五月十五日 五時裕吾の日
もしかしたらあなたは見逃しているかもしれないが、この日の早朝五時、あなたの枕元にボーッと裕吾が立ってあなたを見下ろしてニヤニヤしているのを知っているだろうか?
といっても畏れることは何もない。
別に裕吾は幽霊でも何でもなく、ただ窓ガラスを小石で静かに叩き割って不法侵入してきただけの、ごくごくありふれたどこの町にでもひとりやふたりはいるそこらの裕吾なのだから。
もし気づいた人がいたとして警察に連絡しても仕方がない。
何故なら電話をしたところで、
「あぁ~、裕吾君でしょ? 今日は『五時裕吾の日』だからしょうがないんですよね~」
とあくびまじりに言われるだけだからだ。
とにかく裕吾はただニヤニヤして貴方の顔をじっくりと舐め回すように観賞した後、ちょっと何事かメモをささっと取ってしばらくしたら玄関から普通に出て行くだけなので、要は気にしないことである。
ちなみに同じ「ゆうご」でも裕吾以外の勇吾とか優吾、ましてはU5などは当てはまらない便乗犯なので、すぐにバット等で殴り殺すように。
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