話題378 映画のラストシーン(3)


ドウェイン・ジョンソン主演「カリフォルニア・ダウン」(2015)というデザスターパニック映画。その映画の存在を最近初めて知り鑑賞。原題が「San Andreas」といい、その名前を持つカリフォルニア州を縦断する活断層が突然活発に活動し始め、カリフォルニア一帯に甚大な被害をもたらす。未曾有の大震災が襲い、津波で都市が一瞬に水没し、多数の死者が出るも主人公と家族だけはサバイバルし助かる。このハリウッド映画的ご都合主義的結末に賛否は別れたという。ドウェイン・ジョンソン主演作品は好きでほとんど映画館で観ているのにこの映画は知らなかったのは、もしかしたらタイで公開されなかったのかもしれないな、と思った。気になったのは、ここ何十年かのSFX特撮シーンのお約束である「人が死ぬ瞬間は描かない」というタブーを破り、人の死の映像を多用している点。大地震が起き、ビルが倒壊し、地割れが起き、ダムが決壊し、大津波が起きる、当然のことながらたくさんの人が死ぬわけだ。その瞬間を丁寧にCGで描きこんでいたことが印象に残った。しかし、たくさん人が死ぬ割にメインキャストは皆助かるご都合主義ぶりは、なんとも陳腐な後味だったなぁ。まあそれでもいいんだけど。 2022/3/14(波照間エロマンガ島)

まあ、災害が起こった途端に主人公が死んだら、30分で映画終わっちゃうからねー。
まあ、いろんなやり方はあるから死ぬのでも長く描けないこともないか...。 2022/3/14(石川浩司)

「ダーティ・メリー/クレージー・ラリー」〔1974年〕。アメリカンニューシネマの中で印象に残るラストシーンと言えば、この映画か「明日に向かって撃て」「イージーライダー」「俺たちに明日はない」の4作品でしょうかね。どれも主人公の死が描かれています 2022/4/2(「明日に向かって撃て」はストップモーションになっているから主人公は死んではいないとも思えるけど)。けれど私はこの映画はラストシーンを語りたい訳ではなくて、語りたいとすれば主役の一人、スーザン・ジョージ。私の中では「わらの犬」と「マンディンゴ」とこの映画と3作セットになっているんです。ブロンドヘヤーで小悪魔的でヘソだしルックでやたらセクシーで中学1年時のオナペットでした。とにかくエロ妄想をがんがんビンビン生じさせてくれた。スーザン・ジョージとピーター・フォンダがシボレー・インパラなどアメ車のスポーツクーペで疾走するの最高だったすよ。最高じゃないですか。私はタランティーノの「デスプルーフ in グラインドハウス」がこの映画にオマージュを捧げているってあんまり感じなかったけどな。でも今振り返ると、アメ車大好きでアメ車のボディーラインのデッサンばかりして過ごした小学校から中学にかけての頃を思い出させてくれる映画ではありました。 2022/4/2(波照間エロマンガ島)

アメ車って、子供の頃はお菓子屋さんが乗っている飴車だと思ってた・・・嘘。 2022/4/2(石川浩司)

今年の大型連休は、WOWOWチャンネルで2019年の劇場公開以来、約3年ぶりに「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」を鑑賞しました。初めて観た時に感じたストーリーやプロットの整合性のぎこちなさや設定の無理さは、ほぼほぼ気にならなくなっていました。特にラストシーンはほろっとさせられたかな。ラストシーンの台詞を引用してみます。ネタバレが嫌いな方は以下読まないでください。

ルーク・スカイウォーカーの生まれ故郷の砂漠の惑星タトゥーインを訪れた「スター・ウォーズ」新三部作の女性主人公のレイ。レイアから預かった2本のライトセーバーをこの星に埋めに来たのであった。そのときそばを通りかかった老婆に声をかけられる。「この辺で見ない顔だね。名前は?」「レイ」「レイ誰?」レイは振り返ると遠い地平線の彼方に浮かんだルークとレイアの幻影を見ながら答える。「レイ・スカイウォーカー」と。地平線にはタトゥーインの双子の太陽の夕日が浮かんでいた。そしてエンドタイトル。
何だかしみじみとさせられました。そして1978年高1の時日本で初公開された「エピソード4/新しい希望」をテアトル東京で鑑賞して以来、9本の映画をどれも映画館で観た記憶が走馬灯のように蘇りました。

