悪の指令その9結果報告

 

反戦アンチダイエット作戦結果報告

 
 
それでは、実行者からの報告でーす


今回の指令を受け、「なんともコリャ楽しい、幸せな作戦なんでしょ」と思いました。好きなものをたらふく食べれるなんて、こんなことでもない限りできないもんねー。と心の中でつぶやきながら私の大好きな『ホワイトチョコレート』をとりあえず4枚かって早速実践。「まあ足りなければ後で買ってくればいいし・・・」
一袋目を開け20秒後食べ終えると「うげっ、きもちわるい」・・・あえなく失敗。
 チョコレートがいけなかったんだ、でもここで負けちゃいられないと思い、次の日から「たいやき」、「大福」、「ようかん」、「菓子パン」、「串団子」、「マシュマロ」、「クッキー」など甘い物攻めで頑張ろうとしたけれど、いずれも一日一種類二袋で「うげげっ、きもちわるい」・・・またもや連日失敗。
本気で一日中食べれそうなものを見つけなくては、レポートが書けない、やばいぞ。
しかし、もう3月の末、時間切れだ。頑張ったけど失敗に終わりました。

毎日甘いものを挑戦し続けてきていたし、指令からも開放されたので、むしょうに「キムチ」が食べたくて、
 朝からキムチ、お供にごはん、
 おやつもキムチ、辛いのさいこー、
 お昼もキムチ、お供にごはん、
 小腹がすいた、キムチだキムチ、
 夜までキムチ、お供にごはん
と、甘いものを毎日(少量だが)食べ続けていた反動がきてしまったらしく、その日は一日中キムチとごはんを食べ続けました。その結果、『直径12cm、高さ7cmの容器に入ったキムチを一日(約12時間)で2パック半、ご飯二合半食べました』
いやでも待てよ、この指令は『アンチダイエット』キムチばっかり食べてたらただのダイエットじゃないかー。

後でこっそり体重計にのってみたところ、半月で体重5キロは増えていた。(めめ)

(寸評)結果は失敗でも、いろんなものにチャレンジしたのが素晴らしい。というか、結局キムチで5キロ・・・成功(?)してるじゃん!
 ということで、15ポイントさしあげまーす。

今回の悪の指令、どうせ量はたいして食べられないだろうから、一食ヨーグルトだけ大量に食べ、お腹を下したというオチにしようと思っていました。しかし今日起きた時にはもう昼過ぎ。テーブルには母が用意した餃子と、キャベツや赤ピーマンの千切り、切り分けられたグレープフルーツ、リンゴがありました。それらを食べ、さらにプリンまで姉と半分こにしてしまえば、路線変更は避けられません。平日にやって会社で腹を下したくはないのです。
というわけで、晩ご飯に好物のお寿司を食べることにしました。
姉と2人で回転寿司「なごやか亭」へ。姉は3日前に30になりましたが、回転寿司は生まれて初めてです。実は裏テーマとして、姉の初体験も交えたレポートにしようと考えたのですが、それほど感激もせず、遠慮したのか、それともあまり好きではないせいか巻き寿司ばかりを淡々と食べていました。
私の方は、いつも通りに食べていたのではつまらないので、1つだけルールを決めました。それは「マグロを10皿食べる」。それなのに流れてくるのは違う物ばかり。逸る心を押さえきれない私は、あろうことか間違えてサーモンを取ってしまいました。
仕方なくサーモンを食べながら、内心は冷汗をかいていました。普段ならば10皿ぐらいで満腹なのに、これから新たに10皿マグロを食べなければなりません。
やっと流れてきたマグロを一皿、それを食べながらもう一皿取りました。何度もマグロばかり注文するのは恥ずかしいので、できるだけ流れてくるのを取ろうという作戦です。カウンター席の隣の人が、キープしたマグロ2皿をちらっと見た気がしました。
それからはマグロが来ては取って食べるの繰り返しです。4皿目くらいでまた隣の人が、重なった青1色の皿とマグロの寿司を見ました。
隣の人もそのうち入れ替わり、ちょっぴりほっとしつつ食べ続けていたのですが、(もし後の方でマグロを食べたがってる人がいたら、ここで全部取ったらまずいな…)と思い、少しセーブしました。それが災いしたのか、8皿目の後、全然流れて来ません。時間が経つにつれ胃は満腹を訴え始めています。私は勇気を出して「すいませーん、マグロ2つください」と頼みました。
頼んだら流れ出したのを少しうらめしく思いながら、私は4カンのマグロを受け取り、義務感から口へ運び続けました。 それを食べ終えてようやくマグロから解放されました。
その後もせっかくだからとボタンエビを姉と1カンずつ食べ、回転寿司の醍醐味としてケーキといちご味のチープなデザートを食べてお会計。結局2人で25皿、消費税込で3,990円食べました。
6時間経った今でもお腹は苦しいです。(うろたえ太郎)

