テキトー日記87年6月

文章中の文字の色の違うところをクリックすると、詳細が見られたり、リンクに飛ぶぞ。

6月1日

 バイト泊まり。理香さんから借りた「花のよたろう」を読んで過ごす。

6月2日

 朝10時頃へとへとになって帰ってきて、また3時過ぎには起きて仕事。
 夜11時過ぎに帰ってくると柳ちゃん、水上さん「マージャンやろうぜ」と来る。
 3人で囲んでいると、知久、亜古ヤン、あかね、ユカさん、幸子さんきたのでマージャン終わらせて、かまやつひろしのビデオを見ながら、みんなで飲む。

6月3日

 昼「モカ」で飯を食っていると鈴木君も偶然入ってきたので、しばらく話す。
 レンタカー借りて、柳ちゃん、知久と町田に練習に行くが、渋滞に見事にはまり2時間半かかる。今日はなんだか気の乗らない練習をした後、Gさんの団地に行き、奥さんの豪華手料理の数々をいただきながら、たまのライブや、Gさんの新婚旅行のビデオ見る。
 朝4時頃、高円寺に戻ってきて、部屋で「バスケット・ケース」とゆうビデオ見る。シャム双生児の切り離された片側の復讐劇で、なかなか面白い。

6月4日

 理香と法政大学にて新宿梁山泊の旗揚げ公演「パイナップル爆弾」見る。役者よりも、裏方に拍手をあげたい感じの出来。偶然カーチス青木も来ていて、一緒に3人で市ヶ谷「チムニー」でサワー飲む。
 部屋に戻ると、すぐ青木、古賀来て泊まる。ふたりの寝ている横で、ジャック・ニコルソンの「カッコーの巣の上で」とクレイジーキャッツの「ニッポン無責任時代」観る。

6月5日

 バイト帰り。10時に高円寺で理香と待ち合わせ、ボーナス出たというので、ベトナム料理おごってもらう。ビデオ「コンプリート・ビートルズ」を観ながらうつらうつら寝てしまう。

6月6日

 朝、古賀さん来る。理香サンドイッチ買ってきて3人で食べる。ほとんど寝てないのでフラフラのまま、日勤・泊まりの22時間労働。田島征三「もりえもん」読む。

6月7日

 朝10時、部屋に戻ると、古賀、つぶら来ている。わずかの間寝て、また午後より明日の朝まで16時間労働。睡眠不足で腹や頭が痛くなり、体力の限界を知る。「東京情報コレクション」読む。

6月8日

 連日連夜のバイトで、過労にて腹の調子悪し。夕方、理香来て飯作ってくれるが、カボチャの煮たのに少し箸がつけられたのみ。
 夜11時よりアフタービートにてたま練習。3時頃帰ってきたらまだ調子はおかしかったが、腹は減っていて、理香が用意しておいてくれたトンカツ自分で揚げて食べる。

6月9日

 大林宣彦監督「さびしんぼう」、ベェルナー・ヘルツォーク監督「緑のアリが夢見るところ」観る。

6月10日

 町田市民センターにて、たま練習。玉川学園前のモスバーガーで一服。
 高円寺に戻ると、ビール(大)200円の開店サービスの「鬼無里」に柳ちゃん、知久君と迷わず突進。

6月11日

 昼は古賀さんと飯を食う。夕方、理香と花園神社で待ち合わせ、理香に臨時収入あった為、大久保あたりを100円で10個ずつ買い物をする、買い物ゲームをする。ベトナム料理で晩飯。
「博士の異常な愛情」「それから」ビデオで観る。

6月12日

 亜古ヤン、あかね、知久君と「鬼無里」で飲んだくれてから、さらに亜古ヤンルームにて飲んだくれる。
 安野光雅の「旅の絵本」(※注・謎隠しの多い、大人も楽しめる絵本)の発見ごっこをやる。

