はこにわポエム集会その9




***********ケーキ**************

子供の頃ケーキは誕生日とクリスマスにだけ登場する、スペシャルな食べ物だった。いわばハレとケのハレ、日常ではない特別な時間での食べ物だった。ところがその意識は、結婚を機に大きく変えられることとなった。「はい、今日のケーキ!!」結婚早々、妻からこの言葉を聞いた時にゃあ、度胆を抜かれた。毎日のように食後に平然と出てくるケーキ。そしていつも冷蔵庫の中のガラスボールにはたっぷりの生クリーム。「女の子は、みんなこうなのよ!」新婚の妻の声が響く。そうか・・・俺は男だけの傲慢な価値観で生きていただけなのか。ケーキはごはんと同じなのか・・・。しかしその後、数年の時が経ってから、俺は叫んだ。「・・・騙された!!」何故なら、その後うちの夫婦だけ、腹の肉が異様に成長する「第3次成長期」を急激にむかえてしまったのだから・・・。



********犯罪*********

大賞、いやー君は明るいんだか陰湿なんだかわからんなー。というか、実は明るいのと陰湿ってのは同居できるんだよね。なんせかくいう俺のバンド「たま」もそうだからなー。ガムテープで顔中にヒゲを作って歌ったり、手でギターを弾きながらおでこでオルガン弾いたり、鼻で笛吹いたり、オカマになって客席に乱入したりしていると「明るい」ように見えるけど、歌っている詞の内容は「僕が死んだ日」だったり「押し入れの中に隠れる」歌だったりするからなー。でも、気をつけろよ。交番に彼氏が飛び込みそうになったら、体当たりでタックルしろよ。うまくすればそれが縁で恋か成就する。ま、悪くすりゃ傷害もつくけど、恋に傷害はつきものだー! ってなんか違うか? 馬鹿賞、いいぞ! 「友達100人できたかなー」を100万回やればいいだけだもんな。がんばれよ!!  



*********小学生**********

子供の頃の事を考えるとついつい「あの頃は純粋だったなあ」とか「毎日が楽しかったなあ」などと思ってしまうが、思い出っていうのは実は半分は頭の中での創作物なのだ。もっとよくよく思い出してごらん。あの時だって今と同じようにつらかったりずるかったりいやらしかったりこびへつらったりしてたの思いだせるから。ただ、そういう細かい感情は案外すぐに忘れてしまって、「子供の頃は・・」っていう典型にはまっただけなことも多いんだと思う。大賞、昼まで眠る気持ち良さは小学生には味わえない美酒だよなあ。でも昼までにしといた方がいいぞ。起きてテレビつけると「ちびまる子ちゃん」やってる時はさすがにブルーだぞ。馬鹿賞、「サザエさん」が始まったのは確か戦前。ということは本当はカツオは6、70才の小学生か。・・・もうぼちぼち、進級しろ!

(フロムA)


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