「エピソード6/ジェダイの帰還」は1983年大学2年の夏休み、静岡県浜松市の親友の実家に遊びに行った時に地元の彼の友人たちと一緒にオールナイト上映で観て、観終わったあと徹夜で飲み明かした思い出。
「エピソード1/ファントム・メナス」は1999年、社員旅行で訪れたハワイのワイキキのシネマコンプレックスで観た思い出。
「エピソード3/シスの復讐」は2005年、ドイツ旅行中にフランクフルトの映画館で鑑賞。窓口で券を買おうとしたら切符売りのおばちゃんに「ここはドイツ語吹き替え版だよ。英語版はあっち」と指差された思い出。
「エピソード7」からの続三部作は全てタイのバンコクで鑑賞しました。

映画って、それを観た時の自分の状態の記憶と一体となって甦えるから良いですね。これからもたくさんの映画の思い出をここに投稿していきたいと存じます。 2022/5/7(波照間エロマンガ島)

俺はほぼほぼ最近ネットで観てるのでいつも自分の部屋の中...。 2022/5/7(石川浩司)

映画関連のトピックにたびたび投稿していますが、私の大好きな1950~60年代東宝のプログラムピクチャーのドル箱シリーズに「社長シリーズ」があります。

記録を見ると年2回、同じ設定を持つ正続編が製作されていたことがわかります。例えば1959年は1月3日に「社長太平記」が公開すると、同年3月15日に「続・社長太平記」が公開といったように前編を正月興行時に公開し、2ヶ月ほどおいて後編を公開していました。これは勘ですが、前後編の全体のシナリオがかっちり作られていて一気に撮影し、ポストプロダクションを前後編に分けて行なっていたのであろう、と推測します。また社長シリーズは観光映画の側面も持っていて、国内はもちろん、まだ海外旅行が庶民に手の届かない時代に海外ロケを行ったことでも、観客を惹きつける内容となっていました。

正月映画を観にきたお客さんに「つづきも見にきてね」という誘導する戦術が巧みだったわけですね。前編で色々な伏線がありながらもそれらがひと通り解決したところで前編の「終」のマークが出て、観客は後編への期待を持たせて映画館を後にする作りになっていました。この前編のラストシーンは、また観に来たいな、と思わせる感興を設計していたと私は確信します。社長シリーズや駅前シリーズは本当に出来がいいので、BSやCSで常時放送するチャンネルがあればいいのにな、と思います。 2022/5/26(波照間エロマンガ島)

映画が今よりもテレビ並みにポピュラーだった時代、今のテレビドラマに近い感覚だったのかもしれないね。 2022/5/26(石川浩司)

「青春残酷物語」〔1960年松竹 大島渚監督〕

フランスでゴダール、トリュフォー、シャブロル、ロメールらの20代の映画監督が相次いで商業映画の監督としてデビューし「ヌーベルバーグ」〔新しい波〕と呼ばれたのと期を同一にして「松竹ヌーベルバーグ」として最初に日本のマスコミの寵児に躍り出た、1960年6月3日公開の大島渚の第2回監督作品。最近数十年ぶりに鑑賞したが、ラストシーンが特に強烈な印象を残した。なぜならこの「とってつけた」感はどうしたものなのだろうと強い問題提起を感じたからだ。主人公の死によって映画を無理矢理終わらせているようないい加減な手さばきは、日本映画において前代未聞の後味を表現していた。このいい加減さは、映画は終わらずに永遠に疾走運動として脳内で継続上映し続けるような錯覚を覚えた。つまりラストシーンのショットをオープニングタイトルをテープで接合して上映が終わらないような感じ。この一見投げやりな演出放棄っぽいラストシーンが、実は商業映画始まって以来の過激な映像的実験をしているかのように当時の観客に提示されていたのではないか、と今回発見することができた。これが小津安二郎が語った「めちゃくちゃな豪速球」たる所以かも知らん。そんな刺激的な映画です。そんな「とってつけたような」ラストシーンです。すべて確信犯的に作っている。 2022/6/10(波照間エロマンガ島)

さすが後年巨匠になる人だよね。
妻と初めてデートしたのは大島渚監督特集の映画、そしてイカ天では俺の作った「まちあわせ」という曲を真っ先に評価してくれた人。 2022/6/10(石川浩司)

