五月二十日 ゴニジュウの日



   ゴニジュウとはそのまま数字に置き換えて5×2=10という、言わば九九のひとつである。
 しかし諸君、よく考えてみたまへ。九九は何故九九なのだ? 
 九九は1×1=1からはじまって81個の計算式から成り立っているが何故一一(いんいち)ではないのか?
 ひゃっひゃっひゃっ。
 一番最初の計算式をそのままその計算式の代表名とするならわかるが、何故一番最後の九九を「九九」と言われる計算式の名前にしたのか。
 確かに「九九」の中で九九は大トリかもしれない。
 紅白歌合戦でいうところの北島三郎かもしれない。
 しかし大物ならではむしろ一歩引いて余裕のあるところをみせ、
「私の名前を冠することはないから。もっと未来のある若い者の名前を冠としなさい」
 といって出てきた案が「九九界」の中堅どころである5×2=10である。

 1の段ははっきりいって覚えるだけ無駄の馬鹿丸出しだし、2の段3の段もまだ力足らずという感じは否めない。
 4の段は日本では縁起の悪い数字なので敬遠。
 ひゃっひゃっひゃっ。
 と、やはり中堅でもある5の段あたりが妥当ということには誰しも異論があるまい。
 そして5の段で記念日の名前にするに値するのは、実は5×1=5(5月15日)と5×2=10(ゴニジュウ=本日)しかないのだ。その上の数となると、もう暦とは合わなくなってしまうからだ。5×3=15では5月315日になってしまうからな。五月がそんなにあったら梅雨でいっちょ皆を困らせてやろうと思っている六月が我慢しきれずに五月の間に強引に割って入ってきて、カレンダー業界の社長がわけがわからなくなり、壁に頭をゴブゴブ打ちつけるわい。ゴブゴブ。ゴブゴブ。
 ひゃっひゃっひゃっ。
 ただ実は5×1=5(五月十五日)の方が綺麗ではあるので数学界でもかなりもめたのは事実だが、やはり「お馬鹿な1の段の逆目」ということで却下になり、結局喧々囂々の議論の末、ゴニジュウが晴れて「九九の日」として選定されたのである。
 ひゃっひゃっひゃっ。
 なのでひゃっひゃっひゃっ今日をひゃっひゃっひゃっゴニジュウの日とひゃっひゃっひゃっ決めてひゃっひゃっひゃっ。ひゃっひゃっひゃっ。ひゃっひゃっひゃっ。

 ・・・おい、誰か早く救急車呼ばんかっ!!


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