(寸評)どーせなら、回転寿司でも職人さんに注文出来るところがあるので、「マグロひと皿お願いします」「マグロひと皿お願いします」「マグロひと皿お願いします」「マグロひと皿お願いします」「マグロひと皿お願いします」「マグロひと皿お願いします」「マグロひと皿お願いします」「マグロひと皿お願いします」「マグロひと皿お願いします」「マグロひと皿お願いします」と10回言ったら、さすがの職人さんも驚いたろーな。 
 ということで、12ポイントさしあげまーす。

こんばんは。どこまでできるか挑戦してみました。
まず、昼食に回転寿司。今までの最高記録の10枚をどこまで越えられるか。今日はデザートも食べるぞー…。
結果は12皿とデザートとパフェ。
うーん、普通かな。

そして、別の店で、またまたパフェを注文しました。

そして帰宅。そこで終了かと思いきや、おやつとして私の分の焼きそばが山盛り1皿、どーんと置いてありました。
ひえ~。
必死に食べ終わったあとは、間髪入れずに夕食でした。
メニューはカレイの唐揚その他。がんばって超満腹のお腹に放り込んでいったのでした。

おかげで今日1日、食べっぱなしでした。
ほかの人はどうでしょう?もっとすごいのかな。
以上、ちもでした。

(寸評)寿司屋で「デザートとパフェ」をたのんでるのがおかしいね。パフェ以外にも別のデザートも取ったんだね。でもよく読むと、結構食ったねー。
 ということで、12ポイントさしあげまーす。

肉!ニク!食べました。
超お高級焼肉やさんで暴飲暴食してきました!(おごりで)
★コプチャン(小腸)×6皿★タン塩×3皿★サーロイン×2皿★レバ刺し★ユッケ★白飯×2皿★生ビール×2ハイ★焼酎×3ハイ
いつもは七輪のホルモン焼やさんにしかいけないので、自分のお財布では注文できないものばかりを食べました。
おかげで胃の調子が悪くなりさらに二日酔いにもなり。
月曜日から会社休みましたっーーー (海老汁)
PS 画像はコプチャン

(寸評)どーやら海老汁さんは女性のようなので、これは食って飲んで、なおかつ奢りですか。奢りはいいよね~ん。俺も昔は結構奢られたりもしたけど、最近はあまりないのが悲しいのよね~ん。
 ということで、12ポイントさしあげまーす。

私は、地球最後だと思い、なるべく多くのものを食べ、その物に感謝をこめて食べることにした。
朝は、親戚の人からもらった梅干しでお茶漬けを食べることにした。ご飯一杯で梅干し一個を食べるので精一杯の、かなり酸っぱい梅干しだった。
しかし、梅干しをくれた親戚の人に悪いと思い、ご飯一杯で梅干しを2個食べる。さらに飲み物なしで梅干しを一個食べる。
昼前に、コンビニエンスストアーに行って、チンジュナイチャ(ブラックタピオカが入っているミルクティー)を買う。たいてい、タピオカを太いストローで吸い上げるのが下手で、ミルクティーを飲み干したあと、タピオカが容器の底に残ってしまう。タピオカとミルクティーの割合を決めた開発者の人を思って、時間をかけてタピオカとミルクティーを最後にどちらも残らないように絶妙な割合で吸いあげる。

昼は、チャーハン。チャーハンを作ってくれた母と、和洋折衷の日本に生まれたことを誇りに思いながら食べる。

おやつは、抹茶ミルクソフトキャンディーを5連発で食べる。甘いっ。おいしい。幸せ~っ「キャンディ・キャンディ」に感謝する。
ソーダガムを食べる。シュワ~と、口の中は、ソーダの泡でいっぱい。ガム2個を根性で噛む。噛んだガムで巨大風船を作る。長い風船で動物を作るピエロを尊敬。