山田洋次監督の「学校シリーズ」を見ています。学校に行きたくても行けなかった人、不登校、外国人、特別支援学校、昼間働いている人、息子が発達障害、リストラされて職業訓練校へ入学する中高年。その教員の苦悩。親、仲間・・・。社会的テーマで、こんないい映画今まで見なかったことが悔やまれます。 2022/7/15(わいわい)

アマゾンプライムにあったら、観てみよう。 2022/7/15(石川浩司)

「ダンケルク」〔1964年 フランス〕アンリ・ヴェルヌイユ監督、ジャン=ポール・ベルモンド主演。
クリストファー・ノーランが2017年にリメイクした同名映画のオリジナル版。しかし登場人物やプロットは全く異なり、ただ一つ題材が第2次世界大戦時ドイツ軍のフランス侵攻で追い詰められたフランス軍イギリス軍40万人の兵士を、ダンケルクからグレートブリテン島に移送した「ダイナモ作戦」を描いているという部分だけ共通している。
私はノーラン版を先に鑑賞したのだが、後から観たこのベルモンド版も負けず劣らず作品として素晴らしかった。海沿いの静かな街が戦場になり、戦争による風景の異化、人間が人間を殺す戦争の恐ろしさがよく表現されていた。この映画の肝を一言で言うと「戦争は誰もが爆撃されて死ぬ可能性を持っている」と言うこと。緊張の連続が続きラストシーンにそれが現前化した。 2022/12/4(波照間エロマンガ島)

戦争、もちろん反対だけど、戦争が歴史を作ってるんだよね...。 2022/12/4(石川浩司)

「グラン・トリノ」〔2008年 クリント・イーストウッド監督、主演〕

フォード自動車のデトロイト工場で長年組立工をしていたポーランド系アメリカ人の主人公。気難しく近所から嫌われ者の老人として疎んじられていた主人公が、ふとしたキッカケから新たにアジアからやってきたモン族の隣人家族、およびその周りの不良たちと縁ができ関わっていく。色々事件があって、やがてこの映画のテーマ「贖罪」について考えさせられる悲劇的ラストシーンに展開していく・・・。
この映画はクリント・イーストウッドが抱いている「過去の贖罪」「信仰」について描かれた「作家の映画」であることはほぼ間違いないけれども、私はノレなかった。まず私の生活の中で宗教に相対することが皆無であるため、主人公に感情移入することがまったくできなかったことがある。何世代か前にヨーロッパから新大陸にやってきたであろう移民を先祖に持つアメリカ人は、家族や隣人との結束はキリスト教〔プロテスタント、カトリック、その他・・・〕にしかなかった。そのアメリカ人のアイデンティティの部分は日本人の私は共感することはできないし、あれこれあーだこーだと言うこともできない。つまり私はこの映画のラストシーンを思考停止状態で体験したのだ。「おそらくこうであろう、こういうことなのではないか」と想像することはできる。しかし、それは言葉に出すことはできない。映画は世界中の人間の感情を揺さぶり感動できるインターナショナルなメディアかと思ってきたが、実はまだまだ理解不能な個人的なメディアでないかとも感じたのである。そんな映画「グラン・トリノ」でした。 2023/1/7(波照間エロマンガ島)

わかるなあ。特に宗教はそのバックボーンがちゃんと理解できてないとなかなか入り込めないよね。「おそらくこんな感じ」くらいにしかね。 2023/1/7(石川浩司)

忘れていた山田洋次監督の「学校4」を見ました。1が夜間学校、2が特別支援学校、3が職業訓練校、4が不登校の話でした。4は前半部がトラックヒッチハイク、後半部が屋久島の話です。大船の松竹撮影所の最後の作品で、DVDには30分ほどの特別映像が入っていてなかなか良かった。 2023/2/9(わいわい)

屋久島行ってみたいんだよね。でも結構しんどい登山が必要なんだっけ。ジジイには無理か...。 2023/2/9(石川浩司)

