話題288 好きな映画(3)
黒澤明監督作品『椿三十郎』〔1962年〕で入江たか子演じる城代家老夫人が三十郎〔三船敏郎〕に向かって言う有名なセリフ。
「あなたはギラギラしすぎているようですね、まるで抜き身のように。 でも良い刀は鞘に入っているものですよ。」と言い諭す。
これとほぼ同じセリフがその約20年前に製作されたマキノ正博監督『阿片戦争』〔1943年〕に出てきます。19世紀、動乱の上海で勃発した阿片戦争を日本のオールスターキャストで描いた歴史超大作。この中で阿片を中国民衆に売り飛ばそうとするイギリス人兄弟が出てきて〔どちらも日本人が演じているのですが〕、その兄が弟に向かってこう言うのです。
兄 「お前は抜き身みたいな男だなあ~。しかし、最も切れる刀はサヤに入ってるものだよ」
これは『椿三十郎』でも使っていた喩えとまったく同じです。それもそのはず、この二つの作品は脚本が小国英雄で、おそらく99%以上の確率でこのセリフは小国が書いていると思われるからです。
わたしは映画館で『阿片戦争』を鑑賞しているとき、このセリフが発されたとき、場内は大爆笑だったことを覚えています。有名な『椿三十郎』に同じセリフが出てくることを観客は皆知っていたわけですね。ハイブラウな観客だと感心しました。やはり映画は映画館で観るからこそこんな体験も味わえる、そんなエピソードでした。 2021/3/19(波照間エロマンガ島)
知識見識があるからこそ笑えるものってあるからねー。 2021/3/19(石川浩司)
「ゴジラ vs コング」、ワーナーブラザーズ配給、レジェンダリーピクチャーズ製作のハリウッド怪獣映画。2021年3月25日公開。日本では5月に公開される予定です。これはすでにゴジラ、キングコングとも何作か製作されていて世界観があらかじめできている映画の続編なので、映画の前提となる説明エピソードが省略されていて、いきなり本題に入るような展開の速さが小気味良く、スムーズに劇中に没入できました。まあ小難しくなく、徹底的に破壊と闘いを繰り返す巨大怪獣の闘いにストレスは大いに発散できました。バンコクのシネマコンプレックスで鑑賞したのですが、映画館に行ったのは昨年秋の「テネット」以来。ずーっと自宅の50インチのしょぼいテレビモニターで映画を観ていたので、大スクリーンでの映画体験は、テーマパークでの体験のように胸がすく思いでいっぱいでした。やはり映画は映画館で観たいものだなぁ、と実感しましたよ。前情報もいれずにぽかーんと観ていたら、冒頭とつぜん小栗旬が出てきたのでびっくりしました。そして小栗旬久々に目撃したけど、霜降り明星の粗品に似てるなーと思ったら笑いがこみあげてきました。
そういえば日本版「キングコング対ゴジラ」〔1962年〕は幼少期に東宝チャンピオン祭りで短縮版を観たのでした。そのとき熱海城が破壊されるシーンを覚えているのですが、後年さまぁ~ずの散歩番組を見ていて、この熱海城は1959年に築城された最近のお城だとわかり、がっかりしたしだいです。なんだ、江戸時代に出来たんじゃないんだ、と。なのでゴジラとキングコングが城を破壊しても、惜しいとかありがたみは特にわかなかったしだいです〔笑い〕。 2021/3/31(波照間エロマンガ島)
特に怪獣ものは大きなスクリーンで見ると迫力違うだろーなー。うちの近所の映画館に来たら観ようっと。 2021/3/31(石川浩司)
最近「青くて痛くて脆い」という映画を見ました。
リアルで生々しい青春の映画で、なんか胸が苦しくなりましたがいい映画だったとおもいます。
鈴木常吉さんちょこっと出てました。2021/4/15(ポコポコ)
へ~常さん出てたのか。アマゾンプライムとかに来たら観ようっと。2021/4/15(石川浩司)
「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」〔2020年 大林宣彦監督〕。
先日ケーブルテレビで初めて鑑賞しました。大林監督の遺作となったこの作品、とても深く私の心を揺さぶる衝撃作でした。衝撃が強すぎて言葉がなかなか出てきません。前作「花筐/HANAGATAMI」同様、日本の過去・現在・未来までを映画を通して俯瞰することを企図していて、戦争を題材に若者を主人公にして戦争の悲惨さ、愚劣さを描き訴えています。
上映時間が3時間と長いのですが、はじめは尾道を舞台にした小作品を作ろうと思っていたが製作しているうちにいろいろな描きたいテーマが増えていき、この長尺になったそうです。
あらすじを語るスペースはないので印象的だったことをランダムに箇条書きで書いていきます。(以下ネタバレです、気になる方はスルーを推奨します)
1.ラストシーンで高橋幸宏演じる爺・ファンタが宇宙船の中で叩くドラムスと、宇宙空間を飛んでいる犬塚弘演じる老人が弾くウッドベースが同じフレームに収まっていた。クレージー・キャッツとYMOの共演だー!と心の中で叫んだのだが、わたしと同じ気持ちになった人はどれくらいいるだろう。
2.そういえば原田知世主演「天国にいちばん近い島」〔1984年〕で、主人公の幼女時代の父親役で高橋幸宏が出演していたのだが、この父親は急死する設定で、成長した原田知世の母親役の松尾嘉代と同じフレームに入って夫婦の芝居することはなかった。しかし、どう考えても幸宏と松尾嘉代は夫婦には見えなかった。想像するだけで気持ち悪くなったことを思い出した。幸宏が松尾嘉代を抱く姿なんて想像できないもの。
3.1945年8月6日、広島に投下された原子爆弾に被爆し落命した移動演劇桜隊の丸山定夫や園井恵子らのことについては、以前から興味があった。2006年だったかわたしは友人たちと目黒不動尊に初詣に行った帰り、近くの五百羅漢寺にも立ち寄ったのだが、五百羅漢を参拝したあと聖宝殿の中に入ると桜隊を特集した展示コーナーがあり、園井恵子さんらの写真が飾っていて強い印象を持ったのだ。桜隊が起居した堀川邸は、爆心地からわずか700メートルしか離れてなかったという。そのときいつか誰かに映画化してほしいと願ったのだが、それが尾道出身の大林宣彦だったことにも衝撃を受けたのだった。
4.気になって丸山定夫のことを検索すると、1901年5月31日生まれ、1945年8月16日死去。享年44歳。生れた年が昭和天皇と同じなのだ! 昭和天皇は1901年4月29日生まれ、1989年1月7日死去、享年87歳。原爆をめぐるこの二人の日本人の一生について、スパイラルに何かフィクションを紡ぐことができるかもしれない。イッセイ尾形が昭和天皇を演じた『太陽』という映画をまた観たいな。
また関係ないけど、つい数日前マリリン・モンローがエリザベス女王に謁見する映像を観たのだが、なんとなく勘がして二人の誕生日を調べたら、こちらも同い歳生まれだった。マリリン・モンロー 1926年6月1日生まれ、1962年8月5日死亡。享年36歳。 エリザベス2世 1926年4月21日生まれ、現在94歳。
5.ワンショットだけパスカルズの坂本弘道さんがアップで抜かれるショットがあったのだけれど、あれは誰だったのだろう。劇構成が過去と現在〔劇中現在〕を複雑に往復するのでわかりにくかったのだ。チェックする機会があれば確かめてみよう。
6.大林監督は太平洋戦争の沖縄戦の悲劇について目を背けることはしなかった。岡本喜八監督作品「激動の昭和史 沖縄決戦」〔1971年〕とともにこの映画は人類が未来まで遺していくべき映画だと強く確信した。この2本の映画を同時にかける映画上映会を企画したい。バンコクの沖縄料理レストラン金城で実現したい。
7.石川さんが山下清役で出演した「この空の花 長岡花火物語」〔2012年〕で、大林監督は初めて全編デジタル撮影を試み、コンピューターグラフィックスでの編集作業を行なうようになった。この映画では花火や空襲での「火の雨」をCGで作り私は衝撃を受けたのだが、その作風は前作「花筐/HANAGATAMI」〔2017年〕を経て今作でも随時表現されている。空襲の火の雨、雨の線などを「作り物」であることをあえて観客にわからせるように画面合成しているのは、映画美学的に21世紀の現代における先端の感性を発出していると感じた。
8.タイトルにもある「海辺の映画館」は、広島県尾道市にあり海に面しているのだが、砂浜ではなく護岸された海辺であった。すぐ対岸に島があるのでそれは運河のようにも大きな川のようにも見える。同じ風景を昨日、小津安二郎監督作品「東京物語」〔1953年〕で目にしたとき、そのシンクロニシティーに鳥肌が立ってしまった。この映画のコンセプトである「映画を通して日本の戦争時代を振り返る」にあたり、映画=タイムマシーンの装置がこの作品にはあるのだ。ほかにもシネフィルの発見を待っている細部の引用は多くあるのだろう。
