はこにわポエム集会その10




*****魚*******

昔、ウオウオウオーと唸る歌を作ったことがある。もちろん、タイトルは「魚」にした。そんないいかげんな俺の元に、今週もたくさんポエムが送られてきたぞい。大賞、そうだよな。魚にしてみりゃ、海の上は宇宙だもんなあ。そしてその先にさらに陸地があって、水もないところに生き物が住めるなんて思いもしないもんなあ。これを人間に置き換えりゃ、宇宙が海の上で、その先の陸地にあたるところにゃ、空気がなくてもへっちゃらの、ソーゾーも出来ないコワイコワイ形の生き物がいたって不思議じゃないよなー。そして養殖されてる魚がそれに気づかないように、人間も自由に動き回ってると思いこんでるだけで、実は何者かによって飼育され続けてるのかもしれないもんなあ。馬鹿賞、そういや猫を追っかけてるのサザエだもんなあ。よく考えりゃすっごいシュールだよな。  



****忍者****

うひょほー!! たまのニューアルバム「いなくていい人」はもう聞いてくれたかな?俺も3曲作ってボーカルもとっているぞ。途中で歌詞が崩壊してゆく『へっぽこぴー』。おっさんが妊娠して小さな幸福を感じる『健さん』。そして「エスカレーターで登山/みんなスイスイ/並んでスイスイ/こりゃ楽だ/幸せだ」と歌う『ハッピーマン』だ。この曲はノリノリなのでパフィに歌ってもらいたくてテープを送ったのに、何故か音沙汰無しだ。おかしーな。ってなことで、今週は忍者。あんな格好じゃ夏場はムレるだろうなあ。洗濯物も大っぴらに干せないし、陰気じゃないと勤まらんなぁ。大賞、全裸じゃあもう観念するしかないな。人は突然酷い目に会うからな。馬鹿賞、不景気だもんな。いくら塀の上を素早く走れたり池の中から竹筒で息ができたりしても、現実はこんなもんだもんなぁ。



*****毛*****

う毛毛毛毛ーっ。毛がたくさん。体に体に毛が沢山。頭に毛、眉に毛、まつに毛、鼻に毛、口のまわりに毛、首すじに毛、腋に毛、乳首から毛、へそ周りに毛、股間に毛、手にも足にも毛。毛っ毛っ毛ーっに囲まれて男も女も生きている。遊んでる。食べている。笑ってる。あはははは。いひひひひ。う毛毛毛毛毛。大賞、「一体何なんだ」とはよく気がついた。みんなもしげしげと自分の毛をみつめて問おう。「君は一体何なんだ!」と。普段ほとんど意識してないが、よく考えてみるがよい。毛が反乱を起こしたらそれに包まれている人間なんてひとたまりもないんだぞ!! みんな、毛の監視だけはくれぐれも怠らんようにな。馬鹿賞、科学的にそれが立証されて、どえらい値で取り引きされて「エンコーより儲かるじゃーん」と女子高生が股間の毛をぶちぶち抜き始めたら、怖いな。



*******雨*******

雨の日は実は影の日だ。晴れている時は人や物にくっついて離れないコバンザメの影が、この時ばかりはついついはしゃいでしまって「へいへいへい!!」と、どこかに出かけてしまうのだ。だから、そんな日は電信柱の上を覗いてみるとよい。影が何匹も、変な形になったり、はたまた大きくなったり小さくなったりして、楽しそうに遊んでいるのに出くわすことがあるから。大賞、だけど体が溶けてしまったんじゃしょうがないな。排水溝に流れこまないように注意しろよ。ワニに食われるぞ。馬鹿賞、「秋もよろしく」と言っているが、今この原稿を書いている8/31、日本は未曾有の大雨になって、死人も出てるぞ。だからよろしくもほどほどにな。ところで長靴だが、ただ雨の中を歩いているだけなのに、中の靴下がどんどんずり下がっていってとても気持ち悪いのは何故だ?永遠の謎だな。  

(フロムA)


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