夜は、野菜などの炒め物、焼きトマト、唐揚げなど。カボチャの炒め物は、食品加工の人たちと、シンデレラの魔女に感謝。エリンギィは、せっせと働いてキノコを作ってくれた菌類たちに感謝。唐揚げは、鶏はもちろん、とてもつらいと思われる、鶏を抹殺する仕事をしている人に感謝。コシヒカリの葉緑体に感謝。(アイガモ農法なら、アイガモにも。)

風呂上がりに、牛乳を一気に飲み、アイスクリームを一つ。やはりアイスもおいしい。牛に感謝。(牛の食べる牧草のpHを管理している人がいたら、その人たちにも感謝。)  
胃が弱いから、これでもよく朝から食べたと思う。食べ過ぎたら、おなか壊して食べられなくなるので。  (はんど)

(寸評)えーと、これって俺の普段の食事量とあまり変わらない気が・・・。でも、貴方にとっては、もの凄く食べたんだろうね。感謝の気持ちがいいね。
 ということで、10ポイントさしあげまーす。

3月某日、「アンチダイエット作戦」を実行してまいりました。
今回は総司令官石川氏の連載「ぶらりしりとり商店街」にヒントを得、「しりとり喰い倒れ作戦」として行いました。食べ物の名前(商品名)でしりとりをしていくというわけです。
作戦実行場所は自宅周辺と、オタクのメッカ秋葉原。この日は雨でしたがパソコンのパーツを買う用事があったので、喰い倒れつつパーツ屋めぐり、という形となりまし
た。
しりとりなので「ラーメン」や「肉まん」はだめです。それ以外でどんな食べ物を選ぶか、以下食べた順に詳細を報告します。

1.グリコ
キャラメルです。自宅で出かけ間際に1粒食べました。集めていた「タイムスリップグリコ第2弾」のキャラメルが残っていたため、普段から少しずつ消化しているものです。賞味期限は今年の6月。まだだいぶ残っています。

2.コーンスープ
近所のコンビニエンスストアに寄り、「コ」もしくはキャラメルの「ル」のつくものを探しました。「ル」は結構難しいので「コ」に重点を置くと「コアラのマーチ」と「コーンポタージュスナック」、そしてホットドリンクコーナーには「コーンスープ」が。スナック菓子は食べ終わるまで時間がかかるので、また私は大のコーンスープ好きなのでコーンスープを選ぶことに。

3.プチムースケーキいちご
イトーヨーカドーに入ると「タイムスリップグリコ第3弾」が。関東地方では発売されたばかりらしく、迷わず購入。またキャラメルが増える・・。そして「プ」のつくものを探すと、何とも美味しそうなブルボンの「プチムースケーキいちご」が。他にも「プチ何とか」はありましたがこれが一番食べやすそうだったので決めました。こんなのですhttp://www.bourbon.co.jp/sei/pcake.html電車の中でこれをつまみつつ秋葉原へ。。

4.ごぼう天そば
雨の秋葉原を歩きつつ「ご」の付くものを探していると一軒の立ち食いそば屋。店先にはのぼりで「ごぼう天そば」とあります。えび天やかき揚げの載ったそばは食べたことがありましたがごぼう天はまだなかったので、ちょうどお昼時ということもあり、ようやくお菓子でなくボリュームのある食事をすることになりました。

5.バーガーセット(チーズ)
さあ、「ば」の付く食べ物はあるでしょうか。バター?いや塊はキツイしパンに塗って食べるにも外だし、喫茶店にだってバターの塗れるトーストがあるかどうか・・。
バウムクーヘン。終わってしまうし。そんな時「バナナシェーク」を思い出し、もしかしたらマクドナルドにマックシェイクのバナナ味があるかもしれないと思い、入りました。
・・ありませんでした。マックシェイクはいつでもあるメニューではないのですね。
まあバリュ-セットとやらは所謂「バーガーセット」、これなら「ば」で始まるので良しとしました。バーガーの中でもチーズの挟まってるのを選びました。セットなのでコーヒーとチキンナゲットも付きます。
次第に腹もしりとりも苦しくなってきています。。