話題379「私の何でもベスト3」2021/12/4に投稿したジョン・フランケンハイマー監督「ブラック・サンデー」〔1977〕ですが、最近何十年ぶりかにケーブルテレビで鑑賞しました。クライマックスのアメリカンフットボール王座決定戦のスーパーボウル会場に飛行船で突入して観客選手皆殺しテロシーンのくだりは、記憶とはだいぶん異なっていました。1977年当時の映画技術ではこれが限界なのかなー、とキャメラアングルから編集、音響効果など、不満タラタラな出来映えでした。記憶のイメージの中ではもっと手に汗握る展開だったんだけどな。まぁ昔の映画はそんなものかもしれないデス。それにしても話題379にも書きましたが、女性テロリストが政治的信条でマシンガンで人を殺す展開は映像的にはとても衝撃を受けました。 2023/2/25(波照間エロマンガ島)

一度感動した映画を再見すると「あれ?」ということあるよね。自分の中で勝手に名作として認知し、期待値が上がっているんだろーなー。 2023/2/25(石川浩司)

「トップ・ガン マーベリック」〔2022年 トム・クルーズ主演〕。

〔以下ネタバレあり、観てない人は読まないでください〕
次から次へと展開するスリル溢れる戦闘機の空中アクションシーンの連続、ついには絶体絶命のピンチに陥った主人公が、あるきっかけで逆転勝利するプロットが俺にとっては引っかかった。ケーブルテレビで鑑賞するたびに引っかかる。
というのはロックオンされ撃墜される寸前の刹那にどこからともなく味方が現れ、敵を撃墜し主人公が助かるというオチだからだ。これは観るたびに「納得できない感」が増していく。カタルシスが少なくしっくりこないのだ。トム・クルーズがヒーローじゃないってそんなん納得できないって感じ。ヒーローが自力で危機を回避しなければ駄目だろ、と強く思う。このラストシーンだけが不満で、それまでの120分余りが全て台無しになったという印象です。もうちょっとなんとかならなかったのかな。 2023/4/15(波照間エロマンガ島)

「観てない人は読まないでください」なので、コメントが読めません(笑)。 2023/4/15(石川浩司)

「エル・スール」〔1983年スペイン、ビクトル・エリセ監督。フランス映画社配給〕。日本公開1985年。
シネ・ヴィヴァン六本木で公開時に鑑賞した記憶があります。当時大学3年か4年でしたが、私を始めまわりの映画好きは完全に蓮實重彦の影響下にあり、東大の映画論の授業や季刊誌「リュミエール」などで蓮實先生が標榜した「1973年の世代」として紹介された、このエリセとかクリント・イーストウッドとかダニエル・シュミットやヴィム・ヴェンダースなどとともに、吸い寄せられるように六本木WAVEに参集したんだよなー。
そして「エル・スール」は同年公開された同じ監督作品の「ミツバチのささやき」同様、都内の美術系大学の学生たちを中心に鑑賞されているちょっとスノッブな映画として話題になりました。
そのラストシーン、お父さんが草むらで転倒して○○しているちょっと俯瞰気味のロングショットは忘れられない余情をもたらしてくれました。あれから35年以上経ち、記憶の中でいつまでも余韻が絶え間なく醸成されている映画であります。 2023/6/27(波照間エロマンガ島)

映像が綺麗でアート的な映画だった記憶。あらすじはまったく覚えていないが...。 2023/6/27(石川浩司)

「華氏451」〔1966年イギリス フランソワ・トリュフォー監督〕のラストシーン・ラストショット。

https://www.youtube.com/watch?v=nCaLf7fA07w 

薄暗い林の中には人の気配が少なくない。地面には雪が積もり遠景に湖を臨む冬の風景。音楽家バーナード・ハーマンの美しいオーケストラのモチーフとともに、固定キャメラで近景を行き来移動する十数名の人たちのショットにかぶせ大きく「THE END」というタイトルとその下に「MADE AT PINEWOOD STUDIO LONDON ENGLAND」と映し出され映画は終了する。
この時感じたのは、靴の中から伝わってくる冷え切った濡れた靴下から来る気持ち悪さ。みしみしと凍った土壌を踏む感覚。ここは本を読むこと自体が思想犯罪として禁止されているこの世界で、そこから逃げ出しコミューンを作っている人たちの村。彼らが行なっているのは古今の名著を暗記して暗記した後はその本を土に埋めてしまい、本そのものとして生きるということ。本は朽ち果てて世の中から消えてなくなるが、本の内容は人の記憶の中に残っていき、「本人間」たちは次の世代に口述筆記で古今の名作を伝える使命を帯びていくというエンディング。

