
「ありがとう!」
 パンパパーン!! ←クラッカーの音
 ドッパーン!! ←花火の音
 バッシャーン!! ←カーネル・サンダースの人形が、道頓堀に投げられる音
 延べ15万人弱の人たちよ、見に来てくれてありがとさん。少々最初の勢いから挫折しそうになっているコーナーもあるけど、本来性格がしつこいので、また徐々に復活していくから、どんどんいろんなコーナーにも気軽にメールおくれー。よろしくねー。

 最近長野県知事になってしまった田中康夫の「三田綱坂、イタリア大使館」読む。

12月7日(木)

 事務所にて打ち合わせ。今の事務所は大きな窓からたくさんの行き交う列車が見られるので、鉄道好き(おいおいカブラギ君、キミの事だよっ! )だったら、見飽きることのない風景が広がっている。明日のすごろく旅行の為のクジ作りもする。少々ネタにつまる。

 生島佳代子「タクラマカン縦断紀行」読む。俺も一度、砂漠の真ん中でしばらく寝転がってみたいけど、現実は大変そうだなー。でも、大変だからこそ感動は生まれるんだよなー。「エスカレーターで登山」したら、山に登る意味なんて、消滅してしまうからなー。でも「大変」は年とともにさらにカッタルクなってもいるので、どこでバランスとって「大変」を楽しむか、そのせめぎあいだな、これからは。

12月6日(水)

 「伝言板の返事でアッハッハー」を書きながら、以前にも書いたNAPSTERというソフトでガンガンいろんな音源を無料で落としまくる。ちなみに、すでに約800曲、アルバム80枚分ぐらい落としている。基本的に洋楽ばかりだが、若かりし頃、夢中で聞いていた楽曲なども聴けて、幸せ。ちなみに、今まで落としてきたミュージシャン達を列挙してみる。俺の音楽的ルーツ(邦楽は除く)がわかるかもな。ではいくぞ。

 アンジュ、エアロスミス、アストラッド・ジルベルト、バッド・カンパニー、ビートルズ、ビョーク、ブラック・サバス、ボブ・ディラン、ブライアン・フェリー(ロキシー・ミュージック)、ブレンダ・リー、B52`S、カーディガンズ、キャプテン・ビーフハート、カーペンターズ、ディーボ、ドアーズ、エマーソン・レイク&パーマー、エルトン・ジョン、エンヤ、ジェントル・ジャイアント、ジョージ・ハリスン、グランド・ファンク・レイルロード、ヒューマン・リーグ、ヘンリー・カウ、ジェフ・ベック、ジョン・レノン、キング・クリムゾン、ラリー・カールトン、レッド・ツェペリン、リー・リトナー、リンダ・ロンシュタット、ニルヴァーナ、ポール・マッカートニー、パブリック・イメージ・リミテッド、ピンク・フロイド、プロコル・ハルム、ピーター・ハミル、レインコーツ、リンゴ・スター、ロバート・ワイアット、クイーン、ロッド・スチュアート、ローリング・ストーンズ、セックス・ピストルズ、ソニー・ロリンズ、ステッペン・ウルフ、スティービー・ワンダー、スイート、シド・バレット、フー、XTC、イエス、フレッド・フリス、スラップ・ハッピー、ブランドX、ゴング、ハットフィールド・アット・ザ・ノース、タンジェリン・ドリーム・・・

 俺は本も乱読だが、音楽も乱聴だなー。ロック、ポップス、ジャズ、パンク、ボサノヴァなど入り乱れているが、やっぱり一番はまっていたのは、いわゆるプログレッシブ・ロックと呼ばれた、ちょっと、前衛、実験的なロック。もしもこのラインナップを見て、「それなら、このバンドも聴いてみなよっ!」というのがあったら、是非教えてくれ。英語で打ち込むので、スペルも正しく教えてくれれば、落としてみるよ。よろしくね~。

 遠藤周作の「足の向くまま気の向くまま」読む。

12月5日(火)

