学校にまにあわない
(CD「さんだる/たま」収録)
100万階建てのビルディングの建設
階段だけしかないそれだけの為の建物
ライト兄弟の飛行機が何百台も
赤とんぼのように横をすりぬけていく
ロッキー山脈のふもとの
小さな村の人々が
蟻のようにすばやくうごめくのが
肉眼ではっきり見える
夢うつつの作業現場
鉄のぶつかりあう音
建築の快感
目的の遂行
ある日足場踏み外して
そのままの姿勢で墜ちて行く
三年前建築した階
四十寝ん前建築した階
でも下には網が張ってあって
僕はうまいことフィニッシュを決めるのさ
満場のお客様が
いっせいに拍手 拍手
でもひとりだけ
後ろを向いている男がいるぞ
こいつ 前にまわってのぞきこんでやれ
あ なんだ僕のお父さんじゃないか
年賀状を配ってゆく
家族だけの元旦
玄関にはしめ縄で
他の人を入れなくしておく
みんなと遊んでいた
家の近くの第三公園
ひょいと頭持ち上げると
真夜中になっている
ジャングルジムにからまってた
僕の真っ赤な真っ赤なゴムの友達も
何のあいさつもなしに
東北の家に帰っていってしまった
倒れたラクダの
目玉だけが生きててギョロリと僕を見ている
見ないように見ないようにしているのだけれども
どうしても見てしまう
ミタナボクノオモイデ
キミハキョウカワニ ドブントオチルヨ
ボクハクサノシゲミデ キョウカショヲサガシテル
キョウカショガミツカラナイ
ガッコウニマニアワナイ
ノートモドッカイッチャッタ
センセニオコラレル
学校にまにあわない・・・
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