6.とん汁と牛めし
もはやどちらが主役かなんて関係ありません。「と」の付くもと言えばとん汁、「松屋」へ入りました。食券では「牛めし(松屋なので牛どんではない)並」と、「とん汁変更券」を購入。しかし出てきたのはとん汁と牛めしと、味噌汁。変更券は味噌汁(牛めし付属)をとん汁に変更するのかと思いきや、とん汁を追加するもののようです。おかげで2杯の汁物でお腹はタプタプ、松屋でこんなに牛めしを持て余したのは初めてです。なんとか時間をかけ食べ切る。

しかしもう限界が来ました。5年程前は仲間内で一番の大食漢だった私も落ちぶれたものです・・。「し」の付くものを頭の隅で考えつつ家路につきました。「辛ラーメン」(「ん」で終わらせる意味でも)が思いつきましたが、食べるのは「辛」(つら)いのでやめました。
追伸:しかし夕飯は2膳食べました。 (作戦失敗)

(寸評)食ったねー。特に4~6は、全部主食級だもんね。しかも晩飯は別に食っているみたいだし。しかし、着目すべきはやはり「しりとり」で食っているところ。こういう遊び心が大切なんだよね!
 ということで、今回最高の20ポイントさしあげまーす。

山手線立ち食いそば全制覇の旅

 さて、今回の俺の「悪の指令」は自らも反戦の為やらねばいかん、と決意。で、モノはすぐに「立ち食いそば」に決めた。何故なら俺は高校時代くらいから大の立ち食いそば党で、今でも週に5食くらいは食っているのだ。特に「天玉そば」と「コロッケそば」が好き。
 でも、ただ食べ続けるのも芸がない。そこで思いついた。
 それは・・・『山手線一周立ち食いそば全制覇』だ!
 果たしてそんな事が可能かどうか、それは俺にもわからない。まずはインターネットで、山手線の駅構内に立ち食いそば屋がある駅を検索。結果、13駅にあることが判明。もっとも多少古い資料もあるので、これが正確かどうかは現地に直接行って確かめるしかない。

 ということで、3月27日午後5時少し前、俺は新宿駅へと降り立った。立ち食いそば屋はだいたい夜9時から10時には閉まるので、4,5時間の勝負だ。
 まずは新宿駅といえば、昔からお世話になっている中央改札近く、構内交番隣の立ち食いそば屋だ。
 と、いきなり、
「ないっ! 」
 ガビビビ~ン。「改装工事中」とかになっていて、そこには板で囲いがされていて、目的の立ち食いそば屋がないのだ。
 むむっ、出鼻をいきなりガツンとくじかれた。
 でもふと南口のコンコースの方にも数年前に立ち食いそば屋が出来ていた事を思い出し、行ってみる。と、あった。16時50分「味彩」にて、ざるそば370円也。ほっ。
 しかしここでひとつおーきな疑問が。ざるそばは370円だが、かけそばは240円なのだ。その差130円! 同じ「具なしそば」として、なんでこんなに値段に開きがあるのだ? 
 確かに水で冷やさねばならぬというひと手間は増えるが、それが130円にもなるか?
 しかもよく見てみると、コロッケそばは330円、かき揚げそばは340円で、その立派な「具入り」よりも、ざるそばは高いのだ。何故? 何故ニャノ? これを読んでいる立ち食いそば屋業界の方がいましたら、是非解答をお願いしま~す。
 さて、そんなことまともにウンウンと腕組みして考え始めたら、立ち食いそば屋全部閉まっちゃうので、そこから外回りの電車に飛び乗る。

 かつては高田馬場にも、西武線との連絡口あたりに立ち食いそば屋があり、よく利用したものだが、現在はそこはなくなり、新たにコンコースには洒落たコーヒーショップや理容室、コンビニエンスストアーなどが出来ている。これも時代の趨勢か。

