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五月五日 午後の日
五月三十一日 イッツ・ミーの日
「わしの盆栽倒したの誰じゃあぁぁぁっ!!」
イッツ・ミー それは私です。
「猫が食べられてる!こんな酷い事したのは……」
イッツ・ミー それは私です。
「キャーッ、すっ裸で電車に乗っているあなたは」
イッツ・ミー それは私です。
「ガイシャを殺ったのは……」
イッツ・ミー それは私です。
そして私は死刑台の十三階段を上っていく。
私が決めたその言葉しか喋ってはいけない記念日なのだからしょうがない。世界のすべては私の脳の中である。私がなくなればこの世界もすべて消滅するのと同義だ。
惜しむらくはそんな記念日を作った事を世間に知らせるのをすっかり失念していた事だ。しかしそんなことはもう、どうでもいい。
「最後に聞く。こんなくだらない小説を書いたのは一体誰なんだっ!」
イッツ・ミー。それは、私、です……。
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ー了ー