話題373 想い出のライブ(2)


19/12/8の追記。そのダウンタウン・ブギウギ・バンドがパジャマ、ガウンの衣装で登場したライブを思い出しました。1979年5月4日、日比谷野外音楽堂で開催された「ジャパン・ロック・フェスティバル」です! この頃はロックンロールの御大内田裕也は、5月の日比谷野音と大晦日の浅草と年2回、ロックフェスティバルを開いていたんですね。野音のロックフェスのほうへ友人たちと参戦したというわけでした。司会はゴールデン・カップスのデイブ平尾。このころは音楽活動は一時休止して性格俳優として映画やテレビに出ている頃でした。お昼くらいに開演し夜8時くらいまでのあいだ、日本のロックの新人から重鎮まで総登場し演奏を聴かせてくれました。中でも印象的だったのは、この日が東京デビューのシーナ &ザ・ロケッツ。最初、シーナさん抜きのメンバーで演奏しているところに、シーナがふらっと現れておもむろに歌いだす演出がかっこよかった!

ダウンタウン・ブギウギ・バンドは、大トリのクリエーションの一つ前、あたりがだいぶん暗くなってから登場しました。宇崎竜堂の作詞作曲歌唱するところのいぶし銀のジャパニーズロックをじゅうぶん堪能しましたわ。 19/12/14(波照間エロマンガ島)

確か解散後は当時の歌を歌わないんだよね。聴きたい曲あるなー。 19/12/14(石川浩司)

数年前に佐藤幸雄さんの音楽を直接聴きたくてライブに行きました。
レコードショップ「フジヤマ」の店頭で歌われるお姿は映像で見たことがあったのですが、目の前で音楽が湧き出る光景は本当に素晴らしいものでした。
ライブが終わり楽しかった感想と最後に「石川さんと交流があります」とご挨拶させていただき、佐藤さんからは「義弟〈おとうと〉ともどもよろしくお願いします〈笑〉」と丁寧なお返事を頂きました。
その後「ニヒル牛」でのライブを部分的に収めたCD「ライブ・アト・ニヒル牛〈通常盤〉」も発売され、兄弟揃ってそのご活動から目が離せない状況です。 20/2/24(テングザル)

あの義兄もトコトンやる人だからねー。ある意味似た者兄弟!? 20/2/24(石川浩司)

19/12/14の石川さん。
宇崎竜堂さんが「竜堂組」解散後に結成した「宇崎竜童 & RUコネクション with 井上堯之」のライブを1990年代に観たことがあるのですが、宇崎さんはダウンタウン・ブギウギ・バンド時代の楽曲も演奏していた記憶があります。「身も心も」とか名曲を歌い上げていて良かったなー。
あと2018年鬼籍に入られてしまいましたが、井上堯之さんが歌う、萩原健一・近藤真彦に楽曲提供した「愚か者」。あれは渋くてかっこよかったー。そんな想い出。 20/3/24(波照間エロマンガ島)

あれ、そうだったか。解散後の曲を歌わないのはブルーハーツだったかな? 20/3/24(石川浩司)

20/3/24の石川さん。たしか、1980年頃、ダウンタウン・ブギウギ・バンドからダウンタウン・ファイティング・ブギウギ・バンドにバンド名を改名したときに、過去のレパートリーを封印するということを宣言したので、その記憶が石川さんに残っていたのではないかと思います。ダウンタウン・ブギウギ・バンドは内田裕也主催のロックフェスの常連だったのでかなりの回数観て好きなバンドでした。 20/4/18(波照間エロマンガ島)

あー、それだ。今はもう解禁かあ。 20/4/18(石川浩司)

1981年に渋谷クロコダイルで観たEX(エックス)のライブ。対バンはThe Spoil。
これは良かった!39年経った現在でも覚えています!

EX  20/6/2(エックス)は1979年カメリアレコードからデビューした2人組のロックバンド。メンバーは梅林茂〔ギター、ボーカル〕と羽山伸也〔ドラムス〕。このライブでは元サンハウスでシーナ&ザ・ロケッツの奈良敏博〔ベース〕、プラスもう一人キーボードのサポートメンバーがいました。ロンドンポップのテイストをもつ、8ビートのニューウェイブサウンドは最高にキュートでかつ、かっこよかった。ビートルズや60年代マージービートの響きもありました。

もともとカメリアレコードは、日本のロック界の2大巨匠である内田裕也と加藤和彦がタッグを組み作ったレコード会社で、内田裕也はBoroを、加藤和彦はEXをそれぞれプロデュースしデビューさせたことで話題になりました。