6月13日

 昼、理香、亜古ヤン、りーさん来る。りーさん「桃太郎寿司」買ってきてくれて感涙。
 バイト泊まり。藤原新也「全東洋街道(下)」読む。

6月14日

 朝仕事終えて帰ってきて、戸川純の「玉姫様」のビデオ観る。ダメだこれは。演技過剰過ぎて恥ずかしいだけだよー。もっとさり気ない狂気じゃないと何のインパクトも感じません。
 夕方起きて野球やら見て「モカ」やら風呂やら行って帰って来ると水上さん来たので、一緒に水上さんの新しいアパートに行く。目玉焼きをごちそうになる。
 帰ってきてデビット・リンチの「砂の惑星」観るが、途中でストーリー見失う。
 思い切ってエロ本50冊をゴミに出して、猫が臭いのでシャンプーかけたら、思いきしゃ僕の手をひっかいて、窓から逃げ出しましたとさ。
「樹氷」を炭酸ジュースで割って、今飲んでます。

6月15日

 夕方、地下生活者のビラをコピーしてから、グッドマンに古賀博之、水上純一、佐藤大介のライブ見にゆく。途中で抜け出して、深夜2時までアフタービートでたま練習。
 後、ビデオで映画。「モンティ・パイソン-ライフ・オブ・ブライアン」日本語バージョンでがっかり。さらにギャグもたいしたことなし。BBCテレビバージョンの方がやはり面白い。
 大林宣彦監督「HOUSE」久しぶりに再見。やはり映像最高。アイデアの途切れる暇なし。好き。

6月16日

 夕方、理香、由良さん来てソーメン作ってくれる。「HOUSE」をまたうだうだ見た後、知久家へ。とうじ魔、楢橋他いて結局10人も集まるがみんな疲れてゴロゴロするばかり。
 夜中は例の如くビデオ。「シンドバット黄金の航海」こういうB級の、作り物見え見えのやつの方が本格的なSF物より怖い。面白い。相米慎二監督「台風クラブ」これもいい。なかなかいい。

6月17日

 夕方よりたま練習。今度は玉川学園駅前の公共施設。炊事場もあり、お茶も飲める。後、町田の「すかいらーく」にてうだうだ。
 高円寺に戻るや、柳ちゃん、知久君と「鬼無里」へ。閉店時間まで飲んで追い出され、部屋に戻ると、群馬より岡田来ていて、再度街へ。「はちつぼ」で朝まで飲む。

6月18日

 朝8時頃、岡田とようやく眠りにつくと、9時過ぎにはカブラギ登場。平和島から、環七を5時間かけて歩いてきたという。テレフォンカードを拾う為、道中の公衆電話ボックスは、反対側の道も含めて、くまなく見て歩いてきたそうだ。こういう奴がいると、非常にホッとしますね。
 夕方、池袋文芸地下にて理香と「君は裸足の神を見たか」と「神田川淫乱戦争」見る。理香は「神田川淫乱戦争」の方が良かったというが、僕は「君は裸足の神を見たか」ですね。後、「すきずき」という店で飲む。
 帰って、飯塚と1時間くらい電話で話してから、ビデオで映画。「刑事ジョン・ブック目撃者」う~ん、なかなか良い。「バタリアン」ホラー映画はあまり観ないが、これはストーリーも面白い。なかなかの怪作。ラストも良い。

6月19日

 バイト帰り。戻ると理香来たので、少しうだうだして終電で帰るというので、野方の駅まで歩いたが、すでに5分前に汽笛は鳴っていた。しかたないので、高円寺「一休」に「一休デーつまみ半額」なので行くと、すでに、知久、広瀬、あかね、楢橋はガンガンやっていた。極道ばかりだな。

6月20日

 理香とふたりで部屋で「ドレミファ娘の血は騒ぐ」観る。僕は再見。バイト泊まりだが、新人の佐藤君にやらせて、僕はテレビを見るだけ。

6月21日

 連ちゃんで今日もバイト泊まり。夕方眠すぎて寺本君に頼んで2時間ほど寝させてもらう。
 小松左京「盗まれた味」読む。
 やはり20才の頃と比べると体力の衰えを感じる。バイト泊まり、疲れるなー。

6月22日

 夜中2時までアフタービートにて、たま練習。後、柳ちゃん、知久君と「石狩亭」に行き、朝5時頃まで飲む。部屋に戻ると、すぐにバイト帰りのカブラギ来る。

6月23日

 朝、カブラギ来て、
 昼、広瀬君来て、亜古ヤン来て、
 夜、徹夜のバイト。
 翌朝帰ると、島田(兄)、島田(弟)、カブラギ、部屋でモワ~と寝ていた。

6月24日

 仕事帰りのGさんの車に乗り、玉川学園にたまの練習に行く。後、町田の高級喫茶で500円の珈琲飲む。
 小田急線で高円寺に戻り、即3人で「鬼無里」に入ってベロベロになって、夜中3時頃、市場の路地に入って「とくやまくーん、遊びましょ」で、徳山君のアパートに知久君とあがりこみ、部屋にあったロイヤル(!)を飲みながら、朝までうだうだする。

