今月の健さんの笑顔--00年6月号

 

 さぁ、ちょっと間が開いてしまったが、今月の健さんの笑顔だ。相変わらずの笑顔は笑顔なのだが、何かしら妙な事に気づかないだろうか。
 ちょっとボサボサの短い髪、黒縁の眼鏡、そして作業服・・・そう、つい先日、南北会談が行われたばかりの、北朝鮮の金正日、その人にうりふたつではないか・・・。そういえば、なんとなく笑顔も若干取ってつけたように見えるから不思議だ・・・。
 俺は健さんと20年近く付き合ってきている。その間、特に不自然なことはあまり感じなかった。しかしよくよく考えてみると、こんなアングラ趣味の友達が多い中で、このさわやかな笑顔。普通、アングラな人間は引きつった笑顔しか出せないものなのだが・・・おやっ!?

(そして、健さんの笑顔が一瞬こわばった)

 えっ? 何? お、俺なにも言ってないよ。・・・な、な、な、なんだ!? あっ!! いかん!! お前さんの国にとって俺は何の役にも立たないぞ。本当だぞ。マスゲームもへただからな! 他の人と同じ動きが一切できないのは、お前さんも知っているだろう! みんなが右手を上げてる時、俺は左手どころか、まるで関係ない左足がピョコンと上がってしまうぐらいひどいんだっ!! う、嘘じゃないっ、本当だ。あと引田天巧のようなマジックも出来ないぞっ。それはお前さんだって知っているだろう!? 鳩どころか、蚤一匹出せやしねえんだっ!! あと日本語の教師もできない。俺の使っている日本語なんてめちゃくちゃなんだっ!! まんずまんず、ズーズー弁でごわすから、駄目でガンスッ!! なっ、何の役にも立たないだろうっ、俺って人間は!? だから頼む! 北にだけは、北に連れていくのだけは勘弁してくれーっ!! おっ、お願いだぁぁぁぁぁ!!!!!

(このお話はフィクションであり、事実にならない事を強く強く希望します)


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