9.古今東西日本の戦争に運命を持っていかれた日本人についてこの映画では多数扱っているのだが、そのなか幕末期に寺田屋で襲撃された坂本龍馬と中岡慎太郎も描かれている。襲撃されて即死ではなく翌々日まで生き延びた中岡慎太郎〔柄本時生〕の映像が出た数十分後、広島の原爆を表現するシーンがあった。ここで即死せず数日間生きていた移動演劇桜隊のメンバーを字幕で紹介している。そのナレーションと構成が衝撃的。「ピカ」〔原爆の閃光〕を見て「ドン」〔原爆の爆発音〕を聞かないまま亡くなった人、だれそれ・・・。「ドン」を聞いたが数日後に亡くなった人、だれそれ・・・。この即死しなかったこと、苦しみながら死んでいったことを丁寧に描くことで傷づいて死んでいった「痛さ」を表現していた。わたしはこのような表現をした芸術家をほかに知らない。
10.日中戦争時、中国大陸で毒ガス部隊に在籍した小津安二郎〔このことについて小津は生前けして語ろうとしなかった〕と中国大陸で戦病死した山中貞雄。この二人の天才映画監督がベンチに座り並んでしゃべるシーンも印象的だった。小津が山中を訪ねるスナップ写真を以前見たことがあるが、日本にいたとき「あご」というあだ名だった痩せ型の山中の顔立ちには往時の面影はなく、病気で水ぶくれした死ぬ直前の顔立ちが、演じた犬童一心に生き写しだった。
長文すみません。断片を思い出すことくらいだったらいくらでも書けます。論文でまとめるまでにはなりませんが、大林宣彦さんの遺作を観たという話でした。大好きな映画です。また観ます。 2021/4/29(波照間エロマンガ島)
まだこの作品は観られてないのだが、とにかく監督のパワー、アイデアは同じ人間とは思えない。撮影時、毎日睡眠は1〜2時間だったのではないか。そして一週間で食べたのがリンゴ一個だけ(これは定かではないが、そういう感じの話を直接聞いた)とか。
もしかしたら、監督は宇宙人だったのかもしれない。 2021/4/29(石川浩司)
仲代達矢が机龍之介を演じた「大菩薩峠」〔岡本喜八 1966年 東宝〕最近鑑賞したのだが、冒頭で老巡礼が大菩薩の山頂の祠で念仏唱えていると理由もなく机に斬殺されるシーンを見て、テレビも含めて5~6回はリメイクしているこのシーンだけダビングして繋いだら、どんな感興が沸き起こるのか試してみたいと思った。とにかくこのシーンは唐突すぎて凄いんだよ。辻斬りが主人公の映画なんてほかにあるか。
1990年代に安岡章太郎が群像の「果てもない道中記」という連載でこの「大菩薩峠」の世界を論じており、初めて内容に興味をもった。機会があれば読んでみたい。でも41巻あって未完というのはすごいよな・・・。物語は幕末から明治に入らずに架空の世界を描くってわけわからないし。
ところで美空ひばりに「ロカビリー剣法」という曲があって、「机竜之介音なしの構え」「柳生但馬は新陰流よ」「北辰一刀千葉周作よ」「そーれいくぞー!」とか最高にかっこいい歌で好きだったの。米山正夫の最高傑作じゃないかってくらい。ひばりの天才を感じられる一曲。 2021/5/25(波照間エロマンガ島)
先日も大作漫画が未完のまま亡くなってしまった漫画家さんがいたよね。ラストは誰にもわからないのは、逆に自由に妄想できる余地ができたということでもあるんだろうけど。 2021/5/25(石川浩司)
徳川セックス禁止令 色情大名〔1972年 東映 鈴木則文監督〕
杉本美樹主演のエロティック時代劇。成人指定。1972年当時は小学4年生だったので当然本編を観ることはできなかったが、週刊誌やスポーツ新聞などで扇情的な写真や惹句に引き寄せられてずいぶんエロ妄想からちんこをしごかせてもらった。が、成人になってからビデオ等で本編を観ると、これが子供の頃から夢想していた内容とは異なり、ポルノ時代劇とは名ばかりのちょいエロティックテイストな時代劇コメディーだったことに気がついた。とにかく鈴木則文のエログロセンスが炸裂した、東映京都撮影所特有のB級プログラムピクチャーができあがっていた。
物語は文化文政の御世、性豪として知られやたらめったら側近腰元などに多数の男女を産ませた徳川十一代将軍の家斉の34番目の息女が、女嫌いの田舎大名に嫁いで、そこで性の不一致から夫婦間の対立になり、激怒した大名が領内セックス禁止令を発令、大混乱に陥りしまいには「セックスやらせろ一揆」が起きてしまうも大名が気をとりなおし禁止令を解除、ハッピーエンドを迎えるというわけわからない展開の映画であった。
家来衆の努力で大名の女嫌いを治すために異人館にいたフランス人形のような娼婦、サンドラ・ジュリアンをあてがうセックスシーンは美しかった。でも21世紀の現代、変態の限りをつくしたハードポルノを見慣れている目では、1972年作のこの映画では抜くことができないのもしょうがないことだとは残念ながら思うのだが。 2021/7/29(波照間エロマンガ島)
昔の刺激は今の刺激にならないことも多いもんね。もちろん年齢的なこともあるだろうけど、ハードなのが出尽くして。今後どーなるのかな。とりあえずバーチャルかな。 2021/7/29(石川浩司)
「パリはわれらのもの」〔1961年 ジャック・リヴェット監督〕。
フランスの映画評論家たちが商業主義におもねらない作家の映画を志向し、全世界にひろがったヌーヴェルバーグ〔新しい波〕のムーブメントの中に位置された長編劇映画作品。それまで映画雑誌「カイエ・デュ・シネマ」で編集の仕事をしながら短編映画をものしていたジャック・リヴェットの長編処女作品である。日本では劇場未公開。わたしは数年前に初めてケーブルテレビにて鑑賞し、つよい印象を受けた。
シェークスピアの戯曲を上演しようとしている劇団があり、人間関係等々、さまざまな問題を抱え上演が頓挫しかける。そのプロットを縦糸に物語は進行する。大学生、俳優、亡命者などパリに住まう外来者の人間模様はこんな感じだったのだろうという、さもありなん感が印象的だった。芸術の都パリで表現者を目指して生活するとき、こういうことが起きるのかとか、こういうことを感じるのかとか、興味深かった。
2時間半の長さ、やや冗長だがミステリー仕立てにして筋を運んでいるところにも好感をもった。これが発展しさらに何ターンもひねっていくとデヴィッド・リンチのような作品世界になるのだろうとも思った。たまに観返したくなる作品でした。 2021/8/12(波照間エロマンガ島)
日本では劇場未公開ということは字幕無し、フランス語?それを観られるとはスゴい。 2021/8/12(石川浩司)
「美しき緑の星」〔1996年 フランス映画〕監督・主演 コリーヌ・セロー。
「幻の映画」とか、DVDが発禁になったとか、動画サイトにアップロードされると内容が危険すぎるので、すぐに当局によって削除されてしまう噂があるとか、・・・いろいろな都市伝説をもつ映画。ここ何年かはニコニコ動画にアップされていて、例の右から左へ流れていくコメント表示をONにして観ると、たくさんの人と同時に映画を観ているような疑似体験を楽しめます。
内容はいっさい書かないほうが先入観なしで観られてさまざまな感想を得られると思うので、ただただお勧めいたしやす。カテゴリーとしてはSFとかスピリチュアルとかコメディーとかに分類できるかな。いろいろな表現の階層で気付かされることが多くて、ある部分で覚醒もするから、カルト映画としても識別可能か、とも。わたしは好きな映画でたまに思い出したように観ています。というわけでどうぞ。 2021/9/30(波照間エロマンガ島)
へー、観てみたいね。最近アマゾンプライムで観た「ミッド・サマー」も不思議な映画だったのでオススメ。 2021/9/30(石川浩司)
10/5/31のことりさんへ。
ようやく本日「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」を観ることができました。実は2008年の劇場公開時、チェンマイのカードスアンケーオのシネコンで観るかどうかためらった映画だったのです。いやぁ、13年経ちましたけど、観ることができてよかったです。紹介してくれてありがとうございました。最高っすね。監督・主演のベン・スティラーは「メリーに首ったけ」で邂逅以来、わたしの最も好きなコメディアンのひとりです。そしてトム・クルーズ同様にわたしがいちばん驚いたのがメインキャストのひとりにロバート・ダウニー・ジュニアが出演していたこと!そう、「アイアンマン」その人です。