 ということで、次は池袋。17時10分「そば処」にて、今度はかけそば280円。
 どんどん行こう。17時30分日暮里「あじさい」かけそば240円。ここも割とよく食う店。というのは、海外旅行から帰って来た時、何よりも俺は立ち食いそばが食べたくなるのだが、成田から京成線に乗ってくると、一番はじめに食べられるのがこの日暮里なのだ。
 おばちゃんは「かけそば」を頼む人間には人情(同情?)をみせてくれ、ネギすっげえ山盛り。これじゃネギそばだ。
 さて、ここらでお腹はほぼ満腹に。
「えっ、たった3杯で?」
 と思われるかもしれないが、それにはふたつの理由がある。
 まずひとつは、俺が太っていることから「大食い」というイメージを持つ人が多いと思うが、それは間違い。小食ではないが、飯の量はごく平均的。例えば定食屋などに行っても「大盛り」をたのむことはまずない。また、仕事が不規則なせいで、1日2食の事も多い。
「じゃ、なんなんだ、その腹はよっ! えっ!?」
 という人にはこう答えよう。
1・不規則で、いーかげんな生活
2・若い頃のビール漬け
3・運動全くしないもーん
4・油もの投入
5・砂糖もの投入
 はい、これで「大食い」しなくてもデブのいっちょあがりっ!! へいっ、お待ちっ!!
 もうひとつの満腹の理由は、間があく事。つまり、わんこそばのように次々と間断なく食えば「満腹中枢」が指令を出す隙を与えないので沢山食えるが、この企画では、駅を移動したり、その駅で立ち食いそば屋を探すのに時間がかかる為、その間に満腹中枢が「はい、食事終わりね」と指令を出してしまうのだ。
 でも俺も男。3杯で終了では、男の沽券にかかわる。ま、負けるもんか~。

 上野。コンコースに「あじさい」見つけるが、さっきと同じチェーン店では面白くない。広い構内を探しまわって、17時50分「喜多」にて月見そば300円。さすがにそばオンリーの味に飽きたので、ちょっと卵で味を変えてみる。ちなみにここのかけそばは250円。
 しかしこの駅はちょっと見ないうちに、構内に一大ショッピングモールが出来ていて、びっくり。ここらで一息つこう。「BECK`S」でアイスコーヒーで休憩。
 ちなみにアイスコーヒーをたのんだら、レジのウエイトレスさんに、
「189円になります。サンキュー!」
 と元気に言われた。
 いや・・・俺もインストアライブの時とか、CD買ってくれた人に「サンキュー」とかちょっとおどけ気味に言うことはあるけどさ。なんか、普通のコーヒーショップで言われると、ドキッとするね。

 さて、ここらあたりはほとんどの駅に立ち食いそば屋がある。オフィス街ということか。
 18時55分御徒町「あじさい」ざるそば290円。
 もうほとんど味なんて、わからなくなってる。
 19時10分秋葉原「田毎」ざるそば320円。
 と、やけにそばの量が多い気がする。別に大盛りをたのんだわけではないのだが。
 すると、おばちゃんがニコニコしながら俺にこう言った。
「冷やしもの、今日これで終わりなんで、おまけで全部入れちゃった。食べて、食べて!」
 イヤアァァァァァァァ!!
 いつもなら嬉しいが、今日だけはイヤアァァァァァ!!
 でもおばちゃんのせっかくの好意を無にすることは俺には出来ない。
「あっ、ありがとうございま・す・・・」
 そういって、顔で笑って心で泣いて、激大盛りざるそばをひーひー言いながら平らげる。

 神田。ここは北口に「あじさい」南口に「田毎」と、どちらもチェーン店だが、「あじさい」の方がより山手線を駆逐しているので、19時30分「田毎」でかけそば250円。ちなみに前の駅も同じ「田毎」だったが、神田店には、冷やしそば類は最初からなかった。
 そもそも、ちょっと前までは山手線といえども、ひと駅ごとに違う立ち食いそば屋だった気がするが、なんかチェーン店化がどんどん進んでる。チェーン店は、大きなハズレはないが、面白みにかける。味に差がないのも、つまらない。「ここはうまい!」「ここは激マズ!」がないのだ。
 まぁ、立ち食いそば業界に限らず、どこの業界も大手が占拠し、個人経営の店が少なくなっていくのは、時代の流れとはいえ、いろんな意味で淋しいことだ・・・。
 このあたりで、相当体がフラフラになってきた。逆方向のホームに間違ってボーッと突っ立っていて、
「あっ、違う!」
 と数分してから気づいたりした。