ところがEXはシングル盤1枚リリースしただけで、わたしの記憶によればアルバムは出さずに1984年に解散してしまいます。今残っている音源としては、YMO系の女性テクノポップシンガーのスーザンの2枚目のアルバム「恋せよ乙女」の中の2曲「Tokyo Sue」と「I Need Your Love」のトラックをEXが担当しているのがあります。この夜のライブではスーザンが特別ゲストで客席から登場し、この2曲を演奏しました。そのほか、スネークマンショーのカセットアルバムとか、森永乳業のPiknikというCMソングも担当していたような。
梅林茂はそのあと松田優作のバックバンドのバンドマスターを経て、映画音楽の作曲家に転進、多くの日本映画の音楽を担当しています。あー、さすがに39年前のライブだと細かい記憶が欠落してくるなー。会場では対バンのThe Spoilで客演していたサキソフォン奏者時代の立花ハジメさんやスーザンのプロデューサーだった高橋幸宏さんなどを見かけました。あと知り合いだったロック雑誌プレーヤーの編集者でThe Spoilのドラマーの永田裕さんとお話したことも思い出しました。 20/6/2(波照間エロマンガ島)

名前はなんとなく聞いたことあるけど音は知らないや。何かで聴けたらいいな。 20/6/2(石川浩司)

坂本龍一 + アルバ・ノト "インセン" @ ローマ、オーディトリアム 〔2005年10月22日〕。
イタリア旅行中に坂本龍一さんのライブを見に行きました。アルバ・ノトさんとのジョイントライブでした。とてもよかったです。会場はローマ市内の大学の大ホール。
インターネットで予約した席は左サイド11列目。ステージからそれほど遠くなくまぁまぁよい席。三々五々席は埋まり開演時間にはほぼ満員になりました。

2005年当時の坂本龍一はピアノ音楽の新たな音響的可能性を模索しているような活動をしていました。2004年春発表の"CHASM"を聴くとピアノはこんな響き方をするのか!と驚いたものでした。今回のコンサートは坂本の弾くピアノとドイツ人のアーチスト、アルバ・ノト〔エレクトロニック・ノイズ+映像〕とのコラボレーション・ライブ。2人名義で"INSEN"というアルバムを発表しているようですが、前もって聴いてはいませんでした。

開演時間を5分過ぎた頃会場は暗くなり、坂本とアルバ・ノト登場。会場からはさかんな拍手が起きます。

1曲目。坂本が椅子から立ち上がって中腰でピアノの最低音部のキーを右手でがーんがーんと叩いて、マイクでひろった音をその場で左手でエフェクトをかけ加工しながら曲が始まる。そこにうすーくアルバ・ノトのラップトップコンピュータから出る電子ノイズ音がからんでいく。打楽器としてのピアノの可能性を聞かせてくれるのですが観客の戸惑いは予想以上で、曲が終わっても拍手するタイミングがつかめないほどでした。ワンテンポ遅れてまばらに拍手が起きそれが全体に派生していくような様子で、これはアバンギャルドなミュージックコンクレートのコンサートになるのか、観客は置いてきぼりを食うのか、そんな観客の不安と戸惑いが1曲目の拍手から見てとれました。
2曲目、3曲目と同じようなパフォーマンスが続きます。坂本が簡単なフレーズの繰り返しを弾き、そこにアルバ・ノトのノイズ音がからむというスタイルは変わらず。ステージ後方に5枚ほど並んだスクリーンにはノイズ音と同期したさまざまなパターンの明滅するコンピュータビデオ映像が流れていきます。20世紀音楽史については詳しく知らないですが、1970年代のミニマル・ミュージックの趣きを感じました。単純な音階と映像の繰り返しは眠気を誘うこと十分で、近くの席からは3曲目くらいから早くもいびきが聞こえるほどでした。曲が終わるたびに、困惑とため息の混じった拍手が聞こえていました。

しかし、わたしはパフォーマンスとして非常に面白いと思いました。
想像したよりかは観客は置いてきぼりは食ってないし、確かに現代音楽の理論を踏襲した音楽世界がそこにはあるのかもしれないけれど、案外ポップでユーモアもあします。自分が似ていると思ったのは、1980年代前半にコンテンポラリー・アートとポピュラー・ミュージックの世界が接近した時期の代表的アーチスト、ローリー・アンダーソンを想起しました。どちらのジャンルにもカテゴライズ可能な雰囲気を感じたのでした。
観客も演奏を受け止めて、この独特なグルーヴを徐々に楽しみ始めている、そんな印象でした。あっという間にコンサートの時間は終わりました。

アンコールに演奏した「戦場のメリークリスマス」は、徹底的にアレンジがなされていて、はじめそのメロディーを解体して何のフレーズなのか観衆にはわからないが、じょじょにメロディーが立ち現れてきて、観衆もだんだんその曲が何なのかわかってきて、わたしと同じく興奮しているのが手にとるようにわかりました。最後にすべてのメロディーが演奏されて曲が終わると満場に大歓声が起こりました。この曲がその夜のベストパフォーマンスだと信じて疑いません。これはおそらく20世紀の音楽理論で、メロディーの解体と再構成を数学的に自動的に行なう手法が使われているのだと確信しました。

やはりライブはいいものだ、と遠い異国の地でしみじみ思ったのでした。 20/6/30(波照間エロマンガ島)

革新的なことは常に一発で受け入れられないと思う。逆に誰にも一発で受け入れられるようなものは本当に革新的なことではないと思う。 20/6/30(石川浩司)


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