たくさん爆笑シーンがありましたが、ハリウッドの業界の内輪話、ゴシップ話満載でしたね。中でもジャングルでたき火して駄弁っているときに「お前、ジェニファー・ラブ・ヒューイットとやったのか」っていうセリフは笑ってひっくり返りそうになりました。わたしは2008年当時、CBS系でジェニファー主演のメロドラマをよく観ていたんで、ほんと「さもありなん」だったんですよ〔笑い〕。これはアメリカの映画館でアメリカ人の観客といっしょに観たかったなー。げらげら笑えたでしょう。
また、映画が入れ子構造になっているのは「蒲田行進曲」など想起しましたし、俳優が映画の撮影だと思っていたら本物の山賊と対峙するというのは「サボテン・ブラザーズ」なんかを思い出しました。ほかにもたくさん元ネタのあるセリフやいただきのシチュエーションはあったのでしょうね。あ、映画のラストシーンでジョン・ヴォイトがカメオ出演したのも爆笑しました。
以上、ことりさんが紹介してくれたアクションコメディー映画「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」を観たという話でした。 2021/10/30(波照間エロマンガ島)
ことりは11年前の投稿のこのアンサーを読んでくれてるだろうか...。 2021/10/30(石川浩司)
2021/10/30の石川さん。
はい、ことりさんにメール送っておきました。「11年前のことりさんの投稿にレスしました。『トロピック・サンダー』面白かったですー」と。 2021/11/14(波照間エロマンガ島)
またことりも投稿再開してくれないかなー。ことりの投稿も面白いもんね! 2021/11/14(石川浩司)
「エリジウム」〔2013年 ニール・ブロムカンプ脚本・監督〕。「第9地区」〔2009年〕で注目されたブロムカンプ監督の新作SF映画。バンコクのシネマコンプレックスにて鑑賞しました。
22世紀中盤、荒廃した地球環境を逃れて地球支配層や富裕層は衛星軌道上に建設したスペースコロニー「エリジウム」に生活している。地球に住む貧民層はドロイドに徹底的に監理されているが、あるとき団結して「エリジウム」に侵攻し、支配層にレジスタンスする模様が描かれる。大変面白く観させてもらいました。
この映画の中には近未来の医療装置が出てきて、それがプロット上重要な役割を担っていることが印象的でした。一家に一台常備されているのですが、人間が罹患するどんな病気でも透明のカプセルに入ると、脳、内蔵、血流、筋肉など人体のすべての状態を一瞬にして診断し、正常な状態にしてくれる装置なのです。地球上に住む重篤患者がこの装置で病気を一瞬にして治癒するのがストーリーの肝となっていました。
この映画を鑑賞してから7年ほど経った2020年。映画に出てきた医療装置とまったく同じものが「メドベッド」という名前で開発に成功したというニュースをインターネットで知りました。 2022年にはメドベッドが世界中に配備されると、病院医療は根底から覆されるということが言われています。にわかに信用することはできませんが、もしそうなったらいいだろうな、わたしの持っている基礎疾患も治してくれるのかな、と思ったりもします。わたしは疑い深い性格なので100%信用することはありませんが、メドベッドの登場に期待しているところはあります。
以上、好きな映画「エリジウム」でした。 2021/12/4(波照間エロマンガ島)
病気は人生最大の問題だものね。これだけはどんどん進歩してもらいたい。
もっとも昨今のコロナ禍のように、病原菌も「こっちも負けんぞ!」と新しいものを躍起になって出してくる気はするが。 2021/12/4(石川浩司)
「男と女」〔1966年 クロード・ルルーシュ監督〕。カンヌ映画祭グランプリ受賞の恋愛映画。ヌーベルバーグ全盛期に発表された映画だが、製作者たちが自力で資金を集めて製作にこぎつけた作品にもかかわらず、同時代の映画ジャーナリズムの世界からはそのテーマの思想性の無さから「ヌーベルバーグの裏切り者」と罵倒排斥された。
監督のクロード・ルルーシュは、当時ジュークボックスに付帯したイェイェポップス歌謡曲専門のイメージ映画を製作するプロダクションに所属していて、風景ショットを複数オーバーラップで重ね「それらしく」美しく繋げて見せる手法を開発、その手法はイメージ映画の名称である「スコピトン」と名づけられた。この「男と女」ではラリーレーサーの運転する自動車の疾走シーンが多く出てくるが、いずれもスコピトンの手法をふんだんに使ってイメージ画像を盛り上げていた。
わたしはこの映画の美しい映像が好きというよりも、運転席に座った主役のジャン=ルイ・トランティニャンの心の動きを長まわしノーカットのモノローグでただカメラをズームアップ、ズームアウトしているだけのシーンがばかばかしくて大笑いしたり、映画の最後に男と女が結ばれ・・・たかと思いきや、どんでん返しが起こるなど、ぎりぎり下ネタ的ギャグシーンも織り込んで、そのユーモアのセンスに思い出の1本として魅了された好きな映画である。
なお、ミュージシャンの高橋幸宏は少年時代この映画に嵌り、映画音楽担当のフランシス・レイや音楽制作に協力した歌手のピエール・バルーに影響を受け、ソロアルバムでは彼らにオマージュを捧げるフランス風音楽を製作している。 2021/12/14(波照間エロマンガ島)
思想性が無いと罵倒排斥されたのか。ヌーベルバーグも大変也。 2021/12/14(石川浩司)
今週読んだネット記事です。
アニメオタクの人は、一般人にはあまりアニメの話をしない。「アニメ好き」と公言しても、「クレヨンしんちゃん」「鬼滅」「ワンピース」くらいだと思うと、こちらの手の内を見せない。 「MXやテレ東」の深夜とかOVA専門のマニア的なアニメ好きと分かると饒舌になりあるあるネタや同志的な友情が芽生える。
鉄道オタクの人は、一般人には好きと公言しない。これは同じですね。本当のオタクっぽい人に対しては自分の意見はどんどん言うけどあいての意見は聞き流す。
映画好きの人は、ごく普通の人やあまり興味がない人に対して最初から熱く語り「絶対見るべきだよ」と言い嫌がれる。
らしいです。
うーん反省。 2021/12/31(わいわい)
まあ、俺もあんまり缶ジュースのディープな話を一緒に出来る人いないしなあ。しょうがない。 2021/12/31(石川浩司)
「移動都市/モータルエンジン」〔2018年 ニュージーランド=アメリカ合衆国制作〕SF映画アクション冒険映画でケーブルテレビで鑑賞。ここ数年観た中でベストに近い好きな作品で内容を堪能した。製作と脚本はピーター・ジャクソン。
「60分戦争」という核攻撃により世界が絶滅した後〔ポスト・アポカリプス〕の世界を描いている。そこは超巨大都市が車輪を付けて陸地を移動をし、小都市を次々位呑み込んで隷属する世界だった……。メカニックデザインや美術のテイストがスチームパンク風になっており、わたしのかなりな好みな世界観であった。ストーリーテリングも少し難は感じたがラストまで乗り切れて大満足。機会があれば再視聴したい。映画館の大スクリーンで観たかったな。 2021/12/31(波照間エロマンガ島)
今年は映画を500本以上観たのに、なかなか被らないね。商業公開された映画って、世界に何本くらいあるんだろう。 2021/12/31(石川浩司)
「水の話」〔1958年、フランス〕
フランソワ・トリュフォーとジャン=リュック・ゴダールが共同監督した唯一の短編作品。上映時間11分。
新聞に掲載されたパリ郊外の洪水の記事をトリュフォーが見つけ、すぐにロケ隊を編成して洪水を撮影しに行き、その中で俳優に即興に近い芝居をさせて、持ち帰ったフィルムをゴダールが編集し、音楽とナレーションをつけて仕上げた。サイレント期の映画監督、マック・セネットに捧げられている。またタイトルの「水の話」〔Une histoire d'eau〕は、1954年に刊行されたポーリーヌ・レアージュことドミニク・オーリーの性愛文学『O嬢の物語 2022/1/29(Histoire d'O)』とタイトルの韻がおなじであるのは、ゴダールのいたずらである。
https://youtu.be/7I8Cvmq1NGY
学生時代から私の大好きな映画です。公開されたときにブーイングの嵐だったというのも、逆に「不憫な子ほど可愛い」という作品の一例でもあります。