 たま企画室のマニに用事で電話をかけたのだが、今日は外人になってみた。
「ヘェロー!」
「・・・・」
「アー・ユー・タ・マ・キ・カ・ク・シ・ツ?」
「イッ、イエース」
「アイド・ライク・トゥ・コール・マニ・オ・ソ・ノ・イ」
「イッ、イッ、イッ、イエース」
「・・・俺だよ。石ヤンだよ」
「あぁ、ビビッたよ~ もう~!!」
 今度はヤクザにでも、なってみるかな。

 100円ショップで落語のCDを買ってみる。ついに来るところまで来た、という感じだな。しかもシングルじゃなくてアルバムサイズでっせ~。これは暗にCDは100円で作れる、と言っているよーなもんじゃないか。もちろん、すでに録音された物をCDに焼いただけだから、製作経費なんて全然かかってないんだろーが。

 かつて、たまは2回ほど海外レコーディングをしたことがある。まだ、景気のいい頃の話しだが、イギリスとフランスに行った。何故わざわざ海外に行ったか、というと、単純に海外に遊び気分で行きたかった、というのもあるが、録音経費が日本より安かった、ということがある。当時はバブルの絶頂期だったので、国内では録音するスタジオ代が40万円(1日だよ)エンジニア、アシスタントそのの経費がやっぱり15万円ぐらいかかったかな。で、録音には3週間ぐらいかかるから、それだけでも1500万円以上。外国のスタジオは宿泊費込みで1日30万円だったので、1日10万円違うので、渡航費用を払っても若干、安かったのだ。それにしても1500万・・・さらに宣伝・広告費用で1000万ぐらい使っていたから(それでも、これはメジャーとしては、かなり少ない金額らしいが)、1枚のアルバムの経費として2500万円ぐらいかかっていたのだ。今考えるとヒェーだな。

 景山民夫「グッドナイト・スリープタイト」読む。音楽小説の短編集だ。そういえば、景山民夫は文字どうり、燃え尽きて死んだんだっけ。今は、本のタイトルのようによく眠れているかな。

12月4日(月)

 すごろく旅行の原稿書き、そして今まで「地球レコード」で出した全CDのキャッチコピーを考える仕事。自分の作った作品に「最高傑作!」とか誉めたたえるのもなんなんだが、レコード会社も、プロダクションも自分たちなんだから俺たちが考えるしかしょーがないなー。黙っていても、誰も考えてくれないしな。でも「買う気をそそる」文章はなかなか難しい。変に謙虚になっていても、かえってわけわかんないしな。「なんとなく、このアルバムはちょっといいとメンバーは思っています」とか弱気に書くと、「なんじゃい、そりゃ」と思われるのがおちだからな。
 でも、最近たまを聞いてなくて、「久しぶりに聞いてみべーっ」と思っている人には、とりあえず「東京フルーツ」をお勧めする。もしくは「いなくていい人」でも良い。これから発売する「しょぼたま」という最新アルバムももちろんお勧めだが、「しょぼたま」とはアルバム名と同時に独特の形態も表していて、ノン・ベース、ノン・シンセサイザーの完全アコースティック・アルバムなのでちょっと癖がある。あんまり好きな言葉じゃないけど、ちょっと「癒し系」という感じかもしれないので、その手が好きな人には一番ピッタリ来るかもしれないなーっ。とにかくこんな日記を読んでいる、ということはちょっとは「たま」にも興味があるんだろうから、とにかく、アルバムを買え! 聴け! 話しはそれからだ。

 林望の「リンボウ先生のへそまがりなる生活」読む。
『なーに、家庭というものは散らかっているものなのさ。それが生活っていうものじゃないか』
 そういえば、最近寒くなってきたので手袋を出してもらったのだが、5つあって、全てが組み違いだった。シンメトリーにさえこだわらなければ、別にどーでもいいことなんだが。そーいや、片方ばかりの靴下も、ちゃんと揃っている物を数で凌駕しているしな。一体どうなってるんだ? 「シンメトリー拒否学会」かなんかが、こっそりその片っぽうを「ふふふ」と隠しているのだろーか。そうじゃなきゃ、おかしーよなー。あんなに片方ばかり俺の眼前に出て来るなんてなー。なぁ、ブラザー、そう、思うだろ!?