そこまでに至る諸々が映画の中で描かれてきて、ついにこのラストシーンに辿り着くわけだが、さまざまな感慨が鑑賞者の脳に去来、不思議な映画鑑賞体験であった。
例えば本は土に埋めなくて食べてもいいな、とか、火種にして暖を取ったりしてもいいな、とか、色々なことが思い付いては消えていった。不思議なラストシーンであった。
監督のトリュフォーは英語が流暢に喋れず、この映画を撮影したイギリスでは、スタッフとのコミュニケーション不全に苦しんだという話を聞いたことがあるが、その役柄は約10年後に撮影されたスティーヴン・スピルバーグ監督作品「未知との遭遇」〔1977年〕にてフランス人科学者として出演したトリュフォーが、アメリカ人科学者たちとのコミュニケーションがうまく行かない役を演じ、この映画の撮影時の苦労の再現が行われることとなった。 2023/8/29(波照間エロマンガ島)

映画はストーリー、演技、美術、音楽、あらゆる表現のことを考えなければいけないから、監督ってみんなスゴいなって思っちゃうな。 2023/8/29(石川浩司)

「グレートレース」〔1965年 ブレイク・エドワーズ監督〕 

ジャック・レモン、トニー・カーティス、ナタリー・ウッド、ピーター・フォークほか出演。
小学6年生頃、テレビで鑑賞しました。ハンナ・バーベラ・プロダクションのテレビアニメーション「チキチキマシン猛レース」〔1968〕の元ネタとなるスラップスティック風味満載の実写版カーレース映画。映画はモータリゼーション期にならんとする20世紀初頭が舞台。ニューヨークからパリまでの「グレートレース」途中で巻き起こるトンデモ騒動を描いていますが、パリのゴール地点での「落ち」から一転、パリからニューヨークまでの再レースのスタートシーンになるところで映画は「The End」となる、このラストシーンの運びは、子供であった自分にとっては胸のトキメク映画のラストシーンでした。 2023/12/23(波照間エロマンガ島)

面白そう! アマゾンプライムとかにあったら観たいな。 2023/12/23(石川浩司)

「特急にっぽん」〔1961年東宝 川島雄三監督、フランキー堺主演、獅子文六原作「七時間半」より〕
東海道新幹線が開通する3年前、鉄道で東京ー大阪間を最も速く走行した東海道本線の特急こだま号の車内を舞台に、様々な人間群像を描いた痛快喜劇映画。原作は獅子文六のベストセラー小説「七時間半」。私は映画の方を先に鑑賞し、10年ほど前に獅子文六のプチ再ブームによって文庫本を購入、あとから原作に接した。喜劇映画の天才、川島雄三とフランキー堺との息のあった名コンビぶりが炸裂した大好きな映画です。
あ、そうだ。映画冒頭に登場する特急こだまが停車している品川の車両基地は、2ヶ月ほど前に行った高輪ゲートウェイ駅のあるあたりだ! 60年前はこんな景色だったんだ。その近く泉岳寺近くの坂にある寮から食堂車の従業員たちが三々五五車両に乗り込んでくるんじゃなかったかな。1960年代初頭の品川車両基地の風景が見えるのが新鮮だった。そして、東京駅を発車して大阪まで向かう車中で色々な事件が起こっていくのは喜劇映画の彩りがあって素晴らしいのであるが、映画のラストシーンというこのトピックのテーマに沿うならばある事件が解決するのが京都で、京都から大阪まではクラシック音楽で言うと「コーダ」の趣きで、歌劇がだんだんボリュームが下がってオフになっていくような感興、これが素晴らしかったのだ。東海道線を描いたドラマだったらこの余韻を描くのは必須だと思ったね。川島雄三の天才ぶりをここでも味わえた、そんな作品でした。 2024/1/27(波照間エロマンガ島)

おおっ、これは観たいっ! 新幹線で言えば新幹線大爆破っていう映画もあったっけ?あれも面白かったな。 2024/1/27(石川浩司)

「ダイハード 2」〔1990年 レニー・ハーリン監督 ブルース・ウィリス主演〕シリーズ2作目。大雪の空港を舞台にしたノンストップアクションムービー。大好きです。「午後ロー」やBS、CSで放送した時はハードディスクに自動録画された番組をエンディング近くのクライマックスシーンまで早回しして飛ばして視聴する。そしてスカッと爽やかなカタルシスを放つラストシーンまでの10分弱を鑑賞。「ダイハード」シリーズのラストシーンの中で、いちばん気分が良いです。何が起こるかはもちろん書きません。 2024/2/16(波照間エロマンガ島)