性愛文学の「O嬢の物語」は1975年に映画化されていますが、主演女優のコレンヌ・クレリーが来日した時、テレビのインタビューで言った言葉が鮮烈に印象に残っています。「美と健康の秘訣は?」という司会者の質問に、コレンヌは「Sex at six」〔朝6時にセックスすることよ〕と答えたのでした。中学生の私にとってドッキドキしてしまった瞬間でした。 2022/1/29(波照間エロマンガ島)
短い映画なので観ましたよ~。自然災害を「今がチャンス!」と大慌てで撮ったのが分かるね。日本語字幕が無いので会話は全然わからなかったけど。 2022/1/29(石川浩司)
「柳生一族の陰謀」〔1978年 東映京都撮影所製作、深作欣二監督、萬屋錦之介主演〕
衝撃のラストシーン。萬屋錦之介演ずる柳生宗矩が生首を抱え「夢だ、夢だ、夢だ夢だ夢だ~、夢でござ~る!」と叫ぶ、ご乱心のロングショットは流行語になるほど有名になったが、東映が実録ヤクザ路線から離れ、12年ぶりに日本映画の威信をかけて製作したオールスター時代劇も、当時高校一年生だった私にはまったく響かなかった。「バカじゃねぇの、時代錯誤なんだよ」と鼻から相手にしていなかった。そして公開後40年以上の歳月が流れた。
最近わたしは初めてこの映画を鑑賞したのだが、この錦之助のラストシーンの大仰な芝居は、歌舞伎の所作から伝統を踏襲していて、ひとかたならない感動的なシーンとして受け止めた。深作欣二は出来うる限り現代劇風の台詞と所作を指示したらしいが、錦之介は一切それを受け入れず、自分の出自である歌舞伎風の台詞まわしと演技に徹したそうである。当然深作と錦之介との間で演技の方針は激突し、何度も撮影は中断した。しかし、結果的に頑として演技を変えない錦之介が最高に素晴らしい映画を作り上げてしまった。ひょっとすると深作欣二の最高傑作ではないかと思ってしまうほど、今わたしの心の中にこの映画が息づいている。それは日本の時代劇の正統的な継承者は黒澤明ではなく、深作欣二および東映京都撮影所の方に軍配が上がるという、私の中で価値の転換した瞬間でもあった。 2022/3/14(波照間エロマンガ島)
価値観のぶつかり合いは、時に奇跡的な化学反応を生む。 2022/3/14(石川浩司)
「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」〔2022年 サム・ライミ監督〕。2022年5月4日公開初日にバンコクのシネマコンプレックスで鑑賞。コロナ禍で色々な映画が製作延期や中止に追い込まれる中、MCU〔マーベル・シネマティック・ユニバース〕の最新作が約1年間の公開延期を経ていよいよ劇場公開されました。MCUはマーベルコミックから出版したスーパーヒーロー作品を実写化映画作品として同一の世界観を共有して一つの作品にたくさんのヒーローが登場するクロスオーバーシリーズです。同時にたくさんの本編映画やテレビシリーズが公開されるために、核となるMCUの筋書きは物凄い勢いで展開していっています。2019年フェイズ3の総決算として「アベンジャーズ・エンド・ゲーム」公開時にはMCUは22作目だったのですが、わずか3年の間にたくさんのフェイズ4の映画が製作され、この映画は28作目。私はとても全部を網羅して鑑賞しフォローしていくことはできません。というのも2019年以降はマーベルスタジオをディズニーが買収し、ディズニーチャンネルで次々と新作が配信されているから、私はそちらまで手が回らないわけでした。しかし、それらを観ていなくとも本作だけ体験しても大まかな展開は理解できます。そして欠落した知識を補うために関連するMCUの他のスーパーヒーロー物が観たくてたまらなくなるのですねー。あとインターネット時代の現在は、映画を観終わってから細かい知識を吸収できるので、それも21世紀の現在的な映画の鑑賞法と言えるのだと思います。その意味でこの「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」は、2022年5月現在でのわたしにとって最も続きが観たい、そして大好きな映画だと断言できます。 2022/5/26(波照間エロマンガ島)
マーベルのはアマゾンプライムでいくつか観たと思う。よく出来てるよね。 2022/5/26(石川浩司)
「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」〔2022年〕バンコクのシネマコンプレックスにて鑑了。前作ラストで地球上に解き放たれた恐竜と人間が共存する世界を描いている。最初から最後までアドレナリン出まくりで大興奮。テーマパークですべての絶叫系マシーンに乗り終わったあとベンチで放心したような状態。最高だったす。日本公開は7月29日予定。
思えば今作含めシリーズ全6作品すべて映画館で観ている。大スクリーンで観ないと駄目な映画のひとつ。ローラ・ダーン、サム・ニール、ジェフ・ゴールドブラムの3人の初期3部作主要キャストはみんな老人になったが、画面の中で恐竜と合成芝居が成立しているのは驚異的だ!大好きな映画です。 2022/6/26(波照間エロマンガ島)
パニックものとかは大迫力の映画館だとアトラクション的に楽しめるものね。
日本の映画館の料金、ちょっと高いなー。自宅だとアマゾンプライム500円くらいで何十本も観られるのに、映画館だと一本で2000円近く。でも映画館側の気持ちになれば、それでもギリギリだというのは分かるんだけどね...。 2022/6/26(石川浩司)
「騙されて貰います」〔1971年4月29日公開 東宝映画、坪島孝監督〕。
東宝映画・渡辺プロダクション製作の最後の「クレージー・キャッツ映画」にして、クレージー・キャッツの植木等とドリフターズの加藤茶という、渡辺プロダクション新旧二大スターを主演に据えた本格的コメディー映画。予算も潤沢で「クレージー黄金作戦」同様、アメリカ合衆国各地〔ハワイ、ロスアンゼルス、ラスベガス、ニューヨーク〕でロケが行われた。
私は1982~5年頃、浅草東宝で毎月1回行われていたクレージー・キャッツ物オールナイト上映会でほとんどのクレージー・キャッツ映画を鑑賞した中で、出来映えとしては1位、2位を争うほど自分の鑑賞眼に合った大好きな映画だった。東宝映画は多くの経験を経て、海外でコメディー映画を撮影するノウハウを完全に掌握していることが窺い知れたのだが、惜しむらくは日本映画の構造上の問題である1970年代の観客数減少で、この後予算をかけた面白い海外ロケ映画は撮影することができなくなってしまったのが残念であるといえば残念である。
しかし、昔から抱いていて今も解決しない疑問が一つだけある。1969年からドリフターズは、断続的にではあるが20年近く毎週土曜日夜8時から生放送「8時だヨ!全員集合」に出演していたのに、どうして加藤茶はアメリカ全土での本格的ロケーション撮影に参加できたのだろうか。ここだけはよくわからない。 2022/10/15(波照間エロマンガ島)
弾丸撮影だったのかねえ。一気に撮影ではなく、毎週アメリカと日本を行き来してたとか。モーレツ時代の当時ならありそう。 2022/10/15(石川浩司)
ジャン=リュック・ゴダール監督の訃報が入ってきました。1930年12月3日生まれ、2022年9月13日死去〔91歳〕。1950年代から活動を開始し、亡くなる直前まで映画を作り続け、その中で破壊と創造を行なってきました。彼の作品はただただ感服するほかありませんでした。2000年に公開された「映画史」第1部のレポートを下記に載せて追悼いたします。
〔2000年5月24日の日記より〕
すきま時間ができたので世界初のロードショー公開であるところのジャン=リュック・ゴダール作品『映画史』第1部〔1A1B2A2B〕を、渋谷のユーロスペースに見に行った。
いやー、ゴダール、相変わらず超過激だわー!!というのが第一印象。
そして、帰りの電車の中でどんどん衝撃が膨らんできて、手がつけられないくらい大きくなってしまっているというのが、現状のわたし。
これは21世紀の映画の地平を今現在、世界で唯一指し示している映画だという思いを強くいだいた。
一言で言うと、映画というメディアが「見るもの」から「使うもの」へ、コペルニクス的転回にあることを示す、世界最初の映画であるということだ。21世紀のありうべき映画の姿というか。映画は来るべきデジタルコンテンツ時代に向けて、検索可能な百科事典・書物のような存在に変化できるものであるということ。
ゴダール以前以後、映画の視聴方法について、これほどまでに考えをめぐらせた作家・プロデューサーはいただろうか、ノン!
