五月十二日 強引に!の日
人間、時には強引にいくことも必要な時がある。
一般に日本人は何事においても控え目で、それが美徳とされているところもあるけれど、それだけではこれからの国際社会で生きていくのはかなり至難の業だ。
なので国際人としての訓練の意味もこめて設立したのがこの「強引に!」の日だ。
何事も強引にすると嫌われる、と思っている人も多いかもしれないが、この世の中サドとマゾの割合というものは実はほとんど同じなのだ。
ということは「嫌よ嫌よも好きのうち」とはちょっと違うが、何か強引にされてみんな嫌がる風を見せていても、本当に嫌がっているのはそのうちの半分の人だけ、ということなのだ。
あとのマゾ体質の人は口ではそう言いながら、
「なんでもっと強引にしてくれないのよ~」
と逆にジクジジクジと忸怩たる不満を持っているぐらいなのが本音のところだ。
とにかく年に一度ぐらい度胸を決めて強引に物事を進める事は決して悪いことではない。
今まで照れてアタック出来なかった彼氏、彼女に強引に告白するなんざぁ序の口で、八百屋に行っても強引に、
「ちょっと~、この白菜しなびちゃってるじゃないの~、半額、半額!」
お菓子屋に行って濡れ煎餅を買っても強引に、
「ちょっと~、この濡れ煎餅しなびちゃってるじゃないの~、半額、半額!」
そして風俗店に行っても強引に、
「ちょっと~、このオッパイしなびちゃってるじゃないの~、半額、半額!」
と攻めよう。進軍ラッパを鳴らしながら。トテチテター。
進め進め!! 強引に!
ただ、強引にと言っても背の低い人が「強引に!」を合言葉に背を伸ばすつもりで、
「まずは己の首から伸ばそう!」
などと先走って何か巨木に荒縄とかをくくりつけて伸ばそうとして、実際首は伸びたものの命の伸びもそこで完全にストップしてしまうケースなども時々あるので、ちょっとは考えてな。
頼むぞ。
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