スカッと爽快、胸と頭の射精ムービー!? 2024/2/16(石川浩司)

「地上より永遠に〔ここよりとわに〕」1953年製作、フレッド・ジンネマン監督、バート・ランカスター、デヴォラ・カー、モンゴメリー・クリフト、フランク・シナトラら出演。
1941年、日本軍による真珠湾攻撃間近の数ヶ月間、アメリカ合衆国陸軍オアフ島スコフィールドバラックス基地を舞台にした戦争映画。軍隊の腐敗や登場人物たちのさまざまな人間模様を描いて、骨太のドラマを表現し同年のアカデミー賞を多数受賞した。
子供の頃観た記憶があるのだが、全く内容を忘れていた。戦争映画ならではのアクションシーンなど皆無で、軍隊内での陰湿なイジメや不正、果ては不倫などを描いていて、子供の時観た時も内容に嫌気がさして記憶に残らなかったのではないか、と思う。
主演のバート・ランカスターが上官の妻であるデヴォラ・カーと岩場のある海岸での不倫ラブシーンは覚えていたが。
この作品には原作があるそうで、そちらはより踏み込んだ内容になっていることを知ったが、読んでみたくなった。この映画のストーリーだけではドラマが描ききれてなくて満足しなかったからだ。
特にラストシーンは、殺人事件に巻き込まれ除隊していたモンゴメリー・クリフトが真珠湾攻撃が始まり愛国心に目覚め、急ぎ隊に戻る瞬間、不審者と間違われ味方の軍人に背中から撃たれ絶命するシーンが哀れを誘った。しかし、このラストシーンの救いのない展開は後味が悪く、もっと別の結末はなかったのかと思った。
でも、オスカーを多数受賞したということは、アメリカ人に愛された映画と言えるのだろうな。 2024/4/13(波照間エロマンガ島)

この数年間で1000本以上の映画を観たけれど、波照間エロマンガ島と被っている映画がほぼ無い。映画って凄い数が作られているんだなあ。(石川浩司)

「プラダを着た悪魔」〔2006年 デヴィッド・フランケル監督〕

ニューヨークにある超有名ファッション誌のカリスマ編集長と、彼女にキリキリまいさせられる新卒アシスタントとの騒動事件を描いたコメディー映画。私の大好きな作品でケーブルテレビで放映していると必ず飛びついて鑑賞する映画です。
2024年3月のアカデミー賞授賞式では、久々にこの映画に主演したメリル・ストリープとアン・ハサウェイ、エミリー・ブラントが同じ壇上に立ち、最高な胸熱状態を堪能しました。この映画の三人は特に第一アシスタント役のエミリー・ブラントの演技が大好きで、意地悪が嫌味になる役柄をギリギリで寸止めし、おバカなキャラクターで視聴者に愛される演技を作っているところに魅了させられました。
プロットではパリのオートクチュールのショーに出張する直前に交通事故に遭い、足を骨折入院しパリには行けず、松葉杖を引きながら職場復帰した後、退職したアン・ハサウェイと電話で話すシーンがあるのですが、このシーンのエミリーのコメディエンヌぶりは「本当に可愛いなー」と思わせるほどの感想を抱きました。こういう最後に気分の上がるオシャレな映画は大好きであります。 2024/5/12(波照間エロマンガ島)

なんかプラダというだけで「俺と関係ないオシャレ映画か...。」と思ってしまった。 2024/5/12(石川浩司)

「プレタポルテ」〔1994年 ロバート・アルトマン監督〕

マルチェロ・マストロヤンニ、ソフィア・ローレン、アヌーク・イェーメ、ジュリア・ロバーツほか、オールスターキャスト。パリコレクション会場を舞台に世界最大規模のファッションビジネスの祭典プレタポルテコレクションにおける喧騒を描いたコメディ映画。ラストシーンのファッションショーは「なんでもあり〜なの?」と口をあんぐりする展開に笑いが止まらない。たまぁにこの映画を観たくなる。この映画の制作からもう30年経つのか。早いなー。 2024/6/11(波照間エロマンガ島)

そもそもファッションショーって「これ、実際に着る人いるの!?」というもの多いよね。まあ、ショーだからいいのか〜。 2024/6/11(石川浩司)


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