今後発売されるであろう作品のDVDと、おそらくは引用された膨大なる映像の断片を解説するであろうテキストを熟読して、20世紀を振り返ってみたいナ。それが間違いなくわたしにとっての最高の娯楽になると思います。
「映画」について考え、語るということ。視聴覚体験を他人と共有するための言葉には限界がある。映画誕生以来、映画批評は常に劣等感にさいなまされつづけた。
ところがゴダールは「映画」を用いて「映画」を語っている。この作品はゴダールの過去全作品と同じく「映画」についての批評・エッセイなのであった。
一例をあげると「比喩」。なにげないショットに映画の奇跡が潜んでいる。
フィルム編集機。35ミリフィルムのパーフォーレーション(フィルムの端の四角い穴)がモータでひっかけられて、リールに送られていく挿入ショットがあった。
ゴダールは、そこで生ずる摩擦音をかなりの高LEVELで録音し、その音を加工し、自動車のファンベルトのノイズと同じような音響を生成している。
このショットの映像と音響は、複雑に絡み合う重層的な比喩がこだましている。
フィルムの運動とは、まずフィルムが同一軌道内を平行移動し、そこに光を照射し投影することにほかならない。この映画「そのもの」と、20世紀のモータリゼーション(自動車のファンベルト)とが共鳴しあう。なんという映画的感興なのだろう!これは文章ではけして再現できない。
こんなショット、ゴダール以外のだれにも撮れないだろう。
映画が始まって105年経つのに、いまだ、映画を「発明」しているのだ!〔引用ここまで〕
興奮口調で書いているレポートでした。乱文失礼しました。RIP。 2022/10/15(波照間エロマンガ島)
ふふふっ、興奮してる、してる。俺にとってはつげ義春がゴダールにあたるのかもしれないな。 2022/10/15(石川浩司)
カケラ(満島ひかりさん主演)、マザーウォーター(もたいまさこさん、小林聡美さん) 好きです。
ほっこり系の映像が楽しめる映画が好きで、川っぺりムコリッタも見に行きました、とても好きな映画になりました。 2022/11/11(もんぢゃ)
俺の音はわかったかな? 2022/11/11(石川浩司)
「四季・奈津子」〔1980年 東陽一監督 烏丸せつこ主演〕
最近ケーブルテレビで初めて鑑賞した。
五木寛之原作の長編連作小説の映画化第1弾。1970年代後半、女性誌に連載されベストセラーになった同名小説を「1980年代は女性の時代だ」と女性観客開拓への先見の明を持った岡田茂東映社長が、大英断で洋画配給専門の東映洋画で製作、東陽一監督で映画化した。
「クラリオンガール」でCMでみずみずしい肢体でデビューした烏丸せつこが大胆なフルヌードを披露、女性が見ても鑑賞に耐えうる大人の官能映画の先鞭を打ち出し、2020年代の現在から見ると、男性の私が見ると性に奔放な女性役の阿木耀子の描き方が多少古臭いと感じたものも、映画としては「好きな映画」という感想を持った。
ただ、1シーンだけこれはどうかと思ったのは、新幹線で主人公の奈津子が東京へ移動中、詩人の田村隆一〔本人役〕と隣席になり、奈津子が最近感じていた悩みを打ちあけてそれに田村が助言するシーンがあったのだが、これが1962年製作ジャン=リュック・ゴダール監督の「女と男のいる舗道」の同趣シーンの丸パクリで、そうとうに鼻白んだ。しかも映画用に設えた新幹線の客席ではなく、営業中の乗客の乗った新幹線でロケしているので、望遠レンズで被写体を追ったキャメラアングルが、どうしようもなく間伸びした印象を持った。あのシーンなんとかならなかったのか。
しかししかし、この映画の烏丸せつこと、1975年製作「好色 元禄〔秘〕物語」主演のひし美ゆり子〔「ウルトラセブン」のアンヌ隊員役で有名〕は、甲乙つけがたい、日本映画のありがたい巨乳トップ2でした。(波照間エロマンガ島)
何故か投稿が途中で途切れてる...。もしくはビートルズのアビーロードのA面みたいなものか!? (訂正メールいただきましたが、新コメントを付ける時間がありません。あしからず)2022/12/23(石川浩司)
2022/12/23の追記。
実はその前日12月22日の早朝「王様」がアップされたことに気が付いたのですが、何故かこの原稿が途中で途切れていて、それで石川さんのコメントとなったわけです。私はちゃんと原稿を送信していたのですが。
と言うわけで、もう一度石川さんにコメントしてもらおうと思い、投稿します。石川さんはアンヌ隊員ことひし美ゆり子さんと麻雀したことがあると聞いたことがあるのですが、どんな印象でしたか。現在結構なお年だと存じますが、近影を見ると今なお妖艶な美魔女然とした印象があリます。ピクっとしましたか。 2023/1/7(波照間エロマンガ島)
その時はまだそんな歳でもないはずなんですが、ぶっちゃけ「このお婆ちゃん誰だろう?」が強烈な印象。後で名前を聞いて「えっ!?」と驚いた。 2023/1/7(石川浩司)
成瀬巳喜男の遺作「乱れ雲」〔1967年東宝 加山雄三、司葉子W主演〕には中村伸郎が出演しているのだが、みょうに老けているのが気になる。撮影当時59歳。思えば小津安二郎監督作品にレギュラー出演していた1953年から1962年までの40代後半から50代前半くらいの容姿を繰り返し観ていたものだから、そう思うのも仕方ないかもしれない。映画というのは、人間のある一時期の人となりを切り取ることのできるメディアであることを実感した。
〔注〕中村伸郎は文学座の創立メンバーのひとりで、実家は建設重機大手の小松製作所である。たまがクラウンレコード本社屋上で撮影したプロモーションビデオ「学校にまにあわない」で、別のビル屋上にブルドーザーのオブジェが背景として映っているが、それが東京都港区赤坂にある小松製作所本社ビルである。 2023/2/16(波照間エロマンガ島)
還暦前後の同世代の友達も多いけど、まだ「青年」と言っても通りそうな人もいるし、完全に老人になっている人もいるもんねー。 2023/2/16(石川浩司)
最近よく考えるのは、映画は「何を観たか」ではなく、「何処で観たか」が重要であるということ。それは映画と空間的に連なっている暗闇の外郭を形成している建築の記憶を言語化することでもあります。
例えば2022年11月に休館した飯田橋ギンレイホールで1980年代に鑑賞したフェデリコ・フェリーニ監督「甘い生活」。そこに出てきたローマのサン・ピエトロ寺院とギンレイホールの建物が接続し触れ合う触感があると思うのです。そういう感興を文章化して行きたいと最近は考えています。 2023/2/25(波照間エロマンガ島)
最近観た映画は全部ネットで基本自室だからなー。
昔、長崎に旅行した時に宿泊代を浮かそうとオールナイトの映画館に入った。地方とは思えない大きな映画館だったなー。
そこでかかっていた「プロジェクトA」を何回も観ながら眠りについた。 2023/2/25(石川浩司)
「友子の場合」〔1996年 本広克行監督〕。17歳のともさかりえ初主演のフジテレビムービー。公開直後に鑑賞してから30年近く経っていて、詳細は全く覚えていない。しかし、映画鑑賞直後の爽やかな余韻にいい気分になったことだけは覚えている。つまり後味の良かった映画。フジテレビが80~90年代に量産していた、若者向けトレンディードラマの匂いのする映画だったような。この頃のともさかりえ出演作はことごとく面白くて、新クールのドラマの出演情報を知ると毎回チェックし、そのドラマをコンプリートしていたものだった。 2023/6/2(波照間エロマンガ島)
ともさかりえさん、一度だけお会いしたことがある。その時やっていたお芝居の演出家の奥様だったのだ。もちろん俺は顔はまったくわからなかった...。 2023/6/2(石川浩司)
