はこにわポエム集会その7




 鼻唄で出来てしまった詩

まぁ、だいたい鼻唄で出てくる歌詞なんてものはくっだらない物が多い。なんせ誰に聞かせるわけでもなく、鼻を、いやさ口をついて出てくる唄なんて、全く意味不明の言葉や、脈絡がまるでないことだってあたりまえのワールドなんだから。「ルルルー お尻は何故割れているのー ふたっつにーふたっつにー」とか「泥だらけー泥だらけー俺は今夜も泥だらけー」とか「空がとっても青いからー青汁飲んでウゲゲゲゲーッ」とか、のーみそを通らずに出てきた言葉は確かに稚拙で馬鹿かもしれないけど、何故かキラキラ輝いているんだよなー。生きて、動いて、遊んでるんだよなー。ということで、今週はあえて完成度よりも本当に唄が聞こえてきそうなポエムを選んだ。大賞はさぞかしノリノリの曲なんだろーな。馬鹿賞、言葉は少ないが「!!」が全てを語って俺も涙。    



*********宇宙人*********

 うーむ。今回の応募作品を見て、意外にも「私は宇宙人だったのです」と思っている人が多いのがわかったぞ。実は地球は宇宙人だらけだったのだな。まぁ考えてみりゃ、東京に始めて出てきた時は、コマ劇場あたりの雑踏にポツネンと立ってみて「あーみんな都会人なんだべや、おらさごと田舎者ぁ、みんな笑い者にしよる!!」とびびっても、ひとりひとり胸ぐらつかまえてよくよく聞いてみりゃ、代々の東京生まれなんてそんなに多くはなくて、たまにいる「七代前から江戸っ子よ」なんて奴は逆に下町っぽくて別に洗練された都会人とは違うので、つまるところみいいんな田舎者だったんだべやー! なあんの緊張したオラが馬鹿だったっぺやー! ということに似ているのかもしれんなあ。ライター伊東よ、今度町に出て一緒に大声で叫ぼう! 「みんな宇宙人かぁ!!」と。



*****「蛙」********

確かにビックリするよなあ。だってまわりにいる小魚連中だって、おたまじゃくしがすいすい泳いでいるの見りゃ、自分達の仲間だと思うよなあ。友達だと思って一学期は遊んでいて、夏休みが終わって登校してみたらそいつらがみんなアフロ頭の黒人になっていたようなもんだもんなー。って、そりゃ新橋アフロ同盟じゃ!! ってな「すこやかフェスタ2001」の宣伝はともかく、おたまじゃくしから蛙っていうのはすごい変化だよなー。まぁ芋虫から蝶、っていうのもすごいけどね。馬鹿賞、擬音だけですべてがわかる。子供の頃は家のまわりが田んぼばかりだったので、実際よく蛙はペシャンコになっていた。つまり目玉の数珠のような卵から魚のような物になり、さらに蛙になって、最後は平面のニ次元の世界へ。ああっ、なんて忙しい人生なんだ。いやっ、蛙生なんだ。

(フロムA)


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