 ここで俺に突如、携帯電話が鳴った。おかしい・・・俺は携帯電話を持っていないはずなのに・・・。
「はい。石川ですが・・・」
「もしもし、こちらハラです」
「えっ、巨人軍の原さんですか? 僕、東海大相模の頃から見てましたよっ!」
「違うっ!! なんで巨人の原から電話がかかってくるんじゃい、ボケ! おのれの体の中の腹じゃい!」
「あぁ、腹か・・・」
「えー、もうあかん。そばの投入を拒否します。オーケー?」
「・・・答えはノーだ。俺は・・・こんなところで終わる・・・男・・・じゃ・・・ない・・・」
「バーカ」
「えっ?」
「バーカって言ってんだよっ!」
「な、何がバカだ。おめーなんて、俺の体の中の一部だろっ、おとなしく脳に司られてりゃいいんだよっ!」
「おめー、いくつだ?」
「あぁん?」
「年はいくつだ、って聞いてるんだよ!」
「・・・41だよ。知ってるだろ、おめーだって」
「こーゆー馬鹿なことはな、10代20代にやることなんだよっ! 30代でもすでにおかしいわっ!」
「そっ、それは・・・」
「おめーの学生時代の同級生には、もう子供が成人間近、ってえのもいるだろ」
「あぁ・・・」
「ってことは、早ければ孫がいたって不思議じゃねーんだよ。つまり、おめーはジジイだっ!」
「・・・ジッ、ジジイは言い過ぎだろうっ!」
「とにかくな、そんなジジイ一歩手前の人間が、こんなことやりながら、山手線くるっくるまわってるんじゃねーよ!」
「うっ・・・」
 二の句が告げられんわい・・・。

 東京。到着したが立ち食いそば屋を探す前に、体が動かない。ベンチでしばらく休んだが、腹の満腹感はおさまらない。くそぉ、腹の奴もなかなか手強い抵抗だな・・・。そこで、
「酒を飲んだら、かえって食欲が増すのではないか」
 と思いつき、地下のバーでギネスビールを飲んだ。1時間後、ようやく少しお腹に入れられそうになったので、構内を探すが、洒落たレストランは増えたものの、肝心の立ち食いそば屋がなかなか見つからない。
 そしてやっと「あずま」という店を見つけた時、ちょうど21時、閉店になってしまった。
「こりゃあ、まずい!」
 と思い、東京駅は諦め、次に急いで進むことに。

 田町。ところがここもインターネットでは「改札付近にあり」と書かれていたものの、そのあたりは「改装中」で立ち食いそば屋、見つからず。
 なんかこの頃は、立ち食いそば屋あっても悲しく、ないのも淋しい、微妙な気分。

 品川。山手線のホームからちょうど降りたところに立ち食いそば屋発見。21時20分「常盤軒」かけそば270円。何故か狭い店内は立錐の余地もないほどギュウギュウニヒル牛。
 しかしここで、自分の体に異変を発見。体が斜めに傾いでいるのだ。どうも俺は昔から、疲れきったり、精神的にまいった時に、自然に体が斜めに傾ぐ癖があるようだ。変な格好でただただそばを胃袋に流し込む。

 目黒。インターネットでは「ホームにあり」と書かれていたが、真新しいコンビニエンスストアーに変わったようだ。諦めて次の電車に。
 恵比寿。ここはパイオニアに「たま」が所属していた頃、よく食ったんだよなー、と思って階上のコンコースに。すると立ち食いそば屋が消え、さぬきうどんの専門店に。そばはない。

 もう時間がない。そして事前の調べで最後の立ち食いそば屋存在駅である渋谷だ。ここをクリアすれば、一応「山手線一周立ち食いそばの旅」完遂だ。
 と、あった!
 21時50分、閉店ギリギリの「あじさい」に涙を浮かべながら頭から飛び込む。
 最後は意地をみせて、
「『かき揚げ天麩羅そば』いっちょう!」
 (ま、本当は自動販売機で券を買うので、そんな言葉は発しないのだが・・・)340円。意識は朦朧となり、体はさきほどよりももっと鋭い角度で斜めに傾ぎ、もはや店員さんもちょっと不審気。
 そりゃそーだよなー、体斜めになりながらそば食ってる奴って、いないからなー。
 結局、13駅のうちなくなっていた(もしくはリニューアル中)店3軒、時間が間に合わなかった店1軒を差し引き、9軒で「山手線一周立ち食いそばの旅」は終了。

 ということで、そば屋を出た途端にへたり込み、尚かつ帰宅する為に電車に乗ったものの立っていられず、次の原宿で緊急下車、ホームのベンチに座って、5分ごとに来る電車をうつろな目でみつめながら小一時間いたことを報告しよう・・・。なので、もしもそんな俺を電車から見つけて、
「たまのランニングの人も、今じゃ駅のベンチで日がな一日過ごす人生か・・・」
 と思った人よ。それは違うぞっ! ・・・ちょっとだ・け・な。



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