5時から7時までのクレオ(アニエス・ヴァルダ)、椿三十郎(黒澤明)、甘い生活(フェデリコ・フェリーニ)、黒い罠(オーソン・ウェルズ)、裏窓(アルフレッド・ヒッチコック)、女と男のいる舗道(ジャン=リュック・ゴダール)、日本の夜と霧(大島渚)、ジョンベン・ライダー(相米慎二)、友だちの恋人(エリック・ロメール)、ハタリ!(ハワード・ホークス)、次郎長三国志・第3部次郎長と石松(マキノ雅弘)、洲崎パラダイス・赤信号(川島雄三)、クレージー・メキシコ大作戦(坪島孝)、ヅラ刑事(河崎実)、ゾンビランド(ルーベン・フライシャー)、ピンクサロン好色五人女(田中登)、第9地区(ニール・ブロムカンプ)、マチェーテ(ロバート・ロドリゲス)、片腕マシンガール(井口昇)、兵隊やくざ大脱走(田中徳三)、続へそくり社長(千葉泰樹)、キャリー(ブライアン・デ・パルマ)、麗しのサブリナ(ビリー・ワイルダー)、大脱走(ジョン・スタージェス)、ガーディアン・オブ・ギャラクシー(ジェームス・ガン)、カサンドラ・クロス(ジョルジュ・パン・コスマトス)、They All Laughed(ピーター・ボグダノヴィッチ)、黒薔薇の館(深作欣二)、大日本コソ泥伝(春原政久)、友だちの家はどこ?(アッバス・キアロスタミ)、ロンゲスト・ヤード(ロバート・アルドリッチ)、猿の惑星(フランクリン・J・シャフナー)、静かなる男(ジョン・フォード)、ヘルプ!4人はアイドル(リチャード・レスター)、インランド・エムパイア(デヴィッド・リンチ)、東海道四谷怪談(中川信夫)、明治天皇と日露大戦争(渡辺邦男)、友子の場合(本広克行)、草上の仕事(篠原哲雄)、ポリス・ストーリー(ジャッキー・チェン)、スペース・カウボーイ(クリント・イーストウッド)、野のなななのか(大林宣彦)
私を構成する42本。
Twitterで流行っていたので参戦しました。全くの下準備なし、思いつきで記憶に残っている映画をぶち込みました。縛りとしては1監督1作品ということだけ。上位にあるのが生涯マイ・フェイバレット・ムービーです。でも、振り返ってみると、山中貞雄も加藤泰も鈴木清順も三隅研次もポール・トーマス・アンダーソンも落ちてしまいました。まぁこれは2023年6月現在のリストで、日々変化しているということで。
以上、「私を構成する42本」でした。 2023/6/17(波照間エロマンガ島)
最近流行ってるよね。俺も暇になったらやってみたいけど、その頃にはとっくにブームは終わっていて「今頃何を?」となってる予感。 2023/6/17(石川浩司)
「シン・仮面ライダー」〈2023〉
《PG-12》指定で、子供連れも途中で帰っている人たちもいました。〈ライダーが戦闘員を殴ると血が飛ぶなど〉
主に原作コミックスの要素を踏襲しながら、これまでの仮面ライダー作品とは、全く違う所に行けた映画だったと思います。
ラストシーンは「シン・ゴジラ」「シン・ウルトラマン」に比べて、とても爽やかでした。
しかし、佐々木剛さん〈1970年代の最初のテレビ番組でライダー2号・一文字隼人を演じた〉は難色を示していらっしゃいました。
佐々木さんがどこを見て発言されたのかは分かりませんが、私自身はそれほど違和感は感じませんでした。
時代に合わせてテーマや主題が変わっていくのも必然のこと、そこらへんは私も心得ているつもりです。
また、おもちゃなどのアイテムへの対応も見事なもの。メディコムトイのフィギュアの値段〈約4万円~5万円〉は、ふっかけられたなと思いますが、いろんな楽しいおもちゃが出るのはやはり楽しいです。
映画が上映終了しても、根強く人気が保たれているのは、なかなか凄いと思います。 2023/6/27(Sankaku)
ちなみにこの撮影はメディコムトイの会社内で行いました。
VIDEO 2023/6/27(石川浩司)
「さらば冬のかもめ」〔1973年 ハル・アシュビー監督、ジャック・ニコルソン主演〕。数年前に初めて鑑賞した、アメリカン・ニューシネマの名作。子供の頃から題名は知っていたが、なぜか50過ぎになるまで観る機会はなかった。ようやく出逢うことができた。これも何かの縁なのだろうと思う。
海軍の古参下士官2人が、軽犯罪を犯し不名誉除隊する初年兵の若者を鉄道で刑務所に連行するまでのロードムービーとなっている。その間に各所で起こる事件において、3人の心理的なやり取りや芽生える友情の細やかさが情感に迫ってきて刺さりまくる。
抱いた感想はというとジャック・ニコルソンの演技の素晴らしさ。これが彼のキャリアの中では極めて異色な役柄で、スーパーヒーローでもなんでもない、ただの荒くれたしょうもない中年の職業軍人の下士官なのだが、本当に記憶に残るキャラクター設定になっているんだよ。この役柄の味わいがとても良くて、最後はジーンとしてしまった。これは原作、脚本、演技、全てが絶妙なバランスで配合されフィルムに定着できた奇跡なのだろうと思った。
という、好きな映画「さらば冬のかもめ」でした。 2023/6/27(波照間エロマンガ島)
この映画は観てないんだけど、ジャック・ニコルソンは一番好きな外国俳優かも。というか顔が分かるのこの人とジャッキー・チェンくらいかも...。 2023/6/27(石川浩司)
「ボクの女に手を出すな」〔1986年、中原俊監督、小泉今日子主演〕。
好きな映画というよりも、当時好きだった小泉今日子を観に映画館に駆けつけた「アイドル映画」としての記憶が強い。ところが併映作品の「紳士同盟」〔那須博之監督、薬師丸ひろ子主演〕の方は、同日に観たはずなのに全く記憶に残ってないのだ。多分あまりにつまらなくて、記憶から消そうとしたのではないかと思われる。しかし今から振り返ると、当時全く異なるアイドル像を作り上げていた小泉今日子と薬師丸ひろ子が、併映作品をプログラムされたことにある感慨を覚えるのだ。二人が共演している「あまちゃん」の再放送を観ている現在、そんなこと、露ほども思い出せないものな。どちらも信じられないくらい遠回りな紆余曲折の末、2013年に宮藤官九郎作品「あまちゃん」で「邂逅」したのだ! そしてその共演は私にとっては、最高に好みなプロット、最高に好みなキャラクター設定の中での、最高の共演だったと確信している。 2023/7/31(波照間エロマンガ島)
どちらもいいお母さん役がピッタリになりましたなー。 2023/7/31(石川浩司)
川口松太郎の「鶴八鶴次郎」は1935年第1回直木賞を獲り、3年後成瀬巳喜男によって映画化されたが、同時期公開のウェズリー・ラグルス監督の「ボレロ」〔1934年〕とそっくりで、あまりに似ていてよく出来ているので当時のインテリ観衆はそれを分かった上で楽しんでいたという言説を聞いたことがある。
翻案から創作されたという点で、川口松太郎「鶴八鶴次郎」は1938年に長谷川一夫と山田五十鈴で映画化されたのだが、当時の観客は元の映画「ボレロ」を観ていたので換骨奪胎の鮮やかさという風に作品をとらえず、パロディー映画としてゲラゲラ笑いながらこの映画を観ていたのだとか。
川口松太郎の創作原理は「換骨奪胎」〔かんこつ・だったい〕であることを蓮實重彦の文章で読んだことがある。辞書を引くと「《骨を取り換え、胎〔こぶくろ〕を取ってわが物として使う意》先人の詩や文章などの着想・形式などを借用し、新味を加えて独自の作品にすること」とある。今の言葉で言うと「パクリ」「剽窃」か〔笑〕。
この「換骨奪胎」を1935年当時、京都の鳴滝に集い「梶原金八」名義で映画脚本を執筆した脚本家グループ〔通称・鳴滝組〕では、「心ある踏襲」と言っていたそうだが。つまりそこに「愛はあるのだ、オマージュなのだ」と言いたかったのだろう。その中心にいたのが天才的映画作家の山中貞雄。
他の鳴滝組のメンバーは、脚本家の八尋不二、三村伸太郎、藤井滋司、監督の滝沢英輔、稲垣浩、鈴木桃作、助監督の萩原遼の計8名。鳴滝組の共同ペンネームである梶原金八は、当時の東京六大学の強打者、東京帝大の梶原英夫選手にちなんでいる。 2023/8/29(波照間エロマンガ島)
パクリとオマージュ、紙一重。 2023/8/29(石川浩司)
「草の上の昼食」〔1959年 仏・ジャン・ルノワール監督〕
フランス印象派の代表的画家であるオーギュスト・ルノワールの次男であり映画監督のジャン・ルノワールの、晩年の恋愛コメディー。この映画に横笛を吹く男を導入に唐突として登場する猛烈な「突風」シーンは、初めて観た小学生の頃はまったく意味はわからなかったが、成人してから見直しその感興をただあるがまま感じてみると、古代ギリシャのディオニューソ祭りでの「風」を媒介とした性の解放の悦びのようなものがあるのかな、と感じた。題名は覚えてないけれど、こういう「突風」が吹いて人が発情してしまい、出逢う人出逢う人みんな交合しちゃう話って、なんとなく幼児の頃から観てきた気がするのだ。そんでもって、プロヴァンス地方の自然が、テクニカラーの総天然色の画面に定着されているのを観ると、ルノワールやセザンヌが見た自然ってこんな感じだったのかも、と思ってしまった。 2023/9/11(波照間エロマンガ島)