6月25日

 また小俣君に知久家にて新聞紙ひいて頭刈ってもらってから、マンダラたまライブ。客68人。マネキンの首を舞台に飾った。新しいマンダラを見学後、打ち上げ、一次会吉祥寺、二次会高円寺。カブラギ泊まる。

6月26日

 カブラギと昼「モカ」行ってうだうだ。バイトちょっとだけしてから、市ヶ谷にてR君と会う。
 志賀貢「町医者のないしょ話」読む。つげ義春の「無能の人」が出たので早速買う。やはりいい。
 明日旅行の為、部屋で「ボストン・クラブ」あおって早寝。

6月27日

 朝5時過ぎ家を出る。池袋でR君と待ち合わせして、東北新幹線ホームへ。国鉄がJRになった記念のEE切符というのを買う。(※注・2日間JR東日本乗り放題切符)同じ切符を持った人たちでホームはギュウギュウ。なんとか座って盛岡へ。在来特急に乗り換え、誰も降りない二戸というところで降り、早速スーパーめぐり。駅の観光案内に「ローマ字の墓」というのがあったが、結局見つからず。蕎麦屋の矢印があったので昼飯食おうと矢印に従ったら、どんどん民家の路地裏まで矢印続いていて、結局、普通の民家の八畳間に通され、蕎麦を食う。ちょっと面白かった。
 また列車に乗って下北半島へ。R君、車内にて僕の顔をデッサン。野辺地より、下北、田名部、大畑となんとなく不思議な風景が続く。バスに乗り換え、下風呂温泉、民宿まるやまへ。風呂は村の共同浴場みたいなところに入りにいった。晩飯おかず13品(!)ついてしごく豪華。ビール飲んですっかりいい気分。あとは漁り火を見るだけだ、と思って民宿のおばさんに聞いてみると「今年はまだ」と言われ、「なんだぁ」と思ったら、フーッと疲れが出て8時半に熟睡。R君はひとりでテレビを見てたらしい。

6月28日

 朝5時過ぎ起きてR君と村を散歩。少しずつ海の向こうから日の光が反射してきて気持ちよし。まだ行ったことのない、北海道も見える。波が時々、釣りのおっさん達を驚かしている。墓を見学したりする。温泉街に入ると、何をしていたのか、側溝の中よりいきなりおばはんの顔がニョキッと出てきてびっくりする。朝食も8品。バス停に行くが、民宿で教えてもらったバス本日休業で、下風呂小学校に階段登って行き、校長室に飾られていた歴代の校長の顔を窓から見て、どの校長が立派そうか、批評する。温泉の食料品店で地元の納豆見つけたので、つかんで離さないと、店の人に笑われた。
 それから恐山へ。昼間だったので怖くはなかったが、夕方行ったらやっぱりかなり不気味な風景だと思われる。土産物屋で地蔵の形の菓子を買い、三途の川のあたりでR君とボーッとする。
 帰りは田名部(むつ)、野辺地、盛岡とスーパーめぐりをしながら帰った。
 部屋に戻ると、すぐ新潟から帰ってきたカブラギ遊びにくる。

6月29日

 バイト泊まり。「日本の夏/糸引き歌集」(※注・俺のミニコミ詩集)バイト先で一所懸命コピーしたやつを閉じる作業をする。

6月30日

 マンダラ新店(※注・現在のマンダラ2のこと)開店記念前夜祭に、たま呼ばれて演奏する。マスターいわく、
「今、マンダラで一番出色のバンド」
「君たちの為にこの店を作った」などと言われ、照れる。
 4曲でギャラ2万、しかもいい酒、いいつまみ、飲み放題食い放題。友川かずきさんも紹介してもらう。
 おひらきの後は、笹山さん家に行って、「Pre`s」のビデオ見ながら梅酒飲む。


振り返り人生に戻る
石川浩司のひとりでアッハッハーに戻る