12月3日(日)

 ファンからもらった「WATER OF YOKOHAMA」よーするに、「横浜の水」の缶をあけ。インターネットの懸賞で当ったウイスキー「座」で割って飲む。よーするに、もらいもんざんまいだな。つまみは、ストーブの上で焼いた食パンにマーガリンを塗って食す。なぁんか、夜なのに朝食みたいで、そのアンバランスさがス・テ・キ?

 源氏鶏太の「わが町の物語」読む。源氏鶏太という作家は実はかなり希有な存在だ。小説なのに、ほとんど文学的表現が出てこない。というより、あえてわかりづらい言い回しや「こんな漢字知ってまっか~」というのを完全に排除していて、好感が持てる。もっとも、読んでいてさわやかで面白いのだが、読後に何も残らない、というのがまたまた素敵なところだ。かつて、そんな素晴らしい源氏鶏太先生を讃える為に、「その足元には、源氏鶏太の小説が落ちていた」という歌を作ったことがある。確か、

 クマ牧場のクマが
 舌をベロベロ出して突っ立っている
 エサの時間だけを待って
 舌をベロベロ出して突っ立っている
 その足元には
 源氏鶏太の小説が落ちていた

 ってなやつで、2番、3番もあったが、忘れた。確か池袋の文芸座ル・ピリエかなんかで一回こっきりしか歌っていないはずだ。小説なんて絶対に縁のない民宿とかの本棚にも、何故か置いてある源氏鶏太の小説。みんなも一度は読んで、「なんとなくほのぼのとした感情以外、何も残らない感」に浸ると良いぞ。

12月2日(土)

 R君と夫婦ふたり、昼間から夜までテレビでモーニング娘が水着でハシャイでるのをぐずぐす見て、こういうシチュエーションでは矢口真里が一番おいしい役どころなんだな、とどうでもいいこと思ったり、ワイドショーの年末総集編をだあらだあら見たり、探偵ナイトスクープをおやおやと見たり、ほとんど居間から出ずに、ごろごろ転がって過ごす。究極の、ダラケの一日。おほほっ。

 赤瀬川隼「ダイヤモンドの四季」読む。野球短編小説だ。俺は野球にはさして興味はないが、突然段ボールとのアルバムで野球の歌をひとつ書いているぞ。「ホームラン」という歌だ。

 真剣な会議の真只中で全裸
 議題は棚上げされ その棚が落ちた
 張りつめてパンパンの議題はその薄皮が破れ
 変なボールになって 転がりだした町へ
 転がりだした町へ
 人々はそのボールに足をすくわれ
 アレー!
 あらまぁ!
 キャーッ!
 おいおいっ!
 そして町中が足をすくわれ
 雪だるま式に
 雪だるま式に
 巨大なボールになっていく
 町がボールになっていく
 国がボールになっていく
 打て! 打て! ボールを打て!
 ホームラ~ン ホームラ~ン!!

 なっ、野球の歌だろ。

12月1日(金)

 しょぼたまライブ、下北沢・クラブQueにて。バナナをムシャムシャ食べながら登場し、そのバナナの皮でバシバシ、パーカッションを叩いてみる。タンバリンやタムはいいが、桶やシンバルは駄目だ。ペナペナして、ろくに音が出やしやがらねえ。今後、バナナの皮をスティックがわりにしようと企んでいる奴は要注意だな。
 最近、Gさんが「らんちう」のセリフを担当しているのだが、先日の深夜、自転車で家に帰る途中、突然セリフを「あっ!」と思いついて、自転車をキキキィッと止めて、手帳にあわててメモしたそうだ。なかなかほのぼのとしたいい話だな。確かに、思いついたら、すぐ書いとかないと、この頃はすっかり記憶なんてゆうあやふやな代物は、風に簡単にピュウッと吹き飛ばされちまうからな。なにかあったら、即、メモ。これは大人の常識だな。俺も手帳失くしたら、過去の半分は消えちまうね。
「ラ・カーニャ」で今度のアルバムのジャケットを描いてくれる八木康夫さんらと打ち上げ。

 内田百聞「百鬼園先生言行録」読む。ちなみに「百鬼園」とは「ひゃっけん」の駄洒落だ。お馬鹿なおっさんだな。


11月(2)の日記を見る
振り返り人生(もっと過去の日記を見る)
トップに戻る