国によって同じ緑でも微妙に色合いが違うことってあるよね。 2023/9/11(石川浩司)
『るろうに剣心』〈実写映画 2012年、2014年、2021年 全5作〉
あらゆる箇所が非常に質の高い映画でしたが、戦闘アクションも実に見応えがありました。
時代考証〈明治11年〉に合わせて、小道具や建物の配置、そして風俗などの表現も実によく出来ていたように思います。
原作コミックスを補うような表現も多くあり、初めてこの作品を見る人にも、また原作コミックスを知っている人にも、どちらにも考慮した作りが心地よかったです。
時代劇として、ストーリーの質、またテーマの質も非常に充実していたのに加え、アクションも大いに見ごたえあり‼
アクション監督をされた方は、海外に渡り、ジャッキー・チェンやブルース・リーのアクションを勉強されたとの事。更にはそのアクションを、アクション専門ではない普通の俳優さんにもきちんと出来るような指導をされたのには、実に舌を巻きました。
実写映画だから出来るアクションの表現は、本家本元を超えているようにも思えました。凄い高度なのに反して、なんだか自分でも出来るかもと思えてしまうところも不思議でした。剣心〈主人公〉が蹴りを意外と多用するところにも感銘を受けました。
名実ともにヒットしたと名高い映画ですが、私も小学生の頃から読んでいた作品が、この様に立派に生まれ変わったのがとても嬉しかったです。いつもは映画グッズは買わない場合が多いけれど、この映画ばかりは、何点か買ったと思います。
映画に限らず、いろんな物がたくさん流通するこの現代社会で、ぜひとも残ってゆく作品であってほしいと思います。 2023/9/11(Sankaku)
たまやパスカルズもよく「誰でもできそう」と言われたなあ。手前味噌だけど、できてる人を見たことはないけど。 2023/9/11(石川浩司)
ジャン=リュック・ゴダール監督の出世作「勝手にしやがれ」〔1959年〕は今まで何回見たかわからないほど好きな映画ですが、サウンドトラックにある街の雑音で印象に残っているのが、ピアノの教則曲で有名な「カノン」〔ヨハン・ハッフルベル作曲、1680年〕の1フレーズが、ジャン=ピエール・ベルモンドが街を徘徊している時に聞こえていたこと。幼い頃ピアノを習っていて覚えていたフレーズだったのです。最近、そのことを思い出してこの映画を見返してみると、どこにもいっさい「カノン」のフレーズは出てこない。私が聴いたのは幻だったのか、つまり自分がよく体験する、架空の音声や映像を脳内に記憶させてしまう現象が起こってしまったのかと思ってしまいました。これは非常に興味深い現象でいつか探究してみたいテーマでもあります。 2023/11/18(波照間エロマンガ島)
もしくはなんらかの理由で消されたのか...? 2023/11/18(石川浩司)
19/2/26の追記。
「幻の湖」についての新情報。今日2023年11月27日放送のニッポン放送「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」で、時代劇研究家の春日太一さんがゲスト出演していました。本日発売の新刊「鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折」でなんとこの「幻の湖」を取り上げてました。全480ページ中70ページもこの映画に割いていたそうです。これは買わなくちゃ!と思った次第。日本から取り寄せて買いたいな、と。 2023/11/30(波照間エロマンガ島)
船便だと結構かかるのかな? 2023/11/30(石川浩司)
2023/11/30の石川さん。
いえ、紀伊国屋書店では取り寄せは航空便になりますので、早ければ1週間程度で送られてきます。航空運賃も想像した以上に高価ではありません。そして本が届くと電話か携帯メールで連絡が入り、書店に取りに行くシステムです。どうしても読みたい新刊はそのようにして購入していますね。あ、10月に日本に帰国した時は、読み逃した本を求めて、神田神保町界隈を徘徊し古書で購入していました。最近の私の一時帰国時の行動パターンであります。 2023/12/23(波照間エロマンガ島)
何かいい本は見つかったかな?古本屋めぐりは楽しいよね。最近昔あんなに溢れていた源氏鶏太の文庫本、すっかり見なくなったなあ。 2023/12/23(石川浩司)
2023年年末、テレビ東京「午後のロードショー」でジョン・スタージェス監督作品「大脱走」が放映されました。上映時間が172分あり、通常テレビ放送する時は前編・後編と2週に分けて放送するのですが、今回はバッサリとカットしてこの「午後ロー」時間帯の枠で1回で放送していました。しかし!どんなに短くカットしても、なお面白いものは面白い。娯楽度の高い内容に心唸りました。この映画、子供の頃から大好きで何度となく観ていますが、戦争映画のはずなのにどこかゲーム性の高いスポーツを観戦しているような感興に入ってしまう映画で、戦争の悲惨さはあまり感じないのが特徴です。連合国空軍捕虜収容所に拘置された捕虜250名が同時に脱走した「史実」を基にした映画であると最初のタイトルバックで述べています。そして映画の最後にバイクで逃走するスティーヴ・マックィーンはドイツ・スイス国境まであと数メートルのところで鉄条網に絡まれドイツ軍に逮捕され、収容所に戻ってくる。それでもあまり悲惨さは感じず、有名なエルマー・バーンスタイン作曲の「大脱走マーチ」のBGMに乗って、独房に入るマックィーンの姿で「THE END」のエンドタイトル。なぜか清々しい気分にさせられるこの瞬間。このラストシーンに受ける感興は小学3年生時フジテレビの「ゴールデン洋画劇場」で感じた時のことをありありと思い出させてくれるものでした。 2024/1/11(波照間エロマンガ島)
子供の時にテレビで映画観たことほとんど無いなー。家庭ルールで「テレビは基本一時間まで」だったからなあ。 2024/1/11(石川浩司)
2023年12月某日、テレビ東京「午後のロードショー」で「大空港」〔1970年〕を久々に鑑賞しました。
記録を見ると1973年10月10日と17日に前後編で日本テレビの「水曜ロードショー」で放映したのをはっきり覚えています。当時小学校5年生ですがハマって大興奮したスカイパニックサスペンス映画でした。
ただ11歳の時興奮したのだが、61歳の今日見ると鼻白らむ箇所がそこそこあって、それは映画というのはある時は大感動するけれど、ある時は白けてしまうことがあるのはしょうがないのかもしれないということです。ディーン・マーティンと不倫関係にあった客室乗務員のジャクリーン・ビセットは最初に観た時には恋するが如く好きになったけど、今回はあまりハマらなかったしな。それともっと重要なことはプレイボーイで鳴らすディーン・マーティンの奥さんがどうしてあんな醜い容姿の熟女だったのか、あれは明らかにキャスティングミスだと確信しましたが。
でも、グランド・ホテル形式で名高いオールスター配役のプロットの目眩く転換配置はさすがという他なく、これはこの形式の映画でもっとも成功した1本に数えられるとは思いました。この映画で製作陣が叶えられなかった大雪の空港での諸々な技術的試練の克服は、20年後の「ダイハード2」〔1990年〕まで待つことになります。 2024/1/27(波照間エロマンガ島)
空港とか駅ってドラマの舞台としてはかなり使える場所だよね。名作も多い印象。 2024/1/27(石川浩司)
2023/2/16の追記。そういえば中村伸郎といえば、代表作として1972年から1983年まで毎週金曜日22時より渋谷ジァンジァンにてイヨネスコ作「授業」の老教授役を演じ続けていた。10年以上毎週やり続けたのは凄い。登場人物三人、上演時間1時間足らずの一幕劇である。私はちょうどぴあやシティーロードを読み始めた頃で、演劇の情報コーナーにそのメイキャップをした舞台写真には見覚えがある。観に行く機会はなかった。 2024/4/13(波照間エロマンガ島)
ジャンジャンはいい店だったなあ。渋谷はもちろん那覇のジャンジャンにも出させてもらった。出演基準が「文化的な表現をしているか」的な感じで、誰でも出られるわけじゃなかったので嬉しかったなあ。今は渋谷も那覇も無くなってしまったけどね。 2024/4/13(石川浩司)
2023/11/30の追記。春日太一の橋本忍研究本。取り寄せて購入しました。内容はどうしようもなくペケ〔X〕。*個人的見解です。
これは芸術学の大学院生のレポートクラスのレベルの出来で激しく失望しました。論が醸成しておらず、スケッチの域を出ていなかったこと。私が1980年代頃に親しんでいた山田宏一、山根貞男、蓮實重彦、小林信彦、佐藤忠男、齋藤龍鳳、松田政男、田山力哉、竹中労他の足元にも及ばない出来栄えに、この人まだこんな段階なの?と購入したことを後悔しました。本当は話題143「オススメの本」に紹介したかったのですが、それは無理でした。 2024/5/12(波照間エロマンガ島)
関係ないが「ペケ〔X〕」を見て瞬間、ツイッター 2024/5/12(X)の話かな?と思ってしまった。めんどくさくなったよね。 2024/5/12(石川浩司)
昨年公開された「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」は、分かりにくいところが全くない上に鑑賞後にわだかまりが何一つ残らない、楽しさだけに全振りした映画といった感じで非常に面白かったです。
こういうわかりやすい映画が増えてくれるなら足繁く映画館に通ってもいいかも、と偉そうなことを思っちゃいました。 2024/5/12(たちつ亭と〜助)
確かに映画って高尚なものや難解なものを作りたがる人が多すぎるのかもね。力が入り過ぎるというかね。 2024/5/12(石川浩司)
「釣りバカ日誌」の一作目〔1988年12月公開〕。恥ずかしながら初めて観ました。好きな映画です。まだ一作目でこのあとシリーズ化するかどうかはわからない新鮮なところが良い。私が最高に惚れ込んだのが奥さん役の石田えり。あれー?奥さん役って浅田美代子じゃなかった?でも石田えりいいよ。ハマちゃんこと西田敏行とのラブラブな夫婦っぷり。浅田美代子版はまだ観てないけど、どうなのだろうかと不安感が出る。スポーンタイトルの「合体」は最高のギャグじゃないか。栗山富雄監督はデビュー作の「いとしのラハイナ」で自分にとって縁のある大船の映画人なんだけれど、こんな感じで大船なセンスを持ってきていてよかった。 2024/6/11(波照間エロマンガ島)
観てないなー。観たら面白いんだろうけど、イマイチ食指が動かないものってあるよね。漫画は好きだったけど。 2024/6/11(石川浩司)
「淑女は何を忘れたか」〔1937年 松竹 小津安二郎・監督〕
松竹のスター女優栗島すみ子主演のホームドラマコメディー。彼女の引退作品として大ヒットした。小津安二郎37作目の作品。茂原茂雄が自身が開発した「茂原式トーキー」を使用し、大船撮影所にて初めて使っている。この作品の途中まで茂原は撮影も担当しているが、途中から厚田雄春が助手から一本立ちし、のちの小津の全ての作品の撮影監督としてクレジットされている。
栗島すみ子は大学教授夫人役を演じているが、生まれの良さと性格の悪さ、気の強さがよく出ていて東京生まれの「いい女」がよく現れている。仲良しの主婦友達の吉川満子と飯田蝶子の掛け合いも楽しい。「馬鹿!」ってよく言い合うのは口が悪くていいな。あと大阪の姪っ子役の桑野通子がとてもおきゃんとしていて可愛いの。彼女の出演で映画の軽さを十分に描いている。実人生では31歳で早逝してしまったけれども、一人娘の桑野みゆきは小津が亡くなる1960年代初頭まで松竹大船で娘役を演じていたので、親子2代の小津組女優だった。 2024/7/6(波照間エロマンガ島)
この作品は観てないけど、この頃の映画ってなんかいいよね〜。ちょっとのんびりしていて。俺もアマゾンプライムでたまに観る。 2024/7/6(石川浩司)
【からかい上手の高木さん】〈今泉力哉・監督 実写映画 2024年〉同名のテレビドラマアフターストーリーです。
同名のコミックスが原作。中学の同級生だった高木さん〈女子〉と西片くん〈男子〉が、大人になり10年ぶりに再会するという話です。
とにかく、愛がたくさん溢れているとでもいうべき作品。高木さんを演じる永野芽郁の愛らしさは、個人的には特筆もの。
「ローマの休日」のオードリー・ヘップバーンはこんな風に見えたのかな、とすら思いました。
今泉監督の得意技のワンカット長回しも実に光っていました。
映画館で2回観覧したのですが、主人公の同級生の結婚式で高木さんがブーケをゲットしたのですが、手違いでプールの中に落としてしまいます。ネタバレになってしまいますのでこの先の詳細は控えますが、2回目に見たとき高木さんの行動にちょっとびっくりしました。1回目の時は、記憶されていませんでした。まさしく、高木さんと西方くんは、相思相愛だったことの証明だったと思います。
私の近所では、東京都昭島市の映画館で上映されており、映画館までの道のりも楽しめました。
この映画館は2014年に「るろうに剣心 京都大火編」で行ったのが最初だったのかもしれませんが、この映画から始まったキッカケとして、高木さんの映画にも出会えたのを嬉しく思います。
剣心が平和のために剣をふるい続け、その平和な世界が高木さんの映画で花開いた、というのは考えすぎかもしれませんが、本当にそう感じるほど、素晴らしい映画でした。 2024/7/27(Sankaku)
今泉監督もまさか「たまの映画」を撮ってる時に、その後恋愛映画の旗手になるとは思ってもいなかった。もしかして俺や知久君、Gさんもそういう目で見てたのか・・・!? 2024/7/27(石川浩司)
「サブウェイ123 激突」〔2009 トニー・スコット監督〕
ニューヨークの地下鉄線をハイジャックして起こるアクションスリラー。この映画を題材にした同一原作者の映画は1973年の「マシンガン・パニック」ほか3本あるが、どの映画も面白い。ジョン・トラボルタが地下鉄をジャックして人質をとって身代金を要求する、相手役の地下鉄の主任管制官がデンゼル・ワシントン。今回ちょっと細かく観てみたが、ジョン・トラボルタとデンゼル・ワシントンの友情見たいなものが図式としてではなくて糸の織り成しのように偶然として起っていてそれがよく現れてきている。最初からトラボルタ側の悪が滅びることは自明でその滅び方について視聴者はストーリーも乗せられているのだが、それもわかった上での展開も乗る頃ができた。そんな予定調和感。 2024/7/27(波照間エロマンガ島)
予定調和も、時には安心して見られるよね。裏切りも面白いけど、王道はやっぱり予定調和なのかもね。 2024/7/27(石川浩司)
「マッチ工場の少女」〔1990年 アキ・カオリスマキ監督 フィンランド 69分〕
久々に出会った「好きな」映画。極端にセリフが少なく説明が少ない。でもグイグイ引き込まれる。そして因果律を伴う物語の悲劇的結末と劇的余韻の鮮やかさ、エンドシーンの美しさに見事にやられてしまった。多分、この監督の連作をこれから観ていくと思う。 2024/9/27(波照間エロマンガ島)
俺もこの作品から見始めてどんどんはまっていったなあ。 2024/9/27(石川浩司)
「すずめの戸締り」〔2022年 深海誠監督〕アニメーション映画。スケールが大きいが、ストーリーの世界がまとまりなく、どこに焦点を絞って観たら良いのかわからなかった。声優がたくさん出てくるが、一人一人に感情移入できない。嫌いな映画ではないが、ピントが合わないのがとても残念だった。なので、ストーリーをまとめて「これはこんな映画」というふうに言うことはできなかった。まぁまぁ良かったが、激しく好きな映画、深海監督のすごい映画というふうにはならなかったと言うのが残念な映画、と言う感じ。前作、前々作の良さは感じられなかった。 2024/10/18(波照間エロマンガ島)
観てないからわからないけど「そういうのが逆に好き」という人や見方もあるかもしれないのが、映画を含めすべての表現の面白いところだよね。 2024/10/18(石川浩司)
「限りなき前身」〔1937年 内田吐夢〕
定年制サラリーマン世代の悲哀を描いた小津安二郎脚色の日活多摩川撮影所の映画。人生最後出勤の主人公が風呂敷にスーツを包んで誰もいない部屋を歩いて踊るシーンの悲哀は狂っていていたたまでない情緒を醸し出していた。ローンを持ったまま、しかしながら失職するサラリーマンの悲劇。そんな戦前の映画。 2024/11/29(波照間エロマンガ島)
ほお、その手の映画は好きなので機会があれば観てみたい。 2024/11/29(石川浩司)
王様の耳